日別アーカイブ: 2014年6月5日

リニア新幹線整備の理由(名古屋-大阪間:国土計画編)

リニア新幹線の東京-名古屋間については,経済効果はともかく,国土計画が40年前からずいぶん変化した現在においても,国土整備上の重要な理由が存在していることについては説明したとおりである.短期なら北陸新幹線経由で東西間を結べば数ヶ月程度なら我慢できる範囲だろう.しかし,年単位で不通の可能性があるなら,それでは具合が悪い.公式には数年単位の不通は無いことになっているが,不安な箇所が存在することは説明した通りである.
じゃぁ,名古屋-大阪間を現行計画のまま整備する理由は…?
んんんんんんんん……………………思いつかない.
確かに,中央新幹線の基本計画は奈良を経過地として指定してある.ただし,これは背景の政策が40年前の新全総であり,走行する乗り物として想定していたのは250km/h運転の団子っ鼻新幹線であった.びゅわーんびゅわーん走る,である.
残念ながら,その後の国土計画は「国土の均衡ある発展を目指した開発」の看板を下ろしてしまっている.最新の国土整備の方向性としては「国家のリスクマネジメント」であるとか「リニアを幹にして新幹線を支線に」であるとかという方針が出始めている.
そういった新しい国土整備の方向性の中で,リニア新幹線の名古屋から西はどこを走るべきか,というのは…議論されたことが…無い.「国家のリスクマネジメント」という観点だと,名古屋から西の区間についても大地震の影響を受けにくい経路を選ぶべきだという議論はあってもいいかもしれない.しかし,そうすると問題になってくるのは濃尾平野をリニア新幹線が通過することそのものだったり,果たして奈良盆地は大丈夫かとか,終点の大阪(新大阪駅?)はそもそも大丈夫かとか,そういう議論をしても良かったのだろうが,名古屋の西側については,議論はスルーで,「基本計画に書いてあるから」で終わっている.それでいいのか?
ほとんど議論に上らなかったが,首都機能の分散・移転と名古屋から西側のリニアの経路の関係はどうなんだ? これもかなり重要な議論なはずだが,基本計画に書いていることだけが理由でスルー…この国の国土計画や幹線鉄道計画は大丈夫か?
国土強靱化の基本計画が策定され,その中には計画のPDCAサイクルの実施が示されているが,日本の幹線鉄道計画はこのサイクルが欠如している.アカンやろ.
#東京オリンピックが決まるまでは,震災後と言うこともあって多少は首都機能に関する議論があった....がしかし,オリンピックが決まるとどこへやら.大災害はオリンピックがあるからといって待ってくれるわけではない.のど元過ぎるとすぐに忘れるという,日本人の悪いクセ.