リニア新幹線の開業日(京都の主張は間に合うか編)

さて,リニアの名古屋-大阪間の経路に関しては,京都(府と市)が「ちょっと待った」と言っているが,けっこう時間的にタイトだというお話し.今回はその中味の是非ではなくて,単純にスケジュールのお話し.
大阪までの全線開業に関するスケジュールの話は,ちょっと前に書いたが,単純に大阪まで工事をするにも,全線同時開業を目指すとなると,そんなに余裕は無いように見える.さらにルート変更の話が入ると,中味はともかく,そもそも時間的に間に合うのか検討してみる.

  • まず,2027年に名古屋まで開通した後,2045年に大阪まで延伸すれば良いというスケジュールなら,8年くらいは余裕がありそうである.
年次 東京-名古屋 名古屋以西見直し
2010 整備計画審議
2011
2012 環境影響評価
2013
2014 着工 (8年の余裕)
2022 (工期13年) 基本計画見直し
2025 整備計画見直し
2027 開業
2028 環境影響評価
2031 着工
(工期13年以上)
2045 開業
  • ところが,同時開業を目指し始めると,急速に厳しくなる.まずは,名古屋開業の4年後に全線開業を目指す場合はこんな感じか?
年次 東京-名古屋 名古屋以西見直し
2010 整備計画審議
2011
2012 環境影響評価
2013
2014 着工
2015 (当初計画の差し止め)
2016 基本計画見直し
2017
2018 整備計画見直し
2019
2020 (工期13年) 環境影響評価
2021
2022 着工
2027 開業 (工期10年)
2031 開業
  •  さらに,ほんとに2027年同時開業を目指すと,こういう感じか?
年次 東京-名古屋 名古屋以西見直し
2010 整備計画審議
2011
2012 環境影響評価
2013
2014 着工  (当初計画の差し止め)
2015 基本計画見直し
2016
2017 整備計画見直し
2018
2019 環境影響評価
2020 (工期13年)
2021 着工
2022
(突貫工事6年)
2026
2027 開業 開業
  •  もはや,通常の工期ではかなり厳しい状況かも.鈴鹿山系のトンネルを6年程度で貫通させて,その他の工事も速やかに実施できるなら実現可能.基本計画見直し,整備計画見直し,環境影響評価にそれぞれ2年程度かかるとすると(つまり,「揉めない」という前提),既に現時点でスケジュールがかなりタイトかも.