リニア新幹線整備の理由(昔の主張-環境編)

  • リニア新幹線整備の昔の主張の5つ目は,「エネルギー環境問題への対応」である.つまり,乗用車や航空機に頼るよりは鉄道の方が良い,という主張であった.

しかし,リニアは乗用車や航空機よりはマシだが,鉄輪式の新幹線よりもエネルギー効率が劣るのが実情であり,リニア新幹線計画が実際に建設されようかという昨今でも,環境保護団体等から突っ込みを入れられている.
ということで,あまり積極的な理由では無かったが,これについても,「確かにリニア単体ではエネルギー効率はさほど良くないが,鉄道ネットワーク全体を強化するものであり,自家用車や航空から鉄道ネットワークへのシフトが起こりやすくなることで,全体としてはエコ」などと主張しても良かった.だが,そういった視点で調査が行われた形跡も無ければ主張が行われたという話も聞いたことが無い.多分に自線沿線にしか目が行っていないことの表れであろうか.「幹線の中の幹線」ならば,もっと広い視野があっても良いのだが,実際はそうでも無いようである.
リニアに関するエネルギー効率に関する批判についても,東京-大阪間のエネルギー効率に関するものばかりで,リニア導入による対航空機の競争力強化によって,モードがシフトすることで都市間交通全体としてのエネルギー効率向上,という点についてはほとんど考えが及んでいない.