保安装置の重要性を垣間見た瞬間

自動運転を除くと鉄道でもっとも厳格な保安装置を導入しているのは,ご存じのように新幹線であり,新幹線が走り始めた初期では少々トラブルがあったものの,最近についてはあまりトラブルは聞いたことがない.

じゃぁ,鉄道でもっとも簡易なのはというと,路面電車であり(厳密には鉄道ではなくて軌道だけど),終点の駅(電停)付近に多少の信号が導入されていることはあるものの原則は交通信号機に従っての目視運転である.ATCのような危険を察知して自動ブレーキをかける機能というようなものはない.

さて,とある大きな駅前の始発電停で見た光景.A行きの電車とB行きの電車がホームの両側で出発を待っている.

A行き電車が動き始め,渡り線を渡って本線に出ようとしていた時,同時にB行き電車も動き出して真っ直ぐに本線に出ようとした..

そのまま進むと,A行き電車の左側面にB行き電車がぶつかるところだったが,B行き電車の運転手ははっとした顔をしてブレーキをかけてすぐに停まった.通常の鉄道なら誤出発として保安装置が起動して自動的にブレーキがかかるか,安全側線に突っ込むようなパターン(の初期段階).

その後しばらくして,何事もなくB行き電車はA行き電車の後ろに続いて出発.

路面電車では良くあることなのかもしれないが,保安装置の大事さを垣間見た瞬間であった.