月別アーカイブ: 2014年9月

狭小街路にLRT

日本には街路がないという

ほんとうの街路が欲しいという

私は驚いてサンティティエンヌを見る

たてものの間に在るのは

ちっとも広くない

欧州の街によくある街路だ

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智恵子抄じゃあるまいし,LRTが導入できない理由に「街路が狭いから」などというのはもう金輪際止そうよ.ここの街路は複線にできなかったくらい狭いが,単線で通した残りの幅員についても,ちゃんと自動車のアクセスコントロールをしている.街路がないんじゃなくて,日本人には知恵が少ないのかもしれない.
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ヨーロッパの街の写真に

よく出ている広い街路が

ほんとうの街路だという

あほらしい街路の話である

LYONのバストランジットモール

LYONのバストランジットモールのデータ取りに行ったわけだが,なぜか,バスがさっぱり走っていない.カメラ構えてバス待ちしているが,来ないので立ちん坊になっていると,現地人や旅行者からいろいろ聞かれる.
「道路が通行止めになってたけど,何があるの?」「何撮るんだい?」「今晩いい泊まるところ,知らないかな」etc… 他にも人はいるのに,なぜ俺に聞く.知らんがな.
警察が交通整理をして30分ほどすると,こういう隊列がやってきた.
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乗り物が数十年前の軍用車で,米英仏の国旗.後方の楽隊の演奏曲は邦題が「錨をあげて」.どうやらドイツの占領から解放されて70周年の記念パレードのようである.
トランジットモールの使い方の一例であった.…が,肝心の調査は遅れまくり.バスが走ってれば,こんな様子.
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ゴムタイヤなのに乗り心地がイマイチ

営業運転しているトランスロールの電車(?)であるが,乗ってみると車内が他のLRTなどよりも狭く,車両自体が小さいようである.狭軌のLRVと同等程度のサイズであろうか.
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外見のデザインはなかなかいいのだが,乗り心地が何となく・・・・昔懐かしい振動.なんだったかなぁ,と思いだしてみると,百貨店の屋上遊園地の遊具の電車である.要するに,サスが効いてない感じである.
同じくゴムタイヤトラムであるTVRは乗り心地はバスに近かったが,こちらは何となく残念な感じ.ゴムタイヤなのに乗り心地がイマイチなのはなぜ?・・・元々の会社がトラックメーカーだからか?

やっぱり車イスがはまってたCLERMONT-FERRAND

ゴムタイヤトラムの特徴と課題については,ずいぶん前に書いたが,脱線事故や車庫を準備してなかった等々の理由でなかなか実際の営業運転が開始されなかったトランスロールが営業運転しているらしいということで,Clermont-Ferrandに来てみた.
トランジットモールもあるらしいということなので,訪れた.
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中央1本の案内レールで,車輪がそれを両側から斜めに挟み込む形なので,構造上,案内レールの両側には角度の浅い幅の広い溝があったため,トランジットモール実施時は足を引っかけて転ぶ人続出と予想していた.だが,そういうずっこけ姿は無かった.
よく見ると,イタリアのパドバで放置されていた軌道とは若干構造が違うようである.上のリンク中にある写真と比べると,溝が小さく,角度も急である.構造上の改良がなされたようである.
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足を突っ込んでみたが,以前のバージョンに比べて引っかかりにくくなっている.
ただ,日本でも踏切がよく問題になるように,車イスの前輪のような小さな輪っかははまりやすいようで,実際にこのトランジットモール区間で車イスが苦闘している様子が見られた.(単独ではなかったので,何とか脱出)

【祝】ブザンソンLRT開業(が,しかし)

2014年9月1日,ブザンソンLRT開業.めでたい.営業5日目,まっさらなLRT.
IMG_5977が,しかし・・・
まだいろいろと問題が解決できていないようで,SNCF駅から2号系統の終点まで行ってみようとしたら,途中で停止.車内放送のあと,一部の客が隣のバス停に移動.10分ほどして2度目の車内放送で全員降ろされた.
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理由は不明だが,このまま終点目指して帰ってこれなくなると困る.反対向きの中心街方面がやってきたので,それに飛び乗って中心街付近で降車.
以後,両方向ともなかなか電車が来なくなって,電停で皆さん困り顔の様子.まだ金取って営業できるレベルには達していない模様.
(そういえば,3年くらい前に開業後あまり間が経っていないReimsに行ったときも,途中で降ろされたっけなぁ.)
トランジットモールの様子を調べに行ったが,肝心の電車が来ないので早期退却.

鉄道後進国ニッポン(フランスのディーゼル急行も150KM/H)

ICEもTGVも提供されていない独仏の主要地方都市はケムニッツとクレルモンフェランとオルレアンのようだが,ケムニッツについては160km/h運転のディーゼル急行が走っていることを確認している.
今回はフランスのクレルモンフェランである.リヨンからは,本数は少ないがこういう列車が走っている.
IMG_59053両連節×2のボンバルディア製ディーゼルカーで,TERという地域急行である.「急行」であるが,そもそも途中は農地ばかりで,しかも小駅の多くは廃駅になってしまっているようで,都市内交通を除くと実質的には最低位の列車である.
その列車の最高速度はこんなもの.
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標準的には120-130km/hくらいで運転されている.線路も一部の短絡線等を除いて複線化されている.TGVが無くても,そこそこのサービスは提供されているわけである.
パリ方面については,機関車牽引のこういう列車が運転されており,こっちは乗車していないが,ローカルディーゼル急行よりはサービス水準が高いことは推して知るべし,というところであろうか.(表定速度で,120km/hくらいなので,新幹線こだま号レベルのサービス水準)
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新年度の風景 IN LYON

9月1日.「新年度の風景 in Lyon」である.日本だと,4月1日に相当か.
IMG_4303新入生歓迎会の待ち合わせ,ではない.駅の切符売り場.行列の整理人まで出ている.おそらく,定期券購入の列であろう.
Lyonだけかと思ったら,Clermont-Ferrandでも似たような光景だった(こっちは9/2).フランス人には有効期間前の事前発売とか,そういう知恵は無いのだろうか?
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LYONの軌道への自動車進入防止装置

フランスLyonにあるLRTも通る橋には,軌道への自動車進入防止装置が付いている.(Perrache駅の東側)
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こういう装置で,表面の舗装が無いだけでなく,タイヤがクルクルと回転して前に進まないようにローラーが付いているのが特徴である.これだと,下手に侵入を試みるとエライことになるのが見えているので,誰も入ってこないだろう.
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おまけ.瀬戸大橋にもあったレールの伸縮装置だが,この橋にも付いていた.
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羽田乗継ぎ便を試してみた

羽田空港が近年再び国際線が発着するようになったので,(大阪からパリへの直行便があるのは承知で)伊丹空港から羽田経由の乗継ぎ便を試してみた.実に久々の羽田空港利用である.十数年ぶり?
乗り継ぎ時間は十分取ってあり,休憩たっぷりかと思いきや,そうでもなかった.原因はこのバス連絡.国内線ターミナルと国際線ターミナルの間がバス連絡になっており,10分程度毎に往来してはいるものの,空港内をくねくねと走り回り,結構時間を食う.国際線ターミナル内もそこそこ歩行し,結局,概ね搭乗開始時刻にゲートに到着.
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一方,到着側のパリでは,ターミナル間にVALが走っており,そこそこ便利.
IMG_5832羽田空港の課題は,ターミナル間の迅速な移動かな?

国土強靱化-幹線鉄道網でありそうな事態

リニア新幹線が整備される理由は,東海道新幹線だけに頼っていると南海トラフの地震で東西間交通が途絶すると困るから,ということになっている.資金の制約から,とりあえず2027年までに東京-名古屋間を開業,というのは今やよく知られているお話し.
一方,その先の大阪までについては,これまた資金の問題から2045年開業予定ということになっている.
ところで,「2020年,東京オリンピックばんざーい」によってすっかり影の薄くなった南海トラフ地震であるが,その発生確率は30年内に70%だとか80%だとか言われている.オリンピック開催が決まったからと言って,発生を数年待ってくれる,なんてことはあり得ない.そういえば,2011年の東北の地震が発生するまでは,次の南海・東南海地震は2035年頃,とか良くいわれてなかったっけ?
実際の発生時期は神のみぞ知る世界であるが,もっとも危惧される事態は,ほんとに2035年頃に南海トラフ大地震が起こってしまうことである.つまり,リニアが名古屋暫定開業状態で,北陸新幹線も大阪まで達していない状態である.
リニア自体はこれから建設される構造物なので,対災害については細心の注意を以て設計され建設されるが,問題なのは東海道新幹線である.補修工事が既に現時点で開始されているとは言え,静岡県下の震度7地帯,愛知県下の震度6地帯を長距離にわたって通過するので,東からリニアで名古屋まで到達できても,その先の西に行くすべがない,という事態が生じうる.
北陸新幹線も中途半端な位置で建設が止まっていたとすると,東西間移動に北陸新幹線と在来線を乗り継がなければならなくなったりで,不便この上ない.
さらに関西とってもっと悲劇なのは,この事態でリニアの西進が大幅に遅れる可能性がある.大地震が発生して東海道新幹線が途絶した場合,誰が復旧させるかというと・・・もしかしたら鉄道会社は「国の災害復旧費用で」と考えているかもしれないが,最大200兆円の被害である.国は各種の復旧工事と支援でカネが無くなるであろう.そうすると「余力があるなら新幹線の復旧は鉄道会社の自力で・・・」という話になりかねない.その東海道新幹線の復旧費用の財源はというと,元々はリニアの関西延伸に使うはずだった資金を転用ということになるだろう.
かくして,2045年リニア全線開通は大幅延期,というシナリオが発生しないでも無い.北陸新幹線を早期全通させるか,リニアを早期全通させるかしない限り,ありそうな事態だと思うのは私だけだろうか.最悪の事態は最悪のタイミングでやってくる・・・かも.