熊本市交通局(熊本市)


(1)  熊本市の市電。上熊本駅と熊本駅付近の田崎橋から中心部を経て健軍町へとつながる。
(2)  軌道はセンターリザベーションで、基本的に車両の進入禁止である。低床式電車も導入されている。
(3)  学生によく出すクイズである。左の写真を見て、(1)中央の路面電車、(2)列をなしている自動車、(3)右端のバスの列、これらのうちで最も輸送能力が高いのはどれか?
 答えは、(1)中央の路面電車である。
 (2)自動車は1台に1〜2人なので、写真に写っている約30台でせいぜい50人である。しかも渋滞である。 (3)のバスは1台に20人として、写っている数台で100人程度であろうか。残念ながら信号待ちである。 (1)の路面電車は1台に20〜30人だろうか? 3本も来ればバスと互角。渋滞していないので、すーっと通過してゆく。
 この通り、片側4車線中、2車線が公共交通専用である。さらに広幅員の歩道がある(市役所前付近)。
(4)  この交差点、珍しいことに、左端のバス専用レーンから直接右折できる(熊本城前)。公共交通重視の施策である。
(5)  別の交差点でも左端のバス専用レーンから直接右折できる(水道町)。 右折毎に左端のバスレーンから右折レーンまで移動し、再びバスレーンまでもどうという無駄を省略することができる。 警察が公共交通に対する理解が乏しいといわれることが多いが、熊本では軌道敷への車両進入禁止の徹底やバスレーンからの右折など、地元警察の協力が随所に見られる。
(6)  繁華街の交差点(通町筋)。横断歩道が非常に広い。
(7)  熊本市電にも低床式電車が導入されている。
(8)  車輪が座席下に位置し、左右の車輪を結ぶ車軸がないので、床面が非常に低い。
(9)  電停がそのままなので完全には段差が無くなっていないが、車両との隙間、段差とも小さく、乗り降りが楽である。
(10)  これもよく学生に出すクイズである。左の繁華街(辛島町付近)の写真には何人の人が写っているだろうか? 実は、見えている人だけで約130人である。
 じゃぁ、この人たちを大型の電車、自家用車、路面電車で運んだら、それぞれ何台くらいいるだろうか? だいたいであるが、大型の電車なら1両、自家用車なら100台くらい、路面電車なら2編成である。
 公共交通が発達していないと、駐車場だらけの繁華街になってしまう。
(11)  熊本市の繁華街がにぎわいを保っているのは、公共交通重視の交通施策とは無関係ではないと考えられる。
(撮影日:2001年10月)

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