科研成果報告

2.研究の目的

本研究では,トランジットモールに的を絞り,欧州の歩行者と電車の通行実態を現地調査し,状況を分析することで,トランジットモール実現への課題や注意点などを明らかにすることで,LRT事業の推進に貢献することが本研究の目的である.
本研究は,申請者らのこれまでに訪れた海外都市のトランジットモール写真等の資料を再検証した上で,いくつかの典型例について現地調査を行う.現地調査によって,定量的なデータを得て,街路構造およびLRT運転状況と歩行者行動との関係性について安全性や歩行者の往来の利便性などについて分析する.
具体的には,①既存のトランジットモール関連資料の検証(都市内における街路の設置位置や周辺状況,あるいは街路構造と歩行者の歩行状態について整理),②トランジットモールの現地調査(街路の構造や歩行者の歩行形態などをビデオ撮影するなどして定量的に測定する),③現地調査結果データに基づく歩行者行動分析(歩行者の街路上の歩行行動,軌道の横断行動を,LRTの走行状況との関係から分析),④日本の街路へのトランジットモール導入に関する考察(日本の都市街路でトランジットモールを実施した場合にどのような状況になるのか考察),などの調査と分析を行う.