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● 2007年11月
□07/11/24号: ローヌ氷河ただいま後退中
□07/11/17号: ナニコレ?
□07/11/10号: フルカ峠トンネルもカートレイン
□07/11/03号: 氷河が見えるワケでもなければ速く走るわけでもない氷河特急のナゾ


★07/11/24号:
 ローヌ氷河ただいま後退中

 とっても長いフルカ基底トンネルができるまで、氷河特急はローヌ氷河の横を走っていた。そのローヌ氷河の写真が左である。

 今は観光バスでたどり着く。左の写真の右下に小さな人影が映っているが、氷河には横穴が掘られて、氷のトンネルをぐるっと一周できるようになっている。

 さて、このローヌ氷河、現在は右の写真のように谷の上流の方でしか氷を見ることができなくなっている。右のもう一方の写真は氷河の端から谷の下流方向を写したものであるが、かつては写真の中央やや右上、左下から右上に流れる川と左から右につづら折れになっている道が交わるあたりの集落付近まで氷河があったそうである。

 地球が温暖化したのか降雨量が減ったのか、温暖化の原因は何なのか、いろいろと議論のあるところであるが、氷河が短くなってきていることは確かなようである。

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★07/11/17号:
 ナニコレ?

 関東方面ではゴールデンタイム、関西方面では深夜番組であるが、ナニコレ珍百景という番組がある。今回は、そんな感じ。

スイスらしいすばらしい景色! よく見ると、みどりの斜面にスジが・・・
何かが来た・・・ でっ、でっ、でで、電車。。。

 これらの写真は航空写真ではなくて横方向に写した風景写真である。いや、むしろ若干ではあるが、仰ぎ気味にカメラを構えている。にもかかわらず、電車の屋根がばっちり写っているということは、電車がかなり急な斜面を真っ直ぐに登り降りしているということである。

 もしも日本なら珍百景であるが、スイスでは斜面を真っ直ぐ登る電車はどうやらあたりまえのようである。

#珍百景、ならず?

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★07/11/10号:
 フルカ峠トンネルもカートレイン

 氷河も見えなければ速いわけでもない「氷河特急」に乗って、そろそろ飽きてきたと思う頃、列車はとっても長いトンネルに差し掛かった。

 ひたすら走るが、いっこうに出口に着かない。”ひたすら”といっても、新幹線やJRの特急よりはずいぶん遅いと思うが、とにかく、いくら走っても暗がりの中である。

 そうこうしていると、列車はトンネルの中で止まってしまった。そのまま待つこと、しばし。ゴーッという音ともに、反対側の窓の外を氷河特急とは反対方向に走る列車とすれ違う。トンネル内での行き違いが2度ほどあり、そして、ようやく外に出た。

 トンネルを出てすぐにアンデルマットという街の駅に着いたので、どうやら先ほどのとんでもなく長いトンネルは「フルカ基底トンネル」という15キロほどもあるトンネルだったようである。アンデルマットという街は、どうやらサンゴッタルト峠の真上に位置するようなので、その西にあるフルカ峠はアルプスの山の中、ということになる。

 さて、このフルカ峠のトンネルの出入り口付近で、シンプロントンネルと同じようなサービスを再び見ることができた。つまり、この峠を越えるトンネル区間で、自動車を貨車に乗せて陸送してしまうというサービスである。日本なら長大自動車専用トンネルを掘ってしまいそうであるが、さすが、環境意識の高い国である。

 日本にも”アルプス”はあるのだが、どうやら随分対応が違うように見える。いくら低排出の自動車でも、排出していることは確かで、ましてや、それが束になれば環境の汚染源になる可能性は高いが、スイス人にできて、どうして日本人にはこういうことができないのだろうか?

#なお、このフルカ峠トンネルは、日本のJRと同じ狭軌であり、単線トンネルである。

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★07/11/03号:
 氷河が見えるワケでもなければ速く走るわけでもない氷河特急のナゾ

 スイスの観光旅行パンフレットには「氷河特急で行くスイスアルプス8日間の旅」などというキャッチフレーズが並ぶが、この”氷河特急”は、氷河が見えるワケでもなければ速く走るわけでもない。

 で、その”氷河特急”に乗ってみた。

 朝7時発というツアー客専用”氷河特急”である。客車はどうやら寄せ集めのようであり、割り当てられた客車は屋根までガラス張りの観光用客車・・・ではなかった。それどころか、ツェルマット付近は「マッターホルン・ゴッタルド鉄道」の路線のはずだが、乗車車両には全く別の鉄道会社名が書いてある。つまり、借り物。

 やや小ぶりの赤い電気機関車が引っ張るが、性能は日本の東海道本線で寝台列車を引っ張っている電気機関車と同程度あるようである。

 ゴトゴトゴト。とくに発車の合図もなく出発。

 この路線もご多分に漏れず、斜面は真っ直ぐそのまま登り降りする。そんなわけで、坂道にさしかかると、例の歯付きレールが中央に敷設されている。とにかく、坂道という坂道、ほぼ全てこういうラックレール付きであるが、スイスでは何ら珍しくない設備のようである。

 そんなわけで、坂道はゆっくりゴリゴリ登り降りするため、速く走れるはずもなく、氷河特急とは名ばかりで、長距離登山電車と言った方が現実に即している。最近は「氷河特急」ではなく「氷河急行」と記されているパンフレット類も多い。

 ”氷河特急”は実は氷河も見えない。1980年代までは、フルカ峠というところを高所までよじ登ってから超えていたのだが、峠のトンネルの手前でローヌ氷河の端っこをかすめていたため、”氷河特急”と呼ばれるようになった。

 今はフルカ峠は、とっても長いトンネルで抜けるようになったため、ローヌ氷河はちっとも見えない。なお、どうでもいい話(・・・このコラム自体どうでもいい話だという話もあるが。。。)だが、このフルカ峠トンネルは、狭軌路線では世界最長である。フルカ峠のトンネルができる前は、狭軌路線世界最長は北陸トンネルだったかな。

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