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● 2011年07月
□11/07/08号: 中国,整備新幹線に興味か?!

● 2011年06月
□11/06/13号: 15%節電・・・

● 2011年05月
□11/05/20号: 幽霊電車・・・
□11/05/04号: 大事なデータを超長期間保存する方法について

● 2011年04月
□11/04/26号: 久留米から福山までの切符の落とし物をお預かりしております
□11/04/23号: そして,現行の国土計画に書いてあること
□11/04/22号: 五全総に書いてあったこと
□11/04/21号: 四全総に書いてあったこと
□11/04/19号: 今から,何をすべきか?

● 2011年03月
□11/03/17号: 報道における物理量の単位について

★11/07/08号:
 中国,整備新幹線に興味か?!

 ここ数年,破竹の勢いで高速新線作りまくって,「自国の技術」で高速車輌製造しまくっている中国だが,何とわが国の高速鉄道計画にも興味があるらしい.

 やった! みんな! チャンスだ! 今だ! こう言うと良いぞ!

「受益の範囲で線路使用料払いますから,新幹線の線路と駅を作ってください」

#1 ただし,資金提供だけしてくれれば,我々も「自国の技術」を持っているので,あとは何とかしますから:p
#2 隣国はどうして日本の新幹線計画が進展しないのか理解してない模様.
#3 せっかくなので,いいことを教えて進ぜよう.日本も1970年代に材料不足の状況下で作った高速新線がありまして,その後の維持管理と補修に苦労しております.> 隣国殿 (時々,百度のロボットがサーチしに来ているから,検索に引っかかるよね)

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★11/06/13号:
 15%節電・・・

 電車が運休すると,定期代を日割りで払い戻してくれることがある.

 最近,電力会社が節電を15%の節電を要求しているが,つまり,供給できない状態に陥るっちゅうことなので,基本料金も割り引いてくれるんやろうか

 素朴な疑問である.

# 電力会社に直接聞いた方が早いか・・・

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★11/05/20号:
 幽霊電車・・・

 草木も眠る丑三つ時,踏切警報機の響き有り.

 鳴り響くこと久しからず.電車通らずして止む.

 又ある時,信号機の青く輝きたる,不意に赤や黄色に変わりたるもおかし.

 これも又,電車通ること無し.

# たぶん,夜中に機器の検査してるんだと思う.

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★11/05/04号:
 大事なデータを超長期間保存する方法について

 ずいぶん前に情報系の先生と雑談をしていた際に,大事なデータを長期間保存する方法はどういう方法があるか,という話題になった.

 まず,フロッピーディスクやカセットテープのような磁気媒体.これは記録方法の性質上,時間が経つと時期が弱まってくるのであまり長期間の保存に向かない,ということになった.磁性体をベースのフィルムに接着している糊のような物質の劣化も問題らしい.ハードディスクも磁気媒体の一種だが,回転装置があるので,磁気そのもの以前に,機械部分がイカれそうである.

 次は,フィルム.これも化学物質を使っているので,長期には劣化するので,あんまり頼りにならない.古い映画のフィルムをどうやって保存するか,というのは,しばしば話題になっている.

 じゃぁ,CD-ROMのような光り物円盤系はどうだろうか.CD-RやDVD-Rのような書き込み式の円盤系は,色素をレーザーで焼くのが基本なので,色素が紫外線等々で劣化すると読めなくなるらしい.最近は劣化しにくい色素を使った円盤系媒体もあるが,本当に100年保つかというと,実験室内はともかく,実際のところは100年経ってみないとわからない.販売されているCDやDVDのような微細な穴+金属蒸着の方式についても,金属の劣化があるらしい.

 じゃぁ,いちばん長持ちするだろうと言われている熱で相転移させて記録する光磁気ディスクはどうだろう,,,,と考えてみると,板そのものは無事でも読み書きできる機械自体が最近見当たらなくなっている.コンピュータを含むハイテク系の媒体はいずれも,媒体そのものよりも読み書きできる機械の供給の方が問題が多そうである.落とし穴として,仮にデータとして読めたとしても,記録フォーマットが廃れてしまっていると解読できないと言うことも起こる.MS-DOSの時代にたくさんあった画像フォーマットの大半は見かけなくなった.GIFですら風前の灯火だ.文字コードもジリジリとunicodeに移行しつつある.プレーンなJISコードとか,EUCとかは,まだ何とか読めるレベル.

 紙媒体はどうか? これは幾分マシそうである.数は少ないが平安時代の書物なども残ってはいる.だが,現在流通している紙の質が,1000年先まで残るほど信頼性があるのかどうかはわからないし,文字を描いているインクが保つのかもわからない.レーザープリンタのトナーは大丈夫そうなので,重要書類は印刷方法や紙の質まで指定した方がいいかもしれない.でも,火災があったり水害があったりすると,情報が失われる可能性もある.

 もっと確実な方法はないか? そうして,次のような方法が長期的には最強だという結論に達した.

//★★ 伝えたい情報を厳選し,これを石に刻むべし ★★//

 古くさいローテクメディアには,極めて重要な情報が書かれている可能性が大かもしれない.石碑は無視すべからず.ここより下に家を建てるべからず,という石碑の他にも,災害は必ずやってくるとか,大津波は100年後にまたやってくるとか書いている石碑もあるらしい.

#1 うちに大量にあるVideo 8のテープは今後,どうすればいいんだろう.
#2 今回の災害についても,石碑に刻んでおいた方がいいかも.

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★11/04/26号:
 久留米から福山までの切符の落とし物をお預かりしております

 大震災の翌日が開業日だったので開業式典も開けなかったが,九州新幹線が開業している.まだ乗ったことはないが,沿線の雰囲気はここから伝わってくる.忙しい人は,180秒版を(!?).時間のある人は,約30分版スライドショー(!!)を.動画24分もあるみたい.

 さて,まだ新規区間は乗ったことはないのだが,山口方面からの出張帰りに直通列車に乗ってみた.指定席を確保したが,なかなかいい具合である.居心地を満喫しよう・・・と思ったら眠りこけたので,あっという間に大阪に着いてしまい,ちょっと残念.

 標題は眠りこける前に聞いた車内放送である.特に変わった内容ではないが,久留米から福山というのがミソである.どちらも大都市ではない.だが,九州や山陽地方の屈指の主要都市である.つまり,この車内放送は「新幹線というのは,大都市ではない主要都市を相互に結べる交通機関」を証明しているとも言える.航空路線では逆立ちしても真似のできない都市間直結機能である.

 高速交通機関の是非を論じる際,すぐに大都市からの利便性や乗客の数云々が議論され,飛行機やその他の交通機関との比較がなされるのだが,こういった大都市ではない主要都市を相互に(しかも,誰でも,短時間に)結ぶ機能というのは新幹線の特有の機能であり,わが国の線的な地域発展に大きく機能してきている.量的には大都市を発着する交通が優勢であるが,こういった大都市ではない主要都市を相互に結ぶ機能によってアクセスできる地域の多様性が広がり,長期的には無視できない地域変化をもたらす可能性がある.

#1 切符が持ち主の手に戻ったのかどうかは不明.
#2 CM全部見たらテーマソングが頭から離れなくなってしまった.→配信で購入済み

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★11/04/23号:
 そして,現行の国土計画に書いてあること

 根拠法が変わったので,名称は「国土形成計画」に変わり,最新のものは2008年制定である.内容の記述はずいぶんマイルドになったが,実は全総時代からの指摘は続いており・・・

「国会等の移転については、東京一極集中の是正、国土の災害対応力の強化、東京のうるおいのある環境づくり等に寄与する重要な課題として、国会等の移転に関する法律に基づき、平成11年に移転先候補地について国会への報告がなされ、現在、国会においてその検討が進められているところであるので、この検討の方向等を踏まえる必要がある。」

・・・これが現在も生きている国土計画の内容である.ところが恐ろしいことに,何と,こういうことが起こっている.

「首都機能移転」幕引きへ=組織改正で担当課廃止−国交省

国土の基本計画である国土計画を無視するのも甚だしいお話であるが,事実のようである.2011年2月の記事なので,つい最近の記事である.しかも,実際の廃止は年度替わりに行われるので,廃止されたのは震災後である.

 今回の震災で『ここより下に家を建てるな』という石碑の言葉を守った集落は最悪の事態を免れたらしいが,現在の日本政府には,果たして石碑の文字を読める人がいるのだろうか?

#1 首都問題を,"東京地方の経済問題" にすり替えてはいけない・・・が,ついに,これまで難色を示してきた都知事でさえ機能分散に言及するようになってきている.
#2 移転ではなくて,二重系にしておくことが重要.
#3 結果が重大な場合で,どうするのか判断に迷う場合,安全側に判断するのが基本.

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★11/04/22号:
 五全総に書いてあったこと

 正確には五全総というものは存在しない.21世紀の国土のグランドデザインと言うらしいが,旧来の色を払拭したかったのだろうけれども,五全総そのものである.

 この全総の第5次計画(1998年制定)でも相変わらず四全総とほぼ同じ指摘がされており・・・

「東京圏では、首都機能があることに加え、東京に集中している企業の中枢管理機能や国際交流機能等の諸機能が経済社会に果たす役割が拡大し、他地域の東京依存を強めている。このため、大規模地震等において 東京圏の機能が麻痺した場合、全国的にも大きな混乱を引き起こすおそれがある。また、太平洋ベルト地帯に集中する交通需要に対応するため の主要幹線経路が一部では非常に狭い範囲内に集中して配置されている ことから、大規模地震、洪水等による災害によって、これら幹線が被害 を受けると全国の機能に影響を及ぼしてしまう懸念がある。
 こうした国土の状況が続くのでは、これからの経済社会の発展に明るい展望が開けないことは明らかである。」

阪神淡路大震災後であるので語調は厳しさを増しているが,結局は10年間何もしなかった・・・ということである.

 さらに第1部第2章第3節には首都問題について書かれており,首都機能移転の効能として・・・

  1. 東京とは質的に異なる新都市が形成されるとともに、これと全国の中枢拠点都市圏との間の交通、情報通信ネットワークを通じた多様な連携が促進されることにより、東京を頂点とする国土構造の改編が進む。
  2. 政経分離によって、政治、行政の中心地となる新都市と経済、文化の中心地となる東京のそれぞれが大都市問題に配慮された我が国を代表する都市として並立し、相互に密接な機能分担と連携を図ることにより、各々の機能がより一層円滑に発揮される。
  3. 大規模地震等が発生した場合にも、新都市と東京との同時被災の回避が可能となり、危機管理機能を始め国土の災害対応力が向上するとともに、移転跡地を有効に活用することにより東京の防災性が強化される。
・・・とある.1つめと2つめについては,"議論"の結果としてそれを実現するべきかどうかを決めることが可能であるが,3つめは議論したからと言って待ってくれるわけではない災害に関する事柄が書かれており,見過ごすことができない.

さらにその後の10年間,何もしなかったわけで,現在に至る.

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★11/04/21号:
 四全総に書いてあったこと

 あんまり古い国土計画だと,単に開発イケイケどんどん的な感じなので,割と最近の(と言っても20年以上前になるが)四全総を開いてみよう.

 四全総(1987年制定)の第I章第2節には国土計画の基本的課題が書かれている.それによると基本的課題は・・・

  1. 定住と交流による地域の活性化
  2. 国際化と世界都市機能の再編成
  3. 安全で質の高い国土環境の整備
・・・と,3つ挙げられている.これでは何のことかわからないので,中身を見ると,1つめは・・・

「今後、国土の均衡ある発展を図る観点から、地域社会の発展を担う人材の確保等を図りつつ、地方圏の定住条件を飛躍的に改善する必要がある。」

・・・という一連の全総計画に共通する基本的な姿勢が示されている.

 2つめについては・・・

「今後本格的国際化の時代を迎え、世界に開かれ、世界とともに歩む国土づくりを進めることが強く求められている。」

・・・というふうに,現在のわが国の置かれているポジションを指し示すかのような記述があるとともに,こういう重大な指摘が既になされている.それは・・・

「しかし、首都機能に加え、このような都市機能が東京圏だけに集中すれば、東京圏の過密が一層進むだけでなく、大規模地震等非常時において東京圏の機能が麻痺した場合、全国的にも大きな混乱を引き起こすおそれがある。」

 おやぁ? "東京"を"東北"に置き換えると,国内外で"選択と集中"が進んだ結果としての震災の影響は,まさに現在の状況である.そして,"東京"を置き換えずにそのまま読んでも,この一文はまだ意味を失っていない.四全総には,続けてこう書いてある.

「世界都市機能が常時円滑に機能するよう、東京圏の地域構造の改編を進めるとともに、既存の集積を生かして関西圏、名古屋圏等において日本を代表する特色ある世界都市機能を分担することが重要である。」

 20年経ったが,どうなんだろう.まだ首都圏直下地震はやってきていないが,明日来ても不思議ではない.まだ間に合うかもしれない(が,間に合わないかもしれない).座して死を待つか?

# 三全総(1977)の段階で,既に一極集中の危険性は指摘され始めている.35年近く放置・・・

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★11/04/19号:
 今から,何をすべきか?

 巨大地震から1ヶ月たった.阪神大震災に比べて,被災範囲が広大なので時間がかかっているようだが,「(失われた命は戻らないが,)壊れたものを元に戻す」という作業の次に,我々は一体何をすべきなのだろうか.

 今回の震災で露呈した日本の国土構造上の問題はいくつかある.

  1. 1000年に一度レベルの極めて発生確率が低い災害でも,無視してはいけなかったこと
  2. 生産の特化が進んでおり,国内的にも世界的にも影響が広範囲にわたったこと
  3. 確かに今思い返せば,誰かがどこかで警告していた「大地震による原子力災害」が実際に発生してしまったこと
  4. 長期的なエネルギー問題に暗雲が立ちこめていること
  5. エネルギー問題は世界的にも影響を与えてしまったこと(大事故としても世界史に名を刻んでしまったが,世界のエネルギー政策に重大な影響を与えてしまったという点で,歴史的な意味を持ってしまったかもしれない)
  6. 長らく指摘され続けていいる首都圏直下地震や東海・東南海・南海地震は,まだ発生していないこと
  7. 現在も首都圏への極度の集中が続いており,首都圏が被災すると日本全体がマヒすること
 次にすべき事柄については,基本的にはこれからの議論になるのだが,上に書いた国土構造上の問題点については,大半はずいぶん前から指摘されていたことでもある.とすると,対処方法についてもずいぶん前から議論されてきた事とも言える.

 現行の最新の国土計画(国土形成計画)は,ずいぶんソフトになってしまって,何をすべきかを読み解くのが難しい記述になっているが,過去の国土計画(一連の全総)を見ると,実は上の問題点へのヒントが書いてある.

 特に最後の「首都圏が被災すると日本全体がマヒ」は日本にとって致命的である.首都は東京地方の人たちのためだけに存在する都市ではない.今一度,過去の国土計画を紐解いてみる価値はあると思う.そこには,手つかずの重要課題がいくつも書かれている.手を付けるなら今だ.あまり悠長な話をしている時間的余裕はないかもしれない.

#1 引っ越す前のwebmasterの家は海(厳密には河口)から約5m(=500cm)の位置にあり,昭和の南海・東南海地震の際には津波が家の中まで入ってきたらしい.もっとも,その話を存命中に祖母から聞き出すのはなかなか大変であり,時期が時期だけに戦争で如何に苦労したかという話とあわせて,1日に5回同じ話を聞く覚悟がなければ聞けなかった.その家は今も海沿いにあり,収穫したミカンの貯蔵小屋として使用されている.
#2 三陸における津波は,地震から30分ほどでやってきたようだが,和歌山沖の地震では早ければ数分でやってくる.バアさんが1日に5回話していた内容によると,「大きな地震が来たら,何も持たずに,即刻,山に向かって真っ直ぐ登れ」ということであった.津波で家の中の畳が浮き始めたので,実際にそうしたらしい.

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★11/03/17号:
 報道における物理量の単位について

 東北方面で大変なことになっている。阪神淡路大震災の際には近隣の都市がほぼ無傷だったので徒歩でもアクセスできたが,今回はかなり広域なので徒歩では難しく,難儀しているようである.

 関西近辺で当面できることといえば,寄付と無駄に物資を買い込まないことくらいであろうか.電気を送ろうにも電気の周波数が異なり,中部地方にある大型インバーター装置の能力がネックで,ナントカ作戦で節電してもあまり役に立ちそうにない[特に夜間].液体の燃料を節約するために,不要不急の自動車利用を控えたりするほうが良さそうだ.

 さて,地震の二次的な災害である原発事故は今なお予断を許さないが,報道を見聞きしていて,おそらく大半の理系の方々はイライラしているだろう.1時間あたりの放射線量(ミリシーベルト毎時やマイクロシーベルト毎時など)と1回あたりの被曝量とが混同されて説明されており,ごちゃごちゃのまま「レントゲン撮影と比べて小さいので,健康には問題がありません」などと言われても,信頼できるはずもない.文系の方々が主体でする報道の,能力の限界か? それとも意図的な操作か? このレベルの理解度のまま,原発や地震以外の報道もやってるんだろうなぁ.

#1 さらっと「通常の×××倍ですが,健康に問題はありません」とか言ってるけど,1日で半年とか1年分じゃないかよ! ちゃんと積算量と危険水準の比較をしろよ!
#2 校庭の放射線基準を「タバコ並み」とか言ってるみたいだが,小学生や乳幼児はタバコを吸いまへん.生まれてからずっとタバコを吸ってたら,早死にするだろ.健康のため,タバコの吸いすぎには注意しましょう!
#3 何が正しくて,何が誤りなのかについては,「最初から正解を知っている人のみ正解にたどり着ける」という,情報の取捨選択や真偽判断が難しい時代のようである.マスコミは本来,情報の専門家として取捨選択や真偽判断をする立場にあったはずだが,そういう機能の水準は今も維持できているんだろうか?

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