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● 2007年04月
□07/04/29号: Eco出張
□07/04/22号: 星組の勇者との戦い(第1話:出会い編)
□07/04/15号: LRTの作り方、教えます
□07/04/08号: 日本の通勤列車も、めっちゃ速い!
□07/04/01号: 蜘蛛の糸


★07/04/29号:
 Eco出張

 最近の東海道新幹線のCMやポスターには「Eco出張」というキーワードが書き込まれており、これについては以前ちょっとだけ書いた

 さて、大学の旅行センターの前を通りかかるとこの「Eco出張」のマークの書かれたツアーのパンフレットが置いてあるではないか。「出張東京」「出張横浜」と書かれたそのチラシ、よく見ると、や、安い!!

 東京1泊2日、2万3800円より、横浜も2万3800円。新幹線の指定席をまともに往復で買うと時期にも依るが、往復で2万8千円くらいである。それよりも4千円も安い!!。しかもビジネスホテルで1泊付きである。

 東京大阪間の新幹線のチケットを安く手に入れる方法としては、金券屋で回数券の券片を購入するという方法があるが、これだと往復2万5千円以上する。

 安く行く方法としては、かなり以前から、「ぷらっとこだま」という企画商品が存在する。これは、指定されたこだま号に乗れば、東京-大阪間が約1万円になるというものである。こだま号は、電車で座る技術!(ゆっくり座っていこう!編)にも書いたように、すいている。航空機ほどではないにしろ、空席の多い列車は輸送効率が悪いので、運行会社としては、なるべく避けたいものである。そこで、こういう形で運賃をディスカウントして席を売っているわけである。

 この「Eco出張」のマークの書かれたツアーのパンフレットの企画のポイントは、”往復ひかり号、全列車利用OK”である。もちろん、指定席。ということは、のぞみ号全盛の昨今、それだけ、ひかり号の利用率が低下してきているということの表れということであろうか。

 しかしまぁ、この挑戦的な値段設定は、往復とも「ぷらっとこだま」にするより安いではないか。これは使わない手はない。のぞみ号が走っているからといって、ひかり号が遅くなったというわけではない。新大阪-東京間3時間ちょうど。webmasterの子どもの頃は3時間10分であったので、それよりは早い。

 ・・・ということで、出張旅費が心細くなってきた昨今、webmasterも積極的に「Eco出張」を利用することになるのかもしれない。EcoはEcoでも、お財布にやさしい「Economy出張」である。もちろんEcologyも。

#「Eco出張」「ぷらっとこだま」ともに、いちおう、ツアー企画という名目なので、いったん指定した列車を当日になって変更するなどということはできないようである。

#今はもう無くなってしまったが、一時期、新大阪-東京間に2時間35分を要するのぞみ号があったのに対し、2時間50分で走るひかり号があった。

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★07/04/22号:
 星組の勇者との戦い(第1話:出会い編)

 今から8年前に始めて北米に行った際の航空運賃は、1年間有効な正規割引運賃のチケットだったせいもあり、30〜40万円したんじゃなかったかなぁ。7年前に北米に出張した際のチケットは、カナダの旅行会社で買ったということもあってか、ちょっと安くて、それでも20万円くらいしたんじゃなかったかな。

 そして、最近の話である。久しぶりの北米。チケットの手配をしないといけないので、入手。お値段、10万円ちょっと。??。ほんとにこんな値段でいいの? 北米との単なる往復で10万円ちょっと。北米国内都市への往復チケットをオマケでつけても5千円ほどしか変わらないという。どうなってるんだろう、航空運賃体系。よく笑い話で、乗客全員の航空運賃が明らかになったら、機内で暴動が起きるだろうなどといわれるが、ほんとかも知れない。

 出発は中部国際空港である。関空発着便は、そもそも北米路線が少ない上、観光地行きが多い。観光客は早々に旅程を決めてしまうので、席の埋まりが早くて、ビジネス客には使いにくい。ビジネス都市便は大手自動車会社の本社のあるデトロイト行きくらいなものであるが、西海岸に用事があるのに五大湖の畔まで行っても仕方がないので、満席の関空発着便をあきらめ、中部国際空港発着便ということになった。

 今回のキャリアは「星組の勇者」である。始めて使う航空会社だが、はてさて、どうなることやら。

 チケットの手配から出発までの期間が短く、通常のチケットが間に合わないかもしれないということなので、電子メールで送られてくるファイルを印刷する「e−チケット」を持って出発。まずは、新幹線と名鉄電車を乗り継いで中部国際空港へ。

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★07/04/15号:
 LRTの作り方、教えます

 こういうタイトルを書くと、たいてい、まちづくりであるとか、合意形成であるとかの話であるが、そういう話題は専門の書籍に任せるとして、今回の話題は正に「つくる」話である。日本では、近年までずっと路面電車が廃止され続けており、路面軌道の建設現場は去年開業した富山ライトレールの一部区間や、軌道の敷かれている道路での橋の架け替え工事などでしかお目にかかることができない。

 しかし、海外ではLRTの工事現場というのはさほど珍しくもないご時世である。今回紹介するのは車社会の権化と思われている米国、その米国の都市であるオレゴン州ポートランドである。

 既にポートランド市ではLRTが市街中心を東西方向に営業しており、左の写真では右上から下りてきて、左右に貫いている赤青線がそれである。今回の工事は右上から中央に来て、真下に降りる路線である。Under construction. まさに工事中。上の方から下の方へと、たどってみよう。

 右の写真は、左の写真の一番上のあたりにあるAmtrakの駅付近である。工事区間なので進入禁止にはなっているが、まだ、工事そのものは始まっていない。LRT用の独特の形状をしたレールが道ばたに積まれている。

 しばらく進むと、実際の工事区間になる。ショベルカーが置いてあったりなんかして、水道工事やガス管工事などと変わらない。単なる道路掘り返し工事。

 その次の段階は・・・ありゃ、もうレールが敷かれている。整地した路盤の上にビニールシート状のものが敷かれ、その上にかご形の鉄筋が組まれている。そして、レールも。レールは所々で、正確な間隔を保つためと思われるが、金具で左右が固定されているようである。

 次の工程は、どうやらレールの外側に樹脂というか、ゴムを挟み、コンクリートを流し込んでしばらく待って、そして完成(?)。

 線路工事というよりは、道路工事である。歩道工事よりは高度だと思うが、橋梁工事よりは簡単に違いない。そういえば、富山ライトレールも、あっという間に軌道が完成したっけ。

 さて、鉄道のレールは乗客の命をあずかる重要な施設であり、新幹線の線路は、時速300キロで走るためにミリ単位の厳密な管理が必要である。ところが、市街を走るLRTは所詮(・・・といっては叱られるが)時速20〜30キロレベルである。

 左の完成した区間の写真、よく見ると、レールが波打ってるけれど、これでもOKのようである。

 LRTって、みんなが思い込んでいるほど(物理的には)たいそうな施設ではなさそうである。LRT=Light Rail Transit=軽便鉄道輸送、そう、都市型の「軽便鉄道」なのである。

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★07/04/08号:
 日本の通勤列車も、めっちゃ速い!

 ドイツの快速列車がめっちゃ速い話を以前に書いたが、日本の通勤列車もめっちゃ速い!

 先日の東京出張の時の話である。会議の開始が何と午後7時。当然、会議が終わってから帰れるわけもないので、宿泊することにした。

 ところが、翌日のスケジュールがややタイトで、東京を朝早くに出発しないといけない。しかし、東京駅や品川駅の周辺のホテルは安価なところが無く、安ホテルは東京駅から遠い。そこで、前日に新横浜まで何とか進んでおき、ホテルを新横浜駅前で予約するという作戦にした。ここなら、のぞみ号が停まる駅前でも安ホテルがたくさんある。

 会議のある四ッ谷から新横浜までは、中央線の快速電車で神田駅か東京駅まで行き、京浜東北線の電車で東神奈川駅へ、さらに横浜線で新横浜というのが標準コースである。しかし、大田区の蒲田から京浜東北線で通勤していた経験のあるwebmasterには、夜間の郊外方面の京浜東北線は気が進まない。疲れていても、まず座れないからである。

 そこで、「電車で座る技術!」投入。今回もカネで解決する方法である。いささか反則であるが、金の切れ目が縁の切れ目的な大都会では、逆に言えば確実な方法でもある。東京駅22:47発、最終「こだま」号、三島行き。これなら1時間かかる京浜東北線経由に対して、20分ほどで到着できる。追加料金800円ほど。しかも、着席OK。

 発車10分ほど前に乗り込んだが、混んでいる。立ち客こそいないが、窓側席と通路側席はほぼ埋まっている。客層はほぼ全員サラリーマン風。1両に60人ほどか。グリーン車以外の12両が全部こうなら、約700名乗車といったところか。

 積み残し客がいないかどうかの駅員の念入りな確認の後に発車。立ち客満載の通勤電車を横目に、のろいながらも追い越していく。さしづめ、通勤ライナーか。多摩川鉄橋を渡る前後付近から加速して、時速200キロくらいは出しただろうか。すぐに減速して新横浜着。

 日本の「通勤列車」も、いちおう、めっちゃ速かったが、追加料金がなければ文句なし。

#中央新幹線ができた後、専用車両つくって、本格的に東海道新幹線で通勤輸送すると快適かも。

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★07/04/01号:
 蜘蛛の糸

 本日は4月1日である(ウソ)。ほんとは、もう10月だが、まだまだ暑い。温暖化がだんだんと実感されるようになってきた昨今、時々、この文学作品が頭をよぎる。

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 ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。… 御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、このかんだたには蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。… 御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。

 こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていたかんだたでございます。… 何気なくかんだたが頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。… 

 かんだたは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。…ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限もない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。…

 自分一人でさえ断れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪える事が出来ましょう。…そんな事があったら、大変でございます。が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよと這い上って、細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、せっせとのぼって参ります。今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。

 そこでかんだたは大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚きました。

 その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急にかんだたのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断れました。ですからかんだたもたまりません。あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。

 後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。

 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがてかんだたが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。…

(青空文庫より)

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 我々も蜘蛛の糸のようにか弱い薄っぺらな地球大気に身を任せているが、今まさに、それは切れかかっているのかもしれない。後から追い上げる新興国に対して「来るな」と叫ぶ先進国。いや、逆に天に昇る龍のような勢いのある新興国が、これからは我が世だと叫んでいるのかも知れない。しかし、どちらにせよ、誰に責任があるのかを押しつけあっているうちに暗闇の底に落ちかねない状況であることは変わりがない。お釈迦様に悲しそうな顔をされないようにするには、はて、どうすればいいだろう。

#重篤な病気の場合、自覚症状が出たときには手遅れの場合が多い。

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