さて、中部国際空港は開講直後に1度、子どもを連れて見物にやってきたことがあるのだが、実際の利用は初めてである。まだ出発の3時間前なので、丸忠で寿司でも食ってからチェックインしても十分な時間がある。寿司屋に入る前に”星組の勇者”のチェックインカウンタの位置を確かめて・・・まだ、たっぷり時間があるのに、北米人バックパッカーが十数人既に並んでいる・・・まぁ、いいか。
食事後に戻ると、日本人も多少並んでおり、順番は30番目あたりか。待つことしばし。カウンターにたどり着いた。
「e−チケット」と呼ばれる予約番号等々を印刷したA4用紙をカウンタに出すと、”勇者”のスタッフが端末を叩き始める。
(端末の音)カチャ、カチャカチャ。 | |
スタッフ | 「えーと、本日、△△△までのご出発ですね」 |
私 | 「はい。」 |
カチャ、カチャカチャ。 | |
スタッフ | 「本日は・・・、エコノミー席は・・・少々混み合っておりますねぇ・・・・」 |
私 | 「ん???」 |
どどどどどどどどど、どういうことだ? オーバーブッキングか? 列の先頭ではないが、まだ、チェックインは割と早い方だぞ・・・この便に乗れないと、後々の予定が大きく崩れてしまう。それは何としてでも避けねばならん。 | |
スタッフ | 「そうですねぇ・・・、1万2千円ほど追加でお支払いいただければ、エコノミーですが足元がやや広めの席をすぐにご準備できますが、いかがいたしましょうか・・?」 |
私 | 「え?」 |
どど、どういうことか即座には理解できないが、乗れないよりは、はるかにマシである。 | |
スタッフ | 「お支払いは、現金でもカードでも可能です。」 |
私 | 「え? じゃ、じゃぁ、、それを」 |
スタッフ | 「それでは、すぐにご準備いたしますので、あちらのカウンタでお支払いの方をお願いいたします。」 |
支払いを済ませて搭乗券ゲット。しかし、これでは完全に負けである。もともと持っていた「e−チケット」の予約は何だったのか? 航空業界に運送契約というものは存在しないのか? このような状況下では、たいていが「払いますから、チケットください」と言うであろう。
搭乗直前に席のグレードを上げて発券することを「アップシート」とか「アップセールス」とか言うらしいが、これではまるで「アップシート商法」である。怪しい宗教団体が「あなたの血はドロドロです。これを飲まなければ死にますよ。」と不安をあおってバカ高い水を売るのと(レベルは多少違うが)、基本的なやり方が同じではないか。航空業界は採算が厳しい業界であるが、こんなことを続けていると、信用をなくすであろう。
星組の勇者、恐るべし、である。
#確かに足元は微妙に広かったが、何となく腑に落ちない初戦敗退であった。乗ってからわかったが、バックパッカー達は、こういうことがあることを知っていたのだろう。
ようやく、ちょっと涼しくなってきたが、まだまだ暑い。ふと、電車の中で辺りを見回してみると、上着無しで腕まくりしてるのは、どうやらwebmasterだけのようである。ん? 地球温暖化ではなくて、個別要因の影響か?? あ、そうそう、日付は5月だが、実際の暦は10月下旬である。
さて、さりげないが、ものすごいことが書いてある記事を発見した。フランスでは高速道路と空港の建設を原則凍結し、高速鉄道と都市近郊鉄道網の拡充する政策とするそうである。どうやら、「本気」のようである。
さて、京都議定書の「京都」のある日本。「本気」の度合いはどの程度か? 記事では、フランスは環境対策が遅れ気味とあるが、じゃぁ、日本はそれと比べてどうなんだろ。そろそろ、「なんちゃって削減」と「本気で削減」の区別をつける時期が来ていると思うのだが、どうかな?
久しぶりの「マンション買いませんか?」である。
(電話)ピロピロピロ・・・ | |
私 | 「はい、Webmasterです。」 |
勧誘員 | 「こちら、△△△と申します。」 |
私 | 「はぁ、どういったご用件でしょうか?」 |
ほんとぉは、聞かなくても、概ね用件はわかっている。 | |
勧誘員 | 「本日お電話を差し上げましたのは、東大の赤門の前にある1Kのマンションの件でございます。山の手、本郷にございます東大の、どーてら、こーてら、あーたら・・・森鴎外や夏目漱石がどーたら、こーたら・・・」 |
本郷って山の手と言えばそうだんだろうけど、東京の地名を列べられてもねぇ。 | |
私 | 「えーと、あのぉ、本郷って山の手でしたっけ? 山の手っていうと、どっちかというと山手線の左半分が通ってるあたりのところを指すんじゃなかったかなぁ?」 |
基本は質問である。 | |
勧誘員 | 「あ、いえ、本郷は山手線の内側にあるという意味でございます。申し訳ございません。で、その物件でございますが、日医大にも近くて、大変、注目されている物件でございます。」 |
日医大は本郷じゃなくて駒込とか千駄木とかじゃなかったかな? 本郷じゃないじゃん。 | |
私 | 「えーと、あのぉ、私、東京に住む予定はないんですが・・・」 |
勧誘員 | 「あ、いえいえ、今回ご紹介いたします物件は、先生がお住まいになさるものではなくて、賃貸用の物件です。家賃が8万5千円でございまして・・・」 |
売って賃貸に出せという意味だろうが、どうして家賃の額まで決まっているのかナゾである。 | |
勧誘員 | 「・・・駅が田端駅・・・」 |
東大に行くのに田端駅で降りる人はまずいない。本郷、千駄木、田端・・・だんだん遠くなってるがな。 | |
私 | 「えと、あの、私、東京の土地勘、あんまり無くてぇ・・・」 |
ほんとは、その程度の土地勘はある。 | |
私 | 「・・・田端って、どの辺ですかねぇ???」 |
勧誘員 | 「え〜〜、ちょっとお待ちくださいね。 ・・・ 」 |
をぃをぃ、あんたは田端の場所を説明できないのかよぉ。あんまりヒマではないので、この”無言”の空白の間に電話を切ってあげた。お互いのためである。 | |
・・・と思ったら、10分ほどして、またかかってきた。 | |
勧誘員 | 「・・・先ほどの田端の・・・駅から自転車で10分・・・どーてら、こーてら、大手町や赤坂でも10分、17分ですよ。」 |
最寄りの駅まで自転車で10分だなんて、遠いじゃないか。ウチは駅まで徒歩1分だがね。 | |
私 | 「え〜と、また、考えときます。」 |
勧誘員 | 「お考えいただけるのでしたら、資料をお送りいたしますので・・・どーてら、こーてら」 |
大阪人なら、この言葉を聞いた段階で脈無しと判断するはずであるが、通じないようである。 |
年配の教授ならいざ知らず、webmasterは子育て世代のサラリーマンである。金利上昇気配のある中、人に貸す物件のローンまで抱え込むほどのリスクを負えるほどの状況にはないです。ましてや、怪しい経路で入手した名簿を頼りにしているようなディベロッパは、そもそも信用がないので、その気にはなれないです。>勧誘員殿
山陽新幹線に乗って終点の博多駅まで行くと、その先、不思議な路線が続いていることに気づく。博多南線という路線であるが、博多駅の次が終点の博多南駅である。夏前の夕闇迫りつつある時間帯であったが、珍しい物好きのwebmasterは当然ながら乗ってみた。1時間に2〜3本の運行である。
博多南線の電車は全て新幹線電車である。何のことはない、基本的には博多駅の先10キロほどのところにある新幹線の車庫に向かう電車に便乗させてくれるという類のサービスであり、新幹線電車とはいっても時速200キロで走るわけではない。ゴトごとゴト。70キロくらいのスピードで走る。
ところが、どうも乗り心地が悪い。何だが電車が傾いている。そう、ここは九州新幹線が開業したときには、高速運転されることを想定して設計されており、自動車のテストコースのようにカーブの内側よりも外側を高くしてあるのだ。右の写真の車窓の電柱はまっすぐ立っているはずである。
高速道路を走っていると、時々「ここにつながります、○○自動車道」をいう看板が立っていることがあるが、左の写真は「ここにつながります、九州新幹線」である。本線から外れてゆくように分岐して、博多駅から10分ほどで終点に到着。
博多南駅のある那珂川町には、新幹線の車庫はあるものの電車の駅はなく、不便だったようで、ガラガラの電車を走らせるなら乗せてくれよぉ、ということで平成2年に旅客営業開始。ガラガラの電車を走らせるなら乗せてくれよぉ、というのは大都市圏通勤線のホームライナーの成立とよく似ている。
さて、博多南線に乗るだけなら、ここですぐに引き返すのだが、目的はそれだけではない。第二の目的は九州新幹線の工事現場見物である。新幹線の工事現場というと、駅付近でもない限り、自家用車がないと近づけないところが多いが、ここは簡単に近づける。
九州新幹線の線路は、博多南線というか車庫の出入り線の西側、車両基地に沿って真っ直ぐ南下する。まさしく工事中。よく見ると、ずっと先の山の中腹にトンネルが口を開けているのだが、やけに位置が高い。
新幹線はこれまで高速運転するために(というか、場合によっては貨物列車を運転することを想定していたために)勾配が緩やかに設計されていたが、最近建設される路線では、貨物列車の運転をあきらめると同時に、昨今の高性能電車の使用を前提に路線が設計されるようになり、急勾配が採用されている。こうすることで工費がかさみがちなトンネルの長さをなるべく短くできる。もっとも、最近では用地買収をするよりもトンネルにした方が安上がりだという話もあるが、路線の線形の自由度が大きくなるので、路線設計がしやすいことは確かだろう。
さて、暗くなってきたので、そろそろホテルに引き上げようか・・・と思っていたら、思わぬ落とし穴があった。
博多南駅に戻ると、駅員さんが「今、行っちゃったよ」と言う。え? 1時間に2〜3本あるから、ちょっと待てばいいだけなんじゃないの???
そうは問屋が卸さなかった。次の電車は1時間後。つまり、こういうことである。朝は車庫を出発して大阪や東京方面に向かう新幹線はたくさんある。夕方は逆に、東京や大阪方面からやってきて車庫に入る新幹線はたくさんある。じゃぁ、夕方車庫を出発してゆく新幹線はと言うと・・・・基本的にはあんまり無い!
博多南線が新幹線の車庫への引き上げ線であるということをすっかり忘れていた。ホームのベンチから、もうすぐ第一線を引退するのぞみ号用500系を1時間も堪能するというオプション付きの見物ツアーであった。