スイスは面積が九州と同程度、人口は九州の7割くらい、鉄道網は九州の1.5倍以上である。
環境意識の高い国ではあるが、道路インフラも比較的充実しており、高速道路もある。
写真はスイス最大の都市チューリヒから首都のベルンに向かう高速道路であるが、やっぱり渋滞している。
スイスそのものは自動車交通から鉄道へとシフトさせるべくいろんな政策を実施しているのだが、周辺国相互を結ぶ自動車交通がスイスを通過するために、「もらい渋滞」になってしまうそうである。
このままでは具合が悪いので、特にアルプスを越える自動車交通については、対策を講じることが連邦の憲法に明記されており、山岳部は自動車を貨物列車の乗せて運搬する方法が推進されている。
さらに、この”車両航送”をすすめるため、いくつかの長大鉄道トンネルを掘って輸送力アップを図ろうとしており、最も長いトンネルが完成すれば、日本の青函トンネルは世界最長の座を明け渡すことになっている。
日本でも、何が何でも自動車は自走してトンネルを抜けなければならない、というわけではないのだから、山岳部や海峡部に関しては、こういう方策があってもいいんじゃないのかな。それとも、自走させなければならない交通問題以外の理由があるのかしら??
フランスのお話が続く。左の写真は、どうやら、比較的大がかりな道路工事のようである。どうも、掘り割りにフタをした道路をつくっているようなのだが、この写真から少し離れたところに、何をしているのかの答えがあった。
右の写真はどうやら自動車専用道路が集落を通過する部分で、一般道との出入りができるインターチェンジ部分のようである。よく見ると、右下には例のラウンドアバウトが組み込まれており、ハーフインターではない。
最も大きな違いは、日本ではインターチェンジといえば高架橋と盛土のスパゲッティであるが、ここでは半地下構造が採用されている。日本ではとかく安価な工事が求められるが、この写真を見る限り、価格に配慮したと言うよりは、景観や地域の分断に配慮されているように見える。
そこのけそこのけ、自動車が通る (in Japan)。
一見、何の変哲もない踏切である。見てのとおり、日本ではない。フランスである。
踏切に来て、線路を見ると、日本の線路とちょっと雰囲気が違う。
線路の横に、もう一本レールがある。踏切の部分では、その外側のもう一本のレールは途切れているが、三本レールの線路である。三本目のレールは、電車のモーターをまわすための電気を送る目的のものであり、第三軌条とも呼ばれる。日本ではトンネルの断面積を小さくするために地下鉄でよく使われるが、通常の電車を走らせるために使われることはあんまり無い。
日本で第三軌条を使って電車が走っているところは、地下鉄の延長部分が地上や高架を走っている場合であり、あとは地上にある地下鉄の車庫に出入りする部分で道路を横切る場合くらいである。
第三軌条には700ボルト程度の電圧がかかっているので、当然「さわったら死ぬで」である。地下鉄のホームの端っこから第三軌条に向かっておしっこをしたら感電して死んだという話もあるくらいである。
そんなわけで、日本でどうしても第三軌条式の線路が道路を横断しなければならない場合は、電車が通らないときは線路に入らないように厳重に柵がされている。
ところが、ここは裸である。かろうじて第三軌条の端っこが木で覆われているだけである。線路に立ち入って、感電死するような奴は、そいつが悪い、ということなのだろう。日本とフランスの責任の所在に関する考え方の違いを垣間見た瞬間であった。こういうコンセンサスが成立していると、余計なコストがかからずに済むんだけどなぁ。
日本ではあんまり見かけないが、欧州に行くとけっこう見かける交通施設として、ラウンドアバウトというものがある。日本ではロータリーと言った方がわかりやすい。
日本では、交通の処理能力が低くて面積をとるということで敬遠されがちだが、スイスでは、現在比較的積極的に設置をすすめているそうである。既存の交通信号機による四ツ辻をラウンドアバウトに変更することによって、(1)信号機がいらないので電気代がかからない、(2)信号待ちがない、(3)自動車が交差点を高速で突っ切らないので安全、なのだそうである。さすがに高速道路には存在しなかったが、日本で言うところの国道・県道級の道路ではしばしば見かける。
ところ変われば品変わる、ではあるが、日本でもさほど大きな交通処理を要求されない道路の交差点の形態として導入の価値はあるんじゃないだろうか。幸い、日本でも自動車学校ではロータリーの通行方法はちゃんと教えているので、新たにドライバーの教育をする必要もなさそうである。
(注)写真は、シャモニーなので、スイスじゃなくてスイスの隣のフランスである。
出発が2時間半遅れたので、到着も2時間半遅れである。乗り継ぎ時間を2時間とっていても、2時間半も遅れれば台無しである。乗り継ぎ予定の日本便は、無情にもwebmasterを置いて出発した後であった。空港職員にも尋ねてみたが、哀れな目つきで「あんたの便は行っちゃったよ。あそこのドアからでて2番のカウンターに行くといいよ。」とのアドバイスである。
「2番カウンター」は年配のおばちゃん2名が担当。どうやら、ヨロズのトラブル処理をする窓口のようである。webmasterのような乗り継ぎに失敗した人(miss-connectと言うらしい)、予約の名前の綴りが微妙に違っていて通常窓口では発券してもらえなかった人、等々等々・・・
横入りしようとする輩どもが少なからずいる。webmasterの後ろに並んでいた疲れたおっちゃん、おばちゃん達と協力して、こういう輩を排除しながら並ぶこと約1時間。ようやくまわってきた。
2番カウンターにて | |
おばちゃん | 「どうしましたか?」 |
webmaster | 「かくかくしかじかで、2時間半も遅れたので乗り継げませんでした」 |
おばちゃん | 「ちょっと待ってね・・・んんん・・・明日までないわねぇ。経由便を探してみるわ・・・成田も行っちゃったし・・・韓国仁川経由・・・ううんん・・・・」 |
webmaster | 「・・・・・??」 |
おばちゃん | 「明日の同じ便のキャンセル待ちにしたから、このチケットをもって、明日、直接搭乗ゲートの横で待っててちょうだい。」 |
webmaster | 「直接ですか・・・わかりました。」 |
おばちゃん | 「それから、今回のケースはこっちの問題で乗れなかったので、ホテルの割引クーポン渡すわ。このチケットの番号に電話して、予約番号をもらってから行くと、特別料金で泊まれるわ。えーと、それから、歯磨きセット渡すから・・・」 |
かくして、航空ファンならきっと欲しいであろうレアアイテムである星組印の歯磨きセット一式をもらい、昼飯食って、電話で予約をしてからホテルへ。もう、ダウンタウンに繰り出す元気なんて残ってないよぉ。
長い1日であった・・・だが、星組の勇者との戦いはまだ終わっていなかった。