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ツッコミどころの多い地図(2)

実家にあった古い地図.いろいろ面白い.

北海道の帯広の西側,狩勝峠付近.すでに新狩勝峠トンネル経由の新線になっているが,新得から足寄に向けて「国鉄の予定線」が描かれている.(よく見ると,今はなき士幌線と池北線も細い線で描かれている)

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どうやら新得から上士幌までは北海道拓殖鉄道という路線で,戦前に開業し,昭和40年代に廃止になった路線のようであり,その先の足寄まではやはり予定線があったようである.

狩勝峠のさらに西側にも「なんだこれ」という予定線が見える.根室本線と石勝線をショートカットしている「予定線」がある.日本国有鉄道紅葉山線という路線名だったようだが,当然未完成である.

DSCN1121この地図(書店のカレンダー),なかなか正確である.

ツッコミどころの多い地図(1)

以前,実家の台所の壁に貼ってあった地図.いろいろとツッコミどころが多い.

例えば,茨城県の水戸から鹿嶋にかけてであるが…

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鹿嶋と水戸の間の鹿島臨海鉄道線が「国鉄の予定線」になっている.

調べてみると,元々は国鉄の新線として建設されていたようであり,国鉄末期に国鉄ではなくて地方鉄道線として開業したということのようである.ということで,ツッコミどころが多いのだが,割と正確,ということでもある.

なお,よく見るとかしてつBRTになった路線も地方鉄道線として石岡駅から鉾田まで描かれていたりする.

ツッコミどころは,まだまだたくさんあるが,追々見てみることにしよう.

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第6話-駅アリ>駅ナシ編)

以下の一連の話の続きである.まだ続く.
第1話-新幹線偉大なり編
第2話-産業振興vs交流編
第3話-他の交通機関編
第4話-東海道vs中山道編
第5話-新幹線駅が都市圏形成編

今回の話は,新幹線だけでなく駅一般のお話しである.今ごろになって卒論-修論-博士論の話を説明することになるとは思わなかったが,今回の話は次の第7話への前振りである.

下の図は,国勢調査が開始されて以降の5年ごとの人口増加率を市町村ごとに計算して推移を示したものであり,鉄道駅がある市町村と,無い市町村とに分けて示したものである.両者とも各群の単純平均である.

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上の図は,見てのとおり,全期間を通じて人口増加率は「鉄道駅有>鉄道駅無」である.

最近は鉄道でなくても高速道路で十分に地域振興に役立つのではないかという話があるかもしれないので,駅の有無ではなく,高速道路に関して作成したものが下図である.図中に示したような分け方で推移を示しているが,1965年以降5年ごとの人口増加率が最も大きいのは「高速道路ICと駅の両方ある市町村」であり,人口増加が最も小さいのは「両方無い市町村」である.

やはり鉄道の駅があった方が優位である.

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前回の第5話の新幹線駅とも共通する話であるが,「駅アリ>駅ナシ」は,いったい大阪にとって何を語っているのだろうか.

単純な話ではあるのだが,「駅アリ>駅ナシ」の状況が長期間続くとどうなるだろう.こうなる.

「駅アリ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>駅ナシ」

もちろん,新幹線駅でも同じことになる.捕らぬ狸の皮算用が得意な人たちに「三流学者の論拠のない憶測だ」と言われてはいけないので,次回,その話を詳しくすることにしよう.

つづく

「JR九州の在来線黒字1路線だけ」でも上場できる新幹線の威力

これも,ちょっと前のネット記事

JR九州の在来線、黒字1路線だけ – goo ニュース.

いつまでリンクが生きているのかわからないので,概要を書くと,「JR九州の在来線のうち黒字は1路線だけで,あとは赤字.」というお話し.

そのまま何も考えずに受け止めるとJR九州って大変なんだぁ,と思ってしまうが,一方でJR九州については株式を上場する話が進行している.赤字だらけでにっちもさっちも行かない会社が上場するわけがなので,この記事には書かれていない重要な観点が抜けている.そこに気がつかないと「鉄道事業って赤字なんだ」と洗脳されてしまうので要注意.

在来線は赤字だが,会社全体では事業がうまくいっているので上場するという話になる.もちろん,鉄道以外の関連事業でもがんばっているのだが,在来線以外の好調な鉄道事業の話がすっぽり抜けている.そう,新幹線だ.

新幹線事業が好調なので,在来線が赤字でも会社全体としては関連事業等もふくめて好調,ということである.新幹線の威力絶大なり,である.

もちろん,九州新幹線は公設民営方式で,負担はリース料払いだけで,そのリース料の設定額は必ず利益が出るように設定されている.その利益で他の穴が全て塞がるわけである.新幹線の威力絶大なり,である.

「赤字」は他の鉄道事業を何とかしたいPRの可能性もあるが,鉄道をはじめとするネットワーク事業は区間区間を切り出して評価するのが難しいので要注意である.末端部分が見かけ上「赤字」だからといって順に「赤字」区間を切ってゆくとどういうことが生じるかというと,あら不思議,好調だったはずの幹の部分も徐々に弱って,効率化したつもりが取り返しの付かない状態になっていた,なんてことは良くある話.太い縄はわらしべのより合わせである.

さてさて,上場後のネットワーク戦略はどうするかな?

消極的緑化軌道

和歌山電鉄になる前の貴志川線.写真をよく見ると,線路は草ボーボーで,手入れされてなかったことがわかる.

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時期は10年前の8月.南海末期には,放置状態だったわけやね.これを「消極的緑化軌道」と名付けることにしよう.

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ちなみに,「積極的緑化軌道」は,こんな感じ.

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江若鉄道廃線跡(らしい)

JR湖西線が開通する前は,琵琶湖西岸に「江若鉄道」という鉄道が走っていた.今も「江若交通」というバス会社がある.湖西線の工事をするために一部路盤を転用することになり,廃止.近江と若狭を結ぶつもりだったので,江-若である.
路盤は転用されたものの全部転用されたわけではないので,一部は道路になっている.例えば,この奧へと続く道路.教えてもらわなければまず分からないが,線路跡地の転用らしい.
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上の写真を反対向きに振り返ると,こんな感じ.
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もうちょっと進んで,さらに振り返るとこんな感じ.
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旧志賀町の和迩駅付近である.このへん

地図データ ©2015 Google, ZENRIN

100 m

元々は若狭を目指していたことからも分かるように,京阪神-京滋地区と若狭湾を結ぶことが目的であり,今はその目的の鉄道計画としては北陸新幹線だったり,琵琶湖若狭湾快速鉄道だったりする.
鉄道の廃線跡の特徴としては,1)勾配がゆるい,2)緩やかな曲線,3)幅員が中途半端,4)沿線に玄関が道路に向いている家が少ないのなどの特徴があるがこの道路もその特徴を満たしているように見える.

武生駅の端っこ空いてるんだがなぁ

鉄道を含め,公共交通は乗換がネックであり,これを敬遠して電車やバスに乗らない人も多い.下の写真は福井県下の武生である.JRと福井鉄道の接続駅であるが・・・
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JR駅の構内が空いているものの,そこには乗換先の福井鉄道はない.改札を出て・・・
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ほんとうにこっちにあるのか不安になりながらしばらく歩くと・・・これ駅?
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構内空いているんだから,あそこに乗り場があると便利なんだが,会社が違うと協力関係は薄い上,(一般論として)誰が工事のカネを出すのかで揉めるので,ほとんど改善されることはない.
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「新幹線」は走っているが・・・

東京方面への「新幹線」は走っているのだが・・・
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ここは田沢湖駅で,「新幹線」の駅である.ただし,「ミニ」なので,在来線列車と線路が共用でる.・・・というか,在来線そのものである.
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さて,「新幹線」以外の在来線列車はどうかというと,時刻表は真っ赤っか.つまり,「新幹線」だらけで,それ以外の列車はほとんど走っていない.盛岡駅の隣の駅とほぼ事情は同じである.
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「新幹線」の議論は多いが,ローカル列車をどう維持するのか,という議論は少ない.かといって,ローカル列車のために新幹線をはじめとする幹線鉄道をあきらめろ,という議論では将来の発展がないであろう.
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盛岡市内なのに・・・

岩手県の県庁所在都市の盛岡.その盛岡駅の隣の駅の時刻表である.もちろん,ご存じのとおり,盛岡は新幹線がある.その駅の隣の駅.今から10年以上前であるが,6往復.
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今は片道8本あるので,ちょっと前進.
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人が住んでいないかというと,マンションいっぱい.そういえば,似たような風景をどこかで見たなぁ・・・富山港線の沿線もこんな感じだったっけ.
DSCN1727元々は上下列車の交換ができたようだが,設備が撤去されている.
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ちょっと古い写真(2002年)だが,あんまり変わってないと思う.もったいないインフラだなぁ.過疎地帯というわけではないので,やりように依るかも.

2002年の福井

2002年の福井の写真である.鉄道の踏切があるのだが・・・
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使用中止,と出ている.非常に珍しい状態.
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線路は錆びている.廃線状態だ.
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旧京福電鉄の線路で,衝突事故を2回立て続けに起こして営業停止.
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そのままいったん廃止になったのだが,福井市を中心とする道路は大混乱.大した交通機関ではないと思っていたが,大した交通機関だった.その後は県の出資する三セクとして復活し,今に至る.今や地方鉄道の成功事例になっており,福井の方に「どこかにいい鉄道の事例はありませんか?」と聞かれたときには「灯台もと暗し」と答えている.
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