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高速鉄道整備恐るべし

大阪から東北方面というと,通常は泊まりがけである.だが実際には,新幹線整備が進むことによって,山形県下でも日帰りができてしまう.

いや,日帰りができるかどうかはともかく,せっかく遠くまで行って,日帰りはもったいないという心理が働くので,日帰りできても心は泊まりがけ気分である.だが実際には,さほどの困難もなく日帰りができてしまうのである.

去年の7月に山形市内での講演に呼んでいただいた際,「いやぁ〜,大阪から山形って,調べてみると日帰りできちゃうんですよねぇ」などと軽口叩いていたが,まさか本当にすることになるとは思わなかった.

1日だけ日程が空いている正にそこに,お呼びがかかった.

朝大阪を出ると,昼過ぎには米沢へ.そして,夕方,米沢を出ると,その日のうちに帰ってこられる.

うううぅ〜ん.高速鉄道整備恐るべし.

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#(お呼びがかかった背景としては,↑これを,フル規格にしたい,ということらしい.)

 

自民公約5年で30兆円投資リニア延伸前倒し

こういう記事があった.

 自民党は3日、7月の参院選へ向けた公約を発表した。日銀のマイナス金利政策を活用して、官民合わせて5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる。 民間では困

情報源: 自民が参院選公約 5年で30兆円投資、リニア延伸前倒し  :日本経済新聞

「5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じる」がほんとなら,ものすごいことだ.

整備新幹線,リニア,新幹線の基本計画線,その他幹線の改良など,全部合わせても40兆円ほどでできてしまったと思うので,30兆円も投資するなら,幹線鉄道がらみの懸案事項はすべて解決.

…といけばいいのだが,たぶん,総額30兆円の投資で,その一部がリニアや整備新幹線の建設費にまわるというものだと思う.

記事本文を見ると,奨学金の話や開かずの踏切対策なども列挙されており,これら以外にも投資先はあるのかな.目立つ新幹線を標題にしただけという,やや精度の低い記事.

なお,財投債は返済を前提としたものなので,いわゆるプライマリバランスには影響しないらしい.

続・新幹線札幌駅の件(地下ならここか?)

新幹線札幌駅の件.駅の東側や西側はいろいろ難アリ.1番線2番線転用が無難な解決方法に思えるが,これも難しいとなると,残るは地下か?

札幌駅周辺の便利な場所で地下線にするとなると,南側は既に地下を含めて開発が進んでしまっているので,北側だろうか.

小樽方からの進入経路を含めて考えると,北5条の地下あたりが無難か?

1.5kmほどの地下線を建設できれば何とかなりそうだが,在来線の高架の下を通る部分の工事がめんどくさそう.

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やっぱり1番線2番線転用が無難かな.

しかしまぁ,繰り返しになるが,どうして新幹線の受け入れ準備せずに再開発したんだろう.

続・新幹線札幌駅の件(駅の西側編)

札幌駅の件の続き,今度は西側(小樽方)である.

西側については,駅の高架と南側の建物の間には少しだけ空間があり,かなりがんばれば線路1線程度は建設できそう.

駅の真ん中の南側あたりから西を見ると…

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駅の西端南側から東方向を見ると…

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いちおう,1線程度は建設できるが,奥(東)には建築物があり,この建築物を除去しないと十分な長さのホームが建設できない.

下の写真のように駅のさらに西側には空間の余裕があり,道路の上部空間が使えないこともない.道路奥に見える緑道までは約270mであり,10両編成の電車がギリギリ収まるレベル.

下の写真の左側のビル群は,手前から奧へと順に,郵便局跡の再開発ビル?,JRの関連会社のビル×2,という構成.副業ばかりに目が行って,本業の将来展望が無かったか?

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線路は何とか作れるが,電車の留置線は駅の東方に作るしか無く,やはり1番線は転用せざるを得ない.

駅の東方にホームを作るよりは,西の方が地下鉄までは近いが,程度問題であり,地下鉄への乗り換えや在来線への乗り換えは不便そう.

ということで,ここもあんまり便利な立地にはならない.アカンやん.

 

続・新幹線札幌駅の件(駅の東側編)

札幌駅の東側,つまり旭川方に出てみる.

下の写真は右側が駅の高架橋,左側がホテルに併設された駐車場棟である.近接しており,その間はせいぜい1メートル程度.このままじゃぁ何も設置できない.現1番線を新幹線に転用して,ホームを南に設置し,これらの上階に新幹線の線路とホームをさらに設置するのは難しそう.

何でこんなアホな設計したんや? 本当に新幹線が来るとは思ってなかったんだろうな.

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下の写真は駅東側の線路に隣接する空き地である.今は駐車場として使用されている.

中央奥の茶色のマンションまで約370メートルあるので,10両編成の新幹線は十分収容できる.現在の1番線を上下線共用の本線としてこの空間への出入りに使うのなら(名鉄の新岐阜駅のような感じ)さほど問題は無さそうだが,在来線のホームや地下鉄までが遠い.

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東側はアカンな.

続・新幹線札幌駅の件(1番線2番線編)

北海道新幹線札幌駅の件である.札幌までやってきたので,観察してみる.

まずは,1番線と2番線を新幹線に転用できるかという点.長距離列車のターミナルのホームとしては,やや幅員が狭い感じもするが,まぁ,何とかなるレベル.

線路については,軌間が異なることと,車体サイズが異なることへの対応が必要だ.スラブ軌道になっており,青函トンネルのように新幹線軌道の敷設を前提としたスラブ(コンクリート板)では無いので,スラブは交換が必要.写真右側(南側)には余裕がありそうなので,まぁ,これも何とかなるかな.

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小樽方.ホーム西側に出ればすぐに南側ビル群の制約が無くなるので,新幹線の線路を南側にカーブさせれば問題無さそう.この鉄骨の柱は屋上駐車場のものか? 邪魔だなぁ.

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2番線は3番線と近接しており,在来線と新幹線とで建築限界が交錯しそうだ.線路中心を2番線側に寄せる方向で,2番線のホーム端を40cmほど削れば何とかなりそうだが,やや苦しいなぁ.できれば2番線はそのままにしたいところ.

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ということで,1番線2番線の新幹線を転用することは物理的には何とかなりそう.できれば2番線の転用は避けたいところ.

しばらく札幌駅のホームで観察していると,この駅,各方面の終点になっている関係もあり,列車がホームをふさいでいる時間が長い.中には,ホーム上で増解結している列車まである.

関西方面でいうと,京都駅や大阪駅,あるいは新大阪駅のホーム上で増解結や車内清掃をしている列車は(関空特急や山陰特急を除いて)あんまり無い.

在来線が忙しいので…というJRの説明のようだが,改善の余地はありそう.

いやそれ以前に,1番線2番線て,現時点で既に割とヒマでは無いかな?

(つづく)

あの渡島大野が新幹線駅に

北海道新幹線の現在の終点は「新函館北斗」駅だが,ちょっと前まで「渡島大野」と名乗っていた.その時の様子はこちら.いちおう,After編である.

まずは,新幹線の線路の終点であることを確認.確かに今はここで終わり.

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改札を出て,右に曲がる.

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在来線ホームの上に出てみると,ホームがまっさらに更新されている.だが,まだかつての面影がある.

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向きを変えて,正面に出てみる.かつての駅舎からは想像もできないくらい立派だ.

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駅前広場も整備されており,駅を出たら田舎の風景が広がっていたのは今は昔.

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では,今度は反対側の駅前広場に行ってみよう.かつての渡島大野駅は西側にしか出られなかったが,新函館北斗駅には東側駅前広場も整備されている.

こっちは何にも無いが,小ぶりながらきれいな駅前広場が完成している.一台停まっている車の向こう側で何かがうごめいている.何かな?

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ん?

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う,馬だ.野良馬?

なんだか,ちょっと安心した.

青函トンネルを新幹線で通ってみた

例の出張の日になった.列車は東京駅を出る段階で全席完売の盛況ぶり.どうやら私は団体客の多い車両の空き席に収まってしまったようだ.完全に観光列車状態.チョコあげようかとか言われたりするワケだな,これが.

新青森を出ると北海道新幹線区間に入るが,どうも遮音壁が多くて景色があまりよろしくない.せっかくの車窓が,壁だらけ.

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新青森から新函館北斗までは約1時間であり,概ね毎時1本運転されているので,この区間では2度新幹線とすれ違う.

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中小国の信号場で在来線と合流する.

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ここからしばらくは狭軌と標準軌の三線軌だ.残念ながら,速度はずいぶん遅い.在来線特急なら「がんばって走っている」レベルだが,新幹線としては「徐行?」というレベル.

車内放送でいくつかの小さなトンネルの後,青函トンネルに入ることが告げられた.その直後に「奥津軽今別」に停車したので,「あら,もう北海道? 早かったわね.」などと隣の席の観光のおばさま方がのたまわってらしたが,この直後,現実を体験することになる.

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時速約140キロで青函トンネル突入.スピードはもちろんずっとそのまま.トンネルを通過するための所要時間は約25分.

例の観光おばさま方,「えっ! ・・・」・・・ゴォーーーーーーー

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ゴォーーーーーー.竜飛海底駅と吉岡海底駅も非常用設備として稼働中の模様.

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ゴォーーーーーー.トンネルの中では,新幹線と1回,貨物列車と1回すれ違った.

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ゴォーーーーーー.30年ほど前に初めて快速「海峡」で通過した際には,全4名のうち2名は途中で意識不明.青函トンネル恐るべし.あの時は140キロも速度は出ていなかったので,40分近くかかったと思う.それを考えれば速くなったものだ.

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ゴォーーーーーーッ.やっと出た.例のおばさま方「・・・・・・」

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新幹線で北海道上陸!

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木古内手前で在来線と分離して…

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木古内からさらに15分ほど走って,新幹線の車庫が見えたら終点.

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現時点では,ここが新幹線の北限.

 

 

ミニマム新幹線

もう廃止されてしまったが,山陽新幹線にはこういう「ミニ」新幹線が走っていた.

山形や秋田に走っている「元祖」ミニ新幹線が席数400席くらいなのに対し,こちらの「本家」ミニは250席くらいなので,輸送単位の小ささならこちらが本物である.席数的には鳥取行きの「スーパーはくと」なみ.

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なお,国鉄時代の新幹線電車は,(内装的にはともかく)電気的には運転席があるかどうか,(厳密に言うとちっと違うけど)集電装置があるかどうか程度の違いしかなかった.

最近は電気系統も複雑化していて数両まとめてでないと機能しないような構成になっているようなので,ここまでの”ミニ”は,もう現れないかもしれない.

…でも,そう遠くない将来「ローカル新幹線」が建設されるようになった場合には,新「元祖」ミニ新幹線電車が必要になるかも.