まだ工事中なんだが,ずいぶん長らくかかったが,福井鉄道の通称ヒゲ線,つまり福井駅前への乗り入れ線ができそうである.
路面電車の新線工事というのは非常に珍しい.完成すると,こういう形になるようである.
スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.
…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.
本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.
元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?
ちょっと前に,こういう新聞記事があった.
JR東日本とJR西日本は、北陸新幹線にスキーや大型のスーツケースなどを置くことができる荷物置き場を設置すると発表した。
情報源: 北陸新幹線に荷物置き場…訪日観光客らに対応 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
こんなことで新聞で話題になるとは,実は情けないお話.
もちろん,車端部にはこういったバゲージスペースがあることが多いのだが…
独仏あたりだと,こういうローカル列車でも…
そのまま,普通に頭上の荷棚に収まる.
というわけで,空港でもないのに,欧州の駅の客はスーツケースゴロゴロ転がしている人が多い.
いっぽう,日本の新幹線の荷棚は車体がデカい割に荷棚が小さく,小型のスーツケースしか荷棚には収まらない.車体の基本設計の問題やね.
土佐電鉄の高知市内のはりまや橋交差点の線路配置は,複線軌道が十文字に交差し,左右方向に短絡線があるという配置になっている.ただし,北側と西側との間の短絡線が複線になっているほかは単線の短絡線である.
さて,この交差点のど真ん中,つまり線路が交差しているあたりに電停を設置したらどうなるだろうか.こうなる.地図で見ると…
と,まぁ,イマイチどうなのかわかりにくいが,地上ではこんなカオスな状態.まずは,電停というか交差点の中心地.
斜めの短絡線やクロスしているところも含めてほぼ全てが電停として使用されており,線路の隙間の三角形のところなども含めて全てホームであり,停まる場所によってはホームがあったりなかったり.他線をふさぐ形での停車もお構いなし.カオスである.
便利といえば便利だが,これでええのか?
なお,この交差点,トランジットモールではなく,一般の自動車も(通行方向は制限されているようだが)処理している.
またまたバーゼル駅である.この写真にヨーロッパの駅の独特の構内配線が写っている.便利でもあり,遅れの原因でもあり.
この線である.端っこから端っこまで斜めにゴリゴリと全線路を横切る渡り線.そして横切る際にはご丁寧に全箇所ダブルスリップスイッチ,つまりどちらから進入してもどちらにでも出て行けるという便利な分岐器が設置されている.この駅は左手前から右奥方向だけだが,駅によっては右手前から左奥方向にも設置されていることがある.
便利な分,高価であり,複雑である.そしてなによりも,これを使って端から端までゴリゴリと列車が駅に出入りしている最中は,他の路線の列車の発着が一切できなくなるので遅れの原因にもなる(高価でメンテが大変で遅れの原因になるので,日本ではまずやらない使い方らしい).
でも,これ見るとヨーロッパに来たなという実感があるよね.
大きな駅付近で線路を眺めていると,いろんな列車が出入りして面白い.特にここ,スイスのバーゼルはスイス国内の要衝であるほか,ドイツやフランスからも路線が乗り入れており,さらに車両基地まで隣接しているという立地である.お弁当を持って一日中観察したいくらいだ.
さて,しばらく見ていると車両基地からバーゼル駅へと向かう列車がゆっくりと足下を通過して行く.ゴトン,ゴトン.
ん?
なんか変だぞ.
二編成併結の「二階建て」列車である.
日本の感覚では編成の途中に機関車がはさまっているのは変だが,こちらの機関車は機関車のようで機関車ではない.遠隔操作できる電動ユニット車と表現した方が分かりやすいかもしれない.
そういうわけで,進行方向の先頭の運転台で2つの機関車を同時に制御すればこういうこともいとも簡単にできてしまう.
ま,TGVやICEも電車のようなフリをしながら,その実,機関車が客車をPush&Pullしているわけなので,TGVやICEが2編成併結できるのなら,上の写真のような光景も別に不思議でも何でもないわけだな.
前回フランスのブザンソンを訪問した際には,開業直後ということもあってか,まともに電車が動いておらず,「金返せ」というレベルであったが,今回はまともに動いていた.
沿線の施設等は,もはやフランスの沿線開発の教科書通りといった感じで,日本のJRに相当するSNCF駅から中心街を通って郊外へ.沿線には大学,大学病院,ショッピングセンター,集合住宅,パークアンドライド等々,目新しい工夫は無いが卒の無い出来である.
中心街は意外なことにトランジットモールは存在せず(厳密にはごく短区間だけあるが),入ろうと思えばクルマが中心街に入れる構造になっている.ところが,実際にはクルマの交通量は非常に少なく,一部の街路を除いてほとんど気にならないレベルである.
その秘密は,これである.
中心街の街路は原則として一方通行であり,中心街に侵入する箇所には可動式の「ボラード」が設置されている.ここは右側が中心街の住民専用ボラードで,リモコン操作で邪魔な円柱を下げて通ることができる.左はバス専用レーンであり,同じくリモコン操作で通れる.
斯くして,中心街に用のあるクルマだけが進入できるようになっている,ということである.
なお,中には通行方向や進入禁止を無視して通過する不届き者のクルマも少数ながら存在している.
私が小学生の頃は,地元の紀勢本線にはディーゼル列車が走っており,朝昼夕の3往復は機関車が客車を引っ張っていた.
毎時1本が基本であり,昼の2時台は列車がなく,朝夕だけ毎時2本の時間帯があった.片道20本あまり.そういうわけで,あんまり便利な交通機関ではなかったので,並行する国道には御坊-和歌山市間に概ね毎時1本程度の南海バスが,そして白浜-和歌山市間にも急行バスが走っており,総じてバスの方が便利だった.隣町へのおでかけも,国鉄とバスとが半々といった感じであった.
その後,紀勢線には1978年に電車が走るようになり,1986年から毎時2本になり,その結果,並行するバス路線はこういう状態になった.
さらに,現在に至ってはこの4便も無くなってしまったようである.40年間の変化である.