トロントは都市圏人口約500万人.概ね大阪府と同程度である.
郊外の高速道路,往復6車線でもダメ.渋滞している.
往復12車線でも渋滞気味.前方のクルマがブレーキ踏んでいる.
この差は何かというと,まともな都市鉄道があるかどうか,である.
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TRANSPORT IN CANADA(自家用車編)
カナダ国内の長距離移動は航空,じゃぁ短距離中距離はというと,鉄道網がかなり希薄なので,クルマである.車が使えない場合は,グレイハウンドなどのバスである.
実はカナダは米国よりも所得が低いので,飛行機にはあまり乗らずに,大陸横断クラスの距離でもクルマである.日本ではクルマで「only 10 hours」とか「only 1000 km」とは言わないが,彼らにとってはこの程度の距離はクルマのカバー範囲である.
もちろん,空港や駅はクルマで乗り付けるのは当たり前,米国に行くのもクルマである.ということで,一度だけクルマで米国まで行ってみたことがある.ただし,さすがにonly 1000km先のN.Y.は遠すぎて無理なので,半分ほどの距離のデトロイト郊外までである.
ちなみに上の写真はカナダ在住中に使っていた車(Ford Contour)であり,現地では比較的コンパクトなクルマだと思って使っていたが,帰国後に大学の駐車場に同じ車種が停められており,3ナンバーであることを知った.大学に駐めてあった車は仕事上”Contour”が切っても切れない分野の先生のものであった.
ガソリン値上がり(国の担当部局は何している!?)
ご存じのようにガソリンの価格がべらぼうに高い.レギュラーで160円台,ハイオクで170円台というから,一時期の5割増しといった感覚である.
国の担当部局は何している!?………輸入価格を抑えろ,というお話しではない.
最近はさっぱりテンションが下がっているが,地球温暖化ガスの削減はどうなった? 京都議定書クリアをあきらめたからと言って,何もしないでOKになったわけではない.特に運輸部門のCO2削減はなかなか進まず,モーダルシフトのかけ声をかけるも,反応は鈍い.
自動車を使う理由は便利だからだが,利用にあたっての費用が高ければ使用する率が少なくなるはずである.そう,現在はガソリン価格が高くてモーダルシフトを推進する絶好の時期である.
不要不急の自家用車利用は電車やバスに切り替えてもらい,渋滞を解消さえて自動車の燃費を向上させ,公共交通も自動車交通もwin-winの関係になる絶好のチャンスである.
国の担当部署は何をしているんだろう.まさか,そのことに気付きさえしていないのか?
茨城県のBRT(かしてつBRT編)
2007年に廃止になった鹿島鉄道の代替バスは「かしてつバス」と呼ばれる.運行はかしてつではなく,関鉄グリーンバス.その路線の一部が鹿島鉄道線の路盤を転用したバス専用道になっており,「かしてつBRT」と呼ばれているらしいので行ってみた.
常磐線の石岡駅から出て,このあたりから専用道路に入る.
石岡南台駅.かつてのプラットホームを転用しているように見えるが,そうではなくて,左側はバス停標識が停留所本体.右側は屋根付き.
元の鹿島鉄道線時には使われていたであろう跨線橋とその下の駅舎(?)は,今は使われていない.ハードウェアは作る金があっても運営に手厚い保護をすることができないのが日本のシステム.
所々に道が太くなった行き違い箇所が有り,上下便が交換する.
一般道との交差部分は「踏切」が付いているが,専用道の優先通行を確保するというものではなく,一般道から誤って専用道に車両が進入しないようにするだけである.バスが近づくと遮断機が上がるが,バスそのものは原則一旦停止のようである.もっとも,交差する一般道の交通量が少ないので,このような交差点が遅延の原因にはならなさそう.
道路としては貧弱だが,便数も少ないので,さほど交換待ちも問題にはなってなさそう.並行する国道(下の2枚目)が,時間帯によっては渋滞するようで,それなりに効果はある模様.なお,運賃は普通のバスなみ.運行本数は残念ながら少ない.
ここで終点.
専用通路が確保され,定時性確保の努力がされているのは評価できるが,本数が少なくて1本逃すと待ち時間が長い.値段も安くは無く,海外のLRTのゴムタイヤ版だと思い込んではいけない別物である.廃止鉄道線の代替バスとするとまぁOKか.高頻度運転も,低廉な運賃も,中心市街地活性化も,P&Rも,信用乗車etc…もなく,これをBus「Rapid」Transitと呼ぶのは個人的には若干抵抗有り.
日本に本物のBRTは出来るか?(基幹バスシステム)
名古屋に行くと,バスレーンが道路中央に配置されている箇所がある.まるで,ゴムタイヤ式の路面電車のようなシステムである.路面電車が路側の歩道から直接乗降できないかどうか模索するのとは逆の発想だ.基幹バスシステムという名前が付いているが,路上駐車による影響を避けるという点では左の路側車線走行よりは優れていると思われるが,バリアフリーではやや劣る.
地下鉄や高架鉄道の整備をする余裕のないアジアの都市では,名古屋のバスシステムを参考にすることが多いらしく,自動車社会ではあるものの,名古屋のバス(地下鉄も)結構がんばっている.願わくば,LRTシステムを特徴づけている各種の施策も取り込むと,もっと完璧になるのであるが,日本の中では最も本当のBRTに近いシステムの一つである.(が,やはりバスかも.)