よく南海トラフの大地震の発生間隔は100〜300年とか,最短では90年だったとかそういう話がある.
横軸に発生順のシリアルナンバーを,縦軸に発生した西暦をとってグラフを書いてみるとすぐにわかることだが,最近の発生間隔と数百〜千年以上前の発生間隔を見比べると明らかに最近の方が間隔が短い.
たぶん,昔は全ての地震が記録されていないので発生間隔が長く見えているだけ,最近のはちゃんと記録が取られているので,短く見えているだけの可能性高し.
それから,最短90年というのは安政〜昭和がそうだったということなんだが,今後も最短90年なのかは全く保証がない.
南海トラフの大地震は太古の昔から何千回何万回と発生してきているわけだが,人間が知っているのはせいぜい最近の10〜20回分程度だけで,しかもごく最近の数回を除いて記録が不完全な可能性が高いわけだ.そんなごくわずかなデータだけでは「発生間隔については,正確なことはわからない」という結論が妥当なのかもしれない.