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バス逆行レーンという専用レーン

大学の交通系の教科書には,「バス逆行レーン」というのが載っていることがある.

バス専用レーンの一種なのだが,通常の自動車用の車線とは逆向きに設置されているというのがミソ.

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こんな感じやね.逆にすると「専用」であることを無視してこのレーンを走ろうとする輩が激減するというのがミソやね.正面衝突したくないから.

この程度のことは日本でもできるハズなんだが,やらないね.言い訳ばっかりしていて,何もやらないね.日本て.

写真はフランスのトゥールーズ市内.

電動ボラード

ヨーロッパの中心街では,野別幕なく自家用車を使わせないために自動車の進入をコントロールしていることが多い.日本だと標識だけで進入をコントロールしようとするのだろうが,もっと積極的にコントロールしていることも多い.

例えば,個々は太い柱が地面から生えている.右の注意書きを見ると,上下するようだ.電動式のボラードというものである.

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この横には,なにやらコントロールパネルがあり…

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どうやらICカードのようなもので開けるようである.

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上の写真はニースだが,別の街の動画がある.こういう動作をする.

日本も,もうちょっと工夫しようよ.言い訳ばっかりで,何もできてないよね.

バッテリーでGO

LRTシステムを導入する際,せっかくメインストリートから電柱をなくしてスッキリさせたのに,わざわざ再び電線を張るのか,という議論になることがある.

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そんな時は,電車の集電装置をたたんで,電線も取っ払ってしまえば良い.

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ほらね.

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電車に積んだバッテリーでGOだ.

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これなら,こういった景観重視の区間でも走れる.問題解決.

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DSCN9646フランスのニースのお話.

自動車の自動ブレーキ装置を路面電車に積めば…

最近,自動車に自動ブレーキ装置が搭載されることが多くなってきたが,これと同じものを路面電車に登載すれば,自動車と同じく事故を減らせるはず.

とすると,”歩行者との事故が心配”なトランジットモールについても,事故の心配が無くなるわけで,課題解決となるかも.

自動ブレーキ装置の搭載を条件に,トランジットモールを正式に認めても良いのでは?

歩道と軌道を明確に区別する方法

日本でなかなか実現しないトランジットモール.歩行者が軌道に入ってくることを問題視しているわけだが,不用意に軌道に入り込まないようにするためには,こういう方法もある.

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つまり,軌道部分をマウントアップしてしまい,軌道を横断するのなら意思を持って10cmほど昇らなければならないようにしているわけだ.

…ま,これでも「足を引っかけて転倒する人ガー」とか言うんだろうな.日本人て,そんなにウスノロか?

 

LRTシステムの一要素…公衆トイレ

LRTシステムを構成する要素としては…

  1. 高性能低床式電車
  2. 優先信号システム
  3. 共通乗車券
  4. トランジットモール
  5. パークアンドライド
  6. …etc

実はあんまり語られない要素がありまして,それは,これ.

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公衆トイレである.

新規整備されたLRT路線を訪れると,主要電停に公衆トイレが設置されていることが多い.日本の場合はコンビニとか,各種商業施設とかのトイレを無料で使用できるが,欧州の場合はどこで大便小便するのかというのは,街歩き上のちょっとした課題である.もちろん有料だが,日本円換算で50〜120円くらいで用を足せるのなら安いという話もある.

電停をきれいに保つための工夫の一つ,なのかもしれない.

トランジットモールの別の使い方

トランジットモールというと,路面電車やバスなどの公共交通と歩行者とが通行を許された街路である.

日本では,公共交通と歩行者とが接触事故を起こすのでは無いかという懸念から,さっぱり導入が進まないというものである.

…まぁ,日本人がそこまでウスノロだとは思わないが,警察の懸念は大きそうである.

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さて,実際に実施されているところにおける事故の話はちょっと横に置いといて,歩行者優先街路としての使い方以外の使い方の話である.

自家用車の進入が禁止されているので,トランジットモールは基本的にはたまに電車が走ってくる以外はスカスカのガラガラである.ということで,その空いた道路を使ってパトカーや救急車,あるいは消防車の「Express Way」として機能している姿がしばしば見られる.

あんまり「反対,反対」ばかり言ってないで,こういう積極的利用の側面も考慮してみてはどうだろうかねぇ.

現場到達時間て,緊急サービスの結構重要指標だよね.

路面電車の地下線

タイトルが,それ自身,矛盾しているじゃぁ無いかという指摘は置いといて,海外のLRTについて調べているとしばしばお目にかかるのがこういう施設.

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路面電車の地下線である.日本ではまずあり得ない.

なぜ日本ではあり得ないかというと,日本では原則として鉄道整備は独立採算であるからだ.つまり,地下線をつくったならば,その建設費を運賃で払わなければならない.

例えば1kmの地下線を100億円でつくったとしよう.この100億円を運賃で支払うとする.地下線に乗り入れてくる電車の客は,平均5km乗車して200円支払ったとすると,1kmならば40円分である.

100億円÷40円/人=2億5000万人

電車には毎便100人ずつ乗っていたとすると…

2億5000万人÷100人/便=250万便

往復計で5分ごと,朝6時から24時までの18時間運転されていたとして…

18時間×(60分÷5分/便)=216便/日
250万便÷216便/日=11574日=31.6年

運賃を全額建設費の支払いにまわしても30年以上かかる.車両費や電気代,保守費,人件費,利払い等々の入っていない段階でこれであるので,事実上,運賃で地下線の建設費を払うなんてのは不可能である.

そもそも,朝から晩まで5分ごとにほとんど満員のLRVが走ってくるとの設定に無理がある.

つまり,こういった「路面電車の地下線」は独立採算の下ではできない施設,ということになるわけだ.インフラ整備の根源的な考え方が違う,というお話.