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バーゼルを8分遅れで出発したICE,次の駅で定刻に

スイスのバーゼル駅を8分遅れで出発したベルリン行きICE.フランクフルト方面への路線を走るのだが,残念ながらスイス付近は線形が悪く,ローカル列車のような走り方しかできない.川沿いに右へ左へと流れに沿って敷かれた線路をたどる.

…と,過去の記憶をたどればそうだったのだが,今回は途中で「本気」を出した.そして次の停車駅のフライブルクではなぜか定刻着.

本気を出した秘密は,以前は無かったこのトンネルのようである.トンネルなのでGPSが機能せず,正確な速度はわからないが,200km/hくらいか.8分遅れは確信犯だな.

元々の線路はトンネルの左側の川沿いの線路.独仏は訪れるたびに幹線鉄道の設備が更新されて行く.日本はどうなんだ?

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線路は増えるよどこまでも

線増工事という種類の鉄道工事がある.単線の線路を複線にしたりする工事で,高度経済成長期には全国の幹線でよく行われていたが,タイミングを逸した路線では近年まで手つかずというケースも少なくない.

この区間もそういったところであり,ようやく数年前に複線化された.といっても,必要最低限の複線化で,線路が1本になったり2本になったりといった具合である.

単線から複線になるはじめの部分.分岐器が挿入されようとしている.

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小さな水路にも小さな橋梁を新設.

DSCN0814ここは隣に新しい線路ができはじめている.

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カーブを曲がって…

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その先にある駅の線路は2線あるので,そこは活用して…

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さらにその先も線路を増設して…

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ここで終わり.ここからは単線

DSCN0847以上,2008年の夏の宇野線,つまり瀬戸大橋の北側部分.この線路に四国4県が依存しているのだが,何とも心細い.

そう言えば去年の今ごろ〜年度末にかけて,”四国に新幹線を!”とやっていたと思うが,その後はどうなったんだろう.最初は勢いよくてもなかなか継続的に活動できていないケースが多いが,どうですかね.長期戦ですよ.

チキチキチキ

石油類を運ぶ貨車がある一方で,長〜〜〜〜〜〜〜〜いレールを運ぶ貨車もある.特に最近は溶接したロングレールが敷設されている区間が多くなっているので,ある程度の長さにあらかじめ溶接したレールや,そもそも工場出荷時で既に150M級の長さになっているレールを運ぶことも多い.

機関車の後ろにレール運搬用の貨車が連なり…

DSCN0729まだまだ続く…
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長い…DSCN0732

がっちり固定してしまうと貨車が走りにくくなるので,ある程度レールが左右に移動できるようになっているようである.

DSCN0734でも,レール自体も緩やかにしなって,貨車がカーブ通過時には積み荷のレールもカーブするわけだな.

福井駅先行工事部分

2020年北陸新幹線延伸の先行開業を目指している福井であるが,先行開業するにあたってネックになっているのがこの部分である.

ob3sW7-8年前には既に金沢方の半分程度の新幹線高架橋が完成していたが,その高架橋の右隣にあるえちぜん鉄道が問題になっている.

計画ではえちぜん鉄道を,まずこの完成した新幹線の高架橋に仮線で乗り入れて仮駅を開業し,その間に下のえち鉄福井駅を撤去.そして高架駅をつくり,完成したら仮駅を新高架駅に移す.

その後,新幹線の高架駅を完成させて,新幹線開業,という段取りである.

ところが,福井駅まで新幹線を先行開業させようとすると,えちぜん鉄道の仮駅が工事の進捗に影響を及ぼす.ということで,なかなか工期が短縮しにくい原因になっている.

もっとも,他にも先行開業期間中の2-3年間だけ使う留置線や検修設備等々,わざわざ安くない金をかけてまで作るのか,という問題もあり,なかなか一筋縄では行かない.

なお,えち鉄の仮線は,もうすぐ使用を開始できそうなところまで工事が進んでいるように見える.

日本国民の叡智と努力によって完成された

もちろん,法律上は私企業の私物であるが,元々の経緯を考えると,やっぱりこれって国民の財産なんだよね.

DSCN8506いろんな漏れ聞こえてくる話を聞くと,何だかなぁ,と思うことが多い今日この頃.

高架にしようと思ったら既に高架橋があった場合

鉄道を高架にしようとしていて工事を進めていくと,もしも,その先に先客がいた場合.こんな感じですね…

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困ったねぇ.

こういう場合は,まず道路の高架橋を仮の高架橋に移し…

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このままだと,隙間が狭すぎて電車が走れないので…

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全部の段取りが済んで,もう電車が走れるという段取りになったら,邪魔な道路高架橋を取っ払って,線路を地平から高架に移し,そして道路を地上に通す.

…ということを一夜にしてする模様.

#なお,上の写真は順に近鉄奈良線,JR奈良駅,JR奈良駅である.

フルカ峠トンネル

かつては北陸トンネルが(狭軌で)世界最長のトンネルであったが,その記録を塗り替えたのがスイスのフルカ峠トンネルである.

これがその入り口.

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単線のトンネルで約15.4kmあるので,途中で行き違いができる設備がある.仙山線の面白山トンネルとか,ほくほく線のトンネルのようなものである.

DSCN6059このトンネルの興味深いところは,真上の峠道の交通量を減らして環境への影響を少なくするべく,トンネル区間を通過するカートレインが運行されていることである.

東海道新幹線では無理だが,日本の新幹線でも列車本数の少ない区間だとこういったカートレインの運転というのはありなのかなと思う.

 

レールが先かマクラギが先か

通常は,線路というものは下部の構造物があって,道床があって,マクラギがあって,そしてレールがある.この風景を見るまでは,そう思ってました.

DSCN8278この写真の手前の軌道は,よく見るとレールにマクラギがぶら下がっていて,マクラギが仮の木製ブロックの上に載っかっている.どいうこと?

これは高架橋上の軌道の敷設現場であるが,まずレールの高さを厳密に測って高さを調整しておき,それにあわせてマクラギをぶら下げて,最後にそれにあわせてコンクリートを流すそうな.完成する遠くの軌道のようになる.

なーるほど.最終的に必要なのは正確なレール面の高さなので,実に合理的である.固定観念にとらわれてはいけない,ということか.

…と感心していたら「えぇー,せんせぃ,知らんかったん?」と言われてしまった.さすがに現場の施工方法までは知らない.世の中,知らないことの方が多いと思う.

シンプルな架線

「シンプルカテナリー」のことではありません.

和歌山と奈良県の王寺を結んでいる和歌山線.私が子どものころに電化して以降,ほとんど何の変化もない.昔は赤い客車が走っていたり,誰が乗るのかわからないような遅い急行列車が走っていた.

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電化したのが国鉄末期の金がない時期だったので,上空の架線がかなりシンプルであり,昔の地方ローカル私鉄の設備みたいだ.(ちょっと違うけど)

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この架線の泣き所は,電線が一本なので自重で真ん中が垂れ下がること.それから,上の写真のような吊っている箇所で(見た目ではあんまり気付かないが)電線が急に曲がっていて,離線や断線の原因になりやすいこと.このシンプルな架線でも,電力供給用の太い電線はどうせ必要なので,ならばそれを活用してしまえ,というのが昨今よく見かける架線かな.

IMG_3789これは武豊線のもの.手前側がそれ.