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富山ライトレール以前の最新路面電車新線

新設の路面電車というと2006年開業の富山ライトレールが有名であるが,それ以前の新設区間というと1982年開業の豊橋鉄道の軌道線の支線(運動公園前)約600mであった.
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今は駅前の乗り入れ方法の変更等で全国各地に少しづつ新設・移設の例があるが,当時は参考事例がこの豊橋の事例(この支線と,駅前乗り入れ区間の延伸部分)しかなく,建設単価などでは良く引き合いに出されていた.
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一つ手前の井原電停で赤岩方面と分岐し,それまで複線区間であったものが赤岩,運動公園前ともに単線になっている.運転本数も半々である.
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駅前は広場まで乗り入れ延伸されている.最近は珍しくなくなったが,先進事例の一つである.
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新聞記事の精度(朝日新聞編)

朝日新聞のweb版にこういう記事がある.
香川)経団連、四国の新幹線構想に慎重姿勢:朝日新聞デジタル.
経団連の会長が四国の新幹線構想に関し,「4県都を結ぶルートでも1・5兆円。出来た道路にしろ、新幹線にしろメンテナンス費用がかかる」と指摘し,続けて「国の厳しい財政事情を考えると、他地域のプロジェクトに比べ、これだけメリットがあるとアピールすることが重要」と発言し,何となく否定的なイメージのコメントをしたことになっているのだが,ちょっと引っかかる内容である.
そもそも,「朝日新聞」の時点で,事実関係の伝聞の精度に問題がある可能性が高く,単なる記者の創作料理,じゃなかった創作記事の可能性があるのだが,いずれにせよはっきり言えるのは・・・

  • 完成した新幹線のメンテナンス費用を国が出すことはない

ということである.東海道山陽新幹線や東北新幹線に比べて客が少ないとしても,電気代や乗務員の人件費,線路の保守費などが出せないほどのレベルの新幹線はさすがに建設されない.市街地の一般道路は建設後の維持費は税金により賄われるのだが・・・

  • 新幹線の維持は運賃(と料金)により賄われる

ということを認識していない記事である.経済人が誤ったのか,記者が誤ったのかはこの記事だけでは判断できないが,いずれにせよレベルの低い記述で頭が痛い.
なお,この件に関する他社の書いた記事ではそういうネガティブなことは書かれていないようなので,印象操作を目的とした創作記事(あるいは,そういう意図がなくても正確な記事を書く能力が無くなってしまった記者が書いた記事)の可能性が高い.
多様な見地からの意見は大事であるが,事実関係が把握できていないと正しい結論には至らない.そろそろポジショントークは止めて,反対意見でもけっこうなので,正確に議論して欲しいものである.
(追伸)私が絵本以外で親に買ってもらった最初の本は「日本の鉄道」と「続・日本の鉄道」朝日新聞社刊である.今見ても,なかなかクオリティーが高い.

アンダーパス(建物の・・・)

日本でアンダーパスというと,線路 と道路がクロスする際,道路側を地下化する場合などについて「アンダーパス」と呼んだりする.
じゃぁ,このケースは?
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DSCN5283これ,よく見ると,ショッピングセンターの下を道路とLRT軌道が「アンダーパス」しているというものである.日本でもありそうな気がするが,・・・たぶん無いと思う.ビルを高速道路が突っ切っているのはあったと思う.ビルの1階部分が柱だけで,そこを道路が通過・・・と言うか,道路の上部空間を利用して店舗等になっている例もあったと思う.
上のは,ショッピングセンターの下をくぐっている.珍しいなと思うが,・・・そうでもないかな.

【祝】整備新幹線開業前倒し(だが・・・)

まだ決まったわけではないのだが・・・整備新幹線(北海道,北陸,長崎)の完成時期を早めるべく,資金計画の練り直しがされつつある.
その点だけを取り上げれば「【祝】整備新幹線開業前倒し」なのだが,そう手放しでも喜べない.
新しい資金計画のポイントは,各整備新幹線が開業することによって発生することになっている将来のリース料収入を担保にして,借金をして建設資金に充当して完成を早めるというものである.新たな国庫財源を探すことなく建設時期を早められるということであるのだが,ちょっと待てよ・・・その案は,タコが自分の足食ってるに近いぞ.
確かに開業は早まり,発生する便益を早期に享受できる.そういう点では社会的便益は大きい.ところが,各整備新幹線が完成するに至った場合,新たに完成した新線のリース料収入は借金の返済に充てられ,リース料収入を財源とした新たな路線の建設はできないことになる.
つまり,どういうことかというと,「今着手している路線の建設が終わったら,新幹線の建設は終わり,終了」ということである.
1970年の全幹法成立直後の基本計画が,2010年代半ばの段階の観点において建設すべきか,せざるべきか,しないとするならば他の都市間鉄道サービス改善の代替案は存在するのか,等々の一切の検討をすることなく,「今着手している路線の建設が終わったら,新幹線の建設は終わり,終了」である.
この国には,幹線鉄道網計画全体を俯瞰できるリーダーは,残念ながら存在しないようである.ちゃんと財源探そうよ・・・

ただいま路面電車の線路の修繕中

「質より量」のドイツカールスルーエの路面電車.ただいま,交差点部分の工事中である.
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「ただいま」と言っても,10年前なので,今行っても工事はしていない.現在やっているはずの工事は,路面電車の地下化工事である.
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この交差点は,毎時144本の路面電車が通過するので,活線工事は大変である.「毎日」ではなく「毎時」なので.
DSCN4353これはクロス部分のレール.
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こちらは溝つきレールと呼ばれる路面電車専用のレールである.残念ながら,日本では溝つきレールは現在は生産していなかったと思う.
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プレストレストコンクリート

プレストレストコンクリート,というコンクリートがある.コンクリートというと,「鉄筋コンクリート」が有名で,引っ張る力は鉄筋で,押さえつける力はコンクリートでそれぞれ負担するので,強い材料になる,という合わせ技である.
ところが,線路のまくら木のように,長手方向の横方向から力が加わると・・・「想定外」の方向からの力になるので,ちょっと弱い.そこで,あらかじめコンクリートに圧縮する方向に力を加えておくと,「想定外」の方向からの力が加わってもコンクリートには「圧縮する力−横からの力で引っ張られる分>0」となって,引っ張られることはないので,ひび割れず,壊れない.
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ということで,鉄道用のコンクリートまくら木を横から見ると,あらかじめ圧縮するための力を加えるための鋼材が埋め込まれている様子が分かる.鋼材を引っ張っておいてからコンクリートを流し込み,固まったら鋼材の端っこに抜けないように金具を付けてから引っ張っている力を抜くとあら不思議,鋼材の両端の金具間の鋼材は引っ張られたままになってコンクリートに力がかかる.
DSCN9774大学の土木系の実験でも作成の実験があるが,実験時には「鋼材の向く方向には立たないように」という注意がある.万一鋼材が破断すると飛び出し,体に突き刺さるかも知れないからである.おそろしや・・・

大鳴門橋

今さらながらのお話しであるが,本州と淡路島を結ぶ明石海峡は,コストダウンのために道路単独になってしまい,鉄道を通す部分はない.
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淡路島から四国への大鳴門橋については,瀬戸大橋と同じく,鉄道を通す空間が最初から作られており,若干の改良を施せば道路鉄道併用橋になる.
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これは,その鉄道用の空間.新幹線が複線で通せるようになっている(ただし,実際に走る際には信号制御で同時に橋の上ですれ違わないようにするらしい).瀬戸大橋の空間と同じく,もったいない話である.通常なら会計検査院から大目玉の案件である.
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これは横から見た様子.
DSCN0747四国新幹線用の空間であるが「四国新幹線をリニアで」という話があるのだが,もちろん,ここを通過することを想定していると思う・・・が,この鉄製の橋を磁石の塊であるリニアは果たして通れるんだろうか?
確か,リニア用の橋は普通の鉄製の橋ではなくて,いろいろと特殊だったと思うが.

ミニ地下鉄

ミニ地下鉄という地下鉄がある.交通システムの教科書では,中量輸送機関に分類されている小型地下鉄である.
地下鉄は地下を掘るため工事費がかさむが,同じ掘るなら掘る用が少ないほど工事費が安くなる.少しでもトンネルのサイズを小さくするために,通常型の地下鉄でも,屋根上の集電装置ではなくて第三軌条という三本目のレールを使って集電している.
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電車だけれども屋根上スッキリ.
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さらにトンネルを小さくするために,電車そのものを小さくし,床下の車輪も小さくするために通常のモーターでは無くて平べったいリニアモーターを使っている路線も多くなってきている.ホームの高さが低い.
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もちろんトンネル径も小さいのだが,ミニ地下鉄が建設されるのは通常型の地下鉄よりも深いところであり,割安ではあるものの,建設費の絶対額は余りやすくはなっていないのが悲しいところ.
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このミニ地下鉄はレール間のリアクションプレートが必要だが,レールは通常のレールなので,工夫すれば通常型の地下鉄路線への乗り入れもできるんじゃないかなとも思う.ホームの高さが通常のものとは違うので,ホームに段差をつけないといけないが,大阪市営地下鉄千日前線のように半分くらいホームが遊んでいる路線ならホームの前後で高さを変えればいいかも.集電装置が必要だが,通常型地下鉄と同じく,台車に付けてしまえば何とかなるかな.
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今里筋線を千日前線に入れてしまえ,という,いささか強引なお話し.

予讃線のトンネル

予讃線は県間を結ぶ幹線鉄道なのに,なぜか単線のままで特急列車が向かいから来る特急列車を待ち合わせ...などということもある.この日は向かいから来る列車がちょっと遅れているようだ.ちょっとクスッとくるような理由で(内緒).
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割と似たような沿線状況の紀伊半島の紀勢線沿線で育った身なので,複線化していない点についてはもうちょっと何とかならんかったものかと思う一方で,振り子式電車が走っている点については,似たようなものかなとも感じた.
紀勢線は国鉄時代の1978年に電化され,同時に紀伊田辺までの複線化が完成している.時期がもう少し遅かったらこの予讃線と同じ状況になっていただろう.予讃線の電化は観音寺より東側が国鉄の最末期の1987年3月,松山まで電化が完成したのが1990年代である.
そういうわけで,インフラについても厳しい状況の箇所があり,このトンネル,何か・・・小さい.
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よく見ると,架線が三重になっており,狭小トンネル対策がされている.電化に合わせて,盤下げ(下側の地面を掘って削って高さを稼ぐ)もされているらしい.
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トンネル自体もレンが巻きでかなり古そうだ.昔なら電化という設備投資に合わせて,トンネルを掘り直したり曲がりくねったSカーブを改善したりといった手直しがされることが多かったと思うが,最小限の投資しかされていないように見える.
新幹線の予算も充分には確保しなければ,その他の改良の予算も確保しない.どうなってんのかな.株式会社にしさえすれば,事態は好転して改善されると思ってたんだろうな.そういえば,この路線の運行している鉄道の株主って,誰だったっけ? 株主の責任が問われているかも.

さようなら五新線

奈良県五條市と和歌山県新宮市を結ぶはずだった「五新線」.五條市内の国道24号にはこういった[廃線跡]が残る.
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西吉野までの一部区間はバス専用道路として供用されたが,その先は道路として使用されることも無く,幻のループトンネルなどもあったようだ.
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一部のトンネルは国道のトンネルとしても利用されたものの,ほとんど使われること無く建設中止となり,今に至る.もし完成していれば飯田線に勝るとも劣らない秘境路線になったに違いない.
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終点の和歌山県新宮市内には「五新」という地名があり,もし路線が完成していればここに顔を出す予定だったのでは無かろうか.(「五新」出身の学生に確かめたことがあるが「さぁ・・?」という返事)