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元祖リニア実験線

フランスのオルレアンの北方にはエアロトランの実験線があったが,日本の宮崎の北方には元祖リニアモーターカーの実験線があった.

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エアロトランの実験線に比べると,地震への対応のためか橋脚の足が太い.畑の中を日豊本線に沿ってほぼ真っ直ぐに進む.DSCN2069

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元はJR総研の施設で,今は地面効果を利用した航空機である「エアロトレイン」の実験場になっているようである.

DSCN2088・・・が,宮崎に高速鉄道の恩恵がやってくるのはいつなんだろうか?
そろそろ新しい全国の高速鉄道ビジョンを策定しようよ.PDCAまわってないよ.

【祝】北陸新幹線延伸…福井先行開業は?

開業おめでとう・・・っって,まだ2-3日早いか.大阪にとってはうれしさも半分なり金沢開業といったところであり,金沢以東が近畿圏とのつながりを離れ,首都圏に取り込まれる記念日でもある.

さて,その先,金沢から西,敦賀までは7年後ということになっているが,その途中の福井市まで先行開業できないかなという話が出ている.福井を終点にするには用地買収して車庫作って等という話もあるが,東北新幹線の八戸の話を参考までにご紹介.

今は東北新幹線は青森まで走り,もうすぐ北海道へと行こうとしているが,長らくの間は八戸で止まっていた.線路は八戸駅で止まっていたかというとそうではなくて,北方にしばらく続き,現在は本線となっている線路上には,実は車庫があった.

その写真がこれ.車庫には入り口が2つあって,大きな左側の方が現在の本線になっている部分である.

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延伸工事が始まると,この車庫は取り除かれて・・・

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車庫は小さい方だけ残してスリムになり,今は本線になって新幹線の営業列車が走っている.
DSCN6439ということで,まぁ,敦賀開業までの数年間のためにこういった設備を作るつもりがあるのならできないこともない,ということである.なお,福井駅から白山車両基地のある松任までは70kmほどなので,新幹線なら20分くらい.松任まで回送する気があるのなら別途の設備は不要ということになる.少なくとも金沢駅にいったん入線させれば松任の車庫には入ることはできる.

地下線区間の侵入者対策?

パリ市内には何カ所かにLRT路線があり,一部の駅は地下駅になっている.低床式電車が走っているので,地下駅といえどもホームは低く,そのまま軌道に出るのは簡単である.そうすると,悩ましいのが地下線に人が侵入してしまうことであろう.日本でもたまに地下鉄のトンネル内で人が保護されたり感電死していたりといったことが起こるので,招かれざる人は入れたくないものである.

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さて,その地下駅をよく観察すると,(またまた意味不明な写真で恐縮だが)電車の走って行く先の軌道がちと変である.下の写真,保守用基地のピットのようだが,ピットなら照明装置などがありそうなものである.だが,そういう設備は無い.引き上げ線ではなく営業線である.これは侵入者対策ではなかろうか.P1030721

ホームの反対側の線路もピットのようになっており,レールの外側も谷のようになっており,曲がった並行する壁の上面にレールが敷設されているように見える.

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ちなみに,本物のピットはこんな感じ.

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NANCYのTVRはどうする?

一時期,LRTの整備方法の一つとしてゴムタイヤトラムが注目された感がある.いくつかの方式があるが,その一つとしてTVR方式というのがあり,フランスのナンシーカーンで採用されている.

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ところが,開発元のBombardierがこの方式からの撤退を表明し,カーンについては将来的に通常型のLRTに敷き変えるそうな.結果として,安物買いの銭失いになってしまった.

ナンシーも同じTVR方式である.軌道がずいぶん劣化していたが,早晩車両も含めて設備更新が必要で,何らかの判断が迫られるところ.どうするのかな.

特殊な方式を採用すると,メーカーの都合が大きく影響する例である.トラムに限らず,特殊な都市交通システムを導入すると常にこの手のリスクがつきまとう.(が,往々にしてお役人様は新手の都市交通システムが大好きなのが困ったところ)

連節バスの方がマシかも.(でも,それってもはや単なるバスだよね)

LRTの電線はどこで支えているか

ヨーロッパ方面などに出かけた際,一緒に行った人からよく「変な写真ばっかりとっている」と言われる.たしかに.この写真もそうかもしれない.

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LRTを日本で整備する際に問題となるのが,架線の処理である.架線レストラムを導入するような話が多いが,地中埋め込み式はコスト高だし,バッテリ式はまだ実績が少ないし,なかなか悩ましいところである.

じゃぁ電線は仕方ないとして,電柱は何とかなるかというと,欧州の市街地では上の写真のような処理が多い.建物の壁で支えている.路面電車の通る街路に面した建物は,協力する義務があるそうで,当然ながらそれを前提とした構造になっているんだろうと思う.頭上の電線は残るが,電柱が無いとかなりうっとうしさは軽減できている.

じゃぁ,建物があまりないところはどうかというと・・・緑化電柱!

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電柱があっても,ビーム部分を含めて形状を工夫すると,さほど鬱陶しさがないのは,うまい処理と言うべきか.

 

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パリのLRTの踏切の処理

パリのLRT.といっても,この路線は専用軌道のみ(10年前).

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セーヌ川沿いの道路をつぶして軌道に敷き替えたことで有名なこの路線,基本的には60km/h制限で走る.写真は後ろ向き.

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元々道路なので,所々には元交差点の踏切がある.そして,この踏切部分だけ制限20km/h.

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さらに,この踏切には信号機も付いている.横断側道路でなくて,線路側.ここは赤色.

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こっちは青信号.これなら設備投資が少なくてもOKかも.

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LRT用電車の運転席の便利なボタン達

LRTという次世代型路面電車というと,こんな感じだが…

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そんなLRTの運転席にはいろんな便利そうなボタンが付いている.

下の写真の左上の赤いボタンは,おそらく非常ブレーキ.日本の電車と違って,電磁石をレールに吸い付けるようなタイプのブレーキが付いていて,急制動がかかる.筆者もこの都市ではないが非常制動に遭遇したことがあって,他の立ち客とともにひっくり返った.

右上は警笛(ベル)かな.

下側の2つは進路を決めるためのボタンのようだ.日本の場合は,架線に付けたスイッチ(トロリーコンダクタ)を電車のパンタグラフが押して,一定のタイミングを見計らうと希望する進路に切り替わるようになっているが,この押しボタンの方が分かりやすくて直接的で,何よりも進路転換の時間が短そう.

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別の位置に付いているスイッチが下の写真.左側の上下2つのボタンはパンタグラフ(集電装置)の上げ下げ用だろう.

右上は信号機のマークなので,優先信号機を作動させて,交差点で停止せずに進行するためのボタンかな.日本のPTPSより強力で,押せばほとんど間違いなく無停止で進行できる.

右下のは何かな?手書きで何か書いてある.何かのランプのスイッチのようだ.
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常磐新線160KM/H運転計画はいずこへ?

つくばエクスプレスこと常磐新線.都心は全く地下鉄そのものだが…

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地上に出ると近郊電車そのもの.

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そしてさらに都心から離れると,何とも立派な真っ直ぐな線路.確か元々は160km/h運転を想定して計画されていた路線のはず.

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その昔,全国新幹線鉄道整備法に基づいて全国的な新幹線網を構築すべしという基本計画が立てられる前,どのようなネットワーク形態が適切かを検討した際の案の一つとして,首都圏5方面に短距離新幹線を建設する案があった.

その一つは千葉方面の成田新幹線であり,整備計画にもなったが沿線の反対に遭って廃案.甲府方面への新幹線は,東京大阪間の中央新幹線計画に吸収されて消滅.

そして常磐新線は常磐新幹線計画を祖とする計画であり,高速運転が構想されていた.常磐新線160km/h運転計画はいずこへ? 競争相手がいないなら130km/h十分という判断か?

消極的緑化軌道

和歌山電鉄になる前の貴志川線.写真をよく見ると,線路は草ボーボーで,手入れされてなかったことがわかる.

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時期は10年前の8月.南海末期には,放置状態だったわけやね.これを「消極的緑化軌道」と名付けることにしよう.

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ちなみに,「積極的緑化軌道」は,こんな感じ.

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航空コンテナがあるなら新幹線コンテナがあってもいいじゃないか

・・・と,いつも思う.

東海道新幹線が計画された際に(方便だとは良くいわれるが)貨物電車を走らせて,いわゆる国鉄コンテナを東京−大阪間で輸送しようという計画があった.そのための風圧試験も行われて,150キロ運転くらいまでなら何とか使えそうだが,それ以上は転倒しそうだということで,解決が先送りになっている.

東海道新幹線貨物列車は,夜間に150キロ運転で東京−大阪間を結ぶという話が一応あったが,皆がよくご存じのように夜間は保守作業に充てられ,実現はしていない.

その後,放置されていた課題は青函トンネルの貨物列車と新幹線の風圧問題へと,50年の歳月を経て繋がるわけだが,そもそも裸のコンテナを積載して走らせるから問題なわけで,車体内に収納するコンテナならばさほど問題ないはずである.

ボディ内に収納するコンテナといえば,これ.

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そう,航空コンテナである.いくつかのサイズの規格があるが,標準的なサイズのものはそのまま新幹線の車体内にも収まりそうなサイズである.

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TGV郵便列車のような専用車両で,車内に航空コンテナを収容させて走らせれば高速走行でも何の問題も無いと思うのだが,ダメかな.既にある技術の組合せで実現できるので,割と簡単に実現できると思うのだが.