ゴムタイヤトラムの特徴と課題については,ずいぶん前に書いたが,脱線事故や車庫を準備してなかった等々の理由でなかなか実際の営業運転が開始されなかったトランスロールが営業運転しているらしいということで,Clermont-Ferrandに来てみた.
トランジットモールもあるらしいということなので,訪れた.

中央1本の案内レールで,車輪がそれを両側から斜めに挟み込む形なので,構造上,案内レールの両側には角度の浅い幅の広い溝があったため,トランジットモール実施時は足を引っかけて転ぶ人続出と予想していた.だが,そういうずっこけ姿は無かった.
よく見ると,イタリアのパドバで放置されていた軌道とは若干構造が違うようである.上のリンク中にある写真と比べると,溝が小さく,角度も急である.構造上の改良がなされたようである.

足を突っ込んでみたが,以前のバージョンに比べて引っかかりにくくなっている.
ただ,日本でも踏切がよく問題になるように,車イスの前輪のような小さな輪っかははまりやすいようで,実際にこのトランジットモール区間で車イスが苦闘している様子が見られた.(単独ではなかったので,何とか脱出)
「線路」タグアーカイブ
【祝】ブザンソンLRT開業(が,しかし)
2014年9月1日,ブザンソンLRT開業.めでたい.営業5日目,まっさらなLRT.
が,しかし・・・
まだいろいろと問題が解決できていないようで,SNCF駅から2号系統の終点まで行ってみようとしたら,途中で停止.車内放送のあと,一部の客が隣のバス停に移動.10分ほどして2度目の車内放送で全員降ろされた.

理由は不明だが,このまま終点目指して帰ってこれなくなると困る.反対向きの中心街方面がやってきたので,それに飛び乗って中心街付近で降車.
以後,両方向ともなかなか電車が来なくなって,電停で皆さん困り顔の様子.まだ金取って営業できるレベルには達していない模様.
(そういえば,3年くらい前に開業後あまり間が経っていないReimsに行ったときも,途中で降ろされたっけなぁ.)
トランジットモールの様子を調べに行ったが,肝心の電車が来ないので早期退却.
鉄道後進国ニッポン(フランスのディーゼル急行も150KM/H)
ICEもTGVも提供されていない独仏の主要地方都市はケムニッツとクレルモンフェランとオルレアンのようだが,ケムニッツについては160km/h運転のディーゼル急行が走っていることを確認している.
今回はフランスのクレルモンフェランである.リヨンからは,本数は少ないがこういう列車が走っている.
3両連節×2のボンバルディア製ディーゼルカーで,TERという地域急行である.「急行」であるが,そもそも途中は農地ばかりで,しかも小駅の多くは廃駅になってしまっているようで,都市内交通を除くと実質的には最低位の列車である.
その列車の最高速度はこんなもの.

標準的には120-130km/hくらいで運転されている.線路も一部の短絡線等を除いて複線化されている.TGVが無くても,そこそこのサービスは提供されているわけである.
パリ方面については,機関車牽引のこういう列車が運転されており,こっちは乗車していないが,ローカルディーゼル急行よりはサービス水準が高いことは推して知るべし,というところであろうか.(表定速度で,120km/hくらいなので,新幹線こだま号レベルのサービス水準)

LYONの軌道への自動車進入防止装置
フランスLyonにあるLRTも通る橋には,軌道への自動車進入防止装置が付いている.(Perrache駅の東側)

こういう装置で,表面の舗装が無いだけでなく,タイヤがクルクルと回転して前に進まないようにローラーが付いているのが特徴である.これだと,下手に侵入を試みるとエライことになるのが見えているので,誰も入ってこないだろう.

おまけ.瀬戸大橋にもあったレールの伸縮装置だが,この橋にも付いていた.

完成したのに未使用の超高級インフラ
普通なら,会計検査院がすっ飛んできて大目玉ということになりそうな話のはずだが,完成したのに使っていない超高級インフラが存在する.
それが,これ.

そう,瀬戸大橋.えっ,もう二十数年前には使われはじめてるってか? よーく見てみよう.

わからない? じゃぁ,これは?

線路の左側(外側)の空間が妙に広い.おまけに台座のようなものも見える.つまり,「新幹線用地」(というか新幹線用空間).せっかく確保した新幹線用の空間である.使わないのはもったいない.16両フル編成がすれ違えるだけの荷重設計がなされており,その分,橋自体もゴツくなっている.なのに,使われていない.
何がもったいないかって言うと,せっかくつくったのに,使われずに放置されているインフラほどもったいないものは無い.
意味が分からない人は,明日,かーちゃんが作った食事に手を付けずに捨てたり,他のものを食べたりして見ろよ.身にしみて分かるぞぉ.
おまけ.上の写真は珍しいレールの継ぎ目である.橋の伸縮に合わせて,レールも伸縮する仕掛けである.ここ以外では,広電の「天満橋」で見たっけな.
#まだ旅立ってないので,これは「自動投稿」ではありません.
フランスに半月ほど行ってくるんだが・・・
・・・ほぼ完全ひとり旅なので,みんなが思っているほど「おフランス旅行」らしくない調査旅行になりそう.
主目的はフランスのLRT導入都市でのトランジットモールの様子を見る&データを取ることなので,観光地とはほとんど無縁である.
ということで,気になる話題があれば現地レポート予定だが,フランスとは関係の無い話題がここに投稿された場合には,1)大した話題がない,2)ネット接続環境が厳しくて投稿できない,3)疲れて寝てしまった,のいずれかである.本人が寝てしまっても予定稿が自動投稿されるように設定してから出発することにしている.
雨のトランジットモールは行ってもあまり意味が無いので,天候次第で変更の可能性があるが,訪問都市は以下の予定である.
リヨン, クレルモンフェラン, サンティティエンヌ, ディジョン, ブザンソン, ナンシー, カーン, トゥール, アンジェ, オルレアン, ヴァレンシエンヌ, ドゥア, ランス, パリ
レールだらけ(モントリオールの地下鉄編)
パリ市の地下鉄も同じシステムなのだが,フランスの「離れ」であるカナダのケベック州モントリオールの変な地下鉄のお話し.

クルマ社会のカナダであるが,トロントと並んで,モントリオールも都市公共交通が機能している.今回のお話しは,そのうちの地下鉄.いわゆるゴムタイヤ式であり,加減速はなかなかのものである.乗り心地はバスに近い感じもするがゆらゆらとしており,好みの分かれる乗り心地である.


この地下鉄のゴムタイヤは主に加減速用のようであり走行路にはゴムタイヤの踏みしめる平面が存在する.それとは別に,荷重を支えたり進行方向を案内するのは従来式の左右二本のレールになっているようで,この2本のレールも存在する.さらに,電力供給用のレールもあり,結果として,その走行路はこんな感じになる.結構複雑な線路である.

HOV (= HIGH OCCUPANCY VEHICLE)
日本には残念ながら存在しないのだが,HOV (= High Occupancy Vehicle)レーンというものが高速道路などに設置されていることがある.写真は米国カリフォルニア州.
自動車はほとんどが1人しか乗車していないので,これが道路を走ると著しく輸送効率が下がる.そこで,バスなどの乗合形式の自動車や自家用車でも複数名乗車のクルマを優先的に通す車線を設置して,1人乗りよりも渋滞に遭いにくくしてやろうとするものである.

この道路では,中央が郊外電車,もっとも左側の車線(内側の車線)がHOVレーン,その他は一般レーンである.

所々で一般レーンから出入りできるほかは,車線変更禁止.ジャンクションなどではもっとも内側の車線だと不利なので,専用のランプもある.
こっそり1人乗り車が走った場合は,罰金が取られる仕組みになっている.結構高額の罰金である.片側2車線ではなかなかやりにくいかもしれないが,日本でも3車線以上あるなら検討してもいいシステムかもしれない.
AMBASSADOR BRIDGEと川底トンネル
軌間可変電車(FGT)の台車のお話し
GCT (= Gauge Changeable Train)というか,FGT (Free Gauge Train) というか,新幹線の広めの軌道と在来線の狭めの軌道を直通運転できる電車の開発が始まって,かなり経過した.
乗ったことはないのだが,実物の初代試験車両はある鉄道車両製造工場で見かけたことがある.写真は…許可が下りなかったので,無い.最新型の試験車両についても,台車だけは別の鉄道車両製造工場で見かけたが,やはり写真は…許可が下りなかったので,無い.
さて,この軌間可変電車であるが,スペインでは営業用車両として走っているにもかかわらず,日本ではなかなか営業車として登場しないのは,1つにはスペインの場合は広軌(1668mm)と標準軌(1435mm)であるのに対し,日本の場合は標準軌(1435mm)と狭軌(1067mm)であり,サイズが小さくて実現しにくいことと,もう一つは日本の軌道,特に在来線の軌道があまり重い電車が高速運転することに耐えられないからであるようだ.
試験車が試運転した路線では,日々の軌道の保守が面倒で・・・という話はネットの噂話かと思っていたら,かなり信頼できる筋からも同じ話を聞いたので,やはり本当のようである.(逆に,重量級高速貨物列車が多数走っている路線なら,さほど問題ないということか?)
ところで,台車が重いとか軽いとかいうお話しでは,最近,こんな製品が開発されつつあるようだ.
まだ営業車を使っての試験段階のようだが,熊本電鉄の電車が履いている川崎重工性のefWINGという台車は炭素繊維強化プラスチック製で,軽いらしい.素人の浅はかな考えでは,この軽い素材と構造が,例の重くて困っている台車に応用されるようになれば,「日々の軌道の保守が面倒で」という軌間可変電車の欠点が克服されるのかなぁと.
新幹線で製品化するには大変かもしれないので,まずは都市鉄道の軌間可変台車にして,近鉄の京都駅から吉野行きとか,阪急電車を関空まで乗り入れるとかやってみるといいかも.













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