メンテナンス」タグアーカイブ

ダブルスリップ×10以上

またまたバーゼル駅である.この写真にヨーロッパの駅の独特の構内配線が写っている.便利でもあり,遅れの原因でもあり.

IMG_3296

この線である.端っこから端っこまで斜めにゴリゴリと全線路を横切る渡り線.そして横切る際にはご丁寧に全箇所ダブルスリップスイッチ,つまりどちらから進入してもどちらにでも出て行けるという便利な分岐器が設置されている.この駅は左手前から右奥方向だけだが,駅によっては右手前から左奥方向にも設置されていることがある.

IMG_3315便利な分,高価であり,複雑である.そしてなによりも,これを使って端から端までゴリゴリと列車が駅に出入りしている最中は,他の路線の列車の発着が一切できなくなるので遅れの原因にもなる(高価でメンテが大変で遅れの原因になるので,日本ではまずやらない使い方らしい).

でも,これ見るとヨーロッパに来たなという実感があるよね.

 

 

分岐器の転換不良はツールで対処

路面電車の分岐器は架線に付けたトロリーコンダクタで電車を検知して切り替える.

IMG_3102

わかりにくいが,写真の「Λ」印の左側に小さなハシゴ状のものがあり,どうやらこれがトロコンの模様.

ところが,時折分岐器が転換不良になることがあるようで,そういうときには運転席常備?の高性能ツールを持って当該分岐器に赴く.穴に突っ込んで,ガチャンこ.

IMG_3095そして無事?通過.

IMG_3103

まぁ,要するに鉄の棒なんだけどさ.

チキチキチキ

石油類を運ぶ貨車がある一方で,長〜〜〜〜〜〜〜〜いレールを運ぶ貨車もある.特に最近は溶接したロングレールが敷設されている区間が多くなっているので,ある程度の長さにあらかじめ溶接したレールや,そもそも工場出荷時で既に150M級の長さになっているレールを運ぶことも多い.

機関車の後ろにレール運搬用の貨車が連なり…

DSCN0729まだまだ続く…
DSCN0728

長い…DSCN0732

がっちり固定してしまうと貨車が走りにくくなるので,ある程度レールが左右に移動できるようになっているようである.

DSCN0734でも,レール自体も緩やかにしなって,貨車がカーブ通過時には積み荷のレールもカーブするわけだな.

もうすぐ交換されるレール

しばしば「地面やレールの写真が多い」との指摘を受けるが,ま,興味の対象がそうなので仕方が無い.

このレール,えぐれてます.

曲線の外側のレール.その外側のレールの内側,つまり車輪がよくあたる部分がえぐれている.

表面も剥離しているので,そろそろ交換か.そういえば,国鉄時代の新幹線のレールって,こんな感じのところが多かったよね.

断面が変形してしまってます.

破断する可能性がありそうな箇所は,継ぎ目がなくても継ぎ目板で予防.四連続.

きのくに線(紀勢線)の崖崩れの思い出

大雨が原因できのくに線こと紀勢線が止まっているようだ.箕島-御坊間が不通らしいが,そういえばガキのころ,家の近所の崖が崩れて3ヶ月くらいバス代行になってたっけ.

ここですね.

放課後に復旧現場を見物に行き,そのまま線路の上を歩いた記憶が…


それから数年後,こっちでは崖が崩れたところに新宮行きの夜行便が突っ込んで脱線したっけ.

ここですね.

[map lat=”34.108132″ lng=”135.135298″ zoom=”15″][/map]

昭和30年代に全通して以降,一部区間を除いてそのままなので,昔から災害に弱いのが泣き所. 国道は年々改良されてバイパスも建設されるが,こっちについては抜本的対策は成されていない.

欧州では線路インフラの整備は国や地域の仕事,運営は事業者の仕事になっているが,日本では独立採算の美名の下,放置されているのが現状である.

レールが先かマクラギが先か

通常は,線路というものは下部の構造物があって,道床があって,マクラギがあって,そしてレールがある.この風景を見るまでは,そう思ってました.

DSCN8278この写真の手前の軌道は,よく見るとレールにマクラギがぶら下がっていて,マクラギが仮の木製ブロックの上に載っかっている.どいうこと?

これは高架橋上の軌道の敷設現場であるが,まずレールの高さを厳密に測って高さを調整しておき,それにあわせてマクラギをぶら下げて,最後にそれにあわせてコンクリートを流すそうな.完成する遠くの軌道のようになる.

なーるほど.最終的に必要なのは正確なレール面の高さなので,実に合理的である.固定観念にとらわれてはいけない,ということか.

…と感心していたら「えぇー,せんせぃ,知らんかったん?」と言われてしまった.さすがに現場の施工方法までは知らない.世の中,知らないことの方が多いと思う.

NANCYのTVRはどうする?

一時期,LRTの整備方法の一つとしてゴムタイヤトラムが注目された感がある.いくつかの方式があるが,その一つとしてTVR方式というのがあり,フランスのナンシーカーンで採用されている.

DSCN1653

 

ところが,開発元のBombardierがこの方式からの撤退を表明し,カーンについては将来的に通常型のLRTに敷き変えるそうな.結果として,安物買いの銭失いになってしまった.

ナンシーも同じTVR方式である.軌道がずいぶん劣化していたが,早晩車両も含めて設備更新が必要で,何らかの判断が迫られるところ.どうするのかな.

特殊な方式を採用すると,メーカーの都合が大きく影響する例である.トラムに限らず,特殊な都市交通システムを導入すると常にこの手のリスクがつきまとう.(が,往々にしてお役人様は新手の都市交通システムが大好きなのが困ったところ)

連節バスの方がマシかも.(でも,それってもはや単なるバスだよね)

ただいま路面電車の線路の修繕中

「質より量」のドイツカールスルーエの路面電車.ただいま,交差点部分の工事中である.
DSCN4350
「ただいま」と言っても,10年前なので,今行っても工事はしていない.現在やっているはずの工事は,路面電車の地下化工事である.
DSCN4352
この交差点は,毎時144本の路面電車が通過するので,活線工事は大変である.「毎日」ではなく「毎時」なので.
DSCN4353これはクロス部分のレール.
DSCN4393
こちらは溝つきレールと呼ばれる路面電車専用のレールである.残念ながら,日本では溝つきレールは現在は生産していなかったと思う.
DSCN4395

LRT用の掃除機

LRT軌道レールには小さな隙間があり,ゴミがたまりやすい.かといって,人力で掃除していては大変である.
IMG_8146
ということで,専用掃除機がある.同型機は他都市でも見たことがあるので,この都市(アンジェ)のオリジナルモデルでは無さそう.
IMG_8092
単線区間では,お掃除完了待ち.IMG_8097