公共交通事業者のコロナ借金

当初は半年もあれば収束するかと思いきや,1年を過ぎ,未だ収束するどころか発散中.ワクチン接種はそれなりには進んではいるものの,大都市部での接種の段取りが悪く,1年前に色々とカッコいいことを言っていた自治体ほど遅そう.

中には接種会場の予約枠が空いているのに「高齢者の接種が終わっていないから」という謎の悪平等を理由に接種券すら配布しようとしない自治体もある模様.

さて,コロナで苦しんでいる交通事業者に対する国の対応が欧米と違うという指摘はこのサイトでも度々したが,当の交通事業者がその対応に何故か妙な満足をしているという謎.ヤバいぞ.

営業範囲が狭い事業者については,例えば日本政策金融公庫を通じて融資をしているようで,「返済期間が長い」「赤字なら超低利」「黒字でも低利」「自己資本とみなせる」「倒産した場合は返済不要」など,確かに借金としては美味しい借金ではある.

だが,妙な満足感に浸っている経営者が忘れているのは「返済する必要がある」ということである.「自己資本とみなせる」ので,バランスシート上の見かけの問題は回避できているかもしれないが,その借金は設備投資に回されているわけではないので,借金をしたからといって自家用車などの他の交通モードに対する競争力が強化されたわけではない.生命維持の点滴を打たれているだけである.

「返済期間が長い」「赤字なら超低利」「黒字でも低利」とはいえ,少なくとも元本+α程度は返す必要があるので,コロナ禍後に客が戻ったとしても更新されたわけでもない古い設備を使って余分な経費を長期に渡って払い続けなければならない…つまり経営上不利な状況に陥るわけだ.

客の立場としても,サービスが向上しているわけでもないのに割高な運賃を払い続けさせられることになるわけで,客離れはさらに進行する.バス等の会社の経営者はそれをわかってないんだろうと思う.真綿で首を絞められる状態が待っている.

最終的には「倒産した場合は返済不要」を切り札にして,企業グループが交通事業から撤退ということも考えているのかもしれないが,もしもそうなら計画倒産だ.もちろん,地域交通事業を完全に止めるわけにはいかないので,尻拭いは地元自治体だ.

国としては少なくとも元本は返ってくる仕組みだから交通事業者に対する債権(交通以外の他の事業も同じ扱いだが)になり,「国のバランスシート」も守られる,などと財務省は考えていると思うが,コロナ禍後には成長を伴わない悪い物価高と,それに伴う経済の悪化が待っているかも.

財務省は状況を見誤っていると思う.

#なお,地場の交通事業者は低利融資があるだけマシで,広域的な交通事業者はほったらかしらしい.

コロナで失われたもの

本学には医学部がないにも関わらず,(関係者が頑張ったんだと思うが)ワクチンの職域接種が進行中.2回の接種が終わって,一応「”エルフのおまもり+3”×2そうび」状態にはなったものの,気分が乗らない(副反応ではありません).

コロナで失われたものというと,命,経済…という話になるが,他にも色々失われている.

何でもかんでもオンラインになり,曲りなりに色々進んでいるが,曲りなりの域を出ない.

PCのディスプレイには色々表示されるがリアルさの片鱗もなく,何をやっても当事者意識が発生しない.ノルマとしての作業のかたまり.

「オンライン××」「バーチャル××」「テレ××」でリアルなものは不要という風潮があるようだが,ホンマか?

かつて(20年以上前)にネットの常時接続が普及し始めた頃,これからはすべてネットで代替できるので交通不要という話がしばしば聞かれたが,実際には交通が通信に取って代わられたわけもなく,リアル交通の需要は増大する一方.

大型の紙の図面を筒状のケースに入れて東海道新幹線に飛び乗るなどという光景は確かに無くなったが,もっと重要な役割が交通に課せられたわけだ.

「オンライン××」「バーチャル××」「テレ××」でリアルな交通やオフフィスが不要になると思っている皆さん(主にIT系).本当にそうかどうか考えてみよう.

なお,Googleは在宅勤務者の給料を(地域ごとの給料の水準に合わせてという理由で)下げた模様.在宅でもリアルでもほんとに同じパフォーマンスが発揮できるなら,ヘッドクォーター自体を移転させるよね…

#1:「”エルフのおまもり+3”×2そうび」でもダメな時は駄目である.
#2:オリンピックの入場行進曲で爆笑した.確かに完成した行進曲だわ.

 

小学生が渡れない横断歩道

堺市内に小学生がなかなか渡れない横断歩道があるそうだが,有効な解決策がある.

今やドライバーはカーナビの奴隷なので,カーナビに注意してもらえば良い.

カーナビ「この先,踏切があります.ご注意ください」

これがすでに実現可能なので,次も可能である.

カーナビ「この先,横断歩道があります.ご注意ください」

一時的な警察官の見回りや時間が経つと風景と化すステッカーよりは有効だろう.

テレビに登場しない「渡れない横断歩道」は,全国に文字通りゴマンと存在する.

「電車で2時間半以内の距離」の国内線空路を全面廃止へ

電車で2時間半以内の距離の国内線空路を全面廃止

情報源: フランスが「電車で2時間半以内の距離」の国内線空路を全面廃止へ – GIGAZINE

…だそうな.

かたや,「自由競争こそが最良の最適化」と未だに思い込んでいる東洋の島国があったそうな.放置して最適解に到達できるのなら,とうの昔に日本は楽園になっているはず.

放置国家ニッポン.

46%削減するんだってね.46%削減てのは,航空機は飛行禁止,自動車は運転禁止を目指すくらいの勢いで実施して,ようやく実現できるレベルなんだけどなぁ.

アンモニア発電で46%削減 → そのアンモニアはゼロカーボンで生成できるの?
太陽光発電で46%削減 → シリコン作成時に大量の電気
電気自動車で46%削減 → せいぜい乗合バスレベル
水素発電で46%削減 → その水素はゼロカーボンで生成できるの?
原発で46%削減 → 廃炉まで入れると割に合わない
風力で46%削減 → 台風で飛ばされる

なお,ドイツも似たような政策している模様.

 

片町線(学研都市線)に久々の新車投入!

ただし,終電後にしか走っていない模様.

1〜2ヶ月前,昼間からエンジン音してるなぁと思ったら,よく見ると「新車」.慣らし運転してたのかも.

その後,位置が時々変わっているので,既に実戦投入されている模様.

梅田の人出の年齢層

蔓延防止だの,緊急事態だのと,結局1年前とあんまり変わらない状況なわけで,困ったもんだ.

また学校を閉める話が出ているみたいだが,教室がクラスターの発生源になっているのなら効果はあるだろうが,そうはなってないのでは?

学校関係のコロナ感染の発生は,ほとんどの場合は部活関係(特に運動部)であり,教室単位で出ている例は少なそう.的外れな場当たり的対応かも.

大学もエライ人からのお達しでまたまたオンライン授業主体に戻ってしまったが,講義室を閉めても学生が梅田の市街地に繰り出してしまっては何の意味もない.むしろ「大学は宿題をたっぷり出して,学生が繁華街に出る時間がないようにしろ」と命令した方が効果あるかも.

実際に梅田の様子を久しぶりに見たわけだが(いや,わざわざ見に行かないでね),その様子は異様であった.

人出の年齢層が異常なのである.

中高年層の姿は皆無に近いくらい少なく,ほとんどが20歳代前後の男女である.まるで,深夜の京都木屋町通り状態である(という表現については,わかる人だけわかれば良い).何じゃこりゃ.

中高年は用心して家にこもり,若者だけがまちに繰り出す.

大学を閉めると,街に繰り出したり,アルバイトの時間を増やす人が増えたというのが去年の経験なんだけどなぁ.小中学生も休校中はマクドナルドで大量に騒いでたよ.

若年層の感染者が増えたというデータがあるようだが,「若者増=学校が感染源」と判断するのはちと短絡的かも.

感染者のデータだけ見ている人は気づかないようなお話し.

写真は昼間の梅田(大阪駅)

台湾で列車脱線

台湾東部・花蓮県で2日午前9時半(日本時間同10時半)ごろ、特急列車の一部が脱線する事故が起き、台湾メディアによれば、少なくとも36人が心肺停止状態となっている。

情報源: 台湾の列車脱線、36人が心肺停止 トンネルの壁に衝突 – 産経ニュース

げげげげ…

ここかな.

付近で何かの工事(反対方向の線路のロックシェッド?)してるみたいなので,そのトラックが上から転落?

中国に時速350キロの貨物列車

中国中車が公表した最高時速350キロで走れるという貨物専用高速鉄道

情報源: 中国に時速350キロの貨物列車 世界最速の専用車両:朝日新聞デジタル

 

かたや,日本では車販準備室にちょこっとだけ荷物を入れて運んだとさ.

リンク先の写真を見ると,ほぼ航空コンテナのシステムだな.15年くらい前に当方でも航空コンテナを利用したシステムの提案をしてみたことがあるが,あんまり反応なし.学会誌にも記事を書いたことがあるが,鉄道会社がピクピクしてるので表現を軟らかにしてくれと言われてしまう始末.

変化への対応が失われる日本.

いっぽう,欧州では…

… La Posteこと郵便TGV列車は運転終了したものの,名前を変えて高速鉄道による荷物輸送は続いている模様.(写真は運転終了前の2014年撮影)

鉄道後進国ニッポン.日本の鉄道は世界一などと自画自賛している場合ではないのだが.

幹線鉄道網の冗長性は必要

13日深夜の地震で,東北新幹線が10日ほど不通らしい.

常磐線特急と高速バスと航空便と羽越本線で代替輸送するらしいが,東北新幹線の輸送量能力に比べるとかなり非力かな.コロナで需要そのものが少なくなっているので今回は運べてしまうかもしれないけど.

こういうときに重要だなと思うのが路線網の冗長性.常磐線が復旧していたので仙台市までは(ちょっと時間がかかるが)いちおう運べるし,そこまで行けば山形市はすぐだ.羽越本線が使えるので秋田市までも(ちょっと時間がかかるが)いちおう運べる.

在来線経由になったりするので時間はかかる.もし羽越新幹線とか実現してれば,北海道行きの列車は上越新幹線,羽越新幹線を迂回して運転されるんだろうな…と,ふと思った.

財務省が目論む「コロナ復興税」 感染収束後に「消費税15%」

財務省は内々に、感染収束後に消費税率を引き上げる“コロナ復興税”のプランを立てている

情報源: 財務省が目論む「コロナ復興税」 感染収束後に「消費税15%」計画(マネーポストWEB) – Yahoo!ニュース

ネタ元の話の信頼性がどの程度か怪しいが,ホントにありそうな話.

東北の震災の復興を目的として増税するのは,元気な地域から弱った地域への支援的な意味があるので一定の役割があった.所得の再分配機能あり.

だが,コロナは日本の国中が弱っているので,増税すると単にトドメを刺すだけ.基本的にはみんな弱っているので,再分配できない.ホントにそんなこと考えているのなら,アホですかというレベル.最大の支援は減税だと思う.

コロナ増税で得意満面になるのは徴税担当当局のみ.

就任前からこういうことを言う総理なので,心配ではある.

あえて「再分配」するなら,資産をたんまり抱えている人から取るということになるので,資産課税かインフレ政策(金を持っている人ほど目減りの絶対額が大きい)かだろうなぁ.