郊外から車で来ると,中心街は逆方向,「P+電車」は右へ曲がれという看板が出る.
そのまま標識に従って「P+電車」方向に進むと…
駐車場付きの電停があらわれる.
ここから電車で中心街方向へ.
なお,同じように写真を撮っていた地元のオッサンによると,ここの電車が雪景色の中を走るのは滅多にないらしい.彼曰く「おまえらラッキー」
2013年3月下旬,英国Nottinghamの様子.
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LRTを使ってみよう(PARK & RIDE編)
日本に本物のBRTは出来るか?(ナントの専用道)
フランスのナント市にはLRTが走っているが,LRTの4号線に乗ろうとすると,こういう乗り物がやってくる.
見てのとおり,バスである.いわゆる連節バスであるが,乗り場は「プラットホーム」があり,発車時刻の案内電光掲示,券売機,屋根付き待合室等々,乗り物がゴムタイヤ式であること以外,鉄輪式のLRTとサービス水準的にはほとんど変わりがない.走行路も完全に専用通路が確保され,バス専用道路か,もしくは一般車の車線とは分離帯で隔離されたバス専用レーンである.
途中の停留所も,LRTの電停と何ら変わりがなく,線路さえ敷けば,そのままLRTとして運行できるほどインフラの整備水準が高い.
確かにこれならBus Rapid Transitである.ところで,日本の「BRT」の定義って何だったっけ?
トラム変幻自在(架線レス編)
路面電車は電車なので,エンジンで電気を発電しながら走るような特殊なものを除くとどこかで電気を集電しなければ走れない.ところが,場所によっては街路上空に電線がぶらんぶらんしているのは好ましくない場所がある.
例えば観光地や景勝地などの都市景観を気にするような場合であるが,こういうところに対応したLRTもある.下の写真はフランスのボルドーで,ワインで有名な都市である.
特別な場所でなくとも,街路上空はスッキリしており,日本でも中心街の景観を気にしている場合はこういった方法が参考になる.
では,電車の電気はどこから調達しているかというと,左右のレールの間にもう一本,集電用のレールというか金具があり,電車の床下の集電用の装置から電気を取り入れている.
もちろん,この集電用のレールを触っても感電しない.電車がやってきたことを感知して,電車の下になった場合だけ通電し,電車が行ってしまうと自動でスイッチを切っている.難点は,装置が複雑になるので,やや費用が割高になることと,複雑な装置が地面下に埋設されることになるので,街路が冠水しやすい日本の都市にはあまり向かない(あるいは,改良の余地がある可能性あり)ことであろうか.
この電車は,郊外部にゆくと屋根上の集電装置(パンタグラフ)から電気をとることも出来るようになっており,切り替え地点ではパンタグラフの上げ下げの光景を見ることができる.
日本に本物のBRTは出来るか?(ゴムタイヤトラム編)
「BRT」というと,かつてはこういう乗り物を指していたと思うのだが,気のせいだろうか.通称「ゴムタイヤトラム」.車輪がゴムタイヤ式であること以外,ほとんど全く低床式路面電車を使ったシステムと寸分変わらないというシステム.写真はトランジットモール区間である.
写真はフランスのナンシーだが,こういう乗り物が独仏にはいくつか存在する.ところが,いつの間にかBRTという言葉が独り歩きして,気がつくと「それ,20−30年前の『都市新バスシステム』だよね」という代物がBRTだと言われている.違和感あるなぁ.せめてBRTの規準を設けないと,何でもかんでもBRTになってしまう.
ちなみに,欧州では連節バスは単なる「バス」であり,ラピッドかどうかとは全く関係がない.BRTの定義って何だっけ?
日本に本物のBRTは出来るか?(PARK&BUS乗車)
トラム変幻自在(地下鉄直通編)
アムステルダムのLRTというか,低床でもないので,ほぼ郊外電車.床が高い以外は外観も内装もほぼLRTで,市の郊外住宅地を走り,線路も路面併用軌道ではなくて専用の軌道が準備されている.
これが都心方向にしばらく走ると,屋根上の集電装置(パンタグラフ)をたたんでしまう.そして,地下線区間へ.
地下はちょっと車体が小さめの地下鉄として走行し,終点へ.パンタグラフはたたんだまま.
車体が小さいので,ホームとの隙間は,こういった風に自動で埋められる.
電気は地下線区間では台車横のシューから取り入れられている.
こういった形態の乗り物は日本でもあっていいのだが,残念ながら存在しない.通常の架空線から電気を取り入れたり,第三軌条から電気を取り入れたりといった両対応の電車については,「開発費用が高くついてペイしない」というのが理由で実現していない.だが,彼らはその「高い」はずの開発コストの壁をずいぶん前に越えてるんだが,このままでは日本人は劣っているということを証明してしまっていることになるんじゃないかな.
トラム変幻自在(ディーゼルトラム編)
路面電車というと「道路に線路を敷き,その上を電車が走る」というのが標準スタイルであるが,中にはちょっと変わった路面電車も存在する.
「ディーゼルトラム」というが,要するに電車ではなくてディーゼルエンジンで走る気動車である.路面軌道ならぬ路面気動車である.
比較的有名なのは旧東独のZwickauという都市であるが,実はここの路面電車は「電車」が基本である.郊外から来る鉄道線から路面に直通する系統があり,それだけが路面気動車で,あとは電車になっている.市内の電車は狭軌,乗り入れる「路面気動車」は標準軌なので,一部区間に路面の三線軌があり,そこをゴトゴトと「路面気動車」が走ってくる.
実はZwickau以外にも「路面気動車」は存在する.厳密には「シリーズハイブリッド車」と言った方が正確かもしれないが,路面電車区間は電車として走り,郊外鉄道線で非電化区間を走る場合だけエンジンを吹かして発電して走るものがある.それが,これ.ドイツのカッセルの電車で,郊外線から乗り入れる系統である.カッセル大の先生に教えていただくまで,全く気付かなかったが,駅で観察すると確かにエンジンの音がしているものもある.
屋根の上をよく見ると,電車らしからぬ「排気口」があり,周辺がススで汚れている.
日本でも似たような形式の電車の試作車があるんだったっけ?