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去年見学した八ッ場ダムが完成してた件

昨年夏に見学した八ッ場ダム.場所はこのへん.

利根川の支流の吾妻川に作られた結構大きなダムで,満水時に貯められる水量は黒部ダムの半分ほどにもなる.(#全国ランキング50位くらい…もっとデカいのいっぱいあるか)

でけぇ…

吾妻川の流れる吾妻渓谷に沿って吾妻線が敷設されていたので,よく見ると廃線跡が見える.ダム下流側は,線路どころか架線柱まで残っている.

水没する側もよく見ると線路が残っており,資材運搬用のベルトコンベアの経路として活用されている.

吾妻線はというと,水没しない位置に線路が付け替えられている.

去年の7月下旬時点ではこういう状態だったわけだが…さて,台風19号がやってきて,早くも役立ったのではないかという話.完成していたわけだ.

本来は試験湛水といういわば試運転中だったらしいが,工事自体はできあがっていたようで,台風の大雨期間中に水位が54メートルも上がったらしい.

活躍中の八ッ場ダムのイメージ写真(↑).

一時,利根川下流で氾濫危険水位を超えたものの,それ以上水位が上がることはなく,早速利根川の氾濫を防いだ可能性がありそう(いずれ誰かが詳しい分析すると思う).

「コンクリートから人へ」とかなんとかで,プロジェクトを廃止に追い込んでいたら,利根川下流が今頃水浸しになって,何人も死んでたかも.

一方,脱ダム宣言をして,その後の治水対策が遅れたかもしれない長野では…やめとくか

自動運転導入で温暖化進行か?

温暖化が進行しているらしい.

一方で,自動運転技術も進みつつある.自動運転は自動車の利用を容易にする技術だ.

ということは,自動車利用の拡大を促す技術でもあるわけで,エネルギー効率の悪化と温暖化ガスの排出拡大を促進しかねない技術でもあるわけだ.

「自動車の利用拡大≒マストラの衰退」
「自動車の利用拡大≒都市の低密度利用≒都市のエネルギ効率低下」

電気自動車の利用拡大でチャラ,とか思っている人は多そうだが,電気自動車の温暖化ガス排出レベルって現時点じゃぁハイブリッド車と大して変わらず,ハイブリッド車って,せいぜいバスレベルじゃなかったかな.バス<鉄道,だな.

「新技術だ!!!」と喜んでる場合じゃないと思っているのは私だけ? 使い方誤るとヤバいんじゃないの?

シカ死骸乗客が撤去作業

東京都あきる野市のJR五日市線武蔵五日市-武蔵増戸間で10月、電車とシカが接触した際、乗客に死骸の撤去作業への協力を依頼し、手伝わせていたことが4日、JR東日本への取材で分かった。

情報源: シカ死骸、乗客が撤去作業 JR東、電車と接触で – 産経ニュース

昔は機関車の力が弱くて坂道途中で止まっちゃって,降りてみんなで押したとかいう話を聞いたことあるけど…

水道民営化で設備更新促進???

水道事業の民営化を進めるという話があるらしい.

上水道設備のインフラが老朽化してきているので,それの設備更新が民営化によって効率的に進むことを期待しているらしい.人口減少対策らしい.

…が,しかし.海外に目を向けなくても,既に民営化したインフラの更新が進んでいるかどうかは鉄道を見ればよくわかる.

ごく一部の儲かる地区では設備投資される一方で,そうじゃ無いところでは放置されているのが現状だ.儲かる地区でも,設備投資されるのは商業設備などの儲け直結部分だけで,地味な輸送の基礎インフラは放置されていることは少なくない.

新規の鉄道線はというと,新幹線にしろ都市鉄道にしろ幹線鉄道にしろ,鉄道事業者単独事業はかなり希であり,国や地方などの行政が金を出さない限り前には進まないし,改良事業もしかり.地方ローカル線は放置状態で自然災害で破壊されるのを待っている状態ではないかと思うことも少なくない.

水道事業民営化によって,人口減少下においてインフラ更新が進むってのは,少々お花畑ではないかな.あるいは国民をだまして,特に人口の少ない地域での棄民政策か? 水飲めなきゃ,すぐ死ぬぞ.

#1 民営化していい方向に進むには,少なくとも多少なりとも競争状態が必要では?
#2 JR北海道で信号機が倒れたね.「地味な輸送の基礎インフラ」の一つ.

紀勢本線は破壊待ち?

昨日の夕方,和歌山のみなべ町沖あたりを震源とする地震があった.和歌山の地震といえば和歌山市とその周辺直下の浅い小さな地震の多発で有名で,有感地震が最大年間500回という場所だ.住んでみればわかるが,テレビのテロップにも出ない小さな地震が頻発している.

昨日の地震の揺れは大したことは無かったけれど,和歌山の地震にしては震源がやや深く,ちょっと種類が違う.その数日前には奈良県の南部の山中や吉野付近を震源とする小さな地震があり,昨日の地震を含めて震源は似たような深さで,例の巨大地震の予想震源域の北側端っこ近く.何かのロックが一つずつ外れていってるのか?

さて,巨大地震が起こると和歌山県下では国道42号が壊滅的な被害を受けて救出や支援にもゆけないということで,高速道路だったり高規格幹線道路だったり国道バイパスだったりと形態は様々だが,目下紀伊半島を一周する幹線道路の付け替え工事が進行中だ.しかも防災対策しながら高規格化進行中.

ところで和歌山県下の鉄道はというと…何も変化無し.紀勢線の特急に乗ると座席の前の網ポケットにこういうシートが置かれている.

まぁ「逃げないと死にまっせ」ということだが,津波が襲ってくるまで数分なので,速やかにこの通りに避難したとしても多くの乗客は助からないと思う.15年前に死んだ婆さんの話によると,山道を道に沿って登ると助からず,斜面を最急方向に駆け上がる必要があるレベルのようなので.

極端な場所だと,こういう場所(撮り鉄の名所ですね)を線路が通っているので…

…まぁ,幸運を祈る,という状態だな.

鉄道会社は避難誘導案内シートを作って避難訓練をする以上のことはしないようなので,大地震が来れば紀勢本線はそこで破壊完了.ということです.復旧させること無く「バス代替でどうですか」という可能性高し.

紀勢本線も道路のような「事前防災」&「高規格化」しないの?

#似たような震源で,また今朝も地震あったな(11/5)

特急なくなると通勤できない

2022年度末の北陸新幹線福井県内開業後も、在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」を存続させるべきだと考える人が、JR利用者らの85%に上ることが、市民団体「北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会」のアンケートでわかった。松原信也代表世話人は「極めて重い結果。新幹線が県民の足を奪ってはならない」とし、福井県や沿線市町に引き続き存続を求めていく方針。

情報源: 「特急なくなると通勤できない」…新幹線に冷淡 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

新幹線が出来ると並行在来線の特急が無くなるわけだが,本来は民営鉄道は自由競争に置かれるのが近年の日本の鉄道政策だったはず.

なぜか,国がJRの経営に気を遣うという妙な「習慣」がある.どこかに並行在来線上では特急を運行してはいけないという法律あったっけ?

でも,特別急行料金とらんかったら,ええんやで.どうせ福井は大きな県ではないので,都市交通レベルの距離しか走れへんのやし…

それから,サンダーバードレベルで無くても,「きたぐに」レベルの速度なら十分に「通勤に使う特急」レベルの水準のサービスになるわけやし…

ええんやで,快速列車やったら.

台湾・脱線事故-2年で25回

台鉄が昨年までの2年間で25回の脱線事故を起こしていたことが24日、分かった。台鉄を運行する交通部(国土交通省に相当)台湾鉄路管理局の局長が立法院(国会)で明らかにした。

情報源: 台湾・脱線事故 2年で25回、安全不備に批判 – 産経ニュース

あーーーーっ,アカン!

メンテナンスがおろそかになってたり,守られるべき手順が守られなかったりという状態の可能性高し.まるで国鉄末期の状態.ちゅうか,台鉄は公社化すらされていない政府直営の鉄道なのね.

三葉の家はどこ?(彗星の落下地点推定)

かつて「ウルトラマン研究序説」という本があり,ウルトラマンに関連する出来事や影響を学者が真剣に検討するという,何ともバカバカしくも面白い本であった.

その域には達していないと思うがが,すずさんに言及したならこっちにも言及する必要があろう.正月にテレビで流れた一昨年の人気映画である.

テレビで流れたので見たことがある人も多いと思うが,大画面の劇場で見ておいて良かったと思う映画であった.ヒロインの三葉の中の人(…瀧君のことではありません)姉妹が甥っ子兄弟とそれぞれ同級生だったことがあるらしいので,じゃぁいっぺん見とくかと言うことで見に行った.なお,甥っ子情報では「歌がうまかった」らしい.

さて,「聖地巡礼」する人が多いらしいようだが,彗星の落下地点にまで言及した情報は無さそうである.実は,ある程度できそうである.

映画中では,彗星から分離した破片の一部が「糸守町」に落下して大災害になるという設定で,まさしく落ちるのは三葉の家の玄関先だが,その家の位置がわからない.そもそもファンタジーを真剣に考える必要があるかは置いておく.

落下に関する情報としては,2013年10月4日の夜であるが,劇中をよく観察すると新聞記事には小さい字で午後8時42分と書いてある.

それから,劇中の場面(瀧が高校のグラウンドに立った場面)で高山線の普通列車と思しき鉄道車両が巻き込まれて破壊されている様子が描かれている.この場面は災害が回避できなかったケースの世界の結果なので,巻き込まれた列車は営業中の列車だということになる.

では,岐阜県北部飛騨古川付近で午後8時42分に普通列車がどこにいたのか探ってみよう.まずは,富山方面行きの時刻表はこうなっている.

岐阜発猪谷行きの普通列車が20時40分に打保駅を出て2分ほど.隣の杉原駅までは約5分なので,半分よりはやや南側ということになる.ということで,この列車の位置はこのへんか?

次に,南に向かっていた列車はこういう状況だ.

猪谷発高山行きが杉原駅に到着するのが20時43分.その1分前なので,列車の位置はこの辺か?

ということなので,どちらが被災したかはわからないが,両列車ともに近い位置を走行しており,彗星の落下地点は概ねこのあたりということになりそう.

岐阜県飛騨市宮川町(旧吉城郡宮川村)ですね.

#なお,webmasterは中学高校の間,天文部に在籍していた.そういう関係でこの映画の彗星がらみ部分については突っ込みどころ満載である.…が,ファンタジーにいちいち突っ込むのは野暮なので,やめとく.

「くろしお」減便示唆に仁坂知事怒り

JR西日本和歌山支社が、和歌山県や紀勢線の沿線自治体に利用客数の減少などを理由に、特急「くろしお」の減便の可能性を示唆(しさ)したことがわかり、和歌山県の仁坂吉伸知事は「生意気だ。自分で乗客を増やす努力をしたのか」と強い怒りを表しました。

情報源: 「くろしお」減便の可能性示唆のJRに仁坂知事怒り(写真付) | WBS和歌山放送ニュース

知事殿,本州三社は公営でもなければ三セクでもなく,株式も公共が全部放出してしまった単なる企業ですので,期待してはいけません.そんなもんです.

苦労して鉄道を敷き地域経営してきたわけではなく,借金棒引きの理想状態でスタートした企業体ですので,昔からの鉄道会社や地場の交通企業に比べると思い入れが少ない分かなりドライです.そんなもんです.

なお,「国鉄を通り越して、省線時代にまで戻ったのではないか」とのことですが,鉄道省や国有鉄道は紀伊半島に鉄道を敷き,一部は線路の付け替え工事もして田辺までは複線化し,さらに県下の路線を全部電化するという設備投資をしました.鉄道省や国有鉄道に対して失礼です.

民営化して以降の鉄道投資のことをよく思い出してみてください.高速化事業は県が主導ではなかったでしょうか.南部の普通電車にトイレを付けたのも県が主導ではなかったでしょうか. 天王寺駅構内の阪和線と環状線の連絡線を最初に建設するときも,県が資金を出しませんでしたっけ? 特急用の電車を何本か新品で調達した以外に何か積極的な投資はあったでしょうか? 最近投入された「新車」も北陸新幹線開業で余った電車の転用です.阪和線の鉄橋の架け替えも,基本的には河川改修事業です.そんなもんです.

和歌山県に限らず,JRが何とかしてくれると思い込んでいる自治体は多いですが,リップサービスが主体だということに気づいた方がいいです.そんなもんです.

 

国境を越える路面電車(1)

日本ではあり得ないが,欧州の国境附近の都市が路面電車整備をして,その路面電車網を拡大させてゆくと端っこの方で国境を越えてしまうことがある.

割と古い方ではここ.

ドイツ西部のザールブリュッケン.市街を抜けると,ドイツ鉄道の線路を走り…

終点駅の手前に「RFF」の看板があり…

そして終点駅は…

フランスの駅だ.路面電車だが国際列車である.

元々は国鉄列車が走っていたような区間なので(実は本数は少ないが,まだ毎日数本は走っている),路面電車でありながらザールブリュッケンとサルグミヌ駅間はレールパスが有効だったりなんかする.