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円安で困っているらしいが…いい政策あります

30年ぶりの円安で,輸入品の異価格高騰,物価上昇でみんな困っているらしい…というか,私も困っている.

円買いの「日銀砲を」という声もあるようだが,一時的なものならともかく,構造的な状況下では投じたドル資金がどこかに吸収されて元に戻るだけである.

じわじわと円安になるなら,国内の産業構造もじわじわと対応可能だが,急だと対応できずに困ったことになっている.

じゃぁ,万事休すかというとそうでもない.

忘れている人が大半かと思うが,10年前の大震災直後に,一時的に円高基調になったことがある.震災で国富が大幅に失われているのなら,日本の価値が下がって円安になるはずだが,「復興のための円の資金が必要になるはずなので」「復興需要が活発化するはずなので」といった理由であった.

つまり,国内の経済活性化策こそがこの難局を乗り切れる可能性があるということである.

(外国の力を借りて資金を流出させるのではなく)国内の既存産業を使って大規模な投資を行い,結果として国内の活動を効率化したり活性化させたり安定化させたりする作成策が必要ということだ.

では,具体的に何が適当かというと,例えば非効率な過密や将来の破滅的な被災を防ぐ首都機能移転や全国的な(人流・物流の)移動速度向上および省力化を図れる施設(自動運転の高速鉄道など)といったプロジェクトの実施が必要だ.

今回の円安に関しても,日本の成長力そのものが高まれば自ずと円安は解消されると論じている経済学畑の方は複数いるようだが,残念ながらまだ注目度は低いようである.

#「注視と検討」だけしている放置国家には無理かなぁ.

 

与党内で財政緊縮派vs積極派らしいが…いい政策あります

「アフター・コロナは遷都で明けろ」田中角栄なら、そう言うだろう。

情報源: 田中角栄が生きていれば必ず断行したはず…イマドキの政治家には絶対にやれない”ある経済再生策” 日本の最大の問題は「東京一極集中」にある (2ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

3.11直後には結構首都機能移転の話があったが,今はどこへやら.

1990年代には国会で首都機能移転が決議されたものの,「カネがない」と理由で見送りに.

その額当時の見積もりで10兆円.でも大丈夫.経済成長していないので,物価も基本的にはあまり上がってませんから.

10兆円なんてすぐじゃないですか.コロナ対策で必要だーーーーっって10兆円以上予備費で確保して,そのカネどこに行ったの? まだ使ってないよね. それ,使えば? 妙なところに湯水のように突っ込むよりも確実に効果ありますから.

なお,リンク先の対談ではいくつかの候補地や可能性のある地域が出てきますが,1990年代の議論なので,その後の大規模災害の発生状況や,今後発生する可能性のある大規模災害の予測が更新されていることを織り込んで,再度見直したほうがいいと思う.

「立川で大丈夫」って思ってませんか? そこ,災害の発生状況(三連コンボ+気象災害など)によっては陸の孤島状態になりますから.

南海トラフの危険性は新型コロナの34倍

…というタイトルを書くと目立つと思ったのでそう書いてみた.

でも本当である.

10/25現在,大阪府の人口8823千人に対して新規感染者は26人.
つまり,感染率は0.0003%(「非」感染率は99.9997%).

1年間この状態だと仮定すると,1年内に感染する確率は0.1075%
(非感染率は99.8925%)になる.

さらに30年間続くとすると(そんなに続くわけないが),
30年内に感染する確率は3.175%(非感染率は96.825%)になる.

ところで,南海トラフ大地震が発生する確率は70〜80%なので,間を取って75%とすると,
「3.175%」vs「75%」!

つまり,明日,家を出て外出してコロナをもらってくる確率は,明日南海トラフ大地震に巻き込まれて被災する確率の23.6分の1.逆に言うと,コロナの心配をするなら23.6倍の大地震に対する心配をしたほうが合理的.…という状態である.

さらに新型コロナは全国で累計172万人の感染者に対して死者数は18200人なので,死亡率は1.059%である.先程の発生確率を掛け合わせると,あなた(大阪府民)が30年内に新型コロナで死亡する確率は,0.034%程度である.

一方,南海トラフ大地震発生時には大阪府下で最大134000人の死者の発生が想定されるそうなので,8823千人に対する比率は1.52%程度.発生確率を掛け合わせると,大阪府民が30年内に南海トラフ大地震で死ぬ確率は,1.14%程度である.

「0.034%」vs「1.14%」!!

なんと33.9倍.

新型コロナが33.9倍危険なのではなくて,南海トラフ大地震のほうが33.9倍危険なのだ.

相変わらず,新聞テレビネット等々で新型コロナの話を煽ってるが,そっちよりももっと危険なものがあることに,そろそろ気づこう

…というよりも「コロナが怖いので,学校にいけません」と言っているあなた.「大地震が怖いので外出できません」とは言ってないよね.そろそろ外に出ましょう.

幹線鉄道網の冗長性は必要

13日深夜の地震で,東北新幹線が10日ほど不通らしい.

常磐線特急と高速バスと航空便と羽越本線で代替輸送するらしいが,東北新幹線の輸送量能力に比べるとかなり非力かな.コロナで需要そのものが少なくなっているので今回は運べてしまうかもしれないけど.

こういうときに重要だなと思うのが路線網の冗長性.常磐線が復旧していたので仙台市までは(ちょっと時間がかかるが)いちおう運べるし,そこまで行けば山形市はすぐだ.羽越本線が使えるので秋田市までも(ちょっと時間がかかるが)いちおう運べる.

在来線経由になったりするので時間はかかる.もし羽越新幹線とか実現してれば,北海道行きの列車は上越新幹線,羽越新幹線を迂回して運転されるんだろうな…と,ふと思った.

都構想は大阪を副首都にするための布石…か?

府と市の特別顧問を務める中央大学の佐々木信夫名誉教授は、都構想は大阪を副首都にするための布石であり、国の危機管理上、また、国土の均衡ある発展のためにも必要な改革だと述べました

情報源: 都構想 意見交換会で意義強調|NHK 関西のニュース

リンク先がリンク切れになりやすいかもしれないので,その際はご容赦を.

えーと,「大阪」が地理的にどこを指しているのかよくわかりませんが,持ち上げるだけ持ち上げておいても,いずれ現実に直面してしまうかもしれません.

以下,5年くらい前にやってみた大阪が副首都になれるかどうかの検討.

 

”ブログじゃねぇか!” という方には以下をどうぞ.
https://policy-practice.com/db/2_59.pdf

 

#この佐々木先生の「東京都政」(2003)という本のp.207には,こう書かれている.

”二三区を八つぐらいに再編し,それぞれを100万程度の政令指定都市にする方向が考えられる”

この文脈を大阪に当てはめてみよう.
大阪市を廃止して4つの区に再編すると,1つあたり80万人くらい(60〜75万人規模)らしいので,現在の政令指定都市の基準なら,それぞれが再び政令指定都市になれるかも.そうすると,大阪には政令指定都市が計5つになるかな.
立派な「二重行政」復活かな.(焼け太りとも言う)

#公式コメントバージョン
 報道によると,府と市の特別顧問の話では,都構想は大阪を副首都にするための布石だそうだ.これは「表の布石」.だが,残念ながら大阪は副首都には向かない.副「首都」の必要性が顕在化するのは首都直下地震や富士山の降灰などで東京が機能しなくなったときだ.歴史的に見てこれら災害は南海トラフ大地震とほぼ同時期のことがある.南海トラフ大地震発生時には大阪の平野部では大きな揺れに見舞われ,大阪市内西側では大津波の被害が心配される.建物だけ揺れに耐えても都市は機能せず,副首都大阪は絵に描いた餅だ.
 「裏の布石」はこう見える.大阪市を4分割することで60〜75万人規模の基礎自治体がができるが,現行制度下では個々が政令指定都市になれる規模だ.堺を含め,府下には5政令市が復活可能なわけで,権限の強い市長ポストを増やせる「布石」である.特別区の政令市化は特別顧問の著書「東京都政」(2003,岩波新書)のp.207に書いてあるアイデアでもあるが,二重行政を批判しながらも結果として多重行政を目指す方向に歩むという矛盾が存在する.
 このように,表の布石は絵に描いた餅,裏の布石は焼け太りへの道ということである.

「大阪都構想の危険性」に関する学者所見(2020)

首都機能移転論が再燃

自民党で、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、首都機能を地方に移転する議論が再燃している。東京一極集中を是正し、都市部の人口密集によるリスクを回避するのが狙いだ。

情報源: 自民、首都機能移転論が再燃…テレワーク拡大が追い風に : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

 

もう何度この手の議論を繰り返してきただろうか.またかよ.地震,疫病,火山,非効率.
危機感のある人が居ないんだなぁ.
実行力のある人が居ないんだなぁ.

 

国会等の移転を決議したのが,平成2年.それから30年.今日が大丈夫なら明日も大丈夫.
危機感のある人が居ないんだなぁ.
実行力のある人が居ないんだなぁ.

 

全国あちこちの候補地の検討も,既にしたよね.でも実現していない.
危機感のある人が居ないんだなぁ.
実行力のある人が居ないんだなぁ.

 

移転費用が10兆円,10兆円を惜しんで亡国.でも10兆円って,今般のコロナの補正予算予備費レベルなので,必要なら支出できるレベルだよね.つまり…
危機感のある人が居ないんだなぁ.
実行力のある人が居ないんだなぁ.

 

#リニアだけでは解決しない模様.

リニア「先に名古屋~新大阪の工事を」

先に名古屋~新大阪間の工事を開始してもらいたい

情報源: リニア中央新幹線 大阪・吉村知事「先に名古屋~新大阪の工事を」(ABCニュース) – Yahoo!ニュース

 

「先に名古屋~新大阪の工事を」と言いたくなる気持ちはわからないでも無いが,それだけでは表面的な事象にかみついているだけになる.

JR東海には国から3兆円が低利融資されているが,この本来の目的は名古屋-大阪間の工事が東京-名古屋間とほぼ同じ時期に完了できるようにすることである.3兆円が無くても元々名古屋開業は2027年予定であったし,名古屋-大阪間は建設費4兆円弱であり,この4兆円弱のかなりの部分をカバーできるように決められた額が3兆円である.
(名古屋開業から10年遅れでは無く,3年程度の遅れの開業で済むような金額が設定されている)

…ところがである.
リニア建設のそもそもの目的を考えてみると,南海トラフ大地震による東海道新幹線の長期不通の影響を回避することが最も重要である.次点で東名阪間の巨大経済圏の活性化である.

つまり,東京-名古屋間の建設が遅れた場合の最も深刻な影響は,経済活性化が遅れることではなく,東名阪間の動脈寸断による重大な不経済の発生である.

したがって,知事が発するべき言葉は,「先に名古屋~新大阪間の工事を開始してもらいたい」という表面的な話ではない.

「リニア開業が遅れたとしても,南海トラフ大地震発生に備えて,東京-大阪間の動脈を確実に確保すべき」と発言すべきであった.巨大リスク発生の可能性に目が行っていないのである.

それは具体的には何かというと,
“2037年までに北陸新幹線の大阪開業を実現させ,同時に,輸送量の面でも十分な能力を確保”
することである.

#あるいは「ちょっとは静岡の声に耳貸したれや」である.
#相変わらず知事殿は平常時のことにしか目が行っていない模様.
#イソジンの件で叩かれているようだが,イソジンも殺菌用に塩素が溶け込んでいる水道水も,うがいの効果は大して変わらないという話もあるので,各社のうがい薬とともに大阪市水道局の水と府営水道の水も一緒に並べてあげたら良かったんではないかい.
(「風邪の予防にうがい」自体は悪くないと思うがねぇ.薄い塩水で鼻うがいってのもあるよ.)

「東京一極集中の是正」経済同友会が提言

情報源: 「東京一極集中の是正」経済同友会が提言|日テレNEWS24

首都機能移転には約10兆円かかるそうで,今まで国会の移転を決議しながらも実現に至っていない原因は「10兆円のお金が出ない」からだったわけだ.

そういえば,コロナ対応予備費で10兆円も確保してたよねぇ.

今回のコロナ騒動で,本気になれば10兆円くらいの資金を確保することは不可能ではないということが期せずして証明されてしまったわけで,同時に,これまでは本気ではなかったということも証明されてしまった.

この記事で出てくる「災害に強い(!?)とされる多摩丘陵」が適切かどうかについてはちょっと怪しいとは思うが,一極集中がマズいということは少なくとも財界でも確認されたわけだ.

※多摩丘陵って,ホストとなる東京の都心があって初めて機能する地域なので,そこだと抜本的解決にならないと思う.それに,都心よりは多少マシっていう程度であって,絶対的にはあんまりよろしくなさそう.

【祝】常磐線全線復旧

震災から9年を経て,ようやく常磐線が全線復旧した.

阪神淡路大震災の復旧の際,JRや阪神,阪急の路線が少しずつ復旧して営業を順次再開していったことが沿線を勇気付けたことが思い出される.

原ノ町駅の上野側(2013年11月)

広野駅の岩沼側(2013年11月)

坂元駅移設前の空き地(2013年11月)

まだまだ完全復興には時間がかかりそうだが,着実に進んでいる(と信じたい).

 

首都機能移転勉強会を発足

自民党の中堅・若手議員が4日、国会や中央省庁などの首都機能移転に関する勉強会を設立した。

情報源: 首都機能移転、自民の中堅・若手が勉強会を発足…小泉環境相ら19人 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

まぁ…やらないよりはやった方がいいんだが,30年前に国会で首都機能移転の決議(H2.11/7)までして,しかもその話は今も有効なので,あとは動くかどうかだけどねぇ.

残念ながら現(というか,今までの)国会議員の皆さんは,東京一極集中が重要な問題点であると気づきながらも,実行力が無かったわけで,「茹でガエル」「どじょう豆腐鍋」状態を甘受してきたわけだな.

10兆円で首都機能移転できるなら安いと思うがな.

首都直下地震が2025年±5年とか,南海トラフ地震2035年±5年とかいう話が地球科学の専門家からも出るようになってきた昨今,”今から勉強会”では,ちと悠長すぎないかなぁ.

#回りくどい表現のポエムはもういいです.