果たして,新たな拠点形成に寄与するか?!
(撮影:2026/3/14)
なんだか「中速鉄道」が日本の新幹線計画の救世主だという錯覚が蔓延しているらしい.新幹線の基本計画線沿線地域でそういう話を時折聞くようになった.
「200km/h未満の速度でもそこそこ便利じゃない?」的な発想であるが,たしかに欧州レベルなら便利である.欧州レベルなら.
欧州の「中速鉄道」こと「在来線の改良区間」では150-200km/h運転は当たり前である.それは,線路が真っ直ぐで踏切がほぼ皆無だからである.そういう状況なので,一部の曲線を改良しさえすれば「そこそこ高速運転」ができてしまう.
ところが,日本の「中速鉄道」の議論では,その辺を完全無視して,「160km/h運転すれば便利になるはず」と思いこんでいる.最高速度が160km/h運転で便利なら,北越急行線で十分であり,北陸新幹線は不要だったはずである.
このような曲線改良が効果を発揮するのは,踏切がほとんど無くて,一部の曲線以外は線路が真っ直ぐな路線だけである.例えばこんな区間.踏切も少なそう.
都市間の線路は基本的に田んぼを突っ切る真っ直ぐな線路であり,所々に方向を変える曲線が入るだけ.これなら曲線改良&少数の踏切のアンダーパス化などで十部効果が期待できる.
でも,こんな路線だと,そもそも「中速運転」ができない.
カントをつけて,風による転倒を防ぐための防風壁を設ければ既存の在来線の線路でも160km/h運転可能だという暴論も存在するが,防風壁で風が本当に防げるのなら,湖西線の運転休止は存在しないはずである.
こういう区間(振り子式車両が投入されているような区間)は,結局のところ真っ直ぐな新線を建設せざるを得ず,真っ直ぐな新線ならば速度を160km/hに抑えなければならない理屈も存在しない.暫定整備計画の「青函トンネル方式」になるだけである.
また,踏切についても「センサーを高性能化すればOK」みたいな論の展開をする人もいるが,高性能なセンサーを付けても,列車が通過する直前に踏切に侵入されれば何の効果も無い.
なお,本家中速鉄道のドイツの場合,在来線改良で150-200km/h運転しているような区間では,「中速列車」と「ローカル列車や貨物列車」の線路は分けられ,複々線化される方向で徐々に整備が進んでいるようなので念の為.
#3億円もかかったらしい中途半端な報告書を真に受けないようにしましょう.
東急田園都市線で回送列車と営業列車が接触事故を起こした件.
下のYoutube動画の開始早々(1秒),下側の回送電車の最後尾運転席の直下に分岐器があり,その分岐器の前方すぐのところのレールに白色の継目板が左右ともにあてがわれているのが見える.
この白色は,おそらく営業列車の走る本線側の軌道回路と回送電車の走る側線の軌道回路を分離するための絶縁だろう.(この写真が分かりやすそう)
ということは,軌道回路という「列車の在線センサー」的には回送列車は営業線から離脱したという検知をしており,営業列車側に「進行」現示のGOサインを出した原因.
一方,ちょっと見にくいが,下の航空写真の中央の「東急田園都市線」の「急」の字の下に白い点が見える.これが接触限界(車両接触限界標).上のビデオだと,回送電車の右から2枚目のドア付近.ここよりも合流する分岐器側(右側)だと電車同士がぶつかるという位置.
回送電車の運転席はこの白い点よりも右側に出ており,分岐器の真上にある.つまりぶつかる位置で停車してしまった.
要するにまとめると,「センサー」は本線にはないと判断していたけれど,実際には本線の走行を支障する位置に回送電車が止まってしまったということ.
事故調査委員会がなかなか「営業再開!」と言ってくれないのは,このシステム的なバグ(軌道回路の境目と実際の接触限界のズレ)が解消されない限り,事故が再度起こる可能性があるから,ではなかろうか.
(…がしかし,こんな箇所は全国各地にアチコチありそうなのが悩ましいところ)
なお,「見習い運転士ガー」とか騒いでいるマスコミは,お門違いの可能性大なので無視しましょう.調査能力が無い可能性大.
予想だが,「バグが解消されるまで,回送電車の入っていった引き上げ線の使用は停止」という条件で復旧が認められ,さらに全国の鉄道会社に「同様のバグがないかどうか調査せよ」というお達しが出るのでは.
(復旧した模様)
(予想通りお達しが出た模様)
北陸新幹線の敦賀-大阪間の建設費が高めになっている原因を考えてみようということで,前回は敦賀-新大阪間を大深度地下じゃなくて「普通に建設したらいくら掛かるか」を計算してみた.
今回は京都と大阪の地下線区間をどの程度に見積もっているかを探る話である.
方法としては,都市部の地下線区間とそれ以外について,まずは「普通につくったら」いくら掛かるかを計算してみる.
まずは,地下線以外の区間部分.
| 費目 | 単価 | 単位 | 単位数量 | 数量 | 小計(億円) | 備考 |
| 用地費 | 5.24 | 億円/km | 軌道延長 | 191.9 | 1,005.5 | |
| 路盤費(複線) | 55.10 | 億円/km | 区間長 | 0 | 0.0 | |
| 橋梁費(複線) | 41.37 | 億円/km | 区間長 | 21.44 | 886.9 | |
| 隧道費(複線) | 32.22 | 億円/km | 区間長 | 74.5 | 2,400.5 | |
| 軌道費 | 1.86 | 億円/km | 軌道延長 | 191.9 | 356.1 | |
| 停車場費 | 122.8 | 億円/箇所 | 施設数 | 1 | 122.8 | |
| 車庫・検査修繕施設費 | 782.4 | 億円/箇所 | 施設数 | 1 | 782.4 | 久御山基地 |
| 諸建物費 | 0.11 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 10.4 | |
| 電灯・電力線費 | 0.95 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 90.6 | |
| 通信線路費 | 1.03 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 98.1 | |
| 運転保安設備費 | 1.57 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 149.6 | |
| 防護施設費 | 0.39 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 37.4 | |
| 電車線路費 | 0.40 | 億円/km | 軌道延長 | 191.9 | 77.3 | |
| 変電所費 | 2.24 | 億円/km | 工事延長 | 95.29 | 213.5 | |
| 工事関係 | 15.1 | % | 対上記合計 | 940.9 |
地下線以外の延長は95.3kmで単純合計7,172億円(2010年価格)になる.
建設費を「建設工事デフレータ」で調整してみると…
7,172億円×(122.5/93.4)=9,407億円 (2023年)
さらに,金沢-敦賀間が+28.8%の上振れをしていたことを織り込むと…
9,407億円×1.288=1兆2,116億円
ちなみに,キロあたり単価はこうなる.
1兆2,116億円÷95.3km=127.1億円/km (2023年)
ところで,前回の「敦賀-新大阪間を普通につくってみる」見積もりは1兆7,487億円だったので,京都や大阪の地下線区間部分を「普通につくってみる」場合の見積もりは,延長48.7kmに対して差し引き5,371億円ということになる.
1兆7,487億円-1兆2,116億円=5,371億円 (地下線区間を普通に計算した場合)
さて,公式見積もりの3.9兆円には地下線以外の区間も含まれているので,3.9兆円から地下線以外の区間の費用(上記の1兆2,116億円)を差っ引くと,地下線部分の見積もりということになる.
3兆9,000億円-1兆2,116億円=2兆6,885億円 (地下線部分の見積もり)
要するに,地下線部分は通常の見積もりに比べて,以下の倍率で計算していることになる.
2兆6,885億円÷5,371億円=5.01倍 (地下線部分の通常区間比)
ご5倍!
キロあたり単価はこう見積もっているようである.
2兆6,885億円÷48.7km=551.9億円/km (地下線部分のみ)
うーん,確かに地下線工事は高額かもしれないが,市街地ばかりを通る通勤通学用の地下鉄の工事費がキロあたり250-400億円なのに,駅が少なくて(*)郊外部分も多い新幹線がいくらなんでもキロあたり550億円overってちょっと見積もり高すぎでは?
(*)地下鉄工事は駅が高い.
北陸新幹線の敦賀-大阪間の建設費が高めになっている原因を考えてみようということで,前回は既に開業している金沢-敦賀間の費用の上振れを計算してみた.
今回は敦賀-新大阪間を大深度地下じゃなくて「普通に建設したらいくら掛かるか」を計算してみる話である.京都市内のルートとしては南北案で計算してみる.
京都や大阪の大深度地下を普通の山岳トンネルだと仮定してつくったらという話になる.そうすると,例の長野-金沢間の明細をもとに計算すると概ねこんな感じかな.
| 費目 | 単価 | 単位 | 単位数量 | 数量 | 小計(億円) | 備考 |
| 用地費 | 5.24 | 億円/km | 軌道延長 | 240.2 | 1,258.7 | |
| 路盤費(複線) | 55.10 | 億円/km | 区間長 | 0 | 0.0 | |
| 橋梁費(複線) | 41.37 | 億円/km | 区間長 | 21.44 | 886.9 | |
| 隧道費(複線) | 32.22 | 億円/km | 区間長 | 124.51 | 4,011.9 | |
| 軌道費 | 1.86 | 億円/km | 軌道延長 | 290.6 | 539.3 | |
| 停車場費 | 122.8 | 億円/箇所 | 施設数 | 4 | 491.2 | 敦賀駅は除外 |
| 車庫・検査修繕施設費 | 782.4 | 億円/箇所 | 施設数 | 1 | 782.4 | 久御山基地 |
| 諸建物費 | 0.11 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 15.7 | |
| 電灯・電力線費 | 0.95 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 136.9 | |
| 通信線路費 | 1.03 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 148.2 | |
| 運転保安設備費 | 1.57 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 226.0 | |
| 防護施設費 | 0.39 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 56.5 | |
| 電車線路費 | 0.40 | 億円/km | 軌道延長 | 290.6 | 117.1 | |
| 変電所費 | 2.24 | 億円/km | 工事延長 | 144 | 322.6 | |
| 工事関係 | 15.1 | % | 対上記合計 | 1,358.0 |
トンネル場合は用地買収がいらないこともあるが,状況次第なので,前回と同じく全区間計上してある.ただし,松井山手以西は明らかに大深度なので用地買収対象外にしてある.
上記は2010年の物価を前提に計算したものだが,単純合計1兆351.5億円.延長が144.0kmなので,キロあたり単価は…
1兆351.5億円÷144km=71.89億円/km (2010年)
高架橋が少ないので,ちょっと安くなった.
建設費を「建設工事デフレータ」で調整してみると…
1兆351.5億円×(122.5/93.4)=1兆3,576.7億円 (2023年)
そうすると,キロあたり単価は…
1兆3,576.7億円÷144km=94.3億円/km (2023年)
ところで,金沢-敦賀間は建設費が+28.8%の上振れをしていたので,これも盛り込んでみる.
1兆3,576.7億円×1.288=1兆7,486.8億円
144kmの建設だと,まぁこんなもんであろう.キロあたり単価も…
1兆7,486.8億円÷144km=121.4億円/km (2023年)
となる.
ところが実際というか,公式にはこの区間の見積もりがオドロキの3.9兆円である.つまり京都や大阪の地下線区間が大幅に高額だという見積もりをしているのだ.
では,どの程度高額の見積もりをしているのだろうか.続きは次回以降へ.
北陸新幹線の敦賀-大阪間の建設費が4兆円近いとか,もしかしたら5兆円だとかいう話が物議を醸している.信頼性の超高い有識者によると,そんなに費用が掛かるわけ無いし,工期も30年近くかかるわけ無いらしい.
(5兆円というのは,情報の出し方としてはミスリードである.例えば現在の年間生活費が100万円の人がいたとして,年率2%の物価上昇率だとすると,30年後には年間180万円だ.さぁ大変,生活費180万円だぁ…って騒ぐのは意味がないのと同じような話.)
さて,その建設費が高めになっている原因は何だろうかということを考えてみようということだが,まずは既に開業している金沢-敦賀間の費用がどれだけ上振れしたかということを計算してみることから始めてみる.
新幹線の工事費の内訳はなかなか詳細が明らかにならないが,随分前に当時の新潟県知事(今の国会議員の米山さん)が国に「明細書もないのに請求書だけ回してくるな!ゴラァ」的なことで噛みついたことが原因で長野-金沢間については明細が明らかになっている.
それを分析すると,概ね金沢-敦賀間はこんな感じかな(その明細書そのものではない).
| 費目 | 単価 | 単位 | 単位数量 | 数量 | 小計(億円) | 備考 |
| 用地費 | 5.24 | 億円/km | 軌道延長 | 253.0 | 1,325.8 | |
| 路盤費(複線) | 55.10 | 億円/km | 区間長 | 2.3 | 126.7 | |
| 橋梁費(複線) | 41.37 | 億円/km | 区間長 | 74.6 | 3,086.0 | |
| 隧道費(複線) | 32.22 | 億円/km | 区間長 | 37.7 | 1,214.7 | |
| 軌道費 | 1.86 | 億円/km | 軌道延長 | 253.0 | 469.5 | |
| 停車場費 | 122.8 | 億円/箇所 | 施設数 | 6 | 736.8 | 金沢駅部は除外 |
| 車庫・検査修繕施設費 | 782.4 | 億円/箇所 | 施設数 | 1 | 782.4 | |
| 諸建物費 | 0.11 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 13.6 | |
| 電灯・電力線費 | 0.95 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 119.1 | |
| 通信線路費 | 1.03 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 128.9 | |
| 運転保安設備費 | 1.57 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 196.5 | |
| 防護施設費 | 0.39 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 49.1 | |
| 電車線路費 | 0.40 | 億円/km | 軌道延長 | 253.0 | 102.0 | |
| 変電所費 | 2.24 | 億円/km | 工事延長 | 125.2 | 280.5 | |
| 工事関係 | 15.1 | % | 対上記合計 | 1,303.4 |
トンネルの場合は用地買収がいらないこともあるが,状況次第でそこまでの詳細は明らかになっていないので全区間計上してある.
上記は2010年の物価を前提に計算したものだが,単純合計9925.1億円.延長が125.2kmなので,キロあたり単価は…
9925.1億円÷125.2km=79.4億円/km (2010年)
ということで,この区間もそのまま計算するとキロあたり単価は長野-金沢間とほぼ同じである(というか,長野-金沢間の単価を使っているので,ほぼ同じになるのは当たり前か).
昨今は物価が上がってきているので,建設費も上がっており「建設工事デフレータ」という物価指数のような値で調整してみる.開業した2015年の値を100とすると,2010年は93.4,2023年は122.5なので…
9935.1億円×(122.5/93.4)=1兆3,031億円 (2023年)
そうすると,キロあたり単価は…
1兆3,031億円÷125.2km=104.1億円/km (2023年)
そういえば,一時期のJRTTの新幹線建設単価は100億円/kmで計算していたと思うので,当たらずとも遠からずの予想単価だったわけだ.
ところで,実際の金沢-敦賀間の建設費は1兆6,779億円だったので,キロあたり単価は…
1兆6,779億円÷125.2km=134.0億円/km
ということになり,建設費の上振れについては…
1兆6,779億円÷1兆3,031億円=1.288倍
つまり,+28.8%だったわけだ.原因はJRTTから説明されている.Youtubeなどでは,山にトンネルを掘らずに高架橋を多用したからだ的な指摘をする人もいるが,トンネルばっかりだと駅を設置できないので,ルートのライン取りについては致し方なしなのかもしれない.
さて,敦賀-大阪間の話に移るが,長くなるので,続きは次回以降へ.
北陸新幹線の地下線の扱いだが,京都駅付近を「地上」にして京都盆地の地下線を回避する方法はありそう.忙しい人向けにまとめると…
北陸新幹線京都駅付近の「地上案」シリーズのリンク集は以下のとおり(投稿順).
なんか「鉄道評論家」が京都市域迂回して,北陸新幹線京都駅は向日市でもいいじゃないかとか何とか言ってるけど,都市中心部から離れた東海道新幹線以外の新幹線駅はほとんどが失敗してるので,それならもう原始案の亀岡(西京都)でもOKでは?
(東海道新幹線の「新」駅でも周辺開発に50年を要するレベル.)
京都駅西側狭隘部編のマイナーバージョンアップ版である.
大宮通と堀川通の狭隘部で,南側の引上げ線と貨物線の2線を使って高架橋の足を設置する案だったものを,京都線大阪方面2線をまたぐ直上高架に変更してみたものである.
こっちのほうが高架橋の足の設置に余裕があるかも.
ということで,あらためて東山から桂川まで順に並べてみると,こんな感じ.
続きである.おそらく一連の『北陸新幹線京都駅付近の「地上案」』シリーズの最終回である(もしかしたら更に補足があるかもしれないが).
北陸新幹線の小浜京都ルートが公式に推進されている理由の一つとして,表面的なB/Cなどの他にも将来的な日本海側への高速鉄道導入の布石としようとしている事が挙げられる.つまり山陰新幹線である.
山陰新幹線は,一応,大阪を起点にして鳥取松江を経由して下関までということになっているが,これを額面通りに大阪を起点とした新線工事を開始しようとすると,山陰新幹線単独で大阪平野の市街地を横切る新幹線工事をしなくてはならなくなる.まぁ,はっきりいって無理である.
鉄道網のことをよく知っている人なら,「大阪‐姫路(or相生)間は山陽新幹線と共通にして,そこから智頭急行線に沿って鳥取を目指せば距離も短くていいんじゃね?」と言うかもしれない.
確かに山陰新幹線の「経由地」だけを見ればそうかもしれない.ところが,近畿から中国の日本海側には数万レベルの都市がいくつもあり,特に「山陰新幹線智頭線並行ルート」を採用すると,京都府北部から兵庫県北部にかけての複数の中小都市を取りこぼすことになる.その人口を合わせると,鳥取18万よりも多い.
そこで現在一部で構想されているのが大阪‐京都‐小浜間を北陸新幹線と山陰新幹線とで共用し,小浜から山陰新幹線の単独路線として建設すれば,山陰新幹線単独で大都市の市街地を横切る工事を回避できるということだ.もちろん,北陸新幹線の「米原ルート」でも成立しない.こういう話は,表面的なB/Cとか「工期が…」「工費が…」と言っている人たちからは出てこない.
小浜から(進行方向は変わるが)分岐して,舞鶴,岩滝口*,豊岡と進んで,鳥取方面に至る.これで23.9万人くらいの沿線人口になる(緑のライン).
(高浜は人口が1万人ほどなので,駅を作れるかどうかは微妙)
*どうして岩滝口かというと,この辺の人口が多い自治体は京丹後だが,京丹後経由にすると直線的ルートから外れる.しかも超有名観光地の天橋立へのアクセスが不便になる.という理由でここを選んだ.
さて,以上は京都駅付近のJRTT案(南北東西桂川)ベースの構想だが,当webでは新たに「地上案」を提案している.そうすると,どうなるかという話である.
前々回に,京都駅から西(小浜方面)に進んで京大のキャンパス付近から山岳トンネルに入って勾配を登る途中で,少しだけ平らな部分を作ると書いたが,ここから山陰新幹線を分岐させるというのが新提案である.
トンネル内で分岐させて,亀岡(人口8.7万人),南丹(3万),綾部(3万)+福知山(7.7万)*,舞鶴(8万)と進んで,あとは現行構想と同じく岩滝口(計8.7万),豊岡(7.2万)とすれば,沿線人口は現構想の23.9万人から46.3万人に増える(紫のライン).
*綾部は福知山から13kmほど離れているが,函館から新函館北斗までよりは近い.
舞鶴を基準にすると,建設距離は小浜までは40kmほどだが亀岡経由で京都市西側の分岐点までだと70kmほどに増えるものの,所要時間は小浜経由で37分程度と推計されているのに対し,亀岡経由だと(こだま号なみとして)32分程でちょっと早い.
それから,この山陰新幹線は新大阪を出発して京都を経由して山陰方面に向かのうのが基本だが,「地上案」は京都駅が地上駅(高架)である.東海道新幹線も地上駅(高架)である.そうすると,現時点では極めて望み薄であるが,東海道新幹線から北陸・山陰新幹線への連絡線を建設できて,直通運転できたとすると,山陰新幹線→東海道新幹線→(名古屋)→品川という最速ルートが形成可能になり,舞鶴-品川間が2時間ほどになる可能性を秘めている.
(京都駅乗り換えでも10分くらい長くなるだけだけど)
それから,それから,山陰新幹線亀岡ルートでは「北陸新幹線なんてメリットねぇよ,トンネル工事なんか協力できるかぁ」という南丹市に駅を設けられる可能性があり,南丹市にとって「北陸新幹線はNIMBY案件」という合意形成上の課題の解決に至る可能性もある.(京都府にとってもNIMBY案件かも)
という,色々メリットの多いのが「北陸新幹線京都駅付近の地上案」である.
ただし,(自分で言うのも何だが)京都駅付近の工事は超絶めんどくさそう.
ということで,お話,終わり.
続きである.前回の続きではなく,京都駅およびその東側の話が少々荒かったので,その解像度を上げたVersion 1.5である.
まずは駅西側.タキイ本社やホテルの前の部分は相変わらずギリだが,駅構内に入ってしまうと配線を整理すれば高架橋の足の場所(黄色)はありそう.急カーブもなく高架の北陸新幹線京都駅へ.
北陸新幹線ホームは在来線用の橋上駅舎のさらに上なので,地面から+20m程度.1番線2番線の間の貨物列車の通過線や3番線4番線の間の留置線に高架橋の足を確保するとともに,2番3番線のホーム上に1本足を立てれば幅20m程度の2面2線の新幹線駅は作れそう.コンコースは在来線橋上駅舎を拡大する形で2階部分か.自由連絡通路から直接入れる北陸新幹線西口と在来線跨線橋からの乗り換えになる北陸新幹線東口,後はエレベータで地下通路への連絡口かな.
工事は大規模になりそうなので,一旦2番線3番線の機能を停止して工事をすることにして,(ちょっと狭いが)米原方面は4番線5番線に移し,大阪方面は6番線7番線でやりくりするかな.
東側はそのままの高さを維持して,少し南にズレて奈良線の直上へ.一応,タカバシはアーチの上を超えられる高さにしてある.引上げ線を廃止して在来線の大阪方面の2線を1線分北にずらして高架橋の足場を確保.これならギリ現有鉄道用地内で処理できるか? 無理でも用地買収は最小限.西側と同じく,駅構内の配線を整理すれば高架橋の足を立てる場所は確保できるかも.奈良線の直上に達したら,最大限の勾配でだんだん地上におろしてゆく.
奈良線が南に向くあたり以降は,大阪方面の2線の直上へ.高架橋の足は引上げ線部分と最小限の用地買収をした線路南側.線路の高さを下げながら鴨川へ到達.高架橋の高さ10m.鴨川を渡りきったところで7m.
鴨川を渡る間に米原方面の2線を北側にずらす.以後,線路の北側は新規買収して米原方面の2線を北側に通す.北陸新幹線は在来線の複々線の間に入れて高さを下げてゆく.
鴨川を渡って東海道新幹線が東山トンネルに入るあたりで北陸新幹線も在来線と同レベルへ.北陸新幹線はさらに勾配を下ってゆく.
東大路を超えた先で-10mに達し,トンネルに入る.そのまま南へ.
ということで,工事はめんどくさそうだが,一応できそう(かな?).面倒くささは,上野東京ラインの工事なみ?
次回はペンディングにしている「準備工事」の話へ.(つづく)