日本で花電車というと,お祭り時に登場するイベント車であるが,フランスのモンペリエの花電車はこんな感じ.(有名だよね)
日本の電車のデザインも,これくらいぶっ飛んでいてもいいと思うけど,無難なのが多いよね.
トランジットモールというと,路面電車やバスなどの公共交通と歩行者とが通行を許された街路である.
日本では,公共交通と歩行者とが接触事故を起こすのでは無いかという懸念から,さっぱり導入が進まないというものである.
…まぁ,日本人がそこまでウスノロだとは思わないが,警察の懸念は大きそうである.
さて,実際に実施されているところにおける事故の話はちょっと横に置いといて,歩行者優先街路としての使い方以外の使い方の話である.
自家用車の進入が禁止されているので,トランジットモールは基本的にはたまに電車が走ってくる以外はスカスカのガラガラである.ということで,その空いた道路を使ってパトカーや救急車,あるいは消防車の「Express Way」として機能している姿がしばしば見られる.
あんまり「反対,反対」ばかり言ってないで,こういう積極的利用の側面も考慮してみてはどうだろうかねぇ.
現場到達時間て,緊急サービスの結構重要指標だよね.
タイトルが,それ自身,矛盾しているじゃぁ無いかという指摘は置いといて,海外のLRTについて調べているとしばしばお目にかかるのがこういう施設.
路面電車の地下線である.日本ではまずあり得ない.
なぜ日本ではあり得ないかというと,日本では原則として鉄道整備は独立採算であるからだ.つまり,地下線をつくったならば,その建設費を運賃で払わなければならない.
例えば1kmの地下線を100億円でつくったとしよう.この100億円を運賃で支払うとする.地下線に乗り入れてくる電車の客は,平均5km乗車して200円支払ったとすると,1kmならば40円分である.
100億円÷40円/人=2億5000万人
電車には毎便100人ずつ乗っていたとすると…
2億5000万人÷100人/便=250万便
往復計で5分ごと,朝6時から24時までの18時間運転されていたとして…
18時間×(60分÷5分/便)=216便/日
250万便÷216便/日=11574日=31.6年
運賃を全額建設費の支払いにまわしても30年以上かかる.車両費や電気代,保守費,人件費,利払い等々の入っていない段階でこれであるので,事実上,運賃で地下線の建設費を払うなんてのは不可能である.
そもそも,朝から晩まで5分ごとにほとんど満員のLRVが走ってくるとの設定に無理がある.
つまり,こういった「路面電車の地下線」は独立採算の下ではできない施設,ということになるわけだ.インフラ整備の根源的な考え方が違う,というお話.
大阪から徳島へは,今や高速バスが当たり前だが,和歌山育ちの者の常識としては,やはりフェリーである.和歌山港行きの特急に乗って終点下車.専用の連絡割引切符も発売されている.
確か昔はこんなに閑散とはしてなかったと思う.ほとんど1時間毎に出港していて,夜中も運行されていたと思うが,今は昔.
トラックの輸送は今も健在なので,旅客はトラックのついでの輸送になっているのが実態かも.
乗ってしまえば,あとはゆったり好きなように.
しばらく行くと…ここが紀淡海峡.和歌山県民には友が島水道と言った方がわかりやすい.真ん中に写っている島が友が島.左が淡路島.右は和歌山の加太である.距離的には大して離れていない.ここに橋を架けるか,トンネルを掘るかが大問題.けっこう深いんだよね.
さらに小一時間行くと,鳴門海峡.橋が見えるが,大鳴門橋をこのアングルから見る機会はなかなか無い.よく見ると,わずかに蜃気楼が出ているかも.(写真をクリックすると拡大)
拡大して,ちょっとメリハリを付けると,こんな感じ.確か,16両編成の新幹線対応(すれ違わないことが条件)の道路鉄道併用橋である.
徳島駅前から大阪へとバスに乗ろうとした.ここの区間は明石海峡大橋が開業して以降,徳島-舞子-三宮とか,徳島-梅田-なんばとか,徳島-なんば-梅田とか高速バス路線がいくつかあって,バス会社も異なっていたりする.
バスのことはあんまり詳しくないので,「高速バス」と大きく書いている案内所に行って聞いてみる.
私:大阪に行きたいんですけど…
案:19時30分で舞子に行くか,19時45分のなんば経由梅田行きか,20時の梅田経由なんば行きかですね.うちのバスなら20時発ですけど,19時45分はあっちの乗り場で運転手に直接払って下さい.
どうやら,行き先によってバス会社が違うようである.ということで,「あっちの乗り場」に行ってみる.
私:大阪に行きたいんですけど.
別:大阪のどこですか.
私:梅田に行きたいんですけど.
別:乗車券は持っていますか?
私:いいえ.
別:じゃぁ,運転手に直接払って下さい.でも,梅田ならあっち(最初にたずねた乗り場)の方から出る20時発の方が早く着くかもしれませんよ.直接梅田に行きますから.
私:あっ,そうですか.じゃぁ,あっちに行ってみます.
どうやら経由地の違いによって着く時刻が違うようである.再び元の案内所へ.
私:大阪の梅田に行きたいなら,こっちの20時発の方が早いって聞いたんですけど.
案:そうですか.じゃぁ,3700円です.
そうして,ようやく手書き領収書のような乗車券を入手したのであった.
私:乗り場はどこですか?
案:あっち(梅田に行くなら20時発の方が早いと教えてくれた乗り場)の1番です.
別会社であってもちゃんと客の質問には答えられているという点では評価できるんだが,結果としてはあっちの乗り場に行ったりこっちの乗り場に来たりとタライ回し状態になってしまっていることは確かで,輸送サービス部分そのものはともかく,インフラ部分の弱さを感じた瞬間であった.
やっぱり,鉄道って楽だわ.
記事の冒頭と同じく,本当にそういう話が出ているのなら思わず頭を抱えたくなった.
思わず頭を抱えたくなった。9日に大阪市内で開かれた「副首都推進本部会議」の第2回会合。大阪の副首都化や二重行政解消を目指し、府と大阪市が昨年末に設置した新組織だ…情報源: 【from社会部】大阪城で10万人盆踊り、ゲーム大会…残念な「副首都会議」、思いつきの的外れ放談でいいのか(1/2ページ) – 産経WEST
大阪における「副首都」の議論は,国策としての側面というよりは単なる地方振興策としての議論の色が強いと思っていたが…
「大阪城で10万人による盆踊り大会を」(作家の堺屋太一氏)、「大阪で若者が集うゲーム大会を」(元東京都知事の猪瀬直樹氏)-。
…これってマジすか? 猪瀬さんの本,ちょうど読んでたところなんで,今度こそまともなブレーンが来たかと思ったんだが,そうか,やっぱりアカンか…
電車の架線の電線をぴんと引っ張っておくには,どこかで引っ張っておかないといけない.でないと,だらりと垂れてくる.
架線の電線は無限に長いわけではなくて,一定長ごとに端っこがあり,その端っこにはバネが付いていたり,滑車を介しておもりがぶら下がっていたりする.
どちらもゴツい設備になりがちだが,おもり部分が架線柱に内蔵されているものもある.使われているのは,フランスのLRTであり,こんなところでもデザインが重視されている.
保津峡とよく似た雰囲気の別の駅.川の上にホームがあり,駅の両側がトンネルである.福知山線の武田尾駅.
なぜ似ているかというと,実は同じ主旨でつくられたからである.保津峡駅は京都市街と郊外の亀岡駅との間を走る山陰本線上にあり,元々は現在の嵯峨野観光鉄道の走っている線路であったが,単線の上,川沿いだったために速度が遅かった.そこで,複線電化するとともに渓谷部分はトンネルと橋梁で真っ直ぐに突っ切る線形に改良され,保津峡駅は橋の上の駅になった.おかげで亀岡では京都の郊外住宅都市開発が進んだ.
武田尾駅も同じく,武庫川沿いの曲がりくねった福知山線の単線線路をトンネルと橋梁で真っ直ぐ貫くことで路線改良し,おかげで三田が郊外住宅都市としての地位を手に入れた.その途中の駅が武田尾である.
駅を出て武庫川の上流方向に歩く.もちろん,道路は線路跡を舗装したものである.そんなわけで,トンネルも…鉄道トンネルそのものである.
現役だった頃は,こういう風に見えていたかも.
トンネルが転用されているのは途中までで,そこから先は軌道が撤去されているが,ほぼそのままである.
途中の明かり取り穴(?)から歩行者は横に出されて,自動車もトンネルの土手っ腹に開けられた穴から武庫川に架かる橋へと出される.
上流側探索ここまで.