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ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(VOL.6編)

今回も大阪の与党の政策広報誌に記載されている都市計画,交通計画がらみの話は妥当な方針かどうか考察してみることにする.まじめに考察するので,いちいち逆ギレしないでね.前回分はこっち.

今回対象とするのVol.6である.

1枚目の漫画には…

何で同じようなもの2つもいるねん?

…と,施設が2つあることを批判している.だが,問題なのは供給者がだれであるか以前に「供給過剰なのか,それとも適正か」の議論であるはずなのだが,供給者が単一ではないことを問題にしているように見える.


2枚目は,供給過剰な計画を立てすぎだという点を批判しているように見えるが,市と府で供給の調整をすれば済む問題だといえばそれまでであるようにも思える.

さらに2枚目下方に広域戦略の実績例として御堂筋の高さ制限緩和の話が載っているが,阿倍野の再開発を批判しておいて御堂筋の規制緩和を推進するというのも変な話である.阿倍野の再開発を成功させるには他の地区の開発速度を抑えるような政策を推進すべきだろう.そもそも,この政策は府市統合や広域行政と関係あるのか???

※1 御堂筋における良好な都市景観を目指し,スカイラインをそろえるために60M規制を長年してきたんだが,あんまり理解していないみたいだね.

※2 御堂筋での容積率の増加は,そのまま地下鉄御堂線の輸送力の逼迫につながるのだが,そこまで考えてるのかな.

※3 大阪市の開発事業の破綻時期を見ると,着工時期がバブル期,破綻時期がバブル崩壊時期なので,これって二重行政というよりは単にリスク管理できてなかったからだけだよね.府市くっつけてもリスク管理や総量管理できてなければ同じ結果になりそう.

「大阪市が巨大すぎるゆえに,莫大な税金の無駄遣いがなされてきた!」

これって,大阪市を縮小すべし,という意見だよね.昨今の府市統合しても大阪市は変わらない的な説明と相反するんだが,どう理解すれば良いのかな?

以上より,今回のチラシについては,過剰投資に関する重要な問題意識の提示はされているが,府市統合とは関係の無いことが関係があるように書かれていたり,論点のずれた解決策の提示がされていたり,今後の大阪市に関する矛盾を含んでいたりと,整合性が乏しいようだ.

たぶん,つづく

六郷川鉄橋

明治時代の鉄道を建設し始めたころには,まだ日本には鉄橋を架ける技術が無かった.汽車の走る橋でも木製の橋が当たり前だったが,重要な路線の橋梁には輸入の鋼材を組み立てた「鉄製の鉄橋」が架設された.

東海道本線の六郷川に架かる鉄橋がそれでイギリス製であった.その後,架け替えられて,元の橋はもったいないので別の路線に移設.そこで第二の人生を終えて,博物館行き.

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1経間のみだが,保存されている.IMG_8565

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明治村@愛知県にて.

ONE OSAKAの都市計画・交通計画は妥当な案か(VOL.5編)

以前,某政党の機関誌のリニア関連記事批評したところ,(その影響かどうかは定かではないが)敵認定のレッテルを貼っていただき,大変光栄であった.(まじめにいい指摘部分は評価し,いい加減な考察部分には批判をしたんだけどなぁ.聞く耳持たないって困ったもんだね.)

ところで今回は大阪の与党の政策広報誌に記載されている都市計画,交通計画がらみの話は妥当な方針かどうか考察してみることにする.まじめに考察するので,いちいち逆ギレしないでね.

今回対象とするのVol.5(主に港区向け?)には地下鉄の話が登場する.

1枚目の漫画には…

  • 都知事:全体のでっかいことはワシの仕事や
    M:地下鉄のことは,ボクに任せなさい!

という会話風のコマが登場する.Mは東京メトロをイメージしているようで,要は民営化した方が良いということのようである.

市営地下鉄を東京メトロのような事業体にすること自体は,将来の選択肢としてはあり得る.この先,追加的なインフラ整備をしないのなら民営化した方が効率化されるだろう.

ただし,民営化した場合は地下鉄会社は運営に徹するので,自ら新規の路線整備はしないであろうから,大阪市([新]大阪府?)には地下鉄インフラの整備という仕事は残る.これはJRを見ればわかる.近年のJRの新線で,完全に自己資金で建設や改良が成されたものがあるだろうか(大阪近辺では皆無です).

まさか,民営地下鉄会社に新規路線整備をしろと命令するわけじゃぁないよね.

ということで,その辺に気がついているなら民営化はありである.なお,民営化自体は府市統合とは関係の無いお話であるので,「one osaka」の政策の一部であるとの印象を与える形で広報するのが適切かどうかは議論の余地がありそうである.


2枚目の左側真ん中あたりには…

  • 「特別区にすると,仕事が重複しない!ムダがない!」と書かれ,さらに小さな字で「地下鉄・高速道路の管理」と橙色の文字で書かれ,橙色の文字は「東京都の仕事」(青い文字は特別区の仕事)ということで説明されている.

東京都の役割分担的にはその説明は正しいが,大阪の場合,地下鉄は交通局という交通事業体が組織されており,そもそも重複しているわけではない.府市統合されれば市の組織から府の組織へと組織の位置づけが変わるだけなので,特別区の設置によって地下鉄行政の中味が変化する可能性はあんまりなさそうである.

上に書いた民営化だとしても,特別区の設置は地下鉄民営化と関係が無い話のように思われる.ミスリードだね.(しかも,東京の地下鉄はメトロと都営の「二重」が今も続いているので,あんまり説得力ナシ)

高速道路についても,大阪については京阪神圏の都市高速は阪神高速道路公団で運営されており,元々府や市が直接運営しているわけではなかった.今は既に民営化されて阪神高速道路株式会社になっている.この部分についても府市統合とは関係なさそうである.図をにぎやかにするための「上げ底」状態かも.

もっとも,このチラシも自ら地下鉄の話も高速道路の話も,府市統合とは関係無いことを暗に認めていて,この東京都の説明の右側にある大阪市バージョンの図には地下鉄も高速道路も登場しない.そもそも,地下鉄も高速道路も「二重行政」とは関係ないことをこのチラシは認めている.

ということで,地下鉄の話も高速道路の話も,府市統合とは関係なさそうなのに記載されている,というのが今回のチラシに関する分析結果である.


チラシは何種類かあるようなので,別の機会に別のチラシも読んでみることにしよう.(たぶん,つづく)

削れっちゃってますねぇ

レールをよく見ると(…って,あんまりしないと思うけど),レールが削れてへこんでしまっているときがある.

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○→で場所がわかるようにしてある模様.電車が急ブレーキをかけると,電車の車輪がロックしてしまい,電車の車輪の一部が平らに削れてしまう.止まっている電車が急加速しようとすると,空回りして今度はレールが削れてしまう.雨の日が鬼門やね.

そのまま放置すると,バタンバタンと大きな音がしたり,傷に水が入り込んである日突然レールが折れたりする.信号機が変わらなくなって列車が発車できなくなるという事故の多くは,信号機械の故障だけでなくレールの破断のようである.

そんなわけで,予防的にレールが折れかねない箇所に横っ腹に板をあてがって急場をしのぐこともあるようだ.

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レールの継ぎ目でもないのに,継ぎ目板があてがわれている箇所にはレールの傷があることが多い.

京都も大阪も見えます

どうでもいいお話.

だいぶ前に,我が家から明石海峡大橋が見える話をしたが,明石が見えるのなら…

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この右側奧のって,京都タワーだよね.それから…

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これって,OBPだよね.大阪城は確認できず.あと…

DSCN2142これって,新梅田シティだよね.

京都も大阪も見えているのに,どっちへ行くのにも1時間くらいはかかる.リニアが建設されようかという時代なのに,都市交通って遅いね.

不要な線路は撤去

最近,ホームはあるのに線路がないという光景をいくつかの駅で見かける.

DSCN1615聞くところによると,線路設備は使用不使用にかかわらず,保有しているだけで固定資産税がかかるそうである.ということで,使わない設備は即撤去するそうな.

しかし,使用頻度が低いからといって片っ端から撤去すると,異常発生時に全く融通が利かなくなってしまい,ダイヤが乱れたら乱れっぱなし,という事態になってしまう.

昨今の鉄道における輸送信頼性はこういったところが原因のことがあるが,使用頻度の低い非常用設備への固定資産税課税を軽減する方法は無いものかと考えてしまう.

最近の高架橋(の角っこ)

皆さん,お気づきだろうか.最近の高架橋のコンクリートの柱…の角っこ.そう,今日は角っこのお話である.

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丸い.

景観に配慮して,最近の高架構造物は角を丸めるようにしてあるそうな.ただし,工事する側は,これが大変だそうで,それまでは板で型枠つくれば終わりだったものが,この角っこのために丸い型枠をつくらないといけないそうで,面倒&コストアップだそうな.

#しかも型枠の再利用がしにくいらしい.

立派な駅のホームを貨物列車が通過

日本の駅のホームで待っていると,ホームを貨物列車が通過して行くことがある.例えばこんな感じ.

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この風景に慣れているとあんまり違和感ないのだが,フランスとかドイツの駅で待っていて,貨物列車が旅客ホームを通過して行く光景にあんまりお目にかかったことがない.もちろん,皆無ではないのだが,あまり旅客ホームを通過することは無いように思う.

旅客駅とは別線で貨物線があったり,駅の奥側に貨物用の留置線兼通過線があったりで,旅客の目の前を通過することはあまり無いような気がする.安全上の配慮だろうな.

#コンテナの台車だらけの回送列車なんかがホームに停まっていると,乗ってみたくなるよね.(でも,時々ほんとに乗って捕まってる人いるけど.)

ツッコミどころの多い地図(6)

今回は土佐くろしお鉄道の「野望」である.例の地図には,四国南部にこういう路線も描かれている.

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ご存じ,土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線である.この地図では全線予定線のままであるが,実際には南国市の後免から安芸を経て奈半利まで開通している.その先,予定線は室戸を経て宍喰方面まで続き,徳島県下の牟岐線につながる予定である.牟岐線付近は阿佐海岸鉄道として実際に甲浦まで開通している.

そして,さらに…

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西側の足摺岬付近では,中村(この地図ではなぜか四万十にちゃんと改名されている)から宿毛を経て愛媛県の宇和島まで予定線が延びている.実際には中村から宿毛の間が開業しており,宿毛駅は終端駅になっているが,そのまま延ばそうと思えばさほど難しくはなさそうである.

どちらも高知市に近い側が開通しているが,残る部分は県境を挟む区間であり,県境を挟む区間では一般的に移動数が少ない(ローカル線では通学客が多い)ために,さらなる延伸はかなり厳しそうな気配ではある.

新幹線鉄道開業50年

…の記念硬貨をゲット.(というか,換えてきてもらった)
東海道,山陽,東北,上越,北陸の各柄あり.IMG_8454

調べてみると,鉄道が記念切手になったことは過去に何度もあるけど,鉄道が記念硬貨になったのはこれが初めてかな?(瀬戸大橋とか,青函トンネルとかの記念硬貨はあったみたいだが)

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全柄共通なのが反対側で,デザインとしては,これが一番カワイい.(昔の新幹線若返り工事のマークに似ていると思うのは私だけだろうか.)