鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

エアロトラン

エアロトレインとも言うが,リニアの宮崎実験線跡で研究しているあれではない.
フランスのオルレアンからパリに向かう路線で,進行方向右側つまり東側に,オルレアンを出発してからしばらくの間,こういう施設(の残骸)が見え続ける.
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橋脚の上に載っかっている桁の断面が逆T字になっており,この上をプロペラ付きのモノレールのような車両を走らせて高速鉄道にしようとしたわけである.
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試験は430km/hまで実施されたようだが,TGVが実用化されて開発中止,今に至るという感じ.もし実用化されていたら,フランス国内は轟音を立てたエアロトランが走り回っていたのだろうか.
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ピカピカのLRV

トゥールのLRTの電車は,とにかく光っている.運転席の両側にイルミネーションがあり,色が変わるようだ.
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後ろ姿は赤.IMG_7904
 
もちろん,ボディーも顔が写りそうなくらいピカピカ.縦ラインは入り口で,ホームのラインのところで待っていると,ドアが目の前にやってくる.
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開業してまだあまり年月が経ってないけど,このピカピカ状態,維持するの大変だな.サボると場末の食堂のステンレス食器状態になりそう.

LRT用の掃除機

LRT軌道レールには小さな隙間があり,ゴミがたまりやすい.かといって,人力で掃除していては大変である.
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ということで,専用掃除機がある.同型機は他都市でも見たことがあるので,この都市(アンジェ)のオリジナルモデルでは無さそう.
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単線区間では,お掃除完了待ち.IMG_8097

フランスあるある(その3)

フランスのダメダメは続く.

  • 列車のバス代行がしょっちゅう発生するので,駅の発車案内の電光掲示板には,最初からバスの図柄マークが準備されている.そして,掲示板には常にローカル列車の一部にバスマークが点灯している.
  • その代行バスは駅のどこから出発するのか,知る人のみぞ知る.
  • 列車のトイレはウ○コが山積みのことがある.ただし,古い客車の「ダイレクトに自然に還す方式」ではそれは無い.
  • 日本のみどりの窓口に相当するチケットオフィスは,まるでサロンのように小ぎれい.銀行のような順番カードを取って待たされる.でも待ち時間が短いわけではない.
  • かなり待ってたどり着いた窓口でチケットを発行してもらう.駅を出てからよく見ると,再度並び直すほどではない程度の間違いが必ずある.
  • 座席指定をとって乗車すると,なぜか正規のチケットを持った人が既に座っている.
  • 全席座席指定のはずなのに,なぜかデッキには補助イスがあり,常に困った顔の人が必ず座っている.
  • 一等車の空調は,なぜか「暖房」になっていて我慢大会.車掌が「あっちの方がいいよ」とやさしく二等車のことを教えてくれる.
  • ホームの飲料自販機は壊れてコインが入らない.隣のホームの飲料自販機も壊れてコインが入らない.隣の駅の飲料自販機はコインは入るがすぐに戻る.その次の駅の自販機もコインがすぐに戻る.結局有人売店で買う.

こんな感じかな.総じて機械ものはダメダメな印象.

鉄道後進国ニッポン(気動車1両でも140KM/H)

もう,段々感覚が麻痺してきたが,フランスの超閑散線区向け気動車1両編成列車.通称マッコウクジラとかシロナガスクジラ,と言うらしい.
IMG_7099日本ではローカル線の気動車は85km/hだとか95km/hだとか言ってたと思うが,こちらは130-140km/hくらいで巡航している.もう,なんだか基礎体力が違いすぎる.「日本の鉄道は世界一」とは,恥ずかしくて言えない.

パリRERのE線

パリには地下鉄の他にSNCFが運行するRERという地下鉄道がある.東京の郊外鉄道が都心に地下鉄道として乗り入れたり,地下鉄と相互乗り入れしていることに刺激をうけて建設された路線のようだが,このうち,E線は北東方向からTGV等が発着する北駅や東駅付近に達している.その駅がこういう駅(Magenta駅)で・・・怪しい雰囲気である.日本ではまずあり得ない照明.
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さて,Magenta駅から都心に突っ込むはずが,次が終点.St.Lazare駅.SNCFの近郊線や北西方面への長距離線の発着駅になっており,E線はその地下に駅がある.いちおう,ここでE線は終点で完成のはずなのだが,気になるのでその先のトンネルを覗き込んでみると・・・
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ほんとうに終点なら立派な車止めをつくると思うんだが,簡素な上に,レールはその先にもしばらく続いて暗闇に消えている.まだまだ作る気かな.地上ホームに発着しているSNCF近郊線を地下化して乗り入れさせたり,すぐ近くに走っているA線と直通させたり,何らかの構想はあるのかもしれない.
こういう不思議な構造って,地下線には時々あるよね.

フランスあるある(その2)

フランスは,とにかく機械ものの故障が多く,システムの運用も課題が多い.

  • 非接触ICカードは,読み取り機の反応が悪い.反応が悪いクセに,ちゃんと認識したかどうかを確かめる方法が無いこともある.
  • 車内検札で,その反応の悪いICカードがバリデーション不良だと言うことが発覚すると,”こんニャロ,今回は許してやるけど,次回は緩さ許さんぞぉ”という顔をされる.
  • 地下鉄の券売機は壊れている.それを直す作業員は「壊れてるんで,券無しで乗ってOK」という.実際に改札機の横のゲートが開放されている.
  • 地下鉄(RER?)の改札機も壊れている.使用開始時刻として,おとといの日付が書き込まれる.そして,出るときに引っかかって駅職員と揉める.
  • LRTの開業日には,開業準備ができていない.5日経っても準備が完了していない.
  • なのに客を乗せて営業するので,途中で先に進めなくて運転中止.とにかく降ろされる.
  • その電停では客が困った顔をして電車が来ないか待っている.そして翌日には電車を待つ客は少なく,電車も空いている.

まだあると思う.

CAENのBRTの乗り心地はあまり変わらず

CaenにもTVR方式のゴムタイヤトラムが導入されている.もう10年以上走っているわけだが,こちらの乗り心地は,10年前に比べて幾分落ちて,例の遊園地の乗り物系の振動は感じるもののNancyほどの劣化はない.
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その差は,やはりタイヤが踏みしめる走行路盤のようである.Cenでは全線にわたって強固なコンクリート舗装が採用されており,タイヤが踏みつけている部分の劣化はあまり無さそうである.
IMG_7073Nancyについては10年前に訪れた時点で既に一部に掘れが見られたが,もともとの材質が弱い(アスファルト?)だったようだ.その後の補修も結構いい加減である.Caenは一部補修した形跡が見られるが,基本的には建設時そのままのように見える.
トロリーバスの延長として導入したNancyと,LRTの代替として導入したCaenの違いが,こういった建設コストのかけ方の違いとしてあらわれているということであろうか.

トラムでLA POSTE

La Posteというと,フランスの郵便である.鉄道がらみではTGVを使って郵便物の輸送をしていることで知られているが,ナンシーのゴムタイヤトラムに乗ると,こういう人が2人乗ってきた.
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La Posteと書かれた肩掛けカバンとともに,同じくLa Posteと書かれた,ベビーカーに似た,というかご高齢の方がよく持っている歩行器兼キャリーバッグの大型版を押して入ってきた.
しばらく乗車してから降りていった先には当然ながら郵便局があり,どうやら集配にトラムを利用しているようである.
IMG_6788その後,Rouenのトラムでも見かけたので,ここだけでは無いようである.

フランスあるある(その1)

日本は発想はともかく,維持はできる国である.だが,発想はすばらしくてもそれを維持することが不得意な国も多い.フランスはおそらく後者.

  • 機関車牽引列車は,たいてい機関車の調子が悪い
  • 列車の出発準備は,発車直前に始める.そして発車時刻になっても準備は続く.
  • 始発駅なのに5分遅れ.その後も,大きなトラブルがないのに,じりじり遅れて終着駅には20分遅れ.
  • でも,その遅れた列車を待っているTGVがある.(320km/h運転は意味あるのか?)
  • 普通列車でも140-150km/hで運転されているが,大きな駅の手前では入線待ちで5分ロスする.
  • 列車の遅れの原因は,客がぎりぎりに乗車しようとすることが原因だと思っている.発車2分前には乗れという警告文があり,駅や車内アナウンスがある.30秒前には車掌は笛を吹き,ドアを閉めようとし始める.でも遅れる.
  • 通勤電車のドアは,壊れて開かないことがある.
  • LRTの電停でチケットを買うと,レシートだけ出てきて肝心のチケットが出てこない.
  • 自動券売機があっても,券売の有人窓口があると,列が長かろうが並ぶ.
  • その頼りの窓口が閉まっていると,5分だけ乗車するために10分間券売機の列に列ばなければならない.

まだまだ,あるかも.