日本では最近,「連節バス+PTPS=BRT」という定義をしているのではないかと思われるが,やはり違和感がある.特定の目的地まで多くの客を運ばなければならないのなら,「長〜〜〜いバス」としての連節バスはありだとは思う.
他に写真がないので,ここばかり出てきて恐縮だが,特にここがどうということは無くて,これはこれでとにかく数を確保するという所期の目的は達していると思う.
忠節バシを連節バスが走るご時世か.
しかし,LRTのゴムタイヤ版交通機関として見ると,運転席横のいつもの「関所」は相変わらず存在しており,降車にやたらと時間がかかったり…
通行のプライオリティーが低くて,昭和40年前後の各都市の廃止直前の路面電車を思い出す風景にはやはり違和感がある.これは果たして最新鋭の都市交通か…といわれると,やはり違う.「長〜いバス」だ.
確かに,たくさん運ぶことができるようになると,交通計画の教科書では「中量輸送機関」の範疇に分類されるのだが,それを目的とした連節バスをBRTと呼ぶなら,それは本来の意味とは違う.もしそうなら,鉛直方向に積み上げたこれもBRTということになるけど,違うだろ?
「鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ
東北新幹線西側のナゾの空間(いろいろ妄想編)
東北新幹線の埼玉県内,大宮から南については,線路に沿って西側に今なお「鉄道用地」が残っている.環境のための緩衝地なら,地元に引き渡しても良さそうなものだが「鉄道用地」なのである.
前回のお散歩は「中浦和」駅で終わったが,googleの航空写真によるとこのような空間はさらに南にも続き,「武蔵浦和」駅を超えて南下し,「北戸田」も超えて「戸田公園」までは空間が確認できる.
今さら住宅地に高架橋を建設して新幹線を通すのは難しそうだが,既に用地があるのでオープンカット工法で地下線をつくるのならさほど難しくは無さそうである.これなら速度向上も期待できる.戸田公園からは概ね国道17号に沿って南下すれば池袋は近く,さらに5kmほど南下すれば新宿副都心に到達できる.大宮-戸田公園間約13kmは安いオープンカットで150億/kmとすると1950億円ほど.残り15kmほどをシールドなどでつくって250億/kmとして3750億円,新宿地下駅が2000億円として計7700億円ほどで新宿への新幹線支線が出来上がるかな.
そのまま南進すれば品川に達するが,線路に沿って10kmほど,250億/kmとして2500億円,品川新駅が2000億円として計4500億円ほど.ここまで到達できればリニアへの乗換が便利そう.総計38kmで1兆2000億円ほどかかるか.(かなりどんぶり勘定)
工期10年ほどとすると,オリンピックには間に合わないが,2027年のリニア開業には間に合うかも.(資金的なことを考えても)
CANADIAN RAIL(SL保存鉄道編)
保存鉄道というと英国が有名であるが,カナダにも保存鉄道がある.オンタリオ州にあるSL鉄道はこんな感じ.場所はこの辺.日本からだと,レンタカーが無いと行くのは厳しい.
茨城県のBRT(ひたちBRT編)
日立にもBRTがあるようなので,立ち寄ってみた.日立駅ではなく,大甕(おおみか)駅発着.ここも日立電鉄線の廃止線路跡をバス専用道として活用している.廃止路線の代替バスというわけではないようである.
大甕駅から少し南下した地点から線路跡地転用の専用道路に入る.ここは一般道からの出入り口で,やはりバス側に遮断機がある.
このバスのおもしろい点は,整理券がICカード化されていることである.現金精算時の取りっぱぐれ防止策としては,世界一かもしれない(が,それでいいのか?).運営事業者が日立製作所グループだから,機器類のショーケースと理解すればいいのだろうか.
専用道路はさほど延長は長くないが,全線にわたって歩道が整備されているのでこの専用道にぶち当たりさえすれば,停留所にたどり着くのは容易である.地元住民のお散歩コースにもなっているようである.
停留所部分で行き違いが出来るようになっているほか,要所要所でも交換できるように道路が部分的に太くなっている.停留所は屋根付きだが,かなりシンプル.
歩行者用の「踏切」もある.
一般道との交差点については,バス道路側に遮断機があるのは「かしてつBRT」と同じ.信号機付きの場所もあれば,単に一旦停止の場所もある.
元日立電鉄の久慈浜駅で専用道は終了.ここから先は一般道を走る普通のバスである.
東北新幹線西側のナゾの空間(歩いてみた編)
東北新幹線を東京から乗って北上すると,進路右側に埼京線が併走する区間があるが,同時に進路左側には未利用地がしばらく続く.簡素な建物が建っている箇所もあるが,高度な土地利用が求められる首都圏にしては,もったいない土地のようにも見える.元々,東北・上越新幹線は大宮以南は大宮以北10km程と同様に複々線として建設され,新宿にもターミナルが設けられる構想があったが,この空き地のある区間では沿線からの騒音に対する懸念から構想は見送られ,公式にはこの空き地は環境のための緩衝地帯ということになっていたかと思う.
その未利用地に沿って歩いてみる.スタートは南与野駅で,そのまま南下してみる.
こういった掲示もあるのだが,注目ポイントは赤で書かれた下の部分の文章.鉄道会社名で「無断で,鉄道用地に入ってはいけません.」と書いてある.つまり,ここは今も「鉄道用地」.環境のための緩衝地なら,地元の自治体にでも引き渡してしまって公園にでもするのがいいはずなのだが,「鉄道用地」のようである.
疲れてきたので,中浦和駅でお散歩終了.
CANADIAN RAIL(P.E.I.まで寝台車編)
赤毛のアンで有名なプリンスエドワード島(P.E.I.)に行くには,日本からだとカナダまで飛行機,そこから乗り継いでハリファクス,そこでまた乗り継いでP.E.I.のシャーロットタウンの空港という感じだろうが,陸路だとモントリオールからハリファクス行きの寝台列車に乗ってモンクトン下車,そこからバスに乗って長い橋を渡ってシャーロットタウン,あとはレンタカーという感じだろうか.どうせ最後はレンタカーなら,モンクトンでレンタカーを借りた方が安心かもしれない.何故かって? カナダの列車は定時運行するとは限らないので,バスに乗れる保証が無いからである.
モントリオールを出発する際,ハリファクス行きの列車とガスペ行きの列車とがホームの両側に停車しており,ハリファクス行きに乗車する.この2列車は時刻表上は併結列車なのだが,列車が長すぎるのでモントリオール出発時には別列車になっており,隣の駅で併結される.以後,途中停車駅では1つ目の列車が駅で客を乗降させ,少し進んで2つ目の列車が乗降させるということを繰り返す.
写真はモンクトン駅停車中の列車.
カナダの鉄道は上下分離されており,走行する線路は主にカナダ国鉄線とカナディアンパシフィック鉄道線,列車の運行はカナダの旅客鉄道公社であり,政府出資会社なので車両にはカナダ国旗があしらわれている.
この駅にはホームが無いので(というか,線路と同じレベルの地面が舗装されていて,そこがホーム),乗車するには踏み台と階段を通る.乗車時にチケットのチェック.乗る車両を間違っていると,あっちだよと教えてくれる.
寝台車と座席車があるが,寝台車は夜になると組立に来て,朝になると片付けに来る.
食堂車は,知らないおばさんなどと相席になって,お話しが楽しい.ただし,以上の情報は10年以上前の話なので,おでかけの際には最新情報の確認を.
《追伸》PEIへの行き方を検索して,このサイトにたどり着いた方へ.時刻表上はモンクトンでSMTのバスに接続するように見えますが,VIAは平気で1時間以上遅れたりしますので,接続してくれればラッキー程度に考えた方がいいでしょう.初心者はパックツアーで行った方が無難です.(列車が遅れて,バス接続せず,ひどい目に遭いました[経験談].)
手配旅行でVIAで行く場合も,モンクトンでレンタカーに乗り換えた方がいいでしょう.カナダは米国以上のクルマ社会なので,レンタカー屋はお願いすれば駅までの送迎くらいはやってくれることが多いです.
VIAを使わない場合は,PEIの空港でレンタカーが借りられますので,それで何とかなります.地図さえ手に入れておけば,島内の道路網は単純で交通量も少ないので,海岸沿いの断崖などに近づきさえしなければ,右側通行ですがさほど難しくはありません.(もちろん,カナダで有効な運転免許は必要です.)
茨城県のBRT(かしてつBRT編)
2007年に廃止になった鹿島鉄道の代替バスは「かしてつバス」と呼ばれる.運行はかしてつではなく,関鉄グリーンバス.その路線の一部が鹿島鉄道線の路盤を転用したバス専用道になっており,「かしてつBRT」と呼ばれているらしいので行ってみた.
常磐線の石岡駅から出て,このあたりから専用道路に入る.
石岡南台駅.かつてのプラットホームを転用しているように見えるが,そうではなくて,左側はバス停標識が停留所本体.右側は屋根付き.
元の鹿島鉄道線時には使われていたであろう跨線橋とその下の駅舎(?)は,今は使われていない.ハードウェアは作る金があっても運営に手厚い保護をすることができないのが日本のシステム.
所々に道が太くなった行き違い箇所が有り,上下便が交換する.
一般道との交差部分は「踏切」が付いているが,専用道の優先通行を確保するというものではなく,一般道から誤って専用道に車両が進入しないようにするだけである.バスが近づくと遮断機が上がるが,バスそのものは原則一旦停止のようである.もっとも,交差する一般道の交通量が少ないので,このような交差点が遅延の原因にはならなさそう.
道路としては貧弱だが,便数も少ないので,さほど交換待ちも問題にはなってなさそう.並行する国道(下の2枚目)が,時間帯によっては渋滞するようで,それなりに効果はある模様.なお,運賃は普通のバスなみ.運行本数は残念ながら少ない.
ここで終点.
専用通路が確保され,定時性確保の努力がされているのは評価できるが,本数が少なくて1本逃すと待ち時間が長い.値段も安くは無く,海外のLRTのゴムタイヤ版だと思い込んではいけない別物である.廃止鉄道線の代替バスとするとまぁOKか.高頻度運転も,低廉な運賃も,中心市街地活性化も,P&Rも,信用乗車etc…もなく,これをBus「Rapid」Transitと呼ぶのは個人的には若干抵抗有り.
どうしてできない新幹線(国道指定できへんかなぁ編)
都市内交通では,Light Rail TransitことLRTが注目され,これを日本にも導入しようとあの手この手である.(が,なかなか本格的なものは実現していない)
ところで,このLRTであるが,市街の土地を買収して軌道を敷設して,新しい電車を買ってきて走らせて200円くらいの料金を取る,というのでは企業会計的には絶対にペイしない.あくまで企業会計的に,である.都市全体としては投じた資金に見合うだけのメリットがあるとされている.
そこで,公設民営という方法がとられており,街路整備の一環として軌道整備までやってしまい,その上のを走る電車の部分だけ企業会計的な観点でペイするように事業を設計しようとしている.つまり,こういうことだ.
- (市街の通路+専用軌道)+LRT用車両=LRTシステム
バスベースのシステムだと,こういうことになる.
- (市街の通路+舗装されたレーン)+バス=BRTシステム
じゃぁ,都市間交通だとどうなるかというと,こういうことにならないかな.
- (都市間の通路+専用軌道)+高速鉄道車両=新幹線
通路概念を導入した段階で,都市内交通も都市間交通も基本は同じじゃ無いかと思うんだが.”都市間の通路”を国道として整備できないのかな.よく受益者負担というが,これだけ自動車が普及してしまえば,ほぼ自動車保有者と国民は同じ集合になるので,明確な区別は不要じゃ無いかなと思うんだが.みんな迅速な移動したいのであって,自動車を運転したいわけじゃ無いので,利便が向上するのなら納得を得やすいんじゃないかと思うが.都市内の新交通システムやモノレールへの建設費補助は,それらを整備することで結果として道路を本当に必要とする利用者の利便が上がるという発想が根底にあるが,この考え方の延長で新幹線整備が出来ないかな.
- (市街の街路+専用のガイドウェイ)+専用車両=新交通システム
(市街の街路+専用の走行桁)+専用車両=モノレール
同じようなもんじゃ無いのかな.
CANADIAN RAIL(へろへろ線路編)
大陸の鉄道はおおらかである.こういう線路でも現役で使われていたりする.といっても,写真は10年以上前のものだが,Googleで確認してみると,今もあまり変わらないようである.
場所はこのへん.
日本に本物のBRTは出来るか?(基幹バスシステム)
名古屋に行くと,バスレーンが道路中央に配置されている箇所がある.まるで,ゴムタイヤ式の路面電車のようなシステムである.路面電車が路側の歩道から直接乗降できないかどうか模索するのとは逆の発想だ.基幹バスシステムという名前が付いているが,路上駐車による影響を避けるという点では左の路側車線走行よりは優れていると思われるが,バリアフリーではやや劣る.
地下鉄や高架鉄道の整備をする余裕のないアジアの都市では,名古屋のバスシステムを参考にすることが多いらしく,自動車社会ではあるものの,名古屋のバス(地下鉄も)結構がんばっている.願わくば,LRTシステムを特徴づけている各種の施策も取り込むと,もっと完璧になるのであるが,日本の中では最も本当のBRTに近いシステムの一つである.(が,やはりバスかも.)