P.E.I.に行くにしても,ナイアガラに行くにしても,カナダでよく使うのがこの航空会社である.10年以上前はもう1社比較的大きな航空会社があったのだが,つぶれてこの航空会社に吸収されてしまった.
カナダの国民性は一言で言うと「リラ〜ックス」なので,この航空会社の雰囲気もそんな感じである.時には「Delay」「Revised」「Cancel」もあるが,イライラしてはいけない.「リラ〜ックス」である.南隣の国のようにハイテンションだがギスギスした感じは微塵も無い.「リラ〜ックス」である.荷物を運ぶときにも,こういうこともあるが,気にしてはいけない.「リラ〜ックス」である.
追伸,最初に書いた「買収された航空会社(カナディアン航空)」の機体がこれ.
「鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ
LRTを使ってみよう(一日乗車券編)
LRTは床面が低いだとかが取りざたされるが,私が一番重要だと思っているのは「一日乗車券」だ.
日本のバスや地下鉄の一日乗車券は,都市により様々な値段が付いているが,概して高めの設定がされている傾向があり,あまり買う気が起きないことが多い.欧州の都市を訪問した際には,よく1日券を買うが,価格としては3回程度バスや地下鉄に乗れば元が取れる設定になっているケースが多い.
写真は,ドイツフライブルク市の一日乗車券,正確に言うと,24時間券である.大人1人と子ども4人までが乗れ,5.5ユーロなので,概ね800円といったところである.
都市によって扱いが違うのだが,チケットを買ったら停留所,もしくは電車やバスの車内出入り口付近にある「打刻機」に入れて使用開始時刻を記入する.上のフライブルク市の場合,確か買った瞬間から自動的に有効である.
あとは買ったときの有効範囲内なら乗り降り自由.間違った電車やバスに乗ったと思えば降りて引き返せばよい.いちいち運転席の横まで行ってチケットを見せる必要すらない.乗った入り口から降りればよい.この便利さは止められない.
一方日本では,チケットの売り上げをどう分配するかで揉め,信用乗車では無賃乗車があるのでは無いかといって揉め,磁気券では今後は改札機が対応できいと言っては揉め,将来ICカード化されるとICカードにはデポジットがいるのどうのと言っては揉め,さっぱり導入が進まない.良くいわれることだが,出来ない理由を見つけ出すのが得意技なのが日本人である.
東海道新幹線の能力
日本で最も輸送能力が高い幹線鉄道は,言うまでも無いが東海道新幹線である.1編成16両で,1300人以上の座席定員がある.
さて,東海道新幹線の運転可能本数は,以前は4分間隔の毎時15本であったが,これは東京駅の処理能力,もっと厳密に言うと,東京駅のすぐ横浜側の分岐器の能力に依るところが大きかった.他の駅が駅構内への進入速度が70キロで設計されているのに対し,ここの分岐器だけが60キロ制限になっており,列車が構内に入りきるのに他の駅よりも時間がかかったからと思われる.東京駅付近での列車の最小運転間隔は3.75分であったが,新大阪駅付近ではそれよりも短かったようである.新幹線の列車検知はレールに特殊な電流を流して検知する方法(軌道回路)が原則だが,東京駅および一部の駅には光学式の装置が併設されており,列車の進入完了の検知精度を向上させているのではないかと思われる.
写真の右上の小箱が光学式の検知器,左側の箱2つが軌道回路用の装置.(東京駅)
2006年からは保安装置がデジタル化されて,ガクンガクンと何度も急なブレーキをかける方式から滑らかにブレーキをかける方式に改良されるとともに,運転間隔が3分間隔以下になっており,京都駅や名古屋駅ではピーク時間帯には時刻表上であるが,2分間隔で列車が雁行することもある.米原や岐阜羽島などで各停タイプの列車がのぞみ号にゴボウ抜きされる場合の運転間隔も,実測すると2分台になっている.
東海道新幹線には,まだ潜在能力がありそうである.
TRANSPORT IN CANADA(長大橋編)
赤毛のアンで有名なカナダのプリンスエドワード島(P.E.I.)に行くには,通常は航空機だが,陸路で向かうと大陸とP.E.I.の間には延長14kmほどもある長大橋が架かっている.
橋を通ると,こんな感じ.
厳寒の期間が長いので,工事は大変そう.
橋梁部分の構造はこんな感じ.単純な道路橋.
1997年完成なので,写真は完成3年目ということのようである.どうりで,Monctonまでの夜行列車の食堂車で同席したおばあさんが「P.E.I.へは船に乗ったの?」と聞いてきたわけだ.その船というのは,鉄道連絡船だったようである.
日本に本物のBRTは出来るか?(連節バスは十分条件か)
日本では最近,「連節バス+PTPS=BRT」という定義をしているのではないかと思われるが,やはり違和感がある.特定の目的地まで多くの客を運ばなければならないのなら,「長〜〜〜いバス」としての連節バスはありだとは思う.
他に写真がないので,ここばかり出てきて恐縮だが,特にここがどうということは無くて,これはこれでとにかく数を確保するという所期の目的は達していると思う.
忠節バシを連節バスが走るご時世か.
しかし,LRTのゴムタイヤ版交通機関として見ると,運転席横のいつもの「関所」は相変わらず存在しており,降車にやたらと時間がかかったり…
通行のプライオリティーが低くて,昭和40年前後の各都市の廃止直前の路面電車を思い出す風景にはやはり違和感がある.これは果たして最新鋭の都市交通か…といわれると,やはり違う.「長〜いバス」だ.
確かに,たくさん運ぶことができるようになると,交通計画の教科書では「中量輸送機関」の範疇に分類されるのだが,それを目的とした連節バスをBRTと呼ぶなら,それは本来の意味とは違う.もしそうなら,鉛直方向に積み上げたこれもBRTということになるけど,違うだろ?
東北新幹線西側のナゾの空間(いろいろ妄想編)
東北新幹線の埼玉県内,大宮から南については,線路に沿って西側に今なお「鉄道用地」が残っている.環境のための緩衝地なら,地元に引き渡しても良さそうなものだが「鉄道用地」なのである.
前回のお散歩は「中浦和」駅で終わったが,googleの航空写真によるとこのような空間はさらに南にも続き,「武蔵浦和」駅を超えて南下し,「北戸田」も超えて「戸田公園」までは空間が確認できる.
今さら住宅地に高架橋を建設して新幹線を通すのは難しそうだが,既に用地があるのでオープンカット工法で地下線をつくるのならさほど難しくは無さそうである.これなら速度向上も期待できる.戸田公園からは概ね国道17号に沿って南下すれば池袋は近く,さらに5kmほど南下すれば新宿副都心に到達できる.大宮-戸田公園間約13kmは安いオープンカットで150億/kmとすると1950億円ほど.残り15kmほどをシールドなどでつくって250億/kmとして3750億円,新宿地下駅が2000億円として計7700億円ほどで新宿への新幹線支線が出来上がるかな.
そのまま南進すれば品川に達するが,線路に沿って10kmほど,250億/kmとして2500億円,品川新駅が2000億円として計4500億円ほど.ここまで到達できればリニアへの乗換が便利そう.総計38kmで1兆2000億円ほどかかるか.(かなりどんぶり勘定)
工期10年ほどとすると,オリンピックには間に合わないが,2027年のリニア開業には間に合うかも.(資金的なことを考えても)
CANADIAN RAIL(SL保存鉄道編)
保存鉄道というと英国が有名であるが,カナダにも保存鉄道がある.オンタリオ州にあるSL鉄道はこんな感じ.場所はこの辺.日本からだと,レンタカーが無いと行くのは厳しい.
茨城県のBRT(ひたちBRT編)
日立にもBRTがあるようなので,立ち寄ってみた.日立駅ではなく,大甕(おおみか)駅発着.ここも日立電鉄線の廃止線路跡をバス専用道として活用している.廃止路線の代替バスというわけではないようである.
大甕駅から少し南下した地点から線路跡地転用の専用道路に入る.ここは一般道からの出入り口で,やはりバス側に遮断機がある.

このバスのおもしろい点は,整理券がICカード化されていることである.現金精算時の取りっぱぐれ防止策としては,世界一かもしれない(が,それでいいのか?).運営事業者が日立製作所グループだから,機器類のショーケースと理解すればいいのだろうか.
専用道路はさほど延長は長くないが,全線にわたって歩道が整備されているのでこの専用道にぶち当たりさえすれば,停留所にたどり着くのは容易である.地元住民のお散歩コースにもなっているようである.
停留所部分で行き違いが出来るようになっているほか,要所要所でも交換できるように道路が部分的に太くなっている.停留所は屋根付きだが,かなりシンプル.
歩行者用の「踏切」もある.
一般道との交差点については,バス道路側に遮断機があるのは「かしてつBRT」と同じ.信号機付きの場所もあれば,単に一旦停止の場所もある.
元日立電鉄の久慈浜駅で専用道は終了.ここから先は一般道を走る普通のバスである.
東北新幹線西側のナゾの空間(歩いてみた編)
東北新幹線を東京から乗って北上すると,進路右側に埼京線が併走する区間があるが,同時に進路左側には未利用地がしばらく続く.簡素な建物が建っている箇所もあるが,高度な土地利用が求められる首都圏にしては,もったいない土地のようにも見える.元々,東北・上越新幹線は大宮以南は大宮以北10km程と同様に複々線として建設され,新宿にもターミナルが設けられる構想があったが,この空き地のある区間では沿線からの騒音に対する懸念から構想は見送られ,公式にはこの空き地は環境のための緩衝地帯ということになっていたかと思う.
その未利用地に沿って歩いてみる.スタートは南与野駅で,そのまま南下してみる.
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
こういった掲示もあるのだが,注目ポイントは赤で書かれた下の部分の文章.鉄道会社名で「無断で,鉄道用地に入ってはいけません.」と書いてある.つまり,ここは今も「鉄道用地」.環境のための緩衝地なら,地元の自治体にでも引き渡してしまって公園にでもするのがいいはずなのだが,「鉄道用地」のようである.
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
疲れてきたので,中浦和駅でお散歩終了.
CANADIAN RAIL(P.E.I.まで寝台車編)
赤毛のアンで有名なプリンスエドワード島(P.E.I.)に行くには,日本からだとカナダまで飛行機,そこから乗り継いでハリファクス,そこでまた乗り継いでP.E.I.のシャーロットタウンの空港という感じだろうが,陸路だとモントリオールからハリファクス行きの寝台列車に乗ってモンクトン下車,そこからバスに乗って長い橋を渡ってシャーロットタウン,あとはレンタカーという感じだろうか.どうせ最後はレンタカーなら,モンクトンでレンタカーを借りた方が安心かもしれない.何故かって? カナダの列車は定時運行するとは限らないので,バスに乗れる保証が無いからである.
モントリオールを出発する際,ハリファクス行きの列車とガスペ行きの列車とがホームの両側に停車しており,ハリファクス行きに乗車する.この2列車は時刻表上は併結列車なのだが,列車が長すぎるのでモントリオール出発時には別列車になっており,隣の駅で併結される.以後,途中停車駅では1つ目の列車が駅で客を乗降させ,少し進んで2つ目の列車が乗降させるということを繰り返す.
写真はモンクトン駅停車中の列車.
カナダの鉄道は上下分離されており,走行する線路は主にカナダ国鉄線とカナディアンパシフィック鉄道線,列車の運行はカナダの旅客鉄道公社であり,政府出資会社なので車両にはカナダ国旗があしらわれている.
この駅にはホームが無いので(というか,線路と同じレベルの地面が舗装されていて,そこがホーム),乗車するには踏み台と階段を通る.乗車時にチケットのチェック.乗る車両を間違っていると,あっちだよと教えてくれる.
寝台車と座席車があるが,寝台車は夜になると組立に来て,朝になると片付けに来る.
食堂車は,知らないおばさんなどと相席になって,お話しが楽しい.ただし,以上の情報は10年以上前の話なので,おでかけの際には最新情報の確認を.
《追伸》PEIへの行き方を検索して,このサイトにたどり着いた方へ.時刻表上はモンクトンでSMTのバスに接続するように見えますが,VIAは平気で1時間以上遅れたりしますので,接続してくれればラッキー程度に考えた方がいいでしょう.初心者はパックツアーで行った方が無難です.(列車が遅れて,バス接続せず,ひどい目に遭いました[経験談].)
手配旅行でVIAで行く場合も,モンクトンでレンタカーに乗り換えた方がいいでしょう.カナダは米国以上のクルマ社会なので,レンタカー屋はお願いすれば駅までの送迎くらいはやってくれることが多いです.
VIAを使わない場合は,PEIの空港でレンタカーが借りられますので,それで何とかなります.地図さえ手に入れておけば,島内の道路網は単純で交通量も少ないので,海岸沿いの断崖などに近づきさえしなければ,右側通行ですがさほど難しくはありません.(もちろん,カナダで有効な運転免許は必要です.)