鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

アイドルグループと特急列車

北陸線の特急の予約を取ろうとした.

北陸新幹線が開通したこともあってか,北陸方面に向かう人が大阪からも増えているようである.そんなわけで,北陸線の特急列車の予約を京都→金沢でとろうとしたところ,webサイトを見るとどうやら満席である.

”ダメ元”で,駅の券売機を操作してみたところ,2号車に唯一「△」印が付いている.2号車を選んで座席を選ぼうとすると,1席だけ「○」印が付いている.グリーン車を含め,これしか無い.その席を予約して,京都から金沢行きの列車に乗ったのであった.

列車は予約時の状況どおり,満席で出発した.敦賀,武生と停車してゆき,鯖江駅で停車した.通過する列車も少なくない比較的小さな駅であるが,今日はやけに降車客が多い.多いなんてもんじゃない.降車し終わる頃には列車は3分延.降りる客はほぼ全て女性である.そして,列車はガラガラになった.本当にガラガラになった.1車両数名のみ.北陸新幹線は関係なかった.

どうやら鯖江で人気男性アイドルグループのコンサートが2日連続であるらしい.夕方開演なのに,午前からすでに会場に詰めかけるようだ.これが原因で列車の予約が取れなかったようである.

そう言えば,去年かおととしに九州の福岡に行った際も,確か同じグループのドームツアーと重なり,こちらは宿泊の予約が取れなかった.仕方が無いので,小倉駅前から九州大学に通う形になり,困ったもんだった.

鯖江のドームは小さいので,輸送すべき対象の客は福岡に比べて少ないが,運搬する列車のキャパシティーも新幹線に比べて少ないので,輸送にちょっとした嵐を引き起こすには十分である.乗車列車の10分ほど後には臨時便も走らせたようであるが,イベント輸送というのは難しいものである.

#「地方振興だ」と好意的に受け止める向きもあるが,ビジネス客や恒常的な観光客にそっぽを向かれかねない局面もありそうなので,要注意.

 

平成=貞観+慶長?

2011年に東日本大震災が起こった後,東北の太平洋側での巨大地震は1000年ぶりで,まるで貞観地震の頃のようだと言われた.

今回,熊本-大分で大地震が起こったわけだが,中央構造線沿いということで慶長時代の内陸地震に似ていると言われはじめている.

ということは,平成の今,貞観の頃と慶長の頃の両方の状況を併せ持った状況になってきているということか?

  • 貞観地震(869年)前後:
    • 地震:出羽,越中越後,播磨・山城,相模・武蔵,出雲,仁和貞観
    • 火山:富士山,阿蘇山,鶴見岳,鳥海山,開聞岳,白頭山
  • 慶長地震(1605年)前後:
    • 地震:慶長伊予,慶長伏見,慶長豊後,会津,慶長三陸,慶長

これ全部セットでやってくるということか?

いくつかは,既に「✓済み」のものもあるが,そうで無いのもある.これ以外の場所かもしれないし,ここに書いてあるものの中で「✓済み」ではないところなのかもしれない.わかっているのは,これくらいの数の地震や噴火があるということだけかも.

「貞観シリーズ」は本体の「貞観地震」の前後±20〜±30年程度.「慶長シリーズ」は±10年程度のようなので,平成=貞観+慶長だとすると,平穏な時期が来るまでには,まだなお20年くらいかかるのかも.

 

再び記念コインゲット

再び記念コインをゲット…といっても,今回も自らゲットしたわけではなくて,すっかり発行されているのを忘れていたところ,”ゲットしといたよ” という言葉とともにもらったわけだが.

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今回は,山形新幹線,秋田新幹線,九州新幹線,北海道新幹線の4種.

山形と秋田を「新幹線」と呼ぶかどうか議論のあるところ…などという野暮なことは今回は言わないことにしよう.

#次は「中央新幹線」開通時か?

ハインリッヒの法則

最近電車に乗っていて気になることがある.車内の蛍光灯が切れている電車にしばしば出会うことだ.

気のせいかな?

以前はあんまりそういう電車に出くわすことはなかったが,最近多くなったような気がする.

気のせいかな?

故障を一定確率以下に抑えながら,メンテナンスコストを抑えるには…という種のリスク管理の結果,以前は放置することのなかった小さな故障を放置するようになったのかな?

気のせいかな?

「確率」は時として因果関係を忘れるための隠れ蓑になることがあるので気をつけた方がいいかも.サイコロの目が出るのも確率じゃなくてミクロに見れば確定的な事象かもしれませんので.全部「神様の思し召し」にしていたら,科学は何も進歩しなかったよね.

そろそろ電車の大事故から11年だね.

 

剛体架線

近鉄に乗って名古屋から大阪へ.最大の難所が青山峠で,長いトンネルがある.かつては旧トンネルで大事故があったところだ.さて,そのトンネルを出たところで気付いたんだが…架線が変である.

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なんだか,一番下の電線が妙に太い.どうやら剛体架線だ.トンネル部分といえども,地下鉄でも無い限り通常の電線が張られるのが普通だが,ここは地下鉄と同じ剛体架線だ.

地下鉄の架線はこんな感じ.太い電線,というよりは鋼材1本で済むので,地下鉄でよく使われる.電線ではないので切れにくい.ただし「剛体」なのでパンタグラフには合わせてくれず,離線しやすい.そんなわけで地上を走ってきた電車が地下鉄線相当の路線に入る前にパンタグラフを追加で上げたりなんかする.それが近鉄では普通のトンネルで使われているようだ.

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この剛体架線,トンネルを出てすぐに普通の電線になるので,なかなか気付きにくい.
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なお,基本的には地下鉄くらいでしか見ない剛体架線だが,時速200km運転用のものも開発されつつあるようで,将来的には大深度地下トンネルを使うような新幹線が建設されるようになった場合には使われるのかもしれない.

 

 

近鉄で名古屋→大阪

同じ路線を使うと飽きてくるので,名古屋から大阪まで,たまには近鉄でも使ってみよう.出発駅はここ.なぜ近鉄名古屋駅じゃないかって? 地下鉄の終点にいってみたかったので,ここにたどり着いただけ.

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まずは,普通電車.み,短い.

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電車は快調に走るが,全駅停車なので,さっぱり前に進まない.

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じゃぁ,急行に乗り換えだ.

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各駅停車よりはだいぶ快調.

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大阪方面への渡り線が見えたら,伊勢中川.

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次は,これ…

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…と思ったが,これだとなかなか着かないので,結局…

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…やっぱり特急は快適だわ.今度からは最初から特急にしよ.

#なお,まだ紀伊半島まわりで往復したことはない.

 

車内で遭遇したナゾの人々×2

(その1)

滅多に乗る機会のない静岡発甲府行きの列車.前の座席に座っている老人ご一行がいろいろ話をしているが,どうも聞き覚えのある地名や話題が多い.多いなんてもんじゃない.どう考えても,既に亡くなった祖父母の元々の家の半径300m以内程度の範囲の話をしている.途中の駅で降りていった.お参りか?

世の中,そんなに広くないなと思った.

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(その2)

新宿行きの列車の車内.結構ガラガラである.カタコトのアジア人が電話を貸して欲しいという.(だいぶ昔の話である)ローミングの手続きを忘れたので,手持ちの電話が日本で使えないという.しょうがないので貸した.

「あ,△△サンですか.G●●gleの××ですぅ.今向かってますけど,電車乗り遅れちゃって,1時間ほど遅れます.電話も使えなくて,これ,借りて架けてます.ハハハ…」

をいをい.オレの心の中じゃぁ,そのグローバル企業のイメージは,もっとデキる男が颯爽と歩く様子なんだが.大丈夫かよ.

世の中,わからないもんだと思った.

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ハブ&スポーク

数年前の話である.京都市右京区の山奥の高校に行ったときのお話.通常なら自家用車で行くことを考えるような場所だが,職業柄,何とか公共交通で往復できるかどうか検討した結果,JRバスを終点まで乗ってそこから地元の生活用のバス(京北ふるさとバス)に乗れば行けるということがわかった.

帰りはこのバス停から”ふるさとバス”に乗る.

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●印つきの休日運休のバス便が多いのは,通学バスを兼ねているからのようだ.本数が多いとはいいがたいが,結構がんばって運行させている方である.

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までバスが来るまでしばらくある.あたりを見渡すと…ん?

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ああぁ,やってるやってる.小学校の頃って,こんな感じだったよなぁ.

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そして,バスの時間になると上級生のかけ声で整列.「背の順に並んで…」だそうな.ということで,オッサンは列の最後にならぶ羽目に.

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数キロ走って周山のバスターミナル.ここから京都駅まではJRバス.1時間以上かかる.

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このバスターミナルには,地域一帯を結んでいるバスの時刻表が架かっているが,面白いのはほぼ同じ時刻に6〜7方面に一斉にバスが出発していることだ.経費を抑えるのなら,1台のバスを使って出発時刻と行き先を変えて運行させることもできるだろう.でも,ここは京都駅からのJRバスがやってきたのに合わせて一斉に各方面に出発させて乗換を確実にしている.もちろん,地域内のバスも相互にこの小さなバスターミナルで相互に乗り継げる.

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こういうシステムは,便数の少ない地域で有効なシステムだね.本数が少ないなら少ないなりの工夫がある.

あんまり有名ではないが,いい地域交通システムだ.(今も機能してるのかな?)
スイスの幹線鉄道システムも,基本的にはこれと同じ.

5年前と同じく仕事が手に付かないわけだが

5年前の大震災の時と同じく,地震のことが気になって仕事が手に付かない.木曜夜の最初の地震以降,大きいのがひっきりなしに発生している.

PCの画面の隅っこに,こんなのなんか表示させたりすると,10分か15分くらいごとに熊本や大分を中心に同心円状に色が広がりながら変わってゆき,気になってしようがない.

昨年の11月に熊本や鹿児島の西南西方向でM7クラスの地震が海底で発生して以降,かなりの数の余震が東シナ海で発生しており,熊本や大分はその延長線上だ.

今から約400年前の江戸時代の直前の慶長時代には,中央構造線上での大地震が連続したらしく,大分や愛媛での大地震の数日後には京都でも大地震が発生しているらしい.

く,来るのか? こっちにも.

新幹線の脱線した場所

九州新幹線の脱線現場は…さすがに手持ちの写真はないが,この写真のすぐその先,駅の南側の目と鼻の先のようだ.

九州新幹線全線開業 祝!九州縦断ウェーブ CMの,「祝!熊本」のテロップが出る少し前,小さなお堂の前の川沿いで人々が手を振り,旗と風車を持ったこども達が列車と併走するあたりのようだ.(3分版の1:02あたりから)

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J-SHISという地震リスクの計算結果を地図上で確認できるサイトを見てみると,熊本市およびその周辺自体が九州の中では比較的地震のリスクが高かった地域のようだ.

使い方は基本的には検索サイトなどで提供されている地図の閲覧サービスと同じなので,拡大してみると熊本駅のある地域とその南側とでは地震のリスクの段階が異なっており,南にゆくほどリスクが高そうだ.

サイトの画面の上の方に表示させる条件がいろいろ変えられるようになっているので変えてみると,概して熊本城とその周辺の城下町あたりは地震リスク低め,熊本駅はそれに比べるとややリスク高め,新幹線の線路に沿って南下すると,白川や緑川といった河川流域はかなりリスク高め.河川で運ばれてきた堆積物で出来た平野のようである.

わずか1分ほどの走行らしいが,その列車位置の差が原因で脱線してしまったのかもしれない.地盤は大事.駅の位置の選定や路線の位置の選定も大事,ということかな.

#なお,首都圏や京阪神圏あるいは太平洋岸などでは,今回の脱線現場と同程度の地震リスクの箇所をかなり長距離にわたって新幹線の線路が走っている.