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地下線区間の侵入者対策?

パリ市内には何カ所かにLRT路線があり,一部の駅は地下駅になっている.低床式電車が走っているので,地下駅といえどもホームは低く,そのまま軌道に出るのは簡単である.そうすると,悩ましいのが地下線に人が侵入してしまうことであろう.日本でもたまに地下鉄のトンネル内で人が保護されたり感電死していたりといったことが起こるので,招かれざる人は入れたくないものである.

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さて,その地下駅をよく観察すると,(またまた意味不明な写真で恐縮だが)電車の走って行く先の軌道がちと変である.下の写真,保守用基地のピットのようだが,ピットなら照明装置などがありそうなものである.だが,そういう設備は無い.引き上げ線ではなく営業線である.これは侵入者対策ではなかろうか.P1030721

ホームの反対側の線路もピットのようになっており,レールの外側も谷のようになっており,曲がった並行する壁の上面にレールが敷設されているように見える.

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ちなみに,本物のピットはこんな感じ.

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パイロット不足→年齢上限延長よりも,鉄道で!

ちょっと前にこういうニュースがあった.

パイロットの年齢上限、67歳に 不足解消へ国交省が制限緩和 – 産経ニュース.

LCCが増えて航空便の増加にパイロット供給が間に合ってないらしいが,確か記憶が定かなら,パイロット養成に費用がかかるので,民間航空会社が自社養成をあまりしなくなってきたことも関係してそう.少子化で若い人材供給そのものも少なくなってきていることも関係していそう.

ならば年齢制限を緩和して,という話になるのは自然な流れと言えばそうなのだが,パイロットというと巡航時はかなり自動化されているものの,離発着時には人間の高度な技能が要求される職種であったかと思う.

そういう職種なので,上限引き上げてOKというのは,あんまり良い策ではない.もちろん健康調査は厳密にするだろうが,過去にはパイロットの健康状態が原因での事故もあったので,不安が無いではない.

パイロットにしろ,トラックドライバーにしろ,運転操作をする人の不足が問題になるのは輸送単位が小さいからであって,1人でたくさん運べればさほど問題は起きにくい.それなら列車は最適で,短い編成の特急でも飛行機の中型機くらいの輸送能力がある.東海道新幹線なんぞは列車1本で(もう退役してしまったが)ジャンボ機3便分も運べてしまう.

さぁ,仕事だ,関係部署の皆さん,総合交通政策はどこに行った?大事なパイロットには国際線を運行してもらおう.

※サボってる?>関係部署殿

パリのLRTの踏切の処理

パリのLRT.といっても,この路線は専用軌道のみ(10年前).

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セーヌ川沿いの道路をつぶして軌道に敷き替えたことで有名なこの路線,基本的には60km/h制限で走る.写真は後ろ向き.

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元々道路なので,所々には元交差点の踏切がある.そして,この踏切部分だけ制限20km/h.

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さらに,この踏切には信号機も付いている.横断側道路でなくて,線路側.ここは赤色.

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こっちは青信号.これなら設備投資が少なくてもOKかも.

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LRT用電車の運転席の便利なボタン達

LRTという次世代型路面電車というと,こんな感じだが…

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そんなLRTの運転席にはいろんな便利そうなボタンが付いている.

下の写真の左上の赤いボタンは,おそらく非常ブレーキ.日本の電車と違って,電磁石をレールに吸い付けるようなタイプのブレーキが付いていて,急制動がかかる.筆者もこの都市ではないが非常制動に遭遇したことがあって,他の立ち客とともにひっくり返った.

右上は警笛(ベル)かな.

下側の2つは進路を決めるためのボタンのようだ.日本の場合は,架線に付けたスイッチ(トロリーコンダクタ)を電車のパンタグラフが押して,一定のタイミングを見計らうと希望する進路に切り替わるようになっているが,この押しボタンの方が分かりやすくて直接的で,何よりも進路転換の時間が短そう.

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別の位置に付いているスイッチが下の写真.左側の上下2つのボタンはパンタグラフ(集電装置)の上げ下げ用だろう.

右上は信号機のマークなので,優先信号機を作動させて,交差点で停止せずに進行するためのボタンかな.日本のPTPSより強力で,押せばほとんど間違いなく無停止で進行できる.

右下のは何かな?手書きで何か書いてある.何かのランプのスイッチのようだ.
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ATC & ATO

地下鉄というのは基本的にずっとトンネルを走行しており,そのトンネルも曲がりくねっていたりするために見通しが悪いことも多く,安全に気を遣う鉄道である.

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写真の神戸市の地下鉄にもATCという自動ブレーキ装置が搭載されているようである.さらにはボタン一つで加速から減速まで自動運転させるATOという装置まで積んでいるようだ.ATOは最近できた鉄道だとつくばエクスプレスにも載っている.

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この電車のスピードメーターには,走行速度を表示するためのメーターの外側に,出しても良い速度を電光表示するための数字が「0,15,25,45,60,75,90」と並んでいる.新幹線ではないので,ATCとは言えども90キロまでしか指示できない.

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そんなわけで,駅の構内には通常あるはずの3色の信号機が見当たらない.赤色に光っているのは入替用の信号機であり,営業運転する電車用ではない.

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阪神淡路大震災から20年

布団に入れば一瞬で寝る特技があったはずなのだが,振替休日だった1995年1月16日の夜は一睡もできず,当時住んでいた京都市山科区の賃貸マンションから,妙に明るい満月を1時間おきくらいに眺めていた.

もうすぐ夜が明けそうだなと思いながら,うつらうつら眠気が差したその時,カタカタカタ・・・あ,地震だ.

カックン,カックン,カックン・・・これ,マズいやつや.和歌山県北部育ちなので,直下の地震の様子はよくわかる.震度大きめでも小刻みに揺れて,割と短時間で終わる.希に遠くで大きな地震があったときには揺れは小さいながらもユッサユッサとゆっくり揺れて長い.で,この揺れはユッサユッサで,しかも揺れが大きい.これ,マズいやつや.遠くで大きな地震が起きてる.

揺れが収まると同時にテレビをつける.テレビ台の上のうっすら積もった埃のせいで,10cmほどテレビがずれ動いているのがわかった.後は皆様の知るとおり.

3日後に阪急電車が西宮北口まで動いたというので,そこから徒歩で神戸に向かった.

E3 E1 D5
D4 D3 D2
D1 C6 C5
C3 C2 C1
B6 B5 B1
A4 A3 A2
A1 B2 B3

#上から三段目右端のシュプール号は,直前にキャンセルした乗車予定列車だったことが,後に判明(京都で降車予定だったが).ひぇーっ.

地震動予測地図とリニアの近畿圏サブターミナル

全国地震動予測地図2014年版の観察はまだ続く.このファイルのp.72やp.108を参照.今回は近畿編である.

以前にも書いたように,全国新幹線鉄道整備法が想定する新幹線網の最大の弱点は大阪だ.具体的には新大阪駅になろう.かといって,リニアが近畿まで達した場合に終点を大阪(新大阪駅)にしないわけにはいかない.つまり,ネットワークのリタンダンシーを考慮する場合は,それ以外の面で工夫することになる.つまりサブターミナルだ.

東西間交通のリスクを避けるためには,東海道新幹線とリニアは完全に別経路にすべきだという意見があるが,両者とも地上線ならそういう話になる.だが,リニアは都市部では大深度地下線が基本だ.つまり,地下鉄.阪神淡路大震災では,ごく浅いオープンカット工法で作られた地下鉄駅がつぶれた例はあるが,それは例外で,一般的には今でも地下構造物は地震に強いと言える(ただし,水没に強いかどうかは別問題なので,リニア名古屋駅とリニア品川駅については,慎重な対策が必要).すなわち,地下駅なら東海道新幹線と交差してもさほど地震リスク上は大きな問題はない.逆にリニアと新幹線が別経路でも,地上駅だと影響が出る可能性がある.

さて,リニアの近畿圏サブターミナルの要件としては,東海道新幹線途絶時にも京阪神圏に出やすく, なおかつ広域的なアクセスにも使えることである.

前者については,サブターミナルが京都の場合はJR線,阪急,京阪などいくつかの方法で大阪平野に達することができる(ただし,淀川水系付近の低地は地震のリスク高め).京都でも奈良でもない中途半端な位置でも,JR片町線や近鉄線を使って大阪平野に達するのは可能(ただし,大阪平野東部は地震のリスク高め).奈良であってもJR関西線や近鉄線で到達できる(ただし,大阪平野東部と奈良盆地やや南側は地震のリスク高め).ということで,大阪平野へのアクセスではさほど決定的な差はない.

次に広域利便性という観点では,京都については山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されていれば広域的なサブターミナルになり得る. 京都でも奈良でもない中途半端な位置の場合は,山陰新幹線や北陸新幹線が京都経由で整備されるとともに,京都-奈良間にも高速なアクセス鉄道でも整備されていないと少々辛いかもしれない.奈良の場合はさらに広域アクセス性は低下するので,サブターミナルの性能は低下する.

そして,もしも副首都機能が近畿にやってきて,大阪の東隣のリニア駅がその地区に隣接するのなら,それもまた良し.

こういう議論が審議会であっても良かったと思うのだが,自由な議論ができるような雰囲気ではなかったのかしら.

新幹線第1号車・・・のスカートをのぞく

大阪の交通科学博物館には新幹線の第一号編成が保存されていた.
DSCN3651その新幹線第一号編成の先頭車両の先端部分の下はこうなっている.
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鉄板が何枚も重ねられ,少々の障害物が線路上に落ちていても,はね飛ばす仕組みである.以前にも書いたとおり,新幹線は目視で線路に異常を発見しても,ブレーキを掛けて停止するまでの距離が長いので間に合わない.そこで,少々のものははね飛ばしてしまおう,と言う発想である.
何度も言うが,「新幹線は目視で線路に異常を発見しても,ブレーキを掛けて停止するまでの距離が長いので間に合わない」ので,事前の対策によって安全が確保されている.決して運転士の超人的な精神力によって運転されているわけではない.
#技術的な話に対して直感に頼って記事を書くと,後で恥をかくだけである.

日本のトランジット「寝ーる」

架かっている橋が電車専用なので,この通りにはあまり通過交通の自動車が入ってこない.なので,事実上,歩行者と電車の専用道路に近い使われ方になっている.トランジットモール,と言いたいところだが,法的にはそうはなっていない.でも,ワンコが寝てるくらい,自動車は少ない.
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この写真を見れば,だいたいどの辺か見当がつく人は多いはず.
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10年くらい前の写真で,乗降用の場所の舗装もいい加減である.今は緑色の舗装が塗り直されて,ちょっとだけ小ぎれいになっている.
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夕日がまぶしいぜ.
DSCN6095南側の大通りに線路を付け替えようかという話があるようだが,沿線の方のお話しでは署名活動してでもその話は阻止したいとのこと.どうもこの光景に愛着がある模様.こないだ,長時間カメラを持ってうろうろしていたので,たぶん不審者と思われて話しかけられた際に聞いたお話.