もちろん,法律上は私企業の私物であるが,元々の経緯を考えると,やっぱりこれって国民の財産なんだよね.
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高架にしようと思ったら既に高架橋があった場合
フルカ峠トンネル
レールが先かマクラギが先か
通常は,線路というものは下部の構造物があって,道床があって,マクラギがあって,そしてレールがある.この風景を見るまでは,そう思ってました.
この写真の手前の軌道は,よく見るとレールにマクラギがぶら下がっていて,マクラギが仮の木製ブロックの上に載っかっている.どいうこと?
これは高架橋上の軌道の敷設現場であるが,まずレールの高さを厳密に測って高さを調整しておき,それにあわせてマクラギをぶら下げて,最後にそれにあわせてコンクリートを流すそうな.完成する遠くの軌道のようになる.
なーるほど.最終的に必要なのは正確なレール面の高さなので,実に合理的である.固定観念にとらわれてはいけない,ということか.
…と感心していたら「えぇー,せんせぃ,知らんかったん?」と言われてしまった.さすがに現場の施工方法までは知らない.世の中,知らないことの方が多いと思う.
シンプルな架線
「シンプルカテナリー」のことではありません.
和歌山と奈良県の王寺を結んでいる和歌山線.私が子どものころに電化して以降,ほとんど何の変化もない.昔は赤い客車が走っていたり,誰が乗るのかわからないような遅い急行列車が走っていた.
電化したのが国鉄末期の金がない時期だったので,上空の架線がかなりシンプルであり,昔の地方ローカル私鉄の設備みたいだ.(ちょっと違うけど)
この架線の泣き所は,電線が一本なので自重で真ん中が垂れ下がること.それから,上の写真のような吊っている箇所で(見た目ではあんまり気付かないが)電線が急に曲がっていて,離線や断線の原因になりやすいこと.このシンプルな架線でも,電力供給用の太い電線はどうせ必要なので,ならばそれを活用してしまえ,というのが昨今よく見かける架線かな.
米国だに・すら・さえ路面軌道建設
スラブ軌道のカントの調整
300km/hで通過する新幹線.曲線にはカントというレールの内外高さの差を付けてある.
山陽新幹線以降の新幹線ではスラブ軌道というコンクリート板に金具を介してレールを取り付ける方法が採用されており,砂利でできた銅賞を調整する必要が無いのでメンテナンスの手間が少ない.
逆に,カントのようなレール位置の微調整が面倒なのだが,どうやっているかというとレールとコンクリート板の間に挟む金具で調整しているようである.
下の写真には線路が2本写っているが,奥の線路はホームに面したせいぜい70km/h運転できれば良い線路,手前が300km/h運転対応の線路である.両者とも曲線上なのだが,明らかに両者違っている.
まず,そもそものコンクリート板自体が手前の線路のものは少し傾いているのだが,さらに手前の300km/h対応の線路のレールには金具が挟まれており,かなり浮いている.
下の写真だと,その浮いているレールの浮き具合が左右のレールで異なっているのがわかる.この差がカントである.
山形新幹線・米沢―福島間で抜本的な防災対策
こういう話がある.
- 豪雨や大雪による運休、遅れが多い山形新幹線の米沢―福島間に関し、JR東日本は本年度から2年をかけて、抜本的な防災対策の調査検討を始める。吉村美栄子知事が同社の.. 情報源: 山形新幹線・米沢―福島間で抜本的な防災対策 JR東、トンネル化も含め検討
通称山形新幹線こと奥羽本線と東北新幹線の直通特急(要するに「つばさ」)に乗ると,福島を出てしばらくすると割と急な上り坂が延々と続くとともに右へ左へとカーブも続く.
板谷峠であり,かつては専用の機関車があったくらい有名な日本指折りの難所である.ある程度改良されたとはいえ「つばさ」は基本的には昔と同じ線路を走る.山形”新幹線”は線路の幅(軌間)を新幹線に合わせただけで,基本システムは在来線のままである.なので遅い.
峠区間を過ぎても,別の種類の”難所”は続く.単線区間である.新幹線とは名ばかりで,線路が1本しかないので向かいから来る列車と時間調整をすることもある.
記事中の山形県知事の提案は,峠区間の再整備をするなら,いっそフル規格新幹線に準拠したインフラにしようという提案である.これはアリだ.
山形”新幹線”は,日本の厳密な基準では新幹線ではない.だが,欧州に行くと走っているTGVやICEを基準にすると,山形新幹線(および秋田新幹線)は立派な高速列車だ.
じゃぁ,TGVやICEがどうやって発展してきたかというと,実は部分的にまるで国道のバイパスのように高速新線をつくり,そうじゃない部分は古い線路をそのまま使って全体のシステムを構築してきた.日本的基準から言うと,TGVやICEは「ミニ新幹線」である.
ドイツやフランスに2-3年おきに出かけると,同じ都市間の移動でも訪れるたびにTGVやICEの走行経路が微妙に変わり,所要時間が少しづつ短縮している.
どういうことかというと,部分部分,少しづつ高速新線を新たに建設して年々年々少しづつ本物の高速鉄道に近づけているのである.つまり,この方式を「輸入」すれば山形新幹線や秋田新幹線は少しづつ本物の新幹線に近づけるという方法が採用できる.新幹線建設を待ちわびる他の地域とはひと味違った整備手法を導入できるのである.
整備費用の負担方法など,詰めるべき事項はあるものの,良いアイデアである.
#約20年前,とりあえず跡追いで同じシステム入れておけば何かと楽だったかも > 西日本方面各位
都市創造工学専攻WEBサイトの写真
事務方からwebサイトをリニューアルするので写真を何枚か送れと連絡あり.テキトーに何枚か見つくろって送ったのはこんな感じ.採用されるかどうかは事務方の気分次第か?
まずは,鉄道の高架工事の現場.これはJR奈良駅の天王寺方であり,左に伸びるのが桜井線,右方向が関西本線である.
次は,どアップ過ぎて何かわからない鉄筋鉄筋また鉄筋.実は沈埋トンネルを陸上でつくっている段階のもので,このあとコンクリートが打たれて,現場に運ばれて,海の底に沈められる.
これは近所の高速道路.開通前に沿線住民にお披露目された際のもの.
東海道新幹線の橋梁で,浜名湖を渡るものを水面スレスレからのアングルで撮ったもの.
こっちは国土のバイパスの橋梁で,例の今切れ口に架かる浜名大橋.
秋田行きと青森行きがKiss.
工事中だったころの九州新幹線.場所はJR西日本の車両基地の横.
実は道路鉄道併用橋の大鳴門橋.
こっちは日本における元祖長大吊り橋である関門橋.
そして,天満橋から見た大阪ビジネスパークの風景.船がやってくるのは1時間に一度で,さらに京阪特急がすれ違うのを寒空の中待ち続けたのは十数年前.
このほかにも,防潮堤とかお城の石垣とかも送ったが,以下略.