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ただいま路面電車の線路の修繕中

「質より量」のドイツカールスルーエの路面電車.ただいま,交差点部分の工事中である.
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「ただいま」と言っても,10年前なので,今行っても工事はしていない.現在やっているはずの工事は,路面電車の地下化工事である.
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この交差点は,毎時144本の路面電車が通過するので,活線工事は大変である.「毎日」ではなく「毎時」なので.
DSCN4353これはクロス部分のレール.
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こちらは溝つきレールと呼ばれる路面電車専用のレールである.残念ながら,日本では溝つきレールは現在は生産していなかったと思う.
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プレストレストコンクリート

プレストレストコンクリート,というコンクリートがある.コンクリートというと,「鉄筋コンクリート」が有名で,引っ張る力は鉄筋で,押さえつける力はコンクリートでそれぞれ負担するので,強い材料になる,という合わせ技である.
ところが,線路のまくら木のように,長手方向の横方向から力が加わると・・・「想定外」の方向からの力になるので,ちょっと弱い.そこで,あらかじめコンクリートに圧縮する方向に力を加えておくと,「想定外」の方向からの力が加わってもコンクリートには「圧縮する力−横からの力で引っ張られる分>0」となって,引っ張られることはないので,ひび割れず,壊れない.
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ということで,鉄道用のコンクリートまくら木を横から見ると,あらかじめ圧縮するための力を加えるための鋼材が埋め込まれている様子が分かる.鋼材を引っ張っておいてからコンクリートを流し込み,固まったら鋼材の端っこに抜けないように金具を付けてから引っ張っている力を抜くとあら不思議,鋼材の両端の金具間の鋼材は引っ張られたままになってコンクリートに力がかかる.
DSCN9774大学の土木系の実験でも作成の実験があるが,実験時には「鋼材の向く方向には立たないように」という注意がある.万一鋼材が破断すると飛び出し,体に突き刺さるかも知れないからである.おそろしや・・・

大鳴門橋

今さらながらのお話しであるが,本州と淡路島を結ぶ明石海峡は,コストダウンのために道路単独になってしまい,鉄道を通す部分はない.
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淡路島から四国への大鳴門橋については,瀬戸大橋と同じく,鉄道を通す空間が最初から作られており,若干の改良を施せば道路鉄道併用橋になる.
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これは,その鉄道用の空間.新幹線が複線で通せるようになっている(ただし,実際に走る際には信号制御で同時に橋の上ですれ違わないようにするらしい).瀬戸大橋の空間と同じく,もったいない話である.通常なら会計検査院から大目玉の案件である.
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これは横から見た様子.
DSCN0747四国新幹線用の空間であるが「四国新幹線をリニアで」という話があるのだが,もちろん,ここを通過することを想定していると思う・・・が,この鉄製の橋を磁石の塊であるリニアは果たして通れるんだろうか?
確か,リニア用の橋は普通の鉄製の橋ではなくて,いろいろと特殊だったと思うが.

ミニ地下鉄

ミニ地下鉄という地下鉄がある.交通システムの教科書では,中量輸送機関に分類されている小型地下鉄である.
地下鉄は地下を掘るため工事費がかさむが,同じ掘るなら掘る用が少ないほど工事費が安くなる.少しでもトンネルのサイズを小さくするために,通常型の地下鉄でも,屋根上の集電装置ではなくて第三軌条という三本目のレールを使って集電している.
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電車だけれども屋根上スッキリ.
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さらにトンネルを小さくするために,電車そのものを小さくし,床下の車輪も小さくするために通常のモーターでは無くて平べったいリニアモーターを使っている路線も多くなってきている.ホームの高さが低い.
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もちろんトンネル径も小さいのだが,ミニ地下鉄が建設されるのは通常型の地下鉄よりも深いところであり,割安ではあるものの,建設費の絶対額は余りやすくはなっていないのが悲しいところ.
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このミニ地下鉄はレール間のリアクションプレートが必要だが,レールは通常のレールなので,工夫すれば通常型の地下鉄路線への乗り入れもできるんじゃないかなとも思う.ホームの高さが通常のものとは違うので,ホームに段差をつけないといけないが,大阪市営地下鉄千日前線のように半分くらいホームが遊んでいる路線ならホームの前後で高さを変えればいいかも.集電装置が必要だが,通常型地下鉄と同じく,台車に付けてしまえば何とかなるかな.
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今里筋線を千日前線に入れてしまえ,という,いささか強引なお話し.

予讃線のトンネル

予讃線は県間を結ぶ幹線鉄道なのに,なぜか単線のままで特急列車が向かいから来る特急列車を待ち合わせ...などということもある.この日は向かいから来る列車がちょっと遅れているようだ.ちょっとクスッとくるような理由で(内緒).
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割と似たような沿線状況の紀伊半島の紀勢線沿線で育った身なので,複線化していない点についてはもうちょっと何とかならんかったものかと思う一方で,振り子式電車が走っている点については,似たようなものかなとも感じた.
紀勢線は国鉄時代の1978年に電化され,同時に紀伊田辺までの複線化が完成している.時期がもう少し遅かったらこの予讃線と同じ状況になっていただろう.予讃線の電化は観音寺より東側が国鉄の最末期の1987年3月,松山まで電化が完成したのが1990年代である.
そういうわけで,インフラについても厳しい状況の箇所があり,このトンネル,何か・・・小さい.
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よく見ると,架線が三重になっており,狭小トンネル対策がされている.電化に合わせて,盤下げ(下側の地面を掘って削って高さを稼ぐ)もされているらしい.
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トンネル自体もレンが巻きでかなり古そうだ.昔なら電化という設備投資に合わせて,トンネルを掘り直したり曲がりくねったSカーブを改善したりといった手直しがされることが多かったと思うが,最小限の投資しかされていないように見える.
新幹線の予算も充分には確保しなければ,その他の改良の予算も確保しない.どうなってんのかな.株式会社にしさえすれば,事態は好転して改善されると思ってたんだろうな.そういえば,この路線の運行している鉄道の株主って,誰だったっけ? 株主の責任が問われているかも.

さようなら五新線

奈良県五條市と和歌山県新宮市を結ぶはずだった「五新線」.五條市内の国道24号にはこういった[廃線跡]が残る.
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西吉野までの一部区間はバス専用道路として供用されたが,その先は道路として使用されることも無く,幻のループトンネルなどもあったようだ.
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一部のトンネルは国道のトンネルとしても利用されたものの,ほとんど使われること無く建設中止となり,今に至る.もし完成していれば飯田線に勝るとも劣らない秘境路線になったに違いない.
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終点の和歌山県新宮市内には「五新」という地名があり,もし路線が完成していればここに顔を出す予定だったのでは無かろうか.(「五新」出身の学生に確かめたことがあるが「さぁ・・?」という返事)

鉄道後進国ニッポン(やっぱり160KM/Hだったわ)

ドイツのローカル列車が160km/h運転で,フランスが150km/h運転だと書いたが,訂正.フランスも160km/h運転だったわ.
DijionとBesançonの間のローカル急行列車に乗車したが,往路のこういう車両も・・・
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復路のこういう車両も・・・
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両方とも160km/h運転してたわ.
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DijionからBesançon方面には,最近になってTGV用の高速新線が開業しているが,並行する在来線がほったらかしかというとそうでもないようで,改良工事がなされているようである.
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改良後とおぼしき軌道はこのような感じであるが,コンクリートまくら木+ロングレールはもちろんのこと,レールが太い.写真では分かりにくいが,日本の新幹線や首都圏の在来線なみ(60kg/m以上?)である.もちろん,上の写真のDijion-Dole間以外のDole-Besançon間も160km/h運転.
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日本って,新幹線以外の改良はヤル気無いよね.ましてや並行在来線を改良する気なんて,毛頭ないよね.
追伸:快速列車が200km/h運転している区間もあるらしい.

ゴムタイヤなのに乗り心地がイマイチ

営業運転しているトランスロールの電車(?)であるが,乗ってみると車内が他のLRTなどよりも狭く,車両自体が小さいようである.狭軌のLRVと同等程度のサイズであろうか.
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外見のデザインはなかなかいいのだが,乗り心地が何となく・・・・昔懐かしい振動.なんだったかなぁ,と思いだしてみると,百貨店の屋上遊園地の遊具の電車である.要するに,サスが効いてない感じである.
同じくゴムタイヤトラムであるTVRは乗り心地はバスに近かったが,こちらは何となく残念な感じ.ゴムタイヤなのに乗り心地がイマイチなのはなぜ?・・・元々の会社がトラックメーカーだからか?

完成したのに未使用の超高級インフラ

普通なら,会計検査院がすっ飛んできて大目玉ということになりそうな話のはずだが,完成したのに使っていない超高級インフラが存在する.
それが,これ.
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そう,瀬戸大橋.えっ,もう二十数年前には使われはじめてるってか? よーく見てみよう.
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わからない? じゃぁ,これは?
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線路の左側(外側)の空間が妙に広い.おまけに台座のようなものも見える.つまり,「新幹線用地」(というか新幹線用空間).せっかく確保した新幹線用の空間である.使わないのはもったいない.16両フル編成がすれ違えるだけの荷重設計がなされており,その分,橋自体もゴツくなっている.なのに,使われていない.
何がもったいないかって言うと,せっかくつくったのに,使われずに放置されているインフラほどもったいないものは無い.
意味が分からない人は,明日,かーちゃんが作った食事に手を付けずに捨てたり,他のものを食べたりして見ろよ.身にしみて分かるぞぉ.
IMG_0614おまけ.上の写真は珍しいレールの継ぎ目である.橋の伸縮に合わせて,レールも伸縮する仕掛けである.ここ以外では,広電の「天満橋」で見たっけな.
#まだ旅立ってないので,これは「自動投稿」ではありません.

CANADIAN RAIL (大きな公園には引込み線)

日本でもかつては各所に引き込み線があり,現在でもその廃線跡を確認できることが少なくない.昔ながらの大きな工場は,臨海部の船が使える場所か,幹線鉄道沿いにあることが多い.
そんで本題だが,カナダの大きな公園に行くと,公園の隅っこにこんな設備があることがある.引き込み線である.
Woodside10-081Woodside10-086Woodside10-082かなり使用頻度が低そうな雰囲気ではあるが,大量の物資をトラックで運び込むよりは自然に優しい感じである.(このまま,自然に帰って行きそうな線路・・・)