北米にせよ,欧州にせよ,長距離列車に供食サービスはつきものである.この点では日本の新幹線はTGVやICEほか数々の長距離列車に負けている.駅弁があるって・・・? やはり弁当と温かいちゃんとした食事は違う.コンビニ弁当があれば街の定食屋は絶滅かというとそうでは無い.
例えば,北米西海岸の長距離列車.シアトル→バンクーバーのAmtrak.
ちゃんと食堂車が付いている.
食堂車の内部.
出てくる食事自体は,豪華,というわけではないが,航空便の機内食と同程度かそれ以上のものは出てくる.
乗降の激しい新幹線では難しいという意見があるかもしれないが,この手のサービスはちょこちょこと停まるドイツのICEでもある.(しかも,1等なら座席まで持ってきてくれる)
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AMBASSADOR BRIDGEと川底トンネル
リニア大阪開通で神戸が京都と似たような条件になる件
リニアが大阪まで開通するにあたって,京都が危機感を覚えている状況にあるが,もし原案のままだと東京(品川)から京都へはこう変わる.
- 現在:品川→(のぞみ)→京都,134分,乗換0
- リニア:品川→(リニア)→名古屋,40分
乗換10分
名古屋→(のぞみ?)→京都,35分,計85分,乗換1回- つまり,時間は-49分で乗換が+1回
実は,大阪までリニアができると似たような状況になるのが神戸である.新神戸基準では・・・
- 現在:品川→(のぞみ)→新神戸,161分,乗換0回
- リニア:品川→(リニア)→新大阪,67分
乗換10分
新大阪→(新幹線)→新神戸,13分,計90分,乗換1回- つまり,時間は-71分で乗換が+1回
三ノ宮基準では・・・
- 現在:品川→(のぞみ)→新神戸,161分
乗換10分
新神戸→(地下鉄)→三ノ宮,3分,計174分,乗換1回 - リニア:品川→(リニア)→新大阪,67分
乗換10分
新大阪→(新快速)→三ノ宮,26分,計103分,乗換1回- つまり,時間は-71分で乗換が±0回
京都は所要時間が短くなるけど,乗換が増えてイマイチなのに対して,神戸は元々乗換があるので,時間短縮の効果がそのまま享受できて,結果としてリニアが原案のまま開業すると京都と神戸の,東京方面から見た相対的な位置関係がほとんど同じようになる(新神戸の場合).今は30分の差がある.
大陸横断鉄道(4日目)
大陸横断鉄道(3日目)
大陸横断鉄道3日目.雪が少なくなってきて,平原を走る.今は平原,今も平原・・・
時折,長大貨物列車とすれ違うが,おもしろいことに複線区間を走る貨物の方が編成が短い.単線区間の方が線路容量(最大運転可能本数)が限られているからであろうか.1両,2両,3両・・・100両,101両・・・120両編成.1両あたり20mとして2km越えか.
そして,給油を兼ねた長時間停車.このエドモントン駅では結構多数の客が降車した.
航空機の荷物預かりと同じで,駅で荷物を預けて降車駅で受け取ることができる.他の列車とは異なり,この列車だけ1人あたりスーツケース6個まで預けられる.他の列車は2個まで.移民時代の名残であろうか.特別な列車である.
機関車への給油はタンクローリー直づけ.この駅から先はロッキー山脈に登ってゆくので,機関車がもう1両増結されて機関車2両になる.
そして出発.緩やかな上り坂が延々と続く.
夕刻ジャスパー着.補機が外され,あとはひたすら下り坂.
大陸横断鉄道(2日目)
大陸横断鉄道(1日目)
大陸横断鉄道というと米国を思い出すと思うが,Amtrakは今やシカゴで乗換なので,実はカナダの列車の方が走行距離は長い.10年以上前のお話しなので,出かけるときはスケジュールのご確認を.(もっとも,なかなかチケットがとれないが)
トロントを朝出発.目指すは西海岸バンクーバー.3泊,約72時間の旅.主な停車駅はこんな感じだが,途中の小駅にも停まる.列車名は「カナディアン号」で,列車番号は「1」.
運行はほぼ隔日運行である.夏頃からチケットをリクエストして,とれたのは冬.出発前から,既に寒そう.
車内の設備はPEI方面に行った際に乗ったものと基本的には同じだが,3泊の食事込みのチケットなので,共用部にはこんなサービスもある.
定時に出発.
出発してしまうと,特に冬なので車窓は基本雪景色.今は山中,今は川,ではなくて,今は雪原,今も雪原,鉄橋もなくて・・・線路は続くよどこまでも,雪原も続くよどこまでも.
途中,約500kmごとに30分から1時間の長時間停車がある.何のことはない,機関車への給油である.
軌間可変電車(FGT)の台車のお話し
GCT (= Gauge Changeable Train)というか,FGT (Free Gauge Train) というか,新幹線の広めの軌道と在来線の狭めの軌道を直通運転できる電車の開発が始まって,かなり経過した.
乗ったことはないのだが,実物の初代試験車両はある鉄道車両製造工場で見かけたことがある.写真は…許可が下りなかったので,無い.最新型の試験車両についても,台車だけは別の鉄道車両製造工場で見かけたが,やはり写真は…許可が下りなかったので,無い.
さて,この軌間可変電車であるが,スペインでは営業用車両として走っているにもかかわらず,日本ではなかなか営業車として登場しないのは,1つにはスペインの場合は広軌(1668mm)と標準軌(1435mm)であるのに対し,日本の場合は標準軌(1435mm)と狭軌(1067mm)であり,サイズが小さくて実現しにくいことと,もう一つは日本の軌道,特に在来線の軌道があまり重い電車が高速運転することに耐えられないからであるようだ.
試験車が試運転した路線では,日々の軌道の保守が面倒で・・・という話はネットの噂話かと思っていたら,かなり信頼できる筋からも同じ話を聞いたので,やはり本当のようである.(逆に,重量級高速貨物列車が多数走っている路線なら,さほど問題ないということか?)
ところで,台車が重いとか軽いとかいうお話しでは,最近,こんな製品が開発されつつあるようだ.
まだ営業車を使っての試験段階のようだが,熊本電鉄の電車が履いている川崎重工性のefWINGという台車は炭素繊維強化プラスチック製で,軽いらしい.素人の浅はかな考えでは,この軽い素材と構造が,例の重くて困っている台車に応用されるようになれば,「日々の軌道の保守が面倒で」という軌間可変電車の欠点が克服されるのかなぁと.
新幹線で製品化するには大変かもしれないので,まずは都市鉄道の軌間可変台車にして,近鉄の京都駅から吉野行きとか,阪急電車を関空まで乗り入れるとかやってみるといいかも.
CANADIAN RAIL(”2階建て”列車編)
CANADIAN RAIL(VIA RAIL CANADA編)
カナダの旅客鉄道は,VIA Rail Canadaといって,カナダ国鉄(CN)とカナディアンパシフィック鉄道(CP)の旅客部門を統合して設立された公社である.なぜ「VIA」なのかは定かではないが,クルマ社会にやられて,社名に「クルマでなくて鉄道でね」という意味を込めたかったのであろうことは容易に想像が付く.「via」は「by way of」の意味を持つ前置詞である.
さて,このVIA(というかカナダ)の列車であるが,かつては新幹線の刺激をうけて運転された「ターボトレイン」もある.
だが,今はもう無く,写真のような列車が走っている(といっても,10年前だが,機関車が変わっているだけで,基本的には今も同じようである).いかつい電気式ディーゼル機関車である.
後ろに繋がっている客車は,こんな感じだが,マニアの皆様はお気づきだろうか.これ,実は「振り子式」である.そういう目で見ると,車体の裾が絞られていたりすることに気がつくはず.
機関車と客車が合ってないように見えるが,そのとーり,合ってない.実は専用の機関車があり,その組合せでは160km/h(=100 mph)で走行でき,曲線もスイスイだったはずなのだが,カナダであるこということが災いした.下の写真が,本来の専用機関車.
専用機関車がカナダの粒の細かい雪を吸い込み,高速運転できなくなってしまった.ということで,凡庸な汎用旅客機関車が登場.走りもマイルド.トロント-モントリオール間500キロほどを4-5時間ほどかけて走る.曲線では,言われてみれば傾いているかなーという感じだが,そもそも大陸なので,そんなに厳しい曲線はない.
ちなみに,鉄道後進国カナダであるが,世界の産大鉄道車両メーカーになってしまったボンバルディアの本社はカナダである.(鉄道部門はドイツ)