山陽新幹線の起点はどこかというと,「新大阪」と答えるのが常識だろう.
ところが,小倉駅の新幹線乗場の線路際にはこういう小さな標識がある.
これは新大阪からの距離じゃなくて,東京駅からの距離だよね.下の写真の場所が基準.
営業上は「山陽新幹線」だが,施設管理や交通システム上は「東海道山陽新幹線」という1つの路線の西半分ということだね.
#時刻表等では東京から小倉までは1107kmあることになっているが,これは運賃計算用で,上の写真は実際の物理的な距離.
300km/hで通過する新幹線.曲線にはカントというレールの内外高さの差を付けてある.
山陽新幹線以降の新幹線ではスラブ軌道というコンクリート板に金具を介してレールを取り付ける方法が採用されており,砂利でできた銅賞を調整する必要が無いのでメンテナンスの手間が少ない.
逆に,カントのようなレール位置の微調整が面倒なのだが,どうやっているかというとレールとコンクリート板の間に挟む金具で調整しているようである.
下の写真には線路が2本写っているが,奥の線路はホームに面したせいぜい70km/h運転できれば良い線路,手前が300km/h運転対応の線路である.両者とも曲線上なのだが,明らかに両者違っている.
まず,そもそものコンクリート板自体が手前の線路のものは少し傾いているのだが,さらに手前の300km/h対応の線路のレールには金具が挟まれており,かなり浮いている.
下の写真だと,その浮いているレールの浮き具合が左右のレールで異なっているのがわかる.この差がカントである.
夏が近づくと,全国のどこかでほぼ必ず起こる事故である.
30日午後3時30分頃、岐阜県七宗町中麻生のJR高山線の下麻生駅―上麻生駅間で、レールの一部がゆがんでいるのを、線路の点検をしていたJR東海の作業員が見つけた。 情報源: 暑さが原因?レールゆがむ…一時運転見合わせ
線路は砂利の上にまくら木を並べてそれにレールを固定するが,寒暖の差でレールが伸縮するのをレールとレールの継ぎ目の隙間で吸収するという話は有名.電車がガタンゴトンと音を立てるのは,この隙間のせいである.
さて,夏を迎えるにあたって,この隙間が安全な範囲に調整されてなかったり,想定外に暑かったりするとどうなるかというと,隙間が完全に埋まって,レール同士が押し合いへし合いするようになる.
押し合いへし合いしているだけならいいのだが,レールが完全に一直線なわけは無く,わずかにゆがんでいる.そうすると,そのゆがみをめがけて押し合いへし合いするものだから,まくら木ごと横に飛び出してしまう.(一種の座屈破壊やね)
この手の事故は,北海道などの冷涼な地域で良くあるが,たまにはそれ以外の所でも起こる.北海道では,確かレールの温度を下げるために水をまく貨車があったんじゃ無いかと思う.
なお,レールを溶接してしまったロングレールの区間では,そもそもレールの隙間が無いのでまくら木ごと横に飛び出してしまうのを防ぐために,重いレールと重いコンクリートのまくら木でがっちり押さえ込んでしまう.できれば「砂利+まくら木」ではなくて,高架橋上のコンクリート板にレールを直接がっちり固定してしまえばなお確実である.新幹線はこの形式だな.
「路面ケーブルカー」と書くと何のことかわからないが,何のことは無い,サンフランシスコのケーブルカーである.
動力がケーブルであることを横に置いておけば,一種の路面電車である.観光資源になっていることで有名.
なんで,路面電車じゃ無いかというと,今さら説明するまでも無いが,これじゃぁ,さすがに登坂能力の高いLRTでも無理.
ケーブルカーに乗るほどでもないので,徒歩でホテルまで歩くと…
ひぃぃぃぃ.きつい.乗れば良かったかも.
軌道敷に「KEEP OUT」と書いてあるので,日本風に言い換えるなら軌道敷内乗り入れ禁止である.
レトロ風車両になっているが,今風の居住性良好な車両にすると,立派な都市交通機関になると思う.が,しかし,米国人にはそういう発想は無い模様.
こういう話がある.
- タイが自国で計画している高速鉄道をめぐり、太田昭宏国土交通相とタイのプラジン運輸相は27日、国交省内で会談し、日本の新幹線方式の導入に向けた調査を両国間で始めるとの覚書を締結し、同区間への新幹線導入で事実上合意した。開業時期は未定だが、実現すれば台湾新幹線に続く新幹線輸出の事例となる。安倍晋三政権が成長戦略で掲げるインフラの海外輸出にも弾みがつきそうだ。 情報源: タイ高速鉄道、日本の新幹線導入で事実上合意 インフラ輸出に弾み (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)
これは賢明な選択である.中国と受注合戦になっていたようだが,実は鉄道としての規格自体は中国の高速鉄道も日本の新幹線もあんまり違わない.
中国の新幹線の車両サイズは,中国の鉄道車両のサイズである.…で,中国の車両のサイズは昔の満州鉄道のサイズである.…で,満州鉄道のサイズに合わせて計画されていたのが戦前の日本の弾丸列車である.その弾丸列車を受け継いだのが日本の新幹線の列車サイズである.
要するに日本の新幹線のサイズ=中国の高速鉄道のサイズになっている.そんなわけで,東北新幹線電車の色を塗り替えただけに近い電車が中国には走っている.タイが日本の新幹線を選択したとしても,将来的に中国の高速鉄道に接続したくなった場合は大きさに関する障害なく接続できる.
ならば50年の歴史がある新幹線を選択しておくというのは,安全な選択である.
ただ,危惧しなければならないのは,日本の新幹線のサイズ=中国の高速鉄道のサイズなので,調査と設計だけ日本にさせておいて,そのままの図面を安価に中国に発注するということが(あまり大きな障害無く)できてしまうことである.
最後まで気を緩めてはいけない.まだ調査の合意である.
名古屋市がSLを借りて「あおなみ線」で走らそうとしているらしい.
…ん? そんなSL走れるような路線だったっけ?
とりあえず,名駅で線路はJRとつながっている.
しばらく走ると,沿線に貨物駅があった.少なくともここまでは走れそう.(C56がここまで走ったことはある模様)
この辺から高架へ.登坂できるかな? 電車専用と割り切った設計していると,結構急な勾配があるので,機関車だけならともかく,客車引っ張って登るのはきついこともある.ここは何‰かな?
駅で停止位置そろえる特殊な装置がありそうだが,無くて大丈夫なのかしら.
ここもまぁまぁ坂きつそう.200mで4-5mくらい高低差ありそうなので,20-25‰?
保安装置は,基本は「ATS-ST」みたいだね.
何とも言えねぇ.でも,貸すか貸さないかは貸し主次第だよね.JR西に借りに行った方が確実かも.
それより,そもそも臨海鉄道線なんで,臨港地区の入替機関車連ねて引っ張るんじゃぁいかんのかね? 衣浦から借りてくればええがね(一般受けせんけど).名鉄にも最新鋭の変わった電気機関車あるがね.
こういう話がある.
- 豪雨や大雪による運休、遅れが多い山形新幹線の米沢―福島間に関し、JR東日本は本年度から2年をかけて、抜本的な防災対策の調査検討を始める。吉村美栄子知事が同社の.. 情報源: 山形新幹線・米沢―福島間で抜本的な防災対策 JR東、トンネル化も含め検討
通称山形新幹線こと奥羽本線と東北新幹線の直通特急(要するに「つばさ」)に乗ると,福島を出てしばらくすると割と急な上り坂が延々と続くとともに右へ左へとカーブも続く.
板谷峠であり,かつては専用の機関車があったくらい有名な日本指折りの難所である.ある程度改良されたとはいえ「つばさ」は基本的には昔と同じ線路を走る.山形”新幹線”は線路の幅(軌間)を新幹線に合わせただけで,基本システムは在来線のままである.なので遅い.
峠区間を過ぎても,別の種類の”難所”は続く.単線区間である.新幹線とは名ばかりで,線路が1本しかないので向かいから来る列車と時間調整をすることもある.
記事中の山形県知事の提案は,峠区間の再整備をするなら,いっそフル規格新幹線に準拠したインフラにしようという提案である.これはアリだ.
山形”新幹線”は,日本の厳密な基準では新幹線ではない.だが,欧州に行くと走っているTGVやICEを基準にすると,山形新幹線(および秋田新幹線)は立派な高速列車だ.
じゃぁ,TGVやICEがどうやって発展してきたかというと,実は部分的にまるで国道のバイパスのように高速新線をつくり,そうじゃない部分は古い線路をそのまま使って全体のシステムを構築してきた.日本的基準から言うと,TGVやICEは「ミニ新幹線」である.
ドイツやフランスに2-3年おきに出かけると,同じ都市間の移動でも訪れるたびにTGVやICEの走行経路が微妙に変わり,所要時間が少しづつ短縮している.
どういうことかというと,部分部分,少しづつ高速新線を新たに建設して年々年々少しづつ本物の高速鉄道に近づけているのである.つまり,この方式を「輸入」すれば山形新幹線や秋田新幹線は少しづつ本物の新幹線に近づけるという方法が採用できる.新幹線建設を待ちわびる他の地域とはひと味違った整備手法を導入できるのである.
整備費用の負担方法など,詰めるべき事項はあるものの,良いアイデアである.
#約20年前,とりあえず跡追いで同じシステム入れておけば何かと楽だったかも > 西日本方面各位
整備新幹線は260km/hでしか走れないという.
でも,よく考えてみよう.整備新幹線の260km/hは「最高設計速度」である.
構造物等を設計する際に,ある一定の車両が時速260キロ運転をすることを想定して力学的・物理的な諸元を設計しろと言っているに過ぎない.
つまり,整備新幹線の260km/hというのは「最高設計速度」という設計条件であって,「最高営業速度」に関する規制ではないということである.
営業速度は,本来は与えられた構造物(とシステム)に対して,安全に運転できる速度を別途考慮して設定されるはずなのだが,別途考慮が少々面倒なものだから,設計速度=営業速度に設定してしまっている(費用負担の再考問題も絡んでいる).
もしも「設計速度=営業速度」に設定しなければならないのならば,東海道新幹線をはじめとする整備新幹線以前の新幹線は,せいぜい時速250キロ運転しかしてはいけないことになってしまうが,現実はそうではない.
すでに完成している構造物に対して,構造物設計時とは異なっている現実の各種条件を考慮して再検討し,安全に運転できる速度を多角的に考え,その結果出てきた答えが285km/h運転であったり,300km/h運転であったり,320km/h運転だったりするわけである.
新幹線の速度向上は,新規整備に比べると安くて効果が大きいので,もっと前向きに検討しようよ.
#青函トンネル内の運転速度を貨物列車とすれ違わないようにして「260km/h」運転するらしいが,騒音の問題が発生するわけでも無いので,そこは「320km/h」でいいだろ.インフラの設計荷重も東北新幹線なみだろ?
事務方からwebサイトをリニューアルするので写真を何枚か送れと連絡あり.テキトーに何枚か見つくろって送ったのはこんな感じ.採用されるかどうかは事務方の気分次第か?
まずは,鉄道の高架工事の現場.これはJR奈良駅の天王寺方であり,左に伸びるのが桜井線,右方向が関西本線である.
次は,どアップ過ぎて何かわからない鉄筋鉄筋また鉄筋.実は沈埋トンネルを陸上でつくっている段階のもので,このあとコンクリートが打たれて,現場に運ばれて,海の底に沈められる.
これは近所の高速道路.開通前に沿線住民にお披露目された際のもの.
東海道新幹線の橋梁で,浜名湖を渡るものを水面スレスレからのアングルで撮ったもの.
こっちは国土のバイパスの橋梁で,例の今切れ口に架かる浜名大橋.
秋田行きと青森行きがKiss.
工事中だったころの九州新幹線.場所はJR西日本の車両基地の横.
実は道路鉄道併用橋の大鳴門橋.
こっちは日本における元祖長大吊り橋である関門橋.
そして,天満橋から見た大阪ビジネスパークの風景.船がやってくるのは1時間に一度で,さらに京阪特急がすれ違うのを寒空の中待ち続けたのは十数年前.
このほかにも,防潮堤とかお城の石垣とかも送ったが,以下略.