CaenにもTVR方式のゴムタイヤトラムが導入されている.もう10年以上走っているわけだが,こちらの乗り心地は,10年前に比べて幾分落ちて,例の遊園地の乗り物系の振動は感じるもののNancyほどの劣化はない.
その差は,やはりタイヤが踏みしめる走行路盤のようである.Cenでは全線にわたって強固なコンクリート舗装が採用されており,タイヤが踏みつけている部分の劣化はあまり無さそうである.
Nancyについては10年前に訪れた時点で既に一部に掘れが見られたが,もともとの材質が弱い(アスファルト?)だったようだ.その後の補修も結構いい加減である.Caenは一部補修した形跡が見られるが,基本的には建設時そのままのように見える.
トロリーバスの延長として導入したNancyと,LRTの代替として導入したCaenの違いが,こういった建設コストのかけ方の違いとしてあらわれているということであろうか.
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トラムでLA POSTE
フランスあるある(その1)
日本は発想はともかく,維持はできる国である.だが,発想はすばらしくてもそれを維持することが不得意な国も多い.フランスはおそらく後者.
- 機関車牽引列車は,たいてい機関車の調子が悪い
- 列車の出発準備は,発車直前に始める.そして発車時刻になっても準備は続く.
- 始発駅なのに5分遅れ.その後も,大きなトラブルがないのに,じりじり遅れて終着駅には20分遅れ.
- でも,その遅れた列車を待っているTGVがある.(320km/h運転は意味あるのか?)
- 普通列車でも140-150km/hで運転されているが,大きな駅の手前では入線待ちで5分ロスする.
- 列車の遅れの原因は,客がぎりぎりに乗車しようとすることが原因だと思っている.発車2分前には乗れという警告文があり,駅や車内アナウンスがある.30秒前には車掌は笛を吹き,ドアを閉めようとし始める.でも遅れる.
- 通勤電車のドアは,壊れて開かないことがある.
- LRTの電停でチケットを買うと,レシートだけ出てきて肝心のチケットが出てこない.
- 自動券売機があっても,券売の有人窓口があると,列が長かろうが並ぶ.
- その頼りの窓口が閉まっていると,5分だけ乗車するために10分間券売機の列に列ばなければならない.
まだまだ,あるかも.
LYONのバストランジットモール
LYONのバストランジットモールのデータ取りに行ったわけだが,なぜか,バスがさっぱり走っていない.カメラ構えてバス待ちしているが,来ないので立ちん坊になっていると,現地人や旅行者からいろいろ聞かれる.
「道路が通行止めになってたけど,何があるの?」「何撮るんだい?」「今晩いい泊まるところ,知らないかな」etc… 他にも人はいるのに,なぜ俺に聞く.知らんがな.
警察が交通整理をして30分ほどすると,こういう隊列がやってきた.
乗り物が数十年前の軍用車で,米英仏の国旗.後方の楽隊の演奏曲は邦題が「錨をあげて」.どうやらドイツの占領から解放されて70周年の記念パレードのようである.
トランジットモールの使い方の一例であった.…が,肝心の調査は遅れまくり.バスが走ってれば,こんな様子.
ゴムタイヤなのに乗り心地がイマイチ
やっぱり車イスがはまってたCLERMONT-FERRAND
ゴムタイヤトラムの特徴と課題については,ずいぶん前に書いたが,脱線事故や車庫を準備してなかった等々の理由でなかなか実際の営業運転が開始されなかったトランスロールが営業運転しているらしいということで,Clermont-Ferrandに来てみた.
トランジットモールもあるらしいということなので,訪れた.
中央1本の案内レールで,車輪がそれを両側から斜めに挟み込む形なので,構造上,案内レールの両側には角度の浅い幅の広い溝があったため,トランジットモール実施時は足を引っかけて転ぶ人続出と予想していた.だが,そういうずっこけ姿は無かった.
よく見ると,イタリアのパドバで放置されていた軌道とは若干構造が違うようである.上のリンク中にある写真と比べると,溝が小さく,角度も急である.構造上の改良がなされたようである.
足を突っ込んでみたが,以前のバージョンに比べて引っかかりにくくなっている.
ただ,日本でも踏切がよく問題になるように,車イスの前輪のような小さな輪っかははまりやすいようで,実際にこのトランジットモール区間で車イスが苦闘している様子が見られた.(単独ではなかったので,何とか脱出)
【祝】ブザンソンLRT開業(が,しかし)
2014年9月1日,ブザンソンLRT開業.めでたい.営業5日目,まっさらなLRT.
が,しかし・・・
まだいろいろと問題が解決できていないようで,SNCF駅から2号系統の終点まで行ってみようとしたら,途中で停止.車内放送のあと,一部の客が隣のバス停に移動.10分ほどして2度目の車内放送で全員降ろされた.
理由は不明だが,このまま終点目指して帰ってこれなくなると困る.反対向きの中心街方面がやってきたので,それに飛び乗って中心街付近で降車.
以後,両方向ともなかなか電車が来なくなって,電停で皆さん困り顔の様子.まだ金取って営業できるレベルには達していない模様.
(そういえば,3年くらい前に開業後あまり間が経っていないReimsに行ったときも,途中で降ろされたっけなぁ.)
トランジットモールの様子を調べに行ったが,肝心の電車が来ないので早期退却.
LYONの軌道への自動車進入防止装置
フランスLyonにあるLRTも通る橋には,軌道への自動車進入防止装置が付いている.(Perrache駅の東側)
こういう装置で,表面の舗装が無いだけでなく,タイヤがクルクルと回転して前に進まないようにローラーが付いているのが特徴である.これだと,下手に侵入を試みるとエライことになるのが見えているので,誰も入ってこないだろう.
おまけ.瀬戸大橋にもあったレールの伸縮装置だが,この橋にも付いていた.
フランスに半月ほど行ってくるんだが・・・
・・・ほぼ完全ひとり旅なので,みんなが思っているほど「おフランス旅行」らしくない調査旅行になりそう.
主目的はフランスのLRT導入都市でのトランジットモールの様子を見る&データを取ることなので,観光地とはほとんど無縁である.
ということで,気になる話題があれば現地レポート予定だが,フランスとは関係の無い話題がここに投稿された場合には,1)大した話題がない,2)ネット接続環境が厳しくて投稿できない,3)疲れて寝てしまった,のいずれかである.本人が寝てしまっても予定稿が自動投稿されるように設定してから出発することにしている.
雨のトランジットモールは行ってもあまり意味が無いので,天候次第で変更の可能性があるが,訪問都市は以下の予定である.
リヨン, クレルモンフェラン, サンティティエンヌ, ディジョン, ブザンソン, ナンシー, カーン, トゥール, アンジェ, オルレアン, ヴァレンシエンヌ, ドゥア, ランス, パリ
HOV (= HIGH OCCUPANCY VEHICLE)
日本には残念ながら存在しないのだが,HOV (= High Occupancy Vehicle)レーンというものが高速道路などに設置されていることがある.写真は米国カリフォルニア州.
自動車はほとんどが1人しか乗車していないので,これが道路を走ると著しく輸送効率が下がる.そこで,バスなどの乗合形式の自動車や自家用車でも複数名乗車のクルマを優先的に通す車線を設置して,1人乗りよりも渋滞に遭いにくくしてやろうとするものである.
この道路では,中央が郊外電車,もっとも左側の車線(内側の車線)がHOVレーン,その他は一般レーンである.
所々で一般レーンから出入りできるほかは,車線変更禁止.ジャンクションなどではもっとも内側の車線だと不利なので,専用のランプもある.
こっそり1人乗り車が走った場合は,罰金が取られる仕組みになっている.結構高額の罰金である.片側2車線ではなかなかやりにくいかもしれないが,日本でも3車線以上あるなら検討してもいいシステムかもしれない.