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「四国に新幹線って要りますぅ?」って人

「四国に新幹線って要りますぅ??」って言う人がいる.大都市部在住の人が多い.

四国4県で人口は約363万人.結構大成功の北陸新幹線沿線の北陸3県の人口は約284万人.

つまり「四国 > 北陸3県」.

北陸新幹線沿線には,新潟県の南西の端っこや長野県の北東部も含まれているので,足してみる.新潟県の南西部の人口は約24万人.長野県の北東部の人口は約75万人.ついでに安中市も入れて,合計約389万人.

ようやく「四国 < 北陸新幹線沿線」になった.

ところが,北陸新幹線の敦賀-高崎間は約471kmであるのに対し,瀬戸大橋を渡って四国各県に伸ばす構想の「四国の新幹線」の延長は302km.

つまり,「四国の新幹線」の沿線人口は,1kmあたり1.20万人であるのに対し,建設済みの北陸新幹線の沿線人口は1kmあたり0.83万人にすぎない.

1kmあたり沿線人口は「四国の新幹線 > 北陸新幹線」

つまり「四国に新幹線って要りますぅ?」って言う人は固定観念に毒されている.

#四国の新幹線は,高知県南部とか徳島県の吉野川沿いとかカバーしてないぞ,という人は,自分で詳しく計算してみよう.

まぁ結局費用負担の話かなぁ…

北陸新幹線の敦賀ー大阪間の建設の話が行き詰まってる感があるが,京都府市議会市民団体仏教会等々から出されている疑問点については,技術面では,ほぼこの(↓)公式見解で回答されているように見える.(耳をふさいで「あーあーあー 聞きたくない聞こえない」?!)

 京都府内自治体説明会 (資料)

・地下水の件 → 地下水の流れの上流側ふさいでません,酒造用井戸避けてます,地下水がトンネル内に流れ込むの防ぎます,京都には既にいっぱい地下トンネルあります,これまでの地下工事でも大きな影響出てません

#そもそも,山岳トンネル(例えばリニアのトンネル)は地平より上なので,山の地下水がトンネル経由で自然流下する可能性があるが,地面より下の地下線だと地下水はポンプで汲み上げでもしない限りトンネルから自然流出しないけど・・・

・国定公園の件 → 一番コアな場所は避けてます,似たような事例は他にも既にあります,河川への影響ほとんどありません,地上の工事気を付けます

・残土の件 → 重金属気を付けます,すでに重金属の処理やったことあります,ダンプの渋滞気を付けます,残土は車両基地の盛土に使います

・文化財の件 → 主要な文化財は回避します,地下水位の影響はなさそう,かなり深いところを掘るので地表に影響ありません

#少なくとも寺院の多い左京と東山は工事と全く関係ないけど・・・

・巨椋池の治水の件 → 調節池設けます,詳細解析します

「あーあーあー 聞きたくない聞こえない」

ということなので,基本的には同じ話を100回繰り返すしかないでしょうなぁ > 工事担当機関殿

*–*

さて,説明を求められても「工事担当の関係機関」が答えられない点はある.費用負担の問題だ.

既設の北陸新幹線の駅間距離は平均20kmくらいなのだが,小浜-京都間は60kmくらいになりそうである.平均駅間の3倍くらいだが,ほぼトンネルだけで駅設置予定はない.無理やり駅を設置しても山間部で誰も使わない.「そんな区間に金出せるか!」という主張は一理ある.

これまでの費用負担は「20-30kmほどの建設費負担に対して1駅ゲット」が暗黙の了解だったわけだ.高崎-軽井沢間約45kmの途中に半ば無理やり安中榛名駅が建設されたのも,この暗黙の了解に基づくわけだ.

ところが,小浜ー京都駅間60kmは半ば無理矢理にも駅が・・・設置できそうもない.あるのは山地のみ.

実は別の整備新幹線でも「無理矢理にも駅が・・・設置できそうもない」区間は存在している.それは「奥津軽いまべつ-木古内間」つまり津軽海峡区間(トンネル約54kmを含む約88kmの海峡線)である.北海道新幹線は国と地方の負担で建設されており,地方とは北海道と青森県であるが,青函トンネルの建設費を北海道と青森が出したかというと・・・出していない.

青函トンネルの建設は新幹線建設とは別メニューで建設されており,地方負担分は無く,(国鉄の清算によって結果的に)国費によって建設されている.

整備新幹線の地方負担のルールは変更すべきではないという意見があることは承知しているが,メリットのない負担は不合理でもあるので,「駅の設置できない長大区間については全額国費」という新しい整備スキームが検討されてもいいのではないかと思う.(あと,やたらと工事費の高い区間の費用負担の平準化のスキームも)

#最近,この手の話をすると「コイツは間違っている!成敗せねば」的な人が出てくるんだが,そういう人の主張はほぼFAQに含まれており,話が平行線で時間の無駄なので,電話とかかけてこないでね.新聞記事の感想は新聞社へ.

新幹線の連結運転当面取りやめ

久しぶりの更新である.

さて,東北新幹線と秋田新幹線の列車が列車分離事故を起こして,連結運転が当面取りやめになっており,大変になっている.

昨年も類似の事故があったわけだが,どちらもE6系電車(秋田新幹線)がらみなので,この電車が原因の可能性大.

昨年の列車分離事故では,「車両製造時に出たとみられる細かい金属片が残っていて、これらの金属片がスイッチの端子に接触して作動につながった」という見解であったが,E6系って10年以上前の電車なので,果たして製造時のバリが今頃になって原因の事故が発生するのかなぁ…

連結器の構造自体は,E3系電車と同じようなので,E6系電車で不具合が出るのならE3系でも同じ不具合が出ても不思議はないが,そういう話は聞いたことはない.

結局金属片を取り除いたあとでも同様の事故が起こったので,原因の推定には誤りがあったということかな.

製造から10年以上経過して初めて出る不具合…それって,もしかして「制御ソフトをアップデートしたらバグってました」っていうあたりが怪しいのでは? …とエスパー(回答)*してみる.

電気回路や機械物といったハードウェア類は設計時に厳しいチェックが行われる一方,ソフトウェア類はプログラマの作業がブラックボックス化しやすいので.

よく言われる教訓:

・3行以上のプログラムにはバグがある
・(サーバなどで)問題なく動いているシステムには手をいれるな

*これといった論拠があるわけではない.勘.

南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」

まだ日付が変わってないが既にスーパーでは水が売り切れらしい.

明日から鉄道各社では減速運転や一部特急の運休を決めたらしいが,南海トラフ発生時の新幹線の最大の懸念箇所はここ.最悪,東海道新幹線は年単位(5-10年)で不通になる可能性アリ.N700S電車でできることは,(橋梁が破壊されてなければ)ここからゆっくり逃げ出すことだけ.

詳しくは10年前の過去記事をどうぞ.

リニア新幹線整備の理由(東京-名古屋編)

東海道新幹線が止まってて大変らしいが…

コロナ感染で期せずして自宅療養である.
バカ高い治療薬がよく効いて,3日目なのに「なぜ元気なのに私はここにいいるんだろう」状態.

ということで時間ができたので久々の更新である.

世間では東海道新幹線が期せずして止まっていて,大変らしい.

航空便の臨時便が出ているがキャパが足らない模様.新幹線1便を代替するには大型旅客機2−3便が必要であり,焼け石に水の模様.

東名高速の高速バスもあるにはあるが,新幹線1便を代替するにはバス20台くらいが必要であり,これも焼け石に水の模様.

テレビではあまり表に出ていないが,不通区間を「東海道本線」で移動するというのが割とお手軽で,新大阪-名古屋がこだま号で70分,名古屋-豊橋が新快速で50分,豊橋-浜松が普通列車で35分,浜松-東京がこだま号で120分,計5時間弱の模様.ただし,これもJR東海のSNSによると在来線部分の混雑が激しい模様.在来線の臨時列車の運転もしている模様.キャパの限界か.

北陸新幹線も頑張っており,指定席は満席らしい.敦賀で乗り換えれば5時間半程度で東京へ.新快速でもなんでも敦賀駅に達しさえすれば(いや,ハピライン福井に乗り継いて金沢駅に到達できれば),多少自由席はあるので早期に動き始めていれば今日中には東京まで到達できそう.

あとは伏兵,塩尻経由特急乗り継ぎ(しなの+あずさ,8時間くらい)とか,長野乗り換え(しなの+新幹線あさま,6時間半くらい)とかの技がないことはないが,経験的に「お尻の皮の限界」がありそう(経験済み,もう二度とやりたくない).

東西間の代替ルート確保って大事だね.

 

ドクターイエロー

通称ドクターイエローこと923形電気軌道検測車が廃止になるらしい.

幸せの黄色い新幹線.

すでに九州新幹線の新八代以南開業時点で,800系新幹線電車の一部編成に計測機器を取り付けたものが運用されており,いずれそうなってゆくんだろうなと思ってたが,ついにその時が来たようである.

線路と架線の計測機能のあった800系電車(2005年)

東海道新幹線で270km/h運転が始まったとき,当時のドクターイエローは210km/h運転の旧型だったので後に現行の型が新製されたわけだが,現在は285km/h運転だとか300km/h運転だとかになってきており,270km/h運転の検測車は邪魔かも.

フルサイズ新幹線電車の函館駅乗り入れ

北海道新幹線を函館駅に乗り入れるという構想があるが,様々な否定的見解が出ているようだ.

その中に,フルサイズの新幹線電車を函館駅に乗り入れるためには,線路が道路などの下をくぐる際にヘッドクリアランスが足りないという話があるらしい.在来線の架線高さは最低4.4mであるのに対し,新幹線は4.8mなので,40cmほど足りない可能性がある.

…ところが,そういう問題を解決する案はある.

いずれも,仙山線の写真である.

電化する際,狭小トンネル部分の架線を剛体架線にしてヘッドクリアランスを確保するというものである.同様の対策は近鉄でも見られる.

交流電化の場合は,電線と構造物を一定程度離す必要があるが,仙山線は交流電化であるので,その点も実績的に一応クリアされている.心配なら,函館本線の場合は跨線橋をくぐる部分だけでトンネルよりははるかに区間が短いので,当該部分だけ無電区間にするという手が無いでもない.

これでも足りなければ,盤下げすればよろし.

#「Youtuber」は,できない理由を並べ立てて注目を浴びるのが仕事のようである.

北陸新幹線(敦賀乗り換え)

さて,京都から福井まで往復した際の話(3/18)である.御存知の通り,北陸新幹線は敦賀駅で乗り換えである.

往路はあいにく,春の嵐でサンダーバード号が湖西線の途上で足止めになった.高島のあたりだろうか.30分ほど動かない.どうやら後続のサンダバは米原まわりに変更になったようである.

敦賀駅には定時よりも1時間は遅れてはいないが40分程度は遅れて到着.到着前には「予定の新幹線は接続しません」「特急券は払い戻しになります」とのこと.

敦賀着.

北陸新幹線のホームに急がされるが,案の定,中間改札で詰まる.外国人観光客がどうしていいのか戸惑っている模様.

本来の接続相手ではない新幹線がホームで待っている.案内放送では「空いている席か自由席に座れ」とのこと.

とりあえず席について,出発.車内放送でも「特急券は払い戻しになります」「詳しくは駅の出口改札で」とのこと.はて? 特急券の払い戻しって2時間以上遅れないとならないんだったと思うけど,1時間未満でも払い戻しなの??

10分ちょいで福井駅に到着.出口の改札で駅員に特急券を見せて,これは払い戻し対象になるのか聞いたら,特急券に「急?乗承(福井)」なる判子を押されて,みどりの窓口に並べとのこと.

うーん.

退散.
確か降りた駅でなくても払い戻しはできるはず…

聞いた話では,この件とは別に事故でサンダーバードの特急券払い戻しになった際には,1列車分で200万円ほどの払い戻しになったとのこと.うーん,儲からないねぇ.

帰路もなんだか遅れている.10分ほどの遅れだったので,接続先のサンダーバードを待たせておいてから出発.

まぁ,遅れても着けたから良かったんだけどね.十数年前には風雨で福井で足止めされて帰りが翌日になったこともある.


さて,後日談である.

特急券払い戻しを通勤途上の四条畷駅で試みた.そもそも特急の走っていない学研都市線なので,特急券の払い戻し経験が少なかった模様.窓口駅員がどうしていいのか右往左往.奥に行ってしまって誰かと相談.戻ってきて「半額払い戻しになります」と言って電卓叩いて半額現金でくれた.

さらに半月後,JR提携のカード会社から要領を得ないお手紙.四条畷駅より京都‐福井の乗車券の精算方法について相談したいとのこと,らしい.

とにかく駅の窓口に行くと,「半額払い戻しじゃなくて全額払い戻しでした」とのことで,残額さらに返金.(なぜ全額返金なのか聞かなかったので,1時間未満でも払い戻しの理由は未だ不明.)

乗り継ぎ,面倒だね.

 

【祝】中央新幹線(某工区)

まだ「次の人」がどう判断するのかは確定的ではないが,通せんぼの張本人が退場されるようである.

「某工区」の工事自体はまだ静岡県内に達していないようなので,工事の中断なしに掘削工事が続けられそう…ということか.

まぁ,それ以外の工区の遅れも気になるが,全般的に工事の遅れは長年にわたって地元対応が天狗状態が続いていたことが影響しているかも,と思う今日このごろ.

【祝】北陸新幹線(金沢ー敦賀間開業)

話題が遅いってか?

福井駅の構内に,見たことのないほどの人の数.かつてはがらんとした構内に,地元TV局のカメラがネタ探しにウロウロしているだけだったのに.

何ということでしょう.電車に乗る前に小腹を満たすために食べていた改札横の蕎麦屋に行列ができている.

これが…

こうなって…

こうなった.

祝,開業.
(開業3日目の写真)