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北陸新幹線の京都駅はなぜ「桂川」がイマイチなのか

「新幹線の大阪駅」が「新大阪」なら,「北陸新幹線の京都駅」が「桂川」だっていいじゃないか,という話がある.

京都駅と桂川駅の位置関係はこんな感じ.電車で6分.新大阪-大阪駅間も同程度だ.

じゃぁ,桂川駅でもいいじゃないかという話になるのだが,桂川と新大阪の決定的な違いは,市街地へのアクセスである.

新大阪駅は梅田地区へはJRで4-5分,都心の本町駅へは地下鉄で12分程度,なんば駅まで15分,天王寺へ22分,それぞれ「乗り換え無し」だ.大阪の主要地へ直接アクセスできる.地味に便利なおおさか東線も乗り入れており,そう遠くない将来,南海線とJR阪和線が乗り入れる「なにわ筋線(工事中)」経由で,いずれ南部からの電車もやってくる.

ところが,桂川駅の場合,JRで6分かけて到達できるのは京都駅なので,ここから地下鉄やバスに乗り換える必要がある.明らかに市内アクセスが劣る.

「いやいや,桂川なら阪急洛西口駅のすぐ近くじゃないか.洛西口なら阪急電車で都心へ行ける.」という人もいるだろう.けれども,JRTTの資料のp.27を見ると,明らかに阪急駅には隣接しない.桂川駅と洛西口駅の間にはイオンショッピングセンターがあって,歩くと約10分,700mある.

詳しい人なら,「桂川駅にはバスターミナルがあるので,ここを拠点にバス網を…」と言うかもしれないが,例えば金閣寺まで10km,銀閣寺まで13kmもあってバス網の拠点にはなり得ない.

さらに,京都市内各地に加えて,近鉄京都線沿線,JR奈良線沿線,JR山陰線沿線も京都駅なら直行できる範囲である.

北陸新幹線の京都駅は桂川でよいという論は,北陸新幹線でやってきた客が京都駅で降りた後,一体どこに向かうのか,という議論がすっぽり抜け落ちている.