LRTというと,環境にやさしいとか,お年寄りの乗り降りがしやすいとか,市街地活性化に寄与するとか,都市計画的視点が取り上げられることが多いが,中には明らかに遊園地の乗り物的目的を持って運行されている路線もある.
写真は,米国シアトルの「ほぼ観光専用」の路面電車である.高床式ホームなので一応バリアフリー配慮だが,どう見ても最新式とは言い難い.
路面電車の割には軌道がごついが,米国なので超重量級貨物列車が通れるような軌道構造をそのまま採用しているように見える.臨港貨物線の転用かもしれない.
日本でも貨物線跡が残っているような観光地で,都市計画的効果を期待せずに,遊園地の乗り物的に整備をしてしまうという手もないではないと思うが,ま,なかなか難しいかな.(例えば小樽とか)
投稿者「hatoko」のアーカイブ
CIVISがBRTなわけ
パリからSNCF急行で北西に1時間ほどのRouenにはLRTが走っており,都心部は地下,広場や交差点の下も地下で,簡易地下鉄として走り,郊外方向には街路併設のLRTとして走行する,
さて,Rouenにはこの簡易地下鉄LRTが中心部で南北に走るのとは直行するようにBRTも走っている.
この写真だけ見ると,単なる連節路線バスであり,国土交通省が喜びそうな風景である.しかし,日本が称するBRTとこのバスとの決定的な違いは何かというと,ここではないだろうか.
二重の白線の点線? いえいえ.そこではなくて,プラットホームがあること.
バスが来ると,ホーム側からは電車タイプのLRTと同程度のバリアフリー度が提供される.このCIVISというシステムは二重の白線の点線で走行を案内するシステムとして知られているが,ハンズフリーで運転することが目的ではなくて,停留所で車体をホームにぎりぎりまで寄せる目的で導入されていると思われる.(ナントのBRTはこのシステムは無いが,ドアの足下からは渡り板が出てくる.)
停留所を過ぎると,点線はなくなる.(奧のクルマが横切っているあたりで点線がなくなる.クリックをすると拡大.)
トヨタが開発したCIVISに似たようなシステムは,ハンズフリーや無人運転といった技術ばかりが強調され,その正しい使い道が提示されていないのかもしれない.
TGVでもLA POSTE
パリ市の外周部を走るトラムに乗っていると,SNCFリヨン駅の南側,ベルシー駅よりもさらに南側にあるTGVの留置線のすぐ近くを道路併用の跨線橋で超える...
ここですね.
その留置線に,何かいる.真ん中のは(ちょっと古いが)普通のTGV.その向こう側に見慣れない色のTGVが留まっている.
黄色いTGVにはSNCFというマークだけでなく,「La Poste」とも書いてある.郵便物専用のTGVである.前後の機関車の間に8両の客車・・・じゃなかった,郵便車がはさまっており,窓はない.
フランスの郵便と鉄道の関係というと,トラムよりはこっちの方が有名である.日本でもできる施策なのだが,全く動きがない.飛行機で郵便物を運ぶよりCO2排出が少なくなるはずなのだが,やはり日本人は知恵が少ないのだろうか.
エアロトラン
ピカピカのLRV
LRT用の掃除機
フランスあるある(その3)
フランスのダメダメは続く.
- 列車のバス代行がしょっちゅう発生するので,駅の発車案内の電光掲示板には,最初からバスの図柄マークが準備されている.そして,掲示板には常にローカル列車の一部にバスマークが点灯している.
- その代行バスは駅のどこから出発するのか,知る人のみぞ知る.
- 列車のトイレはウ○コが山積みのことがある.ただし,古い客車の「ダイレクトに自然に還す方式」ではそれは無い.
- 日本のみどりの窓口に相当するチケットオフィスは,まるでサロンのように小ぎれい.銀行のような順番カードを取って待たされる.でも待ち時間が短いわけではない.
- かなり待ってたどり着いた窓口でチケットを発行してもらう.駅を出てからよく見ると,再度並び直すほどではない程度の間違いが必ずある.
- 座席指定をとって乗車すると,なぜか正規のチケットを持った人が既に座っている.
- 全席座席指定のはずなのに,なぜかデッキには補助イスがあり,常に困った顔の人が必ず座っている.
- 一等車の空調は,なぜか「暖房」になっていて我慢大会.車掌が「あっちの方がいいよ」とやさしく二等車のことを教えてくれる.
- ホームの飲料自販機は壊れてコインが入らない.隣のホームの飲料自販機も壊れてコインが入らない.隣の駅の飲料自販機はコインは入るがすぐに戻る.その次の駅の自販機もコインがすぐに戻る.結局有人売店で買う.
こんな感じかな.総じて機械ものはダメダメな印象.
鉄道後進国ニッポン(気動車1両でも140KM/H)
パリRERのE線
パリには地下鉄の他にSNCFが運行するRERという地下鉄道がある.東京の郊外鉄道が都心に地下鉄道として乗り入れたり,地下鉄と相互乗り入れしていることに刺激をうけて建設された路線のようだが,このうち,E線は北東方向からTGV等が発着する北駅や東駅付近に達している.その駅がこういう駅(Magenta駅)で・・・怪しい雰囲気である.日本ではまずあり得ない照明.
さて,Magenta駅から都心に突っ込むはずが,次が終点.St.Lazare駅.SNCFの近郊線や北西方面への長距離線の発着駅になっており,E線はその地下に駅がある.いちおう,ここでE線は終点で完成のはずなのだが,気になるのでその先のトンネルを覗き込んでみると・・・
ほんとうに終点なら立派な車止めをつくると思うんだが,簡素な上に,レールはその先にもしばらく続いて暗闇に消えている.まだまだ作る気かな.地上ホームに発着しているSNCF近郊線を地下化して乗り入れさせたり,すぐ近くに走っているA線と直通させたり,何らかの構想はあるのかもしれない.
こういう不思議な構造って,地下線には時々あるよね.
フランスあるある(その2)
フランスは,とにかく機械ものの故障が多く,システムの運用も課題が多い.
- 非接触ICカードは,読み取り機の反応が悪い.反応が悪いクセに,ちゃんと認識したかどうかを確かめる方法が無いこともある.
- 車内検札で,その反応の悪いICカードがバリデーション不良だと言うことが発覚すると,”こんニャロ,今回は許してやるけど,次回は緩さ許さんぞぉ”という顔をされる.
- 地下鉄の券売機は壊れている.それを直す作業員は「壊れてるんで,券無しで乗ってOK」という.実際に改札機の横のゲートが開放されている.
- 地下鉄(RER?)の改札機も壊れている.使用開始時刻として,おとといの日付が書き込まれる.そして,出るときに引っかかって駅職員と揉める.
- LRTの開業日には,開業準備ができていない.5日経っても準備が完了していない.
- なのに客を乗せて営業するので,途中で先に進めなくて運転中止.とにかく降ろされる.
- その電停では客が困った顔をして電車が来ないか待っている.そして翌日には電車を待つ客は少なく,電車も空いている.
まだあると思う.