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’18年度は整備新幹線772ppm

2018年度予算案が衆議院を通過したようだ.予算総額が97兆7128億円.

鉄道関係の予算については,この資料に書いてあるが…

新幹線3,480億円とな.前年度比1.32倍なり.

…がしかし,国交省の他局は国費ベースで書いてあるのに,なぜか鉄道局は国費ベースでなくて事業費ベースで書いてある.国費がいくらなのかはよく見ないとわからないようにしてある.事業費ベースで書くと,国費以外の財源も含めて書くことになるので,「立派に見える」からかな?

資料をよく見ると,国費は754.5億円.つまり変わってない.

ということで,例年通り国家予算総額に占める濃度を計算してみよう.

754.5億円÷97兆7128億円
=0.000772160863265
=0.077216086326459 %(百分率)
=772.160863264587649 ppm(百万分率)

そう,次年度は772ppmだ!(濃度下がってるぞ)

※ざっくり言って,電子顕微鏡の倍率が100万倍らしい.

新型新幹線−停電時に自力走行

【名古屋】JR東海は2020年度に運行開始予定の東海道新幹線の新型車両「N700S」に、停電時に自力走行できる機能を導入する。床下にリチウムイオン電池を搭載し、地震発生による長時間停電時にトンネルや橋梁から自力で走行して脱出。乗客を避難させやすくする。3月に完成する確認試験車に搭載し、実用化に向けて試験する。

情報源: JR東海、新型新幹線車両の床下にリチウム電池搭載−停電時に自力走行 | 商社・流通・サービス ニュース | 日刊工業新聞 電子版

似たようなシステムは既に地下鉄にもあったかと思うが,地下鉄車両が停電時に自力走行するのと新幹線が大地震時に自力走行するのとでは安全性が大きく異なる.

新幹線は大地震発生時に架線の電気を止めることで非常停止することになっており,まずはこの段階で被害を軽減できる.その後,停電が続いた際に電池で自力走行して適切な場所に移動させようということだろうと思う.

ところが,停電が長く続くような大地震の場合には走行しようとしている線路自体の安全性が保証されていないと考えられるので,場合によっては新幹線が動いたがために地震後の線路が二次的に壊れるという事態もありうる.

ということで,使えるのは大した地震動がなかった区間であるが停電が復旧しない場所や,たとえ線路が崩れるリスクがあってもその場に居続ける方が危険が大きい場所—例えばこんなところかな—からの脱出という使い方になるんだろうと思う.

なお,電池積むなら起動時の大電力を一時的に電池からも供給するようにすれば,時折やらかしてしまう「運転中止から運行再開時における変電所のブレーカー落としちゃいました事故」を防げる可能性なきにしもあらず,かも.

 

新幹線台車亀裂(続^2・ハインリッヒの法則)

「亀裂は走行中にできた可能性」…運行中止なければ脱線の恐れもあった JR西日本

情報源: 【新幹線台車亀裂】「亀裂は走行中にできた可能性」…運行中止なければ脱線の恐れもあった JR西日本(1/2ページ) – 産経WEST

……ほらな.やっぱり.

14両編成(続・ハインリッヒの法則)

ハインリッヒの法則

○○トラブル

「名古屋駅+のぞみ号」の映像が映るので,JR東海の出来事のように見えるが,原因はJR西の方.

種籾食っちゃえキャンペーン

予算編成の時期になると,「無駄な」公共事業は止めてしまえ,というキャンペーンが在京マスコミによって繰り広げられる.

「無駄な」という枕詞がミソで,多くの人に「そうそう,必要なことだけして,無駄なことをするのは止そう」と考えさせるとともに,「公共事業は無駄だ」という印象操作に成功してしまうことが少なくない.

そういった報道では,本当に無駄なのかそれとも有効なのかという適切な調査や検討無しに「公共事業は無駄だ」と言わんばかりな内容が垂れ流されている.日々困っていることがあるからそっちに回せと.無駄じゃない公共事業の方が多いのにね.

さてさて,よくよく考えてみるとインフラ投資は各種活動を長期にわたってしやすくするものなので(あるいは補修費用なら今の機能を将来も維持することなので),いわば種籾(たねもみ)である.今,種をまいて,未来で収穫する.これがインフラ投資のはずだ.

文教関係費用や科学技術開発も種籾だ.今,種をまいて,未来で収穫する.同じだ.

インフラ投資も文教予算も技術開発も無駄だとキャンペーンすることは,いわば「種籾食っちゃえ」と言っているようなものだ.目先の利益に流されて,後々大変困ることを主張しているのかもしれない.

気をつけよう,甘い言葉と「種籾食っちゃえ」キャンペーン.

#貴重な技術を易々と外国に売り渡す企業とか,ブランドを簡単に売り渡す企業とかも後々後悔しそう.(その頃には,消滅しているかも)

30年で全国新幹線網を実現する方法

全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線ネットワークの基本構想(基本計画)に示されている新幹線を全て建設するには,整備計画路線の未完成区間を含めて概ね3000kmあまりの工事をしなければならない.

一方,毎年の建設費の確保状況は結構厳しい状況にあり,国費700億円台半ば,いろいろくっつけて工事費ベースで2000〜3000億円程度になっている.

工事単価は場所や時期によって違っており,㎞あたり50〜100億円程度という実績だ.年間の整備延長は30kmあまりといったところだ.

ということで,全幹法の残路線を建設するには,約100年を要するということになる.これでは時間がかかりすぎだ.これを何とか約30年で完成できないもんだろうか.

全幹法が定められてから40年以上経過し,もうしばらくすると50年にもなろうとしている.これほど放置され続けたインフラ計画は他に無いと思う.ということは,計画が定められてから時代が変化してしまっており,本来なら計画を抜本的に見直してもいい頃である.

さて,(どこをどう見直すかで,かなり揉めると思うが)計画を見直して,上記の約3000kmの路線のうち,1/3を新幹線以外の方法で利便性向上させることにすると,整備完成までの期間が100年から約67年に短縮される.

これから建設される新幹線は,毎時片道15本処理できるような新幹線は求められておらず,安くて速い,某チェーン店の牛丼のような路線が求められる.ウナギを注文したらドジョウやアナゴが出てきた,ではなく,牛丼が出てきた,である.建設単価を35%ほど安価にできたとすると,約67年の整備期間が43年ほどになる.

毎年の国費は700億円台半ばであるが,国家予算の750ppmとあまりにも小さいので倍増!…と言いたいところだが財政が厳しいのは確かだ.そこで,国費毎年1000億円,つまり+33%ほど,建設費ベースでも同程度の増額にすると,整備期間は約43年から33年弱になる.

これならば,現実的な全国レベルのインフラ整備の実行計画にならないだろうか.どうかな?

再び札幌駅を観察

またまた札幌に行く機会があったので,札幌駅を観察してみる.

相変わらず終着始発便が多く,この駅を出発してゆく列車の半分くらいは「回送列車」ではないかと思うくらい多い.長距離特急は致し方ないとしても,快速列車や普通列車までこの駅を終点にする理由はあんまり無いように思う.

ホームの利用効率は悪そうだが,もはやそれを改善できる人材もいないのではないかという話もあるようだ.

回送列車はともかく,このディーゼル機関車1両だけで一体何をしに来たのだろう.昭和時代ではないので客車列車は存在しないし,札幌駅を通過する貨物列車もなかったと思うし…

ううううぅぅ〜ん.

さて,札幌駅観察の目的は,今回は1番線2番線である.前回訪問時は主に西側からの観察だったが,今回は対面の3番線の東側からの観察だ.

1番線2番線を新幹線に転用する場合,建築限界の関係からそのまま転用するのではなく,いったん取り壊して新幹線用の効果を建設し直すことになっているらしい.

2番線と3番線の両方に在来線列車が停車した状態ですでに車両間隔にさほど余裕は無く,ここに幅が40cmも大きな車両が入るのは無理がありそう.
(回送列車のツーショット ↓ )

1番線2番専用ホームは高架橋上の台座のような上に乗っかっているだけなので,ホーム自体は幅の縮小が可能そうに見えるが,ホームに立っている鉄柱の上には屋上駐車場が乗っかっているので,それがやっかいだ

1番線の上には現時点でいろいろはみ出している模様で,作り替えるのも面倒そう.

困ったもんだね.

四国新幹線「単線で早期着工を」

提言では4県県庁所在地を全国初の単線で結ぶ。概算事業費は複線の1.57兆円から1兆円に減る。四国には単線技術の蓄積があるうえ、日本の経済界にはインフラ輸出の競争力が高まる期待がある。本州側の山陽新幹線・岡山までは複線仕様の瀬戸大橋があり、有効活用する。新大阪と2時間圏内になる。

情報源: 四国新幹線「単線で早期着工を」 輸出の新モデルに提言  :日本経済新聞

…ん? もしかして,これの影響?

実践政策学 第2巻 第2号 2016年 秋号

実践政策学 第3巻 第1号 2017年 春号

単線新幹線の建設費は,あくまで構想段階の目安で,具体的な区間が想定されるならば,想定ダイヤをもとに交換可能駅の設定と複線区間の設定を行い,トンネルや高架橋の位置を具体的に想定し,インフラの整備費用を工費積算した方がより正確.

また「都構想」らしいが…

なんかこっそり都構想」を進めようとしているらしい.今回も市民の意見は聞くけれど,府民の意見は聞かない模様.そもそも,前回の大騒ぎ時点から何が変わったのかよくわからんのだが…

今度は堺市も解体する方針の模様だが,堺市を解体すると,もはや元大阪市の特別区(?)と元堺市の特別区(?)の区別は付かんようになるんやろうなぁ.

ちゅうか,相変わらず大阪長期低迷の原因は行政組織の構造だと思っている模様.問題はそこじゃないんだよなぁ.

都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第1話-新幹線偉大なり編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第2話-産業振興VS交流編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第3話-他の交通網編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第4話-東海道VS中山道編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第5話-新幹線駅が都市圏形成編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第6話-駅アリ>駅ナシ編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第7話-20年差が命取り編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第8話-後手必敗編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第9話-東密西粗編)
都構想の陰で進行する大阪長期衰退の始まり(第10話-リニア編)

そういう点では,リニア関係で沿線が集まるらしい点は何もしないよりは評価できる.だが,結局のところ「沿線」でまとまってて,大阪という中心性を発揮できてない模様.相変わらず大阪は周辺を巻き込むのが上手ではないように見える.

3兆円投入されたのも「沿線パワーのたまもの」とか「大阪が頑張ったから」ではないです.中途半端な開業状態が長く続くと,国土の形が変わってしまうので,なるべく同時開業できるように資金投入してもらったものです.同時開業は「金がないから無理」とJRが言い続けていたので,言えないように資金投入してもらったものです.

リニア開業が8年前倒しになって「名古屋開業から10年遅れ」が現在の計画だが,既に資金面では3-5年遅れ程度でも何とかなるようになっていると思いますがねぇ.

 

新潟空港アクセスは上越新幹線の延伸 あるいは …

このお話…

新潟県政の長年の課題となっている新潟空港(新潟市東区)のアクセス改善策をめぐり、米山隆一知事が年内に一定の方向性を打ち出すことに意欲をみせている。焦点は、下りの…

情報源: 新潟空港アクセス改善策、焦点は上越新幹線の延伸 年内に方向性 知事が意欲 – 産経ニュース

在来線を伸ばすか,新幹線を伸ばすか,という議論のようだが,延長が数キロしかないので,新潟駅を基準にするとどっちを伸ばしても大した差はない.

問題はその先(新潟駅以遠)で,新潟空港にはどこから客を集めたいのか,という点が重要.在来線だと新潟空港からあまり遠くからは集客しにくいが,比較的こまめに客を拾える可能性がある.新幹線だと燕三条,長岡,湯沢の各駅周辺が主な対象かな?

新線整備するなら,最初から狭軌と標準軌の三線軌を敷いておいて新幹線も在来線も両方走行できるようにしておくという手もないではない.(電源や信号が面倒そうだけど.)

なお,うまいことやれば,ホームは共用できる可能性はある(↓).
フル規格新幹線と在来線車両に関するトリビア