線路」タグアーカイブ

路面電車の地下線

タイトルが,それ自身,矛盾しているじゃぁ無いかという指摘は置いといて,海外のLRTについて調べているとしばしばお目にかかるのがこういう施設.

DSCN8066s

路面電車の地下線である.日本ではまずあり得ない.

なぜ日本ではあり得ないかというと,日本では原則として鉄道整備は独立採算であるからだ.つまり,地下線をつくったならば,その建設費を運賃で払わなければならない.

例えば1kmの地下線を100億円でつくったとしよう.この100億円を運賃で支払うとする.地下線に乗り入れてくる電車の客は,平均5km乗車して200円支払ったとすると,1kmならば40円分である.

100億円÷40円/人=2億5000万人

電車には毎便100人ずつ乗っていたとすると…

2億5000万人÷100人/便=250万便

往復計で5分ごと,朝6時から24時までの18時間運転されていたとして…

18時間×(60分÷5分/便)=216便/日
250万便÷216便/日=11574日=31.6年

運賃を全額建設費の支払いにまわしても30年以上かかる.車両費や電気代,保守費,人件費,利払い等々の入っていない段階でこれであるので,事実上,運賃で地下線の建設費を払うなんてのは不可能である.

そもそも,朝から晩まで5分ごとにほとんど満員のLRVが走ってくるとの設定に無理がある.

つまり,こういった「路面電車の地下線」は独立採算の下ではできない施設,ということになるわけだ.インフラ整備の根源的な考え方が違う,というお話.

テンションバランサー(内蔵型)

電車の架線の電線をぴんと引っ張っておくには,どこかで引っ張っておかないといけない.でないと,だらりと垂れてくる.

架線の電線は無限に長いわけではなくて,一定長ごとに端っこがあり,その端っこにはバネが付いていたり,滑車を介しておもりがぶら下がっていたりする.

どちらもゴツい設備になりがちだが,おもり部分が架線柱に内蔵されているものもある.使われているのは,フランスのLRTであり,こんなところでもデザインが重視されている.

DSCN8074

廃線跡てくてく(下流方向)

今度は下流方向である.

DSCN0516

しばらく歩くと,幅員が広くなる.ここは駅跡.旧武田尾駅.

DSCN0462

振り返ると,右奥が駅構内,左奥は昔の駅前商店群であろうか.

DSCN0506

ふたたび歩くと…これって鉄道橋だよね.

DSCN0464

DSCN0466

まくら木が残っている.

DSCN0472

そして再びトンネル.レンガ巻きの小さなトンネルだ.

DSCN0476

トンネル内から入り口方向を振り返る.

DSCN0477

内部は,下半分は石垣構造,上半分はレンガのアーチのようだ.

DSCN0495

まだまだ廃線跡は続き,最終的には宝塚駅の隣の生瀬まで続くが,お散歩ここまで.

DSCN0504

廃線跡てくてく(上流方向)

保津峡とよく似た雰囲気の別の駅.川の上にホームがあり,駅の両側がトンネルである.福知山線の武田尾駅.

DSCN0409

なぜ似ているかというと,実は同じ主旨でつくられたからである.保津峡駅は京都市街と郊外の亀岡駅との間を走る山陰本線上にあり,元々は現在の嵯峨野観光鉄道の走っている線路であったが,単線の上,川沿いだったために速度が遅かった.そこで,複線電化するとともに渓谷部分はトンネルと橋梁で真っ直ぐに突っ切る線形に改良され,保津峡駅は橋の上の駅になった.おかげで亀岡では京都の郊外住宅都市開発が進んだ.

武田尾駅も同じく,武庫川沿いの曲がりくねった福知山線の単線線路をトンネルと橋梁で真っ直ぐ貫くことで路線改良し,おかげで三田が郊外住宅都市としての地位を手に入れた.その途中の駅が武田尾である.

DSCN0413

駅を出て武庫川の上流方向に歩く.もちろん,道路は線路跡を舗装したものである.そんなわけで,トンネルも…鉄道トンネルそのものである.

DSCN0418

現役だった頃は,こういう風に見えていたかも.

DSCN0423

トンネルが転用されているのは途中までで,そこから先は軌道が撤去されているが,ほぼそのままである.

DSCN0430

途中の明かり取り穴(?)から歩行者は横に出されて,自動車もトンネルの土手っ腹に開けられた穴から武庫川に架かる橋へと出される.

DSCN0424

上流側探索ここまで.

変位してる?

さーて,この秘境駅はどこでしょう?

IMG_6827

…というのが主旨ではなくて,線路をよく見ると,ホームの真ん中あたりで少し左にずらされており,ホームそのものも真っ直ぐでは無い.

IMG_6827c

線路を敷設して,ホームを作った時点ではまっすぐだったはずだが,長い年月のうちにこの箇所の前後で左右に地盤がずれたのだろう.

線路の管理って大変だね.

ちなみに,駅そのものはここである.ほとんどハイキングかバーベキューの時くらいにしか使わない駅だね.

路面軌道の歩道上敷設

トランジットモールというと,路面電車を敷設した道路について自動車等の乗り入れを禁止した形態である.

ところが,実際にはいろんな街路が実際にはあり,例えばこんな形式もある.

DSCN8578

中央は車道,両側に幅の広い歩道があり,その歩道上に路面電車の軌道が敷設されている.サイドリザベーションの一種ではあるが,もはやこれは軌道の歩道上敷設と言っても良いのではないかと思う.

DSCN8575

電車が走ってくると,こんな感じ.

LRTの電車は,車両の仲間というよりは歩行者の仲間という扱いである.

(フランスのマルセイユ)

久宝寺駅という起終点

久宝寺駅と放出駅というと,おおさか東線の乗換駅である.その久宝寺駅だが…

DSCN7963

おおさか東線の電車が折り返すとともに…

DSCN7965

関西本線(大和路線)の快速電車と普通電車の追い越し駅でもあり,ホームが忙しい.路線の起終点駅にしては設備が簡素であり,どちらかというと分岐駅の雰囲気である.

DSCN7960

おおさか東線は現在は放出から新大阪(そしてウメキタ)へと工事中であり,日々工事が進行している.

久宝寺駅はいずれ起終点駅というよりは,「分岐駅」としてキタとミナミに電車を振り分ける駅になるんだろうか.

亀の瀬

関西本線に乗っていると,大阪府と奈良県の府県境あたりで大和川を北側から南側へ,そして再び南側から北側へと横切る箇所がある.

DSCN7976

二度も鉄橋を渡らなくても,そのままトンネルでも掘れば良いのに,と思うような箇所だ.

DSCN7977

通称亀の瀬という地区である.

元々は鉄橋で二度も川を渡ることなく,大和川の北側(右岸)をトンネルで通過していたが,ここは有名な地滑り地帯であり,トンネルは地滑りとともに破壊されてしまった.

そんなわけで二度も川を渡って地滑り地帯を避けている.

 

誰も聞かないのね

よく北陸新幹線は東海道新幹線に乗り入れできない,という.

その理由は,東海道新幹線が過密だから,東海道新幹線と北陸新幹線のシステムをつなぐには費用がかかるから,だという.

でも,誰も当事者に聞かないのね.

東海道新幹線は片道いったい何本の列車を通す能力があって,今何本の列車がとっていて,どの区間に空きは何本分あるのですか?

とか,

東海道新幹線は何分ごとに列車が運転できて,今何本走っていて,何本分空いているのですか.

とか,

「東海道山陽新幹線」と「北陸新幹線」のシステムを接続するには何億円かかるのですか?

とか,

「東海道山陽新幹線」と「北陸新幹線」を米原で接続する場合のシステム改修費用と,京都駅で接続する場合のシステム改修費用と,新大阪駅でで接続する場合のシステム改修費用は,それぞれ何億円なんですか?

とか,

米原で接続するのが高くて東海道山陽新幹線と北陸新幹線を直通運転できないのなら,新大阪で東海道山陽新幹線と北陸新幹線を直通運転するのも費用が高くてできないんですよね.

とか.w