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「新幹線」とローカル列車がシェア

お客さんが乗り降りして…

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「新幹線」が出発.

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そして直後に,反対向きのローカル列車も出発.

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今さっき「新幹線」が走ってきた線路を反対向きに走って行く.

IMG_1770線路が一本だとダイヤ作成が面倒そうだね.

福島→米沢

山形新幹線に久しぶりに乗ってみた.

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そして,福島駅を過ぎて…

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お,遅い…電車そのものは「がんばればできる子」なのに.線路が厳しいと,電車がいくら性能が良くても宝の持ち腐れ状態のようである.

名古屋―大阪のリニア整備で初の意見交換

こういう記事がある.

リニア中央新幹線の名古屋-大阪間の整備に関し、関西財界とJR東海の首脳による意見交換の場が初めてもたれたことが29日、分かった。大阪への同時開業を求める関西財界…名古屋―大阪のリニア整備で初の意見交換 関西財界とJR東海社長

ずいぶん前からいろんな人が…例えば大阪の名物首長さんや政府与党のプロジェクトチームとかが…大阪までの同時開業を目指してアプローチしているんだけど,毎度同じ反応しか返ってきていない.そろそろ「お願いベース」のアプローチは止めて,理詰めの実効性のある方法に切り替えた方がいいかも.

大阪まで同時開業しない理由の一つは,鉄道会社の資金問題だが,資金問題が解決してもいろんな思惑があって動こうとしない可能性もある.その場合は,全国新幹線鉄道整備法とその関連政令である整備法施行令をよく読むと,実は答えが書いてある可能性がある.

…が,まだそこまで踏み込んだアプローチをしているセクションはない模様.

安倍首相、マレーシア首相と会談 新幹線導入に期待示す:朝日新聞デジタル

再び,ちょっと前の新聞記事.

情報源: 安倍首相、マレーシア首相と会談 新幹線導入に期待示す:朝日新聞デジタル

こちらも気をつけないと,調査だけ日本で,そのまま安い中国製になりかねないので,要注意.タイの高速鉄道が日本の新幹線なら,タイの南側のマレーシアも新幹線の可能性は大きいが,要注意.

なお,マレーシアの先にはシンガポールがあり,そのまま延ばすのも比較的容易.

その先は10kmくらいの幅の海峡をいくつか越えることができればインドネシアである.日本の対馬海峡を越えて韓国までトンネルを掘るよりは距離は短そうである(工事の難易度は不明).

タイ新幹線導入で事実上合意

こういう話がある.

これは賢明な選択である.中国と受注合戦になっていたようだが,実は鉄道としての規格自体は中国の高速鉄道も日本の新幹線もあんまり違わない.

中国の新幹線の車両サイズは,中国の鉄道車両のサイズである.…で,中国の車両のサイズは昔の満州鉄道のサイズである.…で,満州鉄道のサイズに合わせて計画されていたのが戦前の日本の弾丸列車である.その弾丸列車を受け継いだのが日本の新幹線の列車サイズである.

要するに日本の新幹線のサイズ=中国の高速鉄道のサイズになっている.そんなわけで,東北新幹線電車の色を塗り替えただけに近い電車が中国には走っている.タイが日本の新幹線を選択したとしても,将来的に中国の高速鉄道に接続したくなった場合は大きさに関する障害なく接続できる.

ならば50年の歴史がある新幹線を選択しておくというのは,安全な選択である.

ただ,危惧しなければならないのは,日本の新幹線のサイズ=中国の高速鉄道のサイズなので,調査と設計だけ日本にさせておいて,そのままの図面を安価に中国に発注するということが(あまり大きな障害無く)できてしまうことである.

最後まで気を緩めてはいけない.まだ調査の合意である.

山陰新幹線の準備工事?

新下関駅には,将来のホーム増設用の構造物が一部存在している.

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地上の山陽本線から見ると,新大阪方面の新幹線ホームのさらに西側にもう1線増設できるように準備されており,山陽本線との交差部分に橋桁を架けられるようになっている.

たぶん山新幹線分岐のための準備工事だと思う.「評論家」ならこれをネタに本の1章分くらいに膨らませて記事を書き上げるんだろうと思うが,実際問題としてはこの準備工事だけでは何ともならない.

昔の「とにかく新幹線を全国につくってしまえ」という時代ならともかく,今となっては山陰新幹線を建設するとしても,本当に新下関駅を分岐駅にして良いものかどうか,議論を要するんじゃないかと思われる.

情勢変化を織り込むための計画のPDCAって必要だよね.

あおなみ線にSL

名古屋市がSLを借りて「あおなみ線」で走らそうとしているらしい.

…ん? そんなSL走れるような路線だったっけ?

とりあえず,名駅で線路はJRとつながっている.

DSCN9627電車に乗って金城ふ頭方面へ.

DSCN9631しばらく走ると,沿線に貨物駅があった.少なくともここまでは走れそう.(C56がここまで走ったことはある模様)

DSCN9637この辺から高架へ.登坂できるかな? 電車専用と割り切った設計していると,結構急な勾配があるので,機関車だけならともかく,客車引っ張って登るのはきついこともある.ここは何‰かな?

DSCN9644終点.いわゆる機廻し線は無いので,どうやって折り返すかな?

DSCN9695駅で停止位置そろえる特殊な装置がありそうだが,無くて大丈夫なのかしら.

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ここもまぁまぁ坂きつそう.200mで4-5mくらい高低差ありそうなので,20-25‰?

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保安装置は,基本は「ATS-ST」みたいだね.

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何とも言えねぇ.でも,貸すか貸さないかは貸し主次第だよね.JR西に借りに行った方が確実かも.

それより,そもそも臨海鉄道線なんで,臨港地区の入替機関車連ねて引っ張るんじゃぁいかんのかね? 衣浦から借りてくればええがね(一般受けせんけど).名鉄にも最新鋭の変わった電気機関車あるがね.

山形新幹線・米沢―福島間で抜本的な防災対策

こういう話がある.

通称山形新幹線こと奥羽本線と東北新幹線の直通特急(要するに「つばさ」)に乗ると,福島を出てしばらくすると割と急な上り坂が延々と続くとともに右へ左へとカーブも続く.

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板谷峠であり,かつては専用の機関車があったくらい有名な日本指折りの難所である.ある程度改良されたとはいえ「つばさ」は基本的には昔と同じ線路を走る.山形”新幹線”は線路の幅(軌間)を新幹線に合わせただけで,基本システムは在来線のままである.なので遅い.

峠区間を過ぎても,別の種類の”難所”は続く.単線区間である.新幹線とは名ばかりで,線路が1本しかないので向かいから来る列車と時間調整をすることもある.

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記事中の山形県知事の提案は,峠区間の再整備をするなら,いっそフル規格新幹線に準拠したインフラにしようという提案である.これはアリだ.

山形”新幹線”は,日本の厳密な基準では新幹線ではない.だが,欧州に行くと走っているTGVやICEを基準にすると,山形新幹線(および秋田新幹線)は立派な高速列車だ.

じゃぁ,TGVやICEがどうやって発展してきたかというと,実は部分的にまるで国道のバイパスのように高速新線をつくり,そうじゃない部分は古い線路をそのまま使って全体のシステムを構築してきた.日本的基準から言うと,TGVやICEは「ミニ新幹線」である.

ドイツやフランスに2-3年おきに出かけると,同じ都市間の移動でも訪れるたびにTGVやICEの走行経路が微妙に変わり,所要時間が少しづつ短縮している.

どういうことかというと,部分部分,少しづつ高速新線を新たに建設して年々年々少しづつ本物の高速鉄道に近づけているのである.つまり,この方式を「輸入」すれば山形新幹線や秋田新幹線は少しづつ本物の新幹線に近づけるという方法が採用できる.新幹線建設を待ちわびる他の地域とはひと味違った整備手法を導入できるのである.

整備費用の負担方法など,詰めるべき事項はあるものの,良いアイデアである.

#約20年前,とりあえず跡追いで同じシステム入れておけば何かと楽だったかも > 西日本方面各位

「新幹線をあきらめきれない面々」という表現

半年ほど前にこんなweb記事があった.

記事の内容そのものについては,近年の状況を述べているだけなので,さほど違和感はないのだが,軽い嫌悪感を感じるのはそのタイトルである.

 「新幹線」をあきらめきれない面々

面々という表現は,単純には人々とか各方面とかそういう意味なのだが,近年の日本語の表現としては「懲りない面々」「浮かれる面々」「容赦ない面々」「無責任な面々」「奇妙な面々」など,やや冷淡に見ている場合に使われることが多い表現である.

そして,標題として「あきらめきれない人たちがいる」ということを取り上げると言うことは,裏を返すと「あきらめるのが普通なのに,あきらめない人がいる.これは変だね,取り上げてみよう」という意図が見え隠れする.

現在新幹線が走っている地域は,歴史的経緯からたまたま新幹線が走るようになった地域である.こう言うと反発があるかもしれないが,例えば関東平野は今でこそ日本の中心地域だが,かつては開発途上の野原であり,江戸期になって本格的に開けた地域である.もし江戸時代が始まろうかとしているその時期に,徳川家康が「幕府は尾張に!」と決めていたなら,首都は名古屋で,関東は今も寂れた地域だったかもしれない.

あるいは,明治の最初の鉄道が当初の思惑通りに中山道沿いに建設されていたら,最初の新幹線は中央新幹線で,今ごろ第2中央新幹線を東海道に沿って建設すべきかどうか議論がされていたかもしれない.

そういう点からすると,ちょっとだけ他地域に比べて開発が進んでいるからといって,「あきらめきれない面々」と書いてしまうのはやや上から目線ではなかろうかと思ってしまう.

この手の表現は形を変えながら時々大都市の人の口から出てくる.だが,今の状況はたまたまそうなっているだけなのかもしれない,という謙虚さは欲しいものである.この手の上から目線の話を聞くといつも思い出すのは,芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に出てくる犍陀多(かんだた)の事である.

とやかく言えるほど,エラいのか?

整備新幹線260KM/Hは「最高設計速度」

整備新幹線は260km/hでしか走れないという.

でも,よく考えてみよう.整備新幹線の260km/hは「最高設計速度」である.

構造物等を設計する際に,ある一定の車両が時速260キロ運転をすることを想定して力学的・物理的な諸元を設計しろと言っているに過ぎない.

つまり,整備新幹線の260km/hというのは「最高設計速度」という設計条件であって,「最高営業速度」に関する規制ではないということである.

営業速度は,本来は与えられた構造物(とシステム)に対して,安全に運転できる速度を別途考慮して設定されるはずなのだが,別途考慮が少々面倒なものだから,設計速度=営業速度に設定してしまっている(費用負担の再考問題も絡んでいる).

もしも「設計速度=営業速度」に設定しなければならないのならば,東海道新幹線をはじめとする整備新幹線以前の新幹線は,せいぜい時速250キロ運転しかしてはいけないことになってしまうが,現実はそうではない.

すでに完成している構造物に対して,構造物設計時とは異なっている現実の各種条件を考慮して再検討し,安全に運転できる速度を多角的に考え,その結果出てきた答えが285km/h運転であったり,300km/h運転であったり,320km/h運転だったりするわけである.

新幹線の速度向上は,新規整備に比べると安くて効果が大きいので,もっと前向きに検討しようよ.

#青函トンネル内の運転速度を貨物列車とすれ違わないようにして「260km/h」運転するらしいが,騒音の問題が発生するわけでも無いので,そこは「320km/h」でいいだろ.インフラの設計荷重も東北新幹線なみだろ?