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トラム変幻自在(新幹線とすれ違うトラム編)

ドイツのカールスルーエ市のというと,LRTのことを調べたことのある人なら必ず聞いたことのある都市であると思う.カールスルーエの場所はこの辺.
[map zoom=”10″]Karlsruhe, Deutschland[/map]
このまちのLRTは,市役所職員の話によると「質より量」の方針らしいが,この都市で有名になった「質」の面での工夫がある.カールスルーエ方式と呼ばれる郊外鉄道線と市内路面軌道線との直通運転がそれで,乗り換え無しで住宅地から中心市街まで行けるようになっている.郊外線はドイツ鉄道の線路なので,下の写真のように赤い近郊電車が走ってきたり,時には隣国から高速列車が乗り入れてきたりする.
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その横の線路を黄色いLRT用の電車が走っており,タイミングが合えば日本の新幹線相当の電車と路面電車相当の電車がすれ違う,などということも生じる.下の写真は上の写真の3線部分の最も手前側の線路を黄色い路面電車が走ってきたところであるが,もちろん,2線しかないところでもICEとLRVのすれ違いはある.(…が,それを写真にとらえるのは至難の業)
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3枚の写真は,この駅の構内で撮ったもの.

日本に本物のBRTは出来るか?(バス専用高速道路車線)

しつこいようだが,カナダの首都はオタワで,トロントやモントリオールは首都では無い.
さて,オタワのTransitwayというバス専用道路システムであるが,ごく一部区間ではあるが,高速道路上にバス専用レーンがある.写真は筆者が運転しながら必死のパッチで撮った写真である.
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今はGooglemapですぐ確認可能である.この場所,”航空写真なら”両側1車線ずつがバス専用になっているのがわかる
航空写真なら連節バスの姿も見えるぞ.ここまでするのなら,確かに「Bus Rapid Transit」だ.日本のBRTの定義って何だったっけ?

日本に本物のBRTは出来るか?(PARK&BUS乗車)

オタワはカナダの首都で,トロントやモントリオールは首都では無いので,念のため.
相変わらず古い話の蒸し返しである.下の写真は都市交通でよく話の出てくるPark&Rideの看板である.ただし,ここは車を駐車した後に乗るのはバスである.バスに乗ってら,例のTransitwayを通ってスイスイ.
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駐車場がデカい.
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ここまでするのなら,確かに「Bus Rapid Transit」だ.日本のBRTの定義って何だったっけ?

トラム変幻自在(国境を越えるトラム編)

ドイツのサールブリュッケンという都市のLRTのお話し.この都市のLRTも市内の軌道線と郊外の鉄道線が直通運転されるカールスルーエ方式が導入されているが,さらに一歩進んでいる.
中央駅から市街地を路面軌道で走り,市役所の前を超え…
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市街地を抜けると,そこから先はドイツ鉄道の線路上を走ってゆく.
DSCN4578その先はそのまま国境を越え,終点はフランスのザルグミヌ市になっている.

鉄道後進国ニッポン(ローカル電車もピッカピカ)

三セク鉄道というと,どういうイメージだろうか? こういう感じ?
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でも,これがドイツの三セク鉄道というと,こんな感じになる.
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まさしく「第三セクター舐めんなよ」である.
これは,カッセル市の近郊を走る電車で,線路はドイツ鉄道,その上を走る電車はカンタス鉄道という三セクのような会社の運営であり,車両はピカピカ.内装もピカピカ.車内では高校生がビールで酒盛りをしている(合法らしい).
資金構造が日本とは違うので,そのまま比較できないといえばそれまでだが,頭の思考回路を変換し,資金構造を変えれば,アウトバーンと自動車産業の国でもこういうことはできるのである.
鉄道後進国ニッポン,どうする?

日本に本物のBRTは出来るか?(オタワのバス専用道路)

ずいぶん昔に書いた話の蒸し返しで恐縮である.カナダの首都はオタワであり,トロントやモントリオールでは無いので念のため,
オタワに行くと…って,あんまり行く人はいないか…写真のような道路+駅のような施設がある.中央部の往復4車線道路はバス専用道路であり,左端に写っている2車線道路が一般道である.バス専用道路,名付けて,Transitway.
Ottawa05-142
写真の場所的には,このへん

駅部分が4車線で,駅間は2車線道路になっている.Googlemapでオタワを表示させておいて,「transitway」を検索すると最寄りの道路が示される.
ここまでするなら,確かに「Bus Rapid Transit」だ.日本の「BRT」の定義って何だったっけ???

トラム変幻自在(地下鉄直通編)

アムステルダムのLRTというか,低床でもないので,ほぼ郊外電車.床が高い以外は外観も内装もほぼLRTで,市の郊外住宅地を走り,線路も路面併用軌道ではなくて専用の軌道が準備されている.
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これが都心方向にしばらく走ると,屋根上の集電装置(パンタグラフ)をたたんでしまう.そして,地下線区間へ.
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地下はちょっと車体が小さめの地下鉄として走行し,終点へ.パンタグラフはたたんだまま.
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車体が小さいので,ホームとの隙間は,こういった風に自動で埋められる.
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電気は地下線区間では台車横のシューから取り入れられている.
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こういった形態の乗り物は日本でもあっていいのだが,残念ながら存在しない.通常の架空線から電気を取り入れたり,第三軌条から電気を取り入れたりといった両対応の電車については,「開発費用が高くついてペイしない」というのが理由で実現していない.だが,彼らはその「高い」はずの開発コストの壁をずいぶん前に越えてるんだが,このままでは日本人は劣っているということを証明してしまっていることになるんじゃないかな.

津波を避けて引っ越しした話

最近,巨大津波をおそれて,静岡県などで内陸に引っ越す人が増えているらしいが,それを聞いて思いだした話がある.うちの実家がそうだった.実家は海沿いの町にある.今は海は見えない位置に引っ越したが,かつては海まで道を挟んで5-6m(5-6kmではありません)という位置にあった.海-道-家-ミカン山.外洋に面しているわけではないので,干満はあるが波はほとんどなく,普段は至って平穏.海というよりは川の河口に実態は近い.
昭和の南海地震の際に津波が家の中まで入ってきて,畳が浮き始めたので,婆さんが小学校に上がる前の父を抱いて裏山に駆け上がったらしい.その後,30年くらい経ってから孫が生まれたのを機に内陸に引っ越し.どうして周囲に親戚の少ない,学校の校区も違う場所に来たんだろうと思っていたが,最近の公表されいる浸水予想図を見て納得した.
引っ越し元はもちろん浸水実績有りだが,現実家の位置は浸水予想図では浸水高0m.どうやら,まぁ,そういうことなのかなと.なお,昔の引っ越し前の家は,今もミカンの貯蔵小屋として使用されている.
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写真は実家から徒歩10分ほどの所.ここは左から順に国道-線路-市街地になっているが,数メートルの浸水が予想されており,国道については付け替えが計画されている.付け替え後の国道は現実家のほぼ真横を通るようである.線路(JR)についても,津波に関する訓練はここで行われたらしい.

リニア新幹線反対論は妥当な指摘か?(番外編+まとめ)

この意見の各項目を考えてみるシリーズの番外編.フルバージョンだけに書いてある内容である.

  • 番外編:リニアに「まちづくり」の将来をかけていいのか――“過大な期待による過大な投資”は地域経済を押しつぶす

旧タイプの新幹線でも,いろいろと期待するけど,リニアは超高性能新幹線なので,『「まちづくり」の将来をかける』のは普通の行動だろう.この千載一遇のチャンスを逃してなるものか,というのが普通の行動.もちろん,「過大な投資」というよりは「的外れな投資」は意味が無いが,千載一遇のチャンスを見す見す逃すなどあり得ない.

  • 新幹線開通後の地方経済をみると、「効果」だけではなく、「ストロー現象」の影響も慎重な検討が必要である

新幹線の無い地方を見てから言った方がいいですよ.新幹線があった方がマシ.無いともっと悲惨な状況になってますよ. そういう場所には,新幹線も高速道路も無くて,なかなか遊説に訪れる機会そのものが少ないかもしれませんけど.
「ストロー」については,新幹線に限らず,交通機関で結ばれると,結ばれた地域が相互に変化してゆきます.とある機能に着目すると肥え太るものもあり,別の機能はやせ細るものもあり,全体としては適材適所に機能が再編されてゆき,「選択と集中」状態になって効率が上がります.新幹線で結ばれた都市群システムに組み込まれて,特定の機能に特化してしまうけどみんなで賑やかにやってゆくのか,それとも,どことも結ばれること無く従前のまま細々と(多くの場合,先細りで)独りでやってゆくのか.どちらかなんですよ.
「リニア頼みじゃ無い策」で,なおかつ「リニア頼みに匹敵する策」って何かありますか? 具体的に!と言われると,小規模なものを除いてあんまり思いつかないでしょ?あれば,もうやってますよ.

  • まとめ:「多様な意見」は重要だが,多少調べてから意見を組み立てた方がいい項目が多そう. 

トラム変幻自在(CAR-GO-TRAM編)

ドイツ東部のドレスデンという都市にゆくと,時々,出入り口のないトラムがやってくる.
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他のトラムは黄色だが,このトラムは青色で,「CarGoTram」と書いている.このトラムは貨物電車で,中央駅近くの貨物駅と中心市街を挟んだ向こう側にあるフォルクスワーゲンの工場とを結んで,自動車部品を運んでいるらしい.
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よく見ると,「VW」のマーク付き.こういう活用方法もあるが,日本には柔軟な頭はないんだろうか.
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(2011年3月現在)