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究極の減便

運転士不足で各地の公共交通が減便になっている.

そんな中,こういう路線もある.即座には理解しがたい内容.

どういうことかと言うと,「年に1日だけ,1本だけ運転する路線」ということ.

「直Q京都」(メインは京都駅と松井山手駅を結ぶ路線)なのに,ここの区間には京都駅は出てこないのもナゾ.

もはや実質的には「廃線」扱いだが,本当に「廃線」にしちゃうと復活させるのが何かと面倒なんだろうなぁ.

超大手鉄道会社さん経営努力してないことがバレ始める

実際、他の鉄道では輸送密度2千人未満でも黒字であったり、赤字でも距離当たりで少額にとどまっていたりする。運行本数は比較的多く、サービス水準を上げて乗客数が伸びたケースもままある。鉄道の可能性を引き出すための運行改善や経営の工夫が、今後の協議で求められる。

情報源: ローカル線の行方 運行の新たな仕組み必要:山陽新聞デジタル|さんデジ

研究者や数字に詳しい市民団体などからはずっと前から指摘されていた件.

コロナを機に「輸送密度2000人未満で廃止したいなぁ」という空気を匂わせ始めているが,地方の民営鉄道では「輸送密度2000人」もあれば十分に(…とは言えないかもしれないが,なんとか)経営している路線もかなり多い.いや,その半分でも…

にもかかわらず,「”JNR”から”N”が取れただけの鉄道会社」ではなぜか経営できないという.

人件費の水準が高かったり,線路保守の基準が妙にハイレベルだったりというあたりがコスト高の原因.

意思決定が大都市の本社であり,当該路線では何の決定もできなかったりするのも原因.

「親方日の丸」ではないが,「親方一部上場」意識が抜けなかったのも原因.

大都市での物販等の副業に味をしめて,人口減少下での本業の工夫をしなかったのも原因.

「JNR」末期には,運賃値上げと大編成列車の少便運転しかせずに利用者にそっぽを向かれたことは既に忘却の彼方.コロナが原因とはいえ,また運賃値上げと減便を始めてデススパイラルを回り始めた模様.(なお,JNR末期の場合は大編成のガラガラ列車だったが,今回はギュウギュウ詰めの積み残し発生もあるようなので,”N”があった時代のほうが旅客にとってはマシかも.)

件の記事の元データは,いずれ(近々?)詳細がどこかに出るのではないかと思うが,誰が見ても「努力不足」と感じる数字が並んでいると思う.

なお「”JNR”から”N”が取れただけの鉄道会社」以外にも「親方一部上場」意識が抜けない交通事業者グループもある模様.

 

バス来ねぇ

(その1)学外の会議に出るために,大学最寄りの「産業大学前」から近鉄線に乗るべく「東花園駅前」行きのバスに乗ろうとした.

以前なら「瓢箪山駅前」行きのバスが昼間なら毎時8本,平均7分半ごとにやってきたので,ほぼ待たずに乗れた.

2限目が終わり,12時半過ぎにバス停にゆくと…バス来ねぇ.15分も間隔が空いている.何じゃこりゃ.

急遽乗る方向を変えてJR駅方向に向かうバスに乗って全体の経路を変更.とほほ.

=*=*=*=*=*

(その2)雨が降っている.家に帰るために「産業大学前」からJR線に向かうバスに乗ろうとした.午後8時台.本数は多くはないが,しばらく待てば乗れる時間帯…だった.以前は.

バス停に行くと,この時間帯に1本あったよな…というあたりのバスが時刻表上にない.晴れてれば歩いて駅に向かうが,雨が降っているので,待つことにする.

5分…バス来ねぇ.
10分…バス来ねぇ.
15分…バス来ねぇ.
20分…バス来ねぇ.
25分…バス来ねぇ.
30分…バス来たが,行きたい駅とは違う方向のバス.

待つこと約35分.やっと来た.何じゃこりゃ.

こういう「体験」がきっかけで自動車通勤に切り替える人とか,バスに乗るということを移動の選択肢から外す人が少なからずいるんだろうな.

まさに「D-スパイラル

 

北勢線値上、中学生が自転車通学に変更

三岐鉄道(四日市市)が十月一日に運賃を改めた結果、短距離区間の通学定期券の価格が85%跳ね上がり、同社の北勢線で通学する桑名市の中学校の生徒約百人のうち六割以上が、自転車通学への変更を願い出た。市が、影響の大きさに気付いたのは値上げ直前。学校は通学路の安全確保など対応に追われている。

情報源: 北勢線の値上げ、中学生の通学に影響 自転車に変更多数 | 三重 | 中部9県 | 中日新聞プラス

全文はこちら(たぶん,リンク切れ早し)

…まさに「D-スパイラル

値上げと減便しかできない公共交通は,少なからず存在するが,遅かれ早かれ,いずれそのような公共交通は無くなるかも(*).

(*)消滅するか,改善してそういうカテゴリから外れるかは,その公共交通次第.

D-スパイラル

明日11/1から,通勤通学でよく使うバス路線が減便のようである.

バスについては運転士の確保が難しいとかで,都市部でも減便が始まっているらしいという話があるが,ここにもその波は来たようだ.

四条畷駅->大産大方面(平日)
時間帯 改正前本数 改正後本数 差分
6 3 3 ±0
7 5 4 ▲1
8 6 5 ▲1
9 4 4 ±0
10 4 4 ±0
11 4 3 ▲1
12 4 3 ▲1
13 4 4 ±0
14 4 4 ±0
15 4 3 ▲1
16 4 3 ▲1
17 4 4 ±0
18 5 5 ±0
19 4 4 ±0
20 4 3 ▲1
21 2 2 ±0
22 1 1 ±0

平日はまだマシなようで,土曜休日はほぼ全時間帯にわたって「▲1」である.

そして,「ヤバい」のは本数そのものよりも発時間間隔の方で,改正前は昼間はほぼ完全に15分間隔のラウンドダイヤだったものが,改正後は20分間隔…ではなくて10〜23分間で,時刻表を持ち歩かない限り,何分発かわからない.

JR電車から乗り継ごうとすると,接続するバスがあったりなかったりで,乗り継ぎの信頼性が大幅低下.

利用者側からは,運転士の確保がしにくかろうが何だろうが,減便と接続の悪化は事実なので,利便性の低下は紛れもない事実.こうして公共交通が衰退してゆくのであった.

「D-スパイラル」の開始か?

「D」で始まる英単語って,あんまりいい意味のものがないよね.death,decrease,deactivation,devolve,de-installation,…

#1 2台目の自動車でも買って自動車通勤を再開しろというサインか?
#2 ピーチライナーと同じ匂いがする