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パンデミック出口戦略どうする?(大阪型?)

具体的な数字を示しながら自粛解除の条件が示されたわけだが,これって,残念ながら出口戦略のようで出口戦略じゃないんだよなぁ…

たぶん,「やったぁ,終わりだ!」と思ってる人が多いと思うけど.

戦争でいうところの空襲警報「発令条件」と「解除条件」が示されたけども,戦争終結が見えたわけではない,という状態.(空襲警報の発令・解除条件が曖昧な日本政府さんはそれ以下なわけだが)

ワクチン接種か罹患のどちらかによって市民の過半が免疫を獲得できるのが出口で,それは1−2年先.当面はB29が時折飛んでくる状況下で市民生活を営まないといけないわけで,まさしく戦時中.

とりあえずは,対処療法のいい薬(被弾しても落命しない)が早期に出回ることが当面の希望か?

#初回の3-5月の”空襲警報”は中途半端だったので,解除が遅れたと思う.

#マスクも10万円申請書もまだ届かず.我が家では「新たな仕事ができたので,担当部門が新設されて,倉庫だった部屋に机を入れるために,掃除をはじめたところに違いない.」ということになっている.なお,自動車税と固定資産税の請求書はキッチリ送られてきた.

パンデミック出口戦略どうする?(計画的免疫獲得編)

抜本的にはワクチン開発が必要という話もあるようだが,ワクチン開発には時間がかかるらしい.ワクチンに頼らないことを前提に,医療機関のキャパを基準に「計画的に」抗体保持者を増やす方法を考えてみよう.

保持者が60%に達するのを目標とし,潜在的な感染者は表面的な感染者の40倍存在するとする.ということは,表面的な感染者累計が人口の1.5%に達するのが目標ということになる.

日本の人口12,600万人の1.5%は,189万人.

ところで,医療のキャパがどの辺にあるかについては議論のあるところだが,4月現在の日々の表面的な感染者増加数が+400人,このへんが限界だと設定してみる.

189万人÷400人/日=4725日≒12.9年

…あかん,今のだらだらとした日本の自粛体制ペースだと,集団免疫獲得までに13年もかかってしまう.13年も経済止めると,日本沈没.かといって急拡大すると,医療崩壊.詰んでる?

逆に集団免疫獲得までの期間を1年とすると,189万人÷365日≒5178人/日の新規感染者を医療システムが適切に処置してゆく必要があるということになる.

4百人と5千人,この差をどう埋めるか.

アビガンという日本の薬は軽症者なら9割改善という話がある.もし,新規感染者5178人が全部軽症者なら,5178×90%=4660人がすぐ改善.残りの518人が手厚い医療必要ということになる.この人数なら何とかなるかも.

…ということは,解決の糸口は…

    1. 早期発見体制構築
      • PCR検査態勢の充実
      • 検査キット開発
      • (抗体検査態勢の充実)
    2. 軽症の内にアビガン投与
      • 初期段階者専用アビガン治療センター構築
        • 5178人/日×平均14日=7万2500人収容(余裕見て10万人)
          • ホテル借り上げ? 展示会場にベッド並べる?
      • あるいは,処方薬として出すことにして,自宅療養?
        • 高齢者同居の場合はセンター収容
        • 学生生徒同居の場合もセンター収容
      • 年間189万人分の製薬能力必要(1ヶ月あたり15万人分<現行の増産計画)
    3. 次の段階に進んでしまった場合は専門医療機関へ
      • これまでどおりのシステム

こういう体制を整えた上で,各種「自粛」を段階的に緩和して,新規感染者が毎日5000人程度にコントロールできると,うまくやると医療システムのキャパ内に納めながら1年〜1年半ほどで集団免疫獲得.免疫獲得する年齢層は50代以下主体になるような配慮を実施.というあたりが実行可能解?

どうやろ? …とは書いてみたが,死者総数がどうなるのか見当付かない.

#病気そのものよりも,お役人様システムの方が課題の模様.「シンゴジラ」ってよくできた映画だったんだなぁ.

パンデミック出口戦略どうする?(スウェーデン型免疫獲得編)

スウェーデンが5月中には集団免疫獲得の見込み,とのこと.テレビのワイドショー等でも最近取り上げられるようになってきた.

高齢者の致死率が若年層の10倍〜数十倍あるので,高齢者をなるべく隔離して,若くて元気な人は活動を続けてもらう作戦らしい.

…ということで,この戦略が日本でも実施できるかどうか考えてみる.

まずは高齢者を積極的に隔離する方法だが,同居の場合は狭小の日本家屋では難しそう.病床が逼迫しているので,家庭内で療養という方法が日本では多くなってきているようだが,家庭内感染が問題になりつつある.

じゃぁ,老人ホームはというと,こちらも時折集団感染の話が出てくるので,過度な期待は禁物かも.

…百歩譲って(途中全部すっ飛ばして)スウェーデンと同じような高齢者隔離策が成功したとしよう.スウェーデンは日本よりも人口が少ないので,同程度の比率で感染者や死者が出たとすると,日本だとどの程度になるだろうか.

まずは,感染者数.こちらのサイトで100万人あたり感染者数を調べてみると,4/21現在,スウェーデンは1463.18人(日本は87.91人).同じくこのサイトで100万人あたり死者数を調べてみると,156.45人(日本は1.47人).増加が鈍化しつつあるものの,まだ増加途上であり,最終的には死者も感染者も現在の1.5〜2倍くらになりそうである.

日本の人口を12,601万人として,同じ割合で計算すると…

感染者数:

12601万人 ×1463.18人 /100万人 +α
≒ 18万4千人+α ≒ 30〜40万人くらい?

死者数:

12601万人 ×156.45人 /100万人+α
≒ 1万97百人+α ≒ 3〜4万人くらい?

…あああぁ

スウェーデン型の集団免疫獲得作戦を実施しようとすると,ザクッと言って約3〜4万人くらいの死者の発生を覚悟する,ということでもあるんやなぁ.

経済死んでしもたら首吊る人が増えるという話があるが,経済死なないようにすると病死数増えるちゅうことやね.死者数の観点では,ほぼ完全にトレードオフの関係か?

なお,米国は100万人あたり感染者数2379.90人,死者数128.52人で,先ほどのサイトでグラフを表示させるとスウェーデンと米国の感染者数や死者数の増減の推移は割と似ている.ということは,日本でスウェーデン作戦を採用すると,米国のような様相になるということでもある.

高齢者保護の思想は参考になるが,安易なスウェーデン賛美は要注意かも.

※スウェーデンでの国民への要請事項は,(1)体調悪ければ休んで回復しても2日様子を見ろ,(2)手を洗え顔を触るなくしゃみは肘の内で受けろ,(3)老人や基礎疾患のある人を訪問するな,(4)老人や基礎疾患のある人は外出するな,(5)在宅勤務通信教育,(6)旅行止めろ,(6)運動しましょう,(7)距離を確保,(8)祭礼等々止めろ,(9)ラッシュ避けろ,らしい.ん〜普通やな.ということは,スウェーデンを見倣わなくても,いずれ日本もそうなるのか?

 

パンデミック出口戦略どうする?(集団免疫獲得編)

学校が事実上の休校に突入してもうすぐ2ヶ月.本学の授業再開は5月中旬から6月頭へと延びてしまい,目下不足する授業回数分のオンライン授業教材の作成中である.

ある程度の割合の人が免疫を全員が持っていない限り,封鎖作戦を解除すれば感染拡大が再燃することは明らかである.かといってずっと穴の中に巣ごもりし続けるわけにもいかない.

日本の緊急事態宣言の解説の際に出てきたグラフによると,接触数が60%減だと感染者数横ばい,70%減だと収束に2ヶ月,80%だと1ヶ月ほどで収束らしい.ということは,免疫を持っている人が全体の60%くらいに達すれば感染が拡大し続けるような「疫病」ではなく,感染すると要注意ではあるが「単なる風邪」になる.

ということで,「集団免疫獲得作戦」を採用しようとした国があった.英国である.「集団免疫獲得作戦」と言うとすごそうだが,要するに「ほぼノーガード戦法」である.ところが専門家から「何百万人も重体になり,数十万人死にますよ…」 と言われて方針転換.皇室も首相も感染してしまった.

 

ところで,こんな話がある.感染者と確認されているのは,実際には市中感染者の数十分の一では無いかという話だ.もし本当だとすると,こういう計算になる.

免疫を獲得した実数が人口の60%,検査等で確認される数については,リンク先の「感染者の28倍から最大で55倍の人がすでに感染」という情報を元に中間をとって40倍ということにして,60%÷40=1.5%,つまり表面的な感染率が1.5%で集団免疫獲得ということにしてみよう.

感染率が世代に依らないとして,世代別の致死率をかけて,全体の死者数を再計算してみる.

人口(万人) 実際の
感染率(%)
見かけの
感染率(%)
見かけの感染者に対する致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 60 1.5 0.2 455
生産年齢 7,488 60 1.5 0.4 4,493
高齢者 3,598 60 1.5 8.0 43,176
合計 12,601 48,124

ということで,5万人ほどがお亡くなりになる模様.欧米でもまだこの域には達していないので,ワクチンも特効薬も無い状況下で,単なる「集団免疫獲得作戦」を目指すのは,けっこう無謀そう.

パンデミック長期戦への準備^2(不特定多数って何?)

年度末なので,行政の会議が多い.打ち合わせなどしていると,世間話として出てくるのが新型コロナへの対応である.

そこで表面化したのだが,「不特定多数」の解釈が行政担当者と私とで違っていたことだ.

私の解釈では,家族や職場などの日常的な集団があり,ウイルスを広めないために各人が属する日常集団間に感染の新たなリンクを作らないことが重要なので,日常的な集団ではないことが不特定多数の条件だと思っていた.

ところが,世間話をしていると彼らは「不特定多数」とは住所や名前を知らなくて,感染が発覚した場合に感染経路を追跡できない場合を不特定多数と認識しているようであった.

行政の会議では,出席者がどこの誰か全てわかっているので,不特定多数ではない,との認識の模様.何かあったら,追跡可能.なので,行政の会議は不特定多数の集会ではない,と.

うーん,どうなんだろ.

不特定多数って何?

パンデミック長期戦への準備

一応,新型肺炎の蔓延については「世界各国に比べて」ではあるが国内の拡大がマイルドで,”一応” under controlのようである.もっとも,気がついていないだけで,感染している人もいるかも.

under contorolということは…免疫を持っていない人が大半であるという状況でもあり,パンデミック以前と変わらないわけで,この流行病を克服できたわけではない.毎日学校を休んで…ということを続けるわけにもいかないので,この先何年も何十年もちびちび誰かが感染しているという状態を想定した体制に移行する必要があるのは確かだ.

祝日で家にいるのでテレビを見ていたら,藤井先生が「病死者と(経済が苦しいことによる)自殺者の合計が最小となるように…」と言ってたので,どの程度にコントロールするのがいいのか,(哲学者に怒られそうだが)「超」概算してみた.

我が国の年間自殺者数は,2003年の3万4千人台がピークで,過去を明治まで遡ってもこれが最大のようである.2019年は2万人を割り込んだようである.ということで,自殺者数は2-3万人台という数字の大きさのレベルを頭に入れておく.

新型コロナの致死率については諸説あるが,50代までは1%程度まで,高齢者ほど致死率が上がり,80歳以上では15%ほどにもなる.ということで,リンク先を参考に,若年層は0.2%,生産年齢人口は50代60代も含むので0.4%,65歳以上の高齢者は8%と設定してみる.

2020年時点の推計人口は,15歳未満の若年層は1515万人,生産年齢人口は7488万人,高齢者は3598万人である.

ということで,年齢によらず,感染率0.1%にコントロールすると死者数は3000人ほど.中国イタリア並み.このレベルで経済苦の自殺が数千名程度防げるのなら,コントロールする目安としてはアリなのか?

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 0.1 0.2 30
生産年齢 7,488 0.1 0.4 200
高齢者 3,598 0.1 8.0 2,878
合計 12,601 3,208

 

感染率1%にコントロールすると…年間自殺者と同程度の死者数.このレベルで経済苦の自殺が(これまでの年間自殺者と同程度として)なくなるのなら(?),感染率1%以下が上限ラインか?

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 1.0 0.2 303
生産年齢 7,488 1.0 0.4 2,995
高齢者 3,598 1.0 8.0 28,784
合計 12,601 32,082

 

感染率を5%にコントロールすると死者数は16万人になり,年間自殺者の5倍ほどになってしまった.過去の自殺者数の推移から考えても,経済苦だからといって5倍になるとは考えにくいので,感染率5%目標とすると総死者数は増えてしまいそう.

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 5.0 0.2 1,515
生産年齢 7,488 5.0 0.4 14,976
高齢者 3,598 5.0 8.0 143,920
合計 12,601 160,411

 

さらに感染率を10%にコントロールすると死者数は32万人になり,年間自殺者の10倍ほどになった.

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 10 0.2 3,030
生産年齢 7,488 10 0.4 29.952
高齢者 3,598 10 8.0 287,840
合計 12,601 320,822

 

感染率をスペイン風邪と同程度の30%にコントロールすると死者数は96万人になり,年間自殺者の30倍ほどになった.

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 30 0.2 9.090
生産年齢 7,488 30 0.4 89,856
高齢者 3,598 30 8.0 863,520
合計 12,601 962,466

 

ドイツでは放っておくと感染率が70-80%になるのではないかと危惧しているらしいが,感染率が70%なら死者数は225万人になり,年間自殺者どころか本格的な戦争並みになった.

人口(万人) 感染率(%) 致死率(%) 死者(人)
若年層 1,515 70 0.2 21,210
生産年齢 7,488 70 0.4 209,664
高齢者 3,598 70 8.0 2,014,880
合計 12,601 2,245,754

 

ということで,年間自殺者数のオーダーや過去の推移から考えて感染率1%あたりが許容範囲上限? 感染率5%だと死者総数が大幅に増える可能性があり,感染率10%だと結構厳しい状況になり,何もせず放置だとやはり戦争級の人的被害が出そう.

感染率1%というのは,全国12600万人に対して126万人,大阪府883万人に対して9万人である.

ただ,9万人の感染者が大阪府下で発生したとして,感染者の6.7%が重症者だったとすると,6000床必要になり,病院のキャパを上回りそう(2月末段階では全国で数千床レベル,大阪府下では指定医療機関の病床は約80床という話もある模様).上回ると放置になるので,死者数等激増しそう.

軽症者は自宅療養か一般病院に入院し,指定機関は重症者だけとする条件でキャパから逆算すると,大阪府下では軽症者を含めた感染者数は1170人まで,感染率は0.013%までが対応可能範囲で,1%どころか感染率0.1%でも対応が厳しそう.

キャパを上回れば致死率がイタリアのように急上昇する可能性があるので,結局のところ重症者数が準備できる病床数以下になるようにコントロールするという現行の方針に落ち着きそう.

何言ってんだコイツ,と思った人が多そうな本日の府知事の発言であるが,その発言内容が実現できるかどうかはともかく,再来週には感染者数3000人余り,重篤者200人以上でキャパオーバーするかもと言われると,何も行動しないわけにはいかなかったということだろう.

移動の制限以外に感染拡大を効果的に防止する方法があるかどうか,ちゅうことやな.

(…今回鉄分無し)

※潜伏期間が1週間とか2週間のようなので,今から呼びかけても間に合わないかも.