パンデミック出口戦略どうする?(スウェーデン型免疫獲得編)

スウェーデンが5月中には集団免疫獲得の見込み,とのこと.テレビのワイドショー等でも最近取り上げられるようになってきた.

高齢者の致死率が若年層の10倍〜数十倍あるので,高齢者をなるべく隔離して,若くて元気な人は活動を続けてもらう作戦らしい.

…ということで,この戦略が日本でも実施できるかどうか考えてみる.

まずは高齢者を積極的に隔離する方法だが,同居の場合は狭小の日本家屋では難しそう.病床が逼迫しているので,家庭内で療養という方法が日本では多くなってきているようだが,家庭内感染が問題になりつつある.

じゃぁ,老人ホームはというと,こちらも時折集団感染の話が出てくるので,過度な期待は禁物かも.

…百歩譲って(途中全部すっ飛ばして)スウェーデンと同じような高齢者隔離策が成功したとしよう.スウェーデンは日本よりも人口が少ないので,同程度の比率で感染者や死者が出たとすると,日本だとどの程度になるだろうか.

まずは,感染者数.こちらのサイトで100万人あたり感染者数を調べてみると,4/21現在,スウェーデンは1463.18人(日本は87.91人).同じくこのサイトで100万人あたり死者数を調べてみると,156.45人(日本は1.47人).増加が鈍化しつつあるものの,まだ増加途上であり,最終的には死者も感染者も現在の1.5〜2倍くらになりそうである.

日本の人口を12,601万人として,同じ割合で計算すると…

感染者数:

12601万人 ×1463.18人 /100万人 +α
≒ 18万4千人+α ≒ 30〜40万人くらい?

死者数:

12601万人 ×156.45人 /100万人+α
≒ 1万97百人+α ≒ 3〜4万人くらい?

…あああぁ

スウェーデン型の集団免疫獲得作戦を実施しようとすると,ザクッと言って約3〜4万人くらいの死者の発生を覚悟する,ということでもあるんやなぁ.

経済死んでしもたら首吊る人が増えるという話があるが,経済死なないようにすると病死数増えるちゅうことやね.死者数の観点では,ほぼ完全にトレードオフの関係か?

なお,米国は100万人あたり感染者数2379.90人,死者数128.52人で,先ほどのサイトでグラフを表示させるとスウェーデンと米国の感染者数や死者数の増減の推移は割と似ている.ということは,日本でスウェーデン作戦を採用すると,米国のような様相になるということでもある.

高齢者保護の思想は参考になるが,安易なスウェーデン賛美は要注意かも.

※スウェーデンでの国民への要請事項は,(1)体調悪ければ休んで回復しても2日様子を見ろ,(2)手を洗え顔を触るなくしゃみは肘の内で受けろ,(3)老人や基礎疾患のある人を訪問するな,(4)老人や基礎疾患のある人は外出するな,(5)在宅勤務通信教育,(6)旅行止めろ,(6)運動しましょう,(7)距離を確保,(8)祭礼等々止めろ,(9)ラッシュ避けろ,らしい.ん〜普通やな.ということは,スウェーデンを見倣わなくても,いずれ日本もそうなるのか?