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バリアフリーに踏切追加

毎年春先,新入生を連れ,国土交通省の近畿技術事務所というところに見学させてもらっている.学生は毎年新規なので,初めての体験をできるわけだが,引率は毎年同じなので,もう何度も同じ施設を見ている.

さて,そんな中,新たな発見があった.バリアフリー関係の体験(実験)施設がリニューアルされ,こういう設備が導入されていたのである.

そう,踏切である.

交通バリアフリーでは駅構内及び周辺の段差解消を目指して各種整備が進められてきたが,2つの課題を残してきている.

一つは,ホームと車両との間の段差と隙間.これについては櫛歯のゴムを設置したり,高さを揃えたりと言った試みが続けられている.

もう一つは駅周辺の移動円滑化経路(特定経路)に踏切が含まれている場合があること.残念ながらこちらの方は抜本的な対策は無く,理想的には高架化事業で解消であるが,事業費が事業費なため,バリアフリーのためだけに高架事業を立ち上げるという例はあまりないようである.

とはいえ,国の施設に踏切が登場したことは,とにかく公式に認識されたということでもあり,一歩前進ではある.

北陸新幹線(敦賀乗り換え)

さて,京都から福井まで往復した際の話(3/18)である.御存知の通り,北陸新幹線は敦賀駅で乗り換えである.

往路はあいにく,春の嵐でサンダーバード号が湖西線の途上で足止めになった.高島のあたりだろうか.30分ほど動かない.どうやら後続のサンダバは米原まわりに変更になったようである.

敦賀駅には定時よりも1時間は遅れてはいないが40分程度は遅れて到着.到着前には「予定の新幹線は接続しません」「特急券は払い戻しになります」とのこと.

敦賀着.

北陸新幹線のホームに急がされるが,案の定,中間改札で詰まる.外国人観光客がどうしていいのか戸惑っている模様.

本来の接続相手ではない新幹線がホームで待っている.案内放送では「空いている席か自由席に座れ」とのこと.

とりあえず席について,出発.車内放送でも「特急券は払い戻しになります」「詳しくは駅の出口改札で」とのこと.はて? 特急券の払い戻しって2時間以上遅れないとならないんだったと思うけど,1時間未満でも払い戻しなの??

10分ちょいで福井駅に到着.出口の改札で駅員に特急券を見せて,これは払い戻し対象になるのか聞いたら,特急券に「急?乗承(福井)」なる判子を押されて,みどりの窓口に並べとのこと.

うーん.

退散.
確か降りた駅でなくても払い戻しはできるはず…

聞いた話では,この件とは別に事故でサンダーバードの特急券払い戻しになった際には,1列車分で200万円ほどの払い戻しになったとのこと.うーん,儲からないねぇ.

帰路もなんだか遅れている.10分ほどの遅れだったので,接続先のサンダーバードを待たせておいてから出発.

まぁ,遅れても着けたから良かったんだけどね.十数年前には風雨で福井で足止めされて帰りが翌日になったこともある.


さて,後日談である.

特急券払い戻しを通勤途上の四条畷駅で試みた.そもそも特急の走っていない学研都市線なので,特急券の払い戻し経験が少なかった模様.窓口駅員がどうしていいのか右往左往.奥に行ってしまって誰かと相談.戻ってきて「半額払い戻しになります」と言って電卓叩いて半額現金でくれた.

さらに半月後,JR提携のカード会社から要領を得ないお手紙.四条畷駅より京都‐福井の乗車券の精算方法について相談したいとのこと,らしい.

とにかく駅の窓口に行くと,「半額払い戻しじゃなくて全額払い戻しでした」とのことで,残額さらに返金.(なぜ全額返金なのか聞かなかったので,1時間未満でも払い戻しの理由は未だ不明.)

乗り継ぎ,面倒だね.

 

みどりの窓口の閉鎖

みどりの窓口の閉鎖がどんどん進んでいる.

「業務の効率化で人件費削減&儲けup」狙いかと思いきや…そうでもないらしい.

窓口要員の人が集まらないので,窓口を閉めざるを得ないらしい.

…が,サービスダウンは明らかなので,客に操作をさせる「みどりの券売機」(※1)じゃなくて,券売機の前で”普通に”しゃべるだけで発券してくれる「AI みどりの券売機」にしてくれんかのう(※2).

※1 みどりの券売機の「完全取り扱いマニュアル」をちゃんと公開すべき.こんな中途半端な使い方説明じゃぁ,わかんねえよ.「その後は画面の案内に沿ってお進みください」の中身が「ボクの考えた便利なシステム」状態の中途半端なシステムなので問題なんだよぉ.web上でいいので「みどりの券売機”完全”シミュレータ」を公開してくんないかな.

https://www.jr-odekake.net/railroad/midori/ticket/

※2 「みどりの券売機プラス+AI」というのがあるらしい.かつてのMS-Officeのイルカ君を思い出してしまった.

新幹線「肥前”岐阜羽島”駅」爆誕か?!

西九州新幹線、佐賀空港北ルート案が浮上 未着工区間を巡り与党内で

ルート図はこちら(↓)

情報源: 西九州新幹線、未着工区間 佐賀空港北側、新ルート案 政府・与党 | 毎日新聞

岐阜市に対する岐阜羽島駅と同じポジションになりそう.リニア山梨県駅にも似たロケーション.ええのか? これで? これでええのなら,長崎の人は喜ぶと思うけど.

駅はこの辺?

佐賀市街からは新幹線駅にゆくのが面倒で,広域利便性はあまり上がらない.佐賀空港駅としても中途半端.

建設費は正札で全額払ってね.

ここにつながる山形新幹線(上り列車用)

すでに「山形新幹線」は開業しているのだが,福島駅での東北新幹線列車との連結・解結を西端のホームだけでやっているので,この作業を分離すべく,山形新幹線からのアプローチ線の増設工事進行中である.

すでに完成した高架橋部分にはコンクリートまくらぎが敷設準備中であり,(公式には2026年のようだが)完成はそれほど先ではなさそう.

関空もヤバい

関空の様子を見に行ってみた.関空を訪れるのは,2年前の台風後の欧州からの帰り以来である.

リムジンバスの姿も無く…

 

飛び立つ国際便もほとんど無く…

 

当然人影もほとんど無く…照明切っちゃってるよ.

 

オリンピックに合わせて増設した保安検査場も閉鎖されてるし…

 

国内線もこんなだし…

 

関空もヤバいだなも.

日本政府さん公共交通支援額をうっかり2桁間違えてしまう

第二次補正予算の公共交通支援の内訳の情報によると,先日の分析通り,メインの支援は政策金融公庫や持続化給付金,雇用調整助成金他で借りるなりしてくれということのようで,やはり例のクーポン券の束のようなのが支援メニューのようである.

それよりも驚いたのが,3枚目の右上の金額である.

「140億円程度」

えっ?! 2桁金額間違えてませんか?

クーポン券の項目だとそんなもんになるのかもしれないが,通勤通学需要の減退,出張需要の消滅,インバウンドの消滅,書き入れ時期の観光需要の消滅で,公共交通事業はかなり痛手を受けてるはず.(そして,当面それは続く.)

140億円? ご冗談でしょう.自動車社会の米国ですら2.7兆円ですよ.

1枚目の「基本的な考え方」のところにちゃんと書いてるじゃぁないですか.

    1. 緊急事態宣言下も含め,感染拡大防止策を講じながらサービス提供が継続されることが必要.
    2. 需要減に伴う減収から財務面での事業存立基盤が揺らいでいる事業者について,事態収束後にサービスの提供が困難となる事態を回避することが必要.
    3. 事態収束後は,十分な感染拡大防止策を講じつつ,ビジネスモデル面も含めた円滑な移行に向け準備することが必要.

140億円でこれが実現できる? ご冗談でしょう.

一般的な商売なら,借金してでも良好な事業をすれば事業の成長があって,借りた金以上のもうけが出るかもしれないが,日常生活を支える交通事業の場合は,事業が軌道に乗ってもせいぜいトントンレベルで,借金返せるほど儲かるわけじゃないんですよ.

世の中の交通事業者が巨大鉄道事業者ばかりじゃないですからねぇ.日本政府さん.

#なお,物販や不動産業で企業グループ全体を支えている交通事業者も多いと思うが,物販→Eコマース,オフィス需要→テレワーク…により,今後もじりじりと収益源を失い続ける可能性アリ.

 

日本政府さん未必の故意でバス会社を破綻させてしまう

何もしないよね.タクシー会社に続いて,バス会社が破綻しはじめてるというのに.

いや,もちろん「何かやってます」アピールしてるのは知ってるけど.

こういうサイトがあるけれど,「事業者の取り組み」「自治体の取り組み」はあっても,”政府の取り組み” は無い模様.

政府の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事例集」なるものを見ると,いろいろやってますアピールはあるものの…

No.12 公共的空間安全・安心確保事業
 検温設備導入しても客増えない.その検温誰がするの?

No.23 密集軽減のための輸送力増強事業
→ スクールバスにしか使えない.そもそも休校が多くてスクールバス動いてない.

No.24 公共交通応援事業
→ 三密を避けるためにしか使えない.そもそも利用が減っていて客が少ない.
→ 収束後のサポートにしか使えない.そもそも利用が減っていて客が少ない.

No.25 地域公共交通機関の高度化支援事業
→ 収束後の設備投資にしか使えない.そもそも設備投資どころの状況では無い.
しかも,経費の一部だけしか支援せず,設備投資の中核資金にはならない.

No.29 駅乗客数などの解析、可視化事業
→ 人の行動を可視化して外出行動の変容をしてほしいのは行政側であって,公共交通の支援策のふりをしているが支援策では無い.

No.38 必需物品供給事業
→ 公共交通の支援メニューとしてあげられているが,中身は自治体の支援メニュー.

No.47 学校給食関連事業者等への応援事業
→ 「スクールバス」の文字が登場するが,なぜスクールバスが食育なのかがわからない.

No.48 金利、保証料などの金融面での支援事業
→ 「
日本政策金融公庫等の他の支援施策の対象とならない又は超える部分について、利子補給や保証料の助成など金融面での支援」なので,この制度で主体的に公共交通を救う気は無い模様.

No.68 寄付等の応援に応える地域づくり促進事業
→ 要するに「ふるさと納税」だろ.

No.69 地域の魅力磨き上げ事業
No.71 観光/シティプロモーション活動事業

→ 観光PRの支援メニューのようだが,日常の公共交通を支えるものではない.

ちゅうことで,「公共交通ではない一般の営利会社と同じ支援策を使ってね.もちろん,まずは銀行から金借りるなりのことはしてね.」ということを間接的に表現したアピールでしかない.

この政府の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事例集」なるもの,よく観光地などで配られている(ほとんど使い道がない)割引クーポンの束に見えてしょうがないんだが.この交付金は総額1兆円規模らしいが,全部公共交通に突っ込んでも自動車社会の米国の半分にもならない(全部突っ込めないけど).

このままだと,まだまだバス会社や鉄道会社が破綻してゆくぞ.

 

#未必の故意などではない,と言う反論があるかもしれないが,もしそうなら,現況把握すらできていないということかも.「~地域公共交通の確保維持への積極的な活用に向け、情報交換を始めます~」などと今頃いっている時点でToooooooooooooo Late

#やっとマスクきた.でも,もう間に合ってます.

さき細りのうた

おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての会計に限りがあるのならば
海は死にますか 西は死にますか
北はどうですか 東もそうですか
おしえてください

私は此の頃 破綻について考えます
誰もが等しく 客を失う悲しみについて
走る苦しみと 終わり無い悲しみと
払いの苦しみと 間引く悲しみと
現在の運営と

答えてください
この世のありとあらゆるものの
すべての事業に 約束があるのなら
バスは死にますか 汽車は死にますか
客が去る様に 錆が来る様に
みんな逝くのですか

わずかな生命の
きらめきを信じていいですか
250億ドルのような 望みといったものを
去る人があっても 来る人はなくて
欠けてゆく月は いつか満ちるのか
なりわいの中で

おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての会計に限りがあるのならば

空は死にますか タクは死にますか
船は死にますか 鉄は死にますか
港は死にますか 駅は死にますか
私の大切な 故郷もみんな
逝ってしまいますか