鉄道で国づくり」カテゴリーアーカイブ

都構想「再挑戦」らしいが…

都構想「再挑戦」らしいが,以前の構想と何が変わったんだろうか.

住民投票で大騒ぎした際の都構想の最大の問題点は,「都」の話なのに,大阪を振興したいという視点ばかり出てきて,日本にとって大阪はどういった役割を果たせるかという視点が軽薄だったことだと思っている.

大阪を振興するという点だけでは,地方がインフラを整備してくれ,企業を誘致したいというのと何ら変わらず,「都」という国政を担う意味を持たせる意味はあまりない.「大阪振興構想」で十分だ.

一歩先ずることを良しとする姿勢は大阪人の特徴だが,「都」を名乗るには先じた後にどういうリーダーシップを日本全体に対して及ぼせるかが必須の視点だ.自己のことばかり気になって,周囲が気にならないのもまた大阪人の特徴,なのだろうか?

デジタルATCの流儀の違い

JR東系のデジタルATCは,「ボクにぶつからないように,●●●までに止まってね」と後ろの電車にメッセージを送る.

JR海系のデジタルATCは,「ボクは×××あたりを走ってるので,ぶつからないようにしてね.どこで止まるかは自分で考えてね.」と後ろの電車にメッセージを送る.

通常の使い方だと優劣はさほど無いように見えるが,将来的な高密度運転には後者の方が優位かな.

この流儀の差は微妙なものだが,少なくとも一旦立ち止まって頭を切り換えれば混乱は無い.走りながら,しかも安全側で判断しながら,両方の流儀に対応するのは少々面倒そう.車両側についてはある地点を境に判断基準を切り替えればいい.

だが,後ろの電車に送るメッセージは変換しないといけない場合がある.「ボクにぶつからないように,●●●までに止まってね」は,「●●● = ×××」と単純変換すれば「ボクは×××あたりを走ってるので,ぶつからないようにしてね.どこで止まるかは自分で考えてね.」とは(効率はともかく安全側の判断で)簡単に整合がとれる.

ところが,「ボクは×××あたりを走ってるので,ぶつからないようにしてね.どこで止まるかは自分で考えてね.」というメッセージについては,「××× = ●●●」と単純変換するだけだと「ボクにぶつからないように,●●●までに止まってね」と解釈すると前の新幹線に追い付いてぶつかってしまうかもしれない.なので,後続電車の性能を地上に教えた上で適切な停止位置を地上で計算した上で新たに「●●●」の位置を後続電車に教える必要がありそう.

…というふうに,異なる2つのデジタルATCを走りながら切り替える際の課題の対象法を考えてみたりして.

夜行列車は欧州でも風前の灯火

この列車はまだ走っているのだろうか.5年半前のパリ行き.

車内(個室)はこんな感じ.

街に街に挨拶を…

ゴトゴトと一晩中走り続けて,到着.

夜間移動サービスは,この先,高速バスでしか提供されないんだろうか.学生の頃のスキーバスで懲りているので,勘弁願いたいところだが,かといって「新幹線+ホテル」とか「航空+ホテル」では値段も高いし,存外時間制約多いし.2-3度乗ったことのあるシュプール号(*)は,からだが格段に楽だったなぁ

(*)夜行スキー列車.20系寝台車に乗ったのは,後にも先にも1度だけ.

“雑魚な客数のために面倒なことできるかよ!” と返答してJR東海が失ったかもしれないこと(その4)

やっちまったかもしれないお話の(その4)である.

今回は,輸出への影響についてである.日本の新幹線については,海外から見れば「新幹線」のワンブランドのはずだが,その実,細かなシステムがJR東系とJR海系とで異なっており,そのまま両方を直通で走れる列車は現存しない.

かつて国鉄末期には(アナログATC時代だが)両方走れる車両も試験車として開発され,試験走行もされていたかと思うが,今や昔の話.

さて,米原で北陸新幹線と東海道新幹線が直通運転を行っていたとすると,その車両はJR東系とJR海系とのシステムの差異を克服できる車両ということになったはずだった.

ところが,それを実現させる機会が失われてしまったがために,新幹線を海外販売する際に「オタクの国のシンカンセン,保安装置が統一されなくて面倒なんだってナア」と突っ込まれた際に「いえいえ,両方ちゃんと走れる方法も準備してあります」と返答する術を失ってしまった.

欧州系の高速鉄道が各種のシステムを規格化し,統一して,いわゆるインターオペラビリティを向上させてきているのに対し,日本のシンカンセンはガラパゴス化が進み,日本国内ですら自由に走れないほどタコツボ化が進行していることを証明してしまったとさ.

#システムの多様性という点では,青函トンネルにおける在来線との供用区間(三線軌)の存在や,ミニ新幹線システム(=低速在来線との乗入れ),在来線の保安システムへの対応,異なる電源周波数の切替,雪への対応,総二階建て,320km/h運転,2編成併結運転,地下駅の存在,長大山岳トンネル,etc…JR東日本系の新幹線システムの方が,海外から見ればメニューが豊富で魅力的に見えるかもね.

東海道新幹線の雪落とし作業

#例のごとく与太話なので,あんまり真剣に読まないようにしましょう.

毎冬,雪が降ると東海道新幹線の関ヶ原前後の区間で速度を落として走行し,名古屋駅などで車体に付着した雪を落とす作業をしている.

恒例作業だが,恒例ならいっそ車庫にある洗車機みたいなので,床下を重点的にするような雪落とし機を設置しとけばいいんじゃないかと思うんだが.いかんのか?

#そこまでするほどの稼働率にはならないかも.

新幹線の速さのイメージ

皆さんの新幹線の速さのイメージというと,こういう感じだろうか?
(音量注意)

 

たぶん,あまり違和感が無かったかと思うが,でも,実はこれ2倍速に編集してあり,x1倍再生だとこうなる.(こっちも音量注意)

 

 

皆さん,かなり高速交通に神経が慣らされてますね.(最初のビデオは先日の講演会の終わりでプレゼン画面に挿入したものだが,倍速編集だということにはあまり気付かれていない模様.)

リニアと新幹線(*)の速度の比はだいたい倍なので,最初のビデオがリニア新幹線実現時の列車通過イメージという感じだろうかねぇ.

(*)GPSで測ってみると,新幹線が本当に最高速度で走っていることは少ない.

 

初夢鉄道2017(物流事情編)

休みボケの平日,午睡の間にこんな夢を見た.

高速道路経由の自動運転トラックが運行されており,自動運転トラックが隊列を組んで走行しているが,荷台に勝手に侵入して窃盗を働くものが多くなり,荷室の密閉性についての議論が行われている.人通りの少ないルートでは,わざとトラックの進路妨害をすることで自動停止させ,荷物を強奪する事件が増えている.

トラックの運転手不足に加えてこんな事情もあり,鉄道貨物の地位がさらに向上している.

在来幹線の輸送能力が問題になってきており,株式上場を果たしたJR貨物が自社線路を持ちたいと考え始めている.特に東京-大阪間は全国的なネットワークの要になっているので,ここをなんとかしたい.かつて物流新幹線構想というのがあったが,仕様がやや突飛で実現しなかった.今度は曲線半径は130キロ運転対応程度で設計され,勾配は妙な補機を付けなくても良いように最初からゆるい勾配にするようである.

東海道新幹線では実現しなかったが,山陽新幹線と北陸新幹線が直通運転されるようになったこと,両新幹線の線路容量に余裕があることから,ボディに黒い猫がペイントされた薄緑色&クリーム色のツートンカラーの荷物専用新幹線が運転されるようになった.荷下ろしと積み込みの時間を短縮できるように,最初から荷物の自動積み込み装置が標準装備である.

専用列車の他にも,北陸山陽新幹線(かつては東海道山陽新幹線と呼ばれることがあったが,今や北陸山陽新幹線と呼ばれることが多い)の各列車の車端1両は荷物車になっている.自動積み込み装置のおかげで必ずしも荷物列車は直通運転する必要が無くなり,中継駅での自動積み替えを介して関西-北海道間や関東-九州間などでよく利用されているようだ.

平成時代末期には各家庭への末端の配達が問題になっていたが,集合住宅では宅配ボックスの設置が義務づけられ,幾分状況は改善しているようである.

IoTと称して各種機器のネット接続が試みられたが,意味の無いネット接続も多く,街中を歩くとwebブラウザのポップアップ広告のように各種の広告が半強制的に視界に入るようになり,景観汚染が問題になっている.同時に進行した無線に反応するチップの導入が物流面で進み,使い捨てチップが段ボール箱に貼り付けられることが標準になった.だが,使われているチップの絶対数が多すぎて無線チップ汚染が進んでいる.

…というところで目が覚めた.